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No.21737の一覧
[0] 【ネタ】マテリアル似の娘(リリカルなのは)[rattu](2010/09/06 16:05)
[1] 星光似の娘[rattu](2010/09/06 16:07)
[2] 雷刃似の娘[rattu](2010/09/06 16:09)
[3] 統べる王似の娘[rattu](2010/09/06 16:10)
[4] 中書き[rattu](2010/09/07 16:37)
[5] マテ似三人娘と父親の苦労[rattu](2010/09/07 16:39)
[6] マテ似三人娘の無限書庫見学[rattu](2010/09/07 16:41)
[7] マテ似三人娘の弟予報[rattu](2010/09/08 15:57)
[8] マテ似外伝 彼女達の幸せの形[rattu](2010/09/08 15:58)
[9] マテ似外伝2 弟が可愛すぎてお姉ちゃんどうにかなっちゃうの[rattu](2010/09/08 16:00)
[10] マテ似三人娘の劇練習[rattu](2010/09/10 17:34)
[11] マテ似三人娘の夏の一時 前編[rattu](2010/09/10 17:35)
[12] マテ似三人娘の夏の一時 後編[rattu](2010/09/10 17:36)
[13] マテ似三人娘の拾い物[rattu](2010/09/12 17:12)
[14] マテ似三人娘の暴走[rattu](2010/10/01 16:48)
[15] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編[rattu](2010/11/02 19:10)
[16] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編[rattu](2010/11/03 16:18)
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[21737] 雷刃似の娘
Name: rattu◆50c335cc ID:c73723c0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/06 16:09

ある午後の昼下がり、フェイト・T・ハラオウンは悩んでいた。それは自分の娘に対してである。
娘自体は問題ないのだ。ユーノと言う、自分の旦那との間に生まれた、愛しい我が子である。
ただ、すくすくと育つ我が子を見ていると、どうしても気になる事がある。

「大きくなっていくうちに、どんどんあの子に似ていっているような…」

そう、娘が『あの子』という子にどんどん似てきているのだ。
最初はそうではなかった、だが時が経ち、娘が大きくなって行く度に、娘の行動と姿が『あの子』に近づいて行くのが解ってくる。
その事を悩んでいると、ふと玄関が開く音が聞こえ、誰か来たのかと思い玄関の方に歩いて行くフェイト。

「ただいま、フェイト」
「ユーノ!?今日はずいぶん早いね」
「うん。今日はそんなにやる事は多くなかったし、昨日まで少し忙しかったから、
司書達が『今日はもうゆっくりしててください』って言ってくれて、お言葉に甘えちゃった」
「そうなんだ、ご飯はどうする?」
「軽く食べてきたから、晩御飯まで良いよ」

意外な夫の早い帰宅に驚くフェイトだが、一人で悩んでいた所に舞い降りた、嬉しいハプニングに頬も緩む。
お茶の用意だけし、それを飲み終えると、ユーノが少し真剣な顔でフェイトに話しかける。

「所で、フェイト?」
「何?ユーノ?」
「何か悩んでる事ある?少し暗い顔してたから…」

どうやらフェイトの不安は、ユーノに気づかれる位に顔に出ていたらしい。
一瞬どうしようか迷ったが、お互いの娘の事なので、ユーノに相談してみる事にした。

「あの子の事なんだけど、少し心配な事があって…」
「あの子の事?友達もいるし、兄弟はエリオとキャロがいるし、大きな病気もないし…これと言って心配な事は思いつかないけど?」
「うん、それらに関しては別に良いんだ、あの子も楽しそうにしてるから、でもその事じゃないんだ」

フェイトの言葉を聞き、少し疑問に思うユーノ。
少なくとも、自分が知る限りは、娘に何か問題があるとは思えない。

「ねえユーノ、闇の書事件の直後に起こった、事件覚えてる?」
「うん。僕はその時、直接かかわってなかったから、詳しい事は後からなのは達に聞いた。昔の皆や、フェイト達を元にした子達も居たんだっけ?」
「それだよ」
「え?」

いきなりそれと言われても、何がそれなのか解らず困惑するユーノ。
フェイトもそれを解っているのか、もう少し解りやすく説明する。

「ユーノは私達の偽物…マテリアルがどんな子だったか、知ってる?」
「ある程度なら、なのはやはやて、クロノとヴォルケンの皆に、聞いた位だけど」
「そっか…じゃあ、どんな姿をしていたかまでは、知らないんだね」

ぶつぶつと小声でつぶやくフェイトに、ユーノにしてみれば一体何なのかよく分からない。
娘の心配事の話をしていたと思えば、いきなり昔の事件の話を出してくる。
フェイトは何が言いたいんだ? と思ってる内に、フェイトは話を続ける。

「マテリアルの子の一人に、私にそっくりの子がいたんだ」
「うん」
「それで…その子……に……てる…だ…」
「ごめんフェイト、よく聴こえないんだけど」

急に小声になるフェイト。
何か言いにくそうにしてると思えば、いきなりユーノの腰に抱きつき、大音量で声で叫ぶ。


「あの子がそのマテリアルの子にどんどん似てきてるんだよーーーーーーー!!!!」


でかい。とにかく声が滅茶苦茶でかい。おまけに何故か『ーーーー』の所でビブラードがきいてるので、余計に耳に来る。
普段は静かなフェイトが、どうやってこんなにでかい声を出せるのか、疑問である。何かガラスにヒビが入ったけど気にしない。
ふと下を見ると、泣いた状態でこちらを見上げるフェイトの顔があり、その所為か結構ひどい顔になっている。
思わず『うぇ…』と言いたくなるが、そこは自分の愛する奥さん。
懸命に堪えます。と言うか泣くほどか?と思うユーノ。

「まあ、とりあえず、泣くのはやめようね?フェイト」
「うん…」

とにかく、一旦フェイトに落ち着いてもらう。そうしないと話が進まない。
しばらく、頭を撫ぜたりして、落ち着いた所で話を再開する。

「えーと…どこまで話したっけ?…あっ、あの子がマテリアルの子に似てきてる所か。そんなに似てるの?フェイト?」
「うん。髪が青くて、少しツリ目な所とかが、マテリアルの子にそっくりなんだ」
「でも、姿が似るのはおかしくないんじゃない?その子の元はフェイトなんだし、あの子はフェイト似だし」
「見た目が似るのは別に良いんだ。ただ…」
「ただ?」
「何となくだけど…性格まで似てきてる気が…」

あー…と納得するユーノ。彼自身は、フェイトのマテリアルとは直接会ってはいないが、皆から話は聞いている為、大体どんな感じの子は知っている。
なのはやシャマル、ザフィーラやはやてと言った人達に聞いた情報を総合すると、フェイトのマテリアルは『アホな子』である。
対して自分たちの娘は…と考えると、思い出される娘との色々な思い出。
魔法学院の入学式の帰りに、はしゃぎすぎて溝にはまって、怪我をして泣きながら帰ってきたり。
『空を飛べるようになりたい!』と言うので、飛行の訓練して、上手く飛べるようになると調子に乗ったのか、勢い余って壁に激突したり。

「元気な事は、凄く良いんだけど…」
「ははは…」

更に思い出される昔の記憶。無限書庫に来た時に、探検していたのか、奥に行き過ぎて遭難し、司書総動員で捜索したり。
休日に、家族全員で釣りに行った時、釣れたのを喜び、はしゃぎ過ぎて川に落ちて流される。
エリオとキャロとルーテシアが、微妙な距離をキープしてる時に『三人で結婚したら良いじゃん』と言い、納得したキャロとルーテシアに、エリオが何処かに連れていかれたり。
極めつけは、学校の授業参観の時に、なりたい職業に『勇者』と大声で言った時は、少し目眩がした。ちなみに理由は『カッコいいから!』
こうして思い出してみると、我が娘ながら、中々の武勇伝の持ち主である。

「確かに、心配になるのは無理もないね。でもね、フェイト?」
「何?」
「あの子も、何時までも子供じゃない。大きくなると、必ず、しっかりした立派な女性になるよ」
「でも…」
「僕達の娘は、そのマテリアルの子じゃない。それに、僕達も居るじゃないか」
「…そうだね!私達の娘なんだし、そんな心配なんかしても、意味ないよね。 ありがとうユーノ!」

すっきりした笑顔で笑うフェイトに、一瞬心を奪われるユーノ。この笑顔に弱いのだ。
どうしたの?と聞いてくるフェイトに、なんて答えようか迷っていると、玄関が開く音が聞こえ…。

「た、だ、い、まーーーーー!!」

フェイトにも負けない位にでかい声が響き、どうやら娘が帰って来た事が解る。
ガラスが割れかけてるのはこの際無視。

「あ、帰ってきたみたいだね。お帰りな…さ…」
「どうしたの?フェ…イ……」
「あ!父さん、帰ってきてたんだ!ただいま!」

しっかりただいまが出来て、非常によろしいが…二人は娘の姿に言葉が詰まる。
とにかく凄く汚れている。手と服には土が、髪には葉っぱと木の枝が付いている。
そして、手にはビニール袋を持っているが、それがなんか動いてる!もぞもぞ動いてる!

「…ねえ?ちょっと聞きたい事が、あるんだけど?」
「何?父さん?」

静かに尋ねるユーノ。
あまり聞きたくないが、袋の中身は確認しなければならない。

「その、動いてる袋の中身は、何かな?」
「あ、これ?見て見て!沢山捕まえたんだよ!」

袋を開けるとそこには…ぎっしりと詰められた、バッタの様な虫が入っていた。
思わず固まるフェイトとユーノ、笑顔の娘。

「母さん!これで作って!」
「…え!?無理無理!出来ない出来ない! と言うか何を作るの!?」

袋を差し出されて、思わず後ずさりして、距離を置くフェイト。
まあもぞもぞ動いてる袋一杯の虫は気持ち悪すぎる。
ユーノも、出来るだけ近付きたくないし、見たくもない。
とは言え、なぜ娘がこんな大量の虫を捕ってきたのかは、聞かなければならない。

「はい、ちょっと待ってね」
「どうしたの?父さん?」
「どうしてそんなに、沢山の虫を捕ってきたか、それから、母さんに何を作ってもらおうか、それを教えてくれるかな?」

優しく言うユーノ。この子だって、何か理由があって虫を捕ってきたんだろうと思う。
厳しく言ってはダメだ!と思っているのだが、正直袋は近付けて来るのはやめてほしい。

「えっとね…、この前塵芥のや…はやてさんの家に遊びに行った時にね、シグナムさんとザフィーラが何か食べてたから、それを見せてもらったんだ
そしたら虫を食べてて、何で虫なんか食べてるの?って聞いてみたら、『これは、主はやての世界にある、イナゴの佃煮と言う食べ物だ。』
て言ってたんだ。それでちょっとだけ食べてみたら、凄く美味しかったんだ!だから、僕も食べたい!と思って、それで母さんに作って貰おうと思ったから
それでイナゴを集めようとしたんだけど、イナゴってどんなのか判らなかったから、だから似たようなのを捕ってきた!」

大変良く言えました。 それを聞いてユーノが、シグナムにザフィーラなんて言う物を食べてるんだ…と思ってしまう。異世界の食文化恐るべし。
とはいえ、ユーノもフェイトも、作り方がわからないからどうしようもない。
それ以前に、こんな大量の虫を触りたくないし、食べたくない。
食べてる人には失礼だが、普通にお肉とか野菜に慣れてる自分たちには、視覚的に食べようと思わない。

「ごめんね。僕もフェイトも、その『イナゴノツクダニ』の作り方わからないんだ。せっかく集めてきたのに、残念だけど…」
「え…、うん、わかった…」

シュン…としながらも、納得してくれた娘に、思わず頭を撫ぜるユーノ。
寂しそうな顔が一瞬で笑顔に変わっていくのを見て、現金ながら可愛い子だと思ってしまう。

「うん、良い子だ。とりあえず汚れてるから、シャワー浴びてきたらどうかな?」
「はーい!」

とてとてとお風呂に向かう娘に。苦笑して見守る

「お疲れ様ユーノ。ごめんね、何も出来なくて…」
「まあ、これ近付けられたら、逃げたくもなるよ」

もぞもぞと動いてる袋を持ち、相変わらず気持ち悪いと思ってしまう。
娘はよくこんなの持てたな、と感心してしまう。

「そ、それどうするの?ユーノ?」
「うーん…」

虫の入っている袋を見て、これの処分を考えるユーノ。

「一々捨てに行くのも面倒だし…そうだ!佃煮にして下さいって書いてはやての家に送っとこう。着払いで」

最後の一言に若干苦笑いするフェイトだが、とりあえず虫袋を処分できるので良しとする。

「それにしても、食べたいから捕ってくる。僕達には無い行動力だよね。元気だなー」

比較的おとなしい二人の子供なのに、-と-がかけられて、プラスにでもなったんだろうか? 乾いた声で笑うユーノ

「ねえユーノ…」
「何?フェイト?」
「…大丈夫だよね?あの子、大きくなったら、しっかりした子になるよね?本当になるよね!?」
「……………勿論だよ!フェイト!」
「何ですぐ答えてくれないのーーーーー!?」

本日一番の大音量で叫ぶフェイト。ガラスが割れた。
大丈夫。大きくなったら、きっとフェイトの様な、綺麗で立派な女性になれる。
多分、…きっと… なれるよね? なってください。
自分たちが、頑張ってあの子の事を育てていこうと、改めて思うユーノであった。






「あ、ユーノ君。あれありがとうな。佃煮にしたら美味しかったわ。」
「…え!?」
そんな会話が無限書庫であったそうな


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