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No.21737の一覧
[0] 【ネタ】マテリアル似の娘(リリカルなのは)[rattu](2010/09/06 16:05)
[1] 星光似の娘[rattu](2010/09/06 16:07)
[2] 雷刃似の娘[rattu](2010/09/06 16:09)
[3] 統べる王似の娘[rattu](2010/09/06 16:10)
[4] 中書き[rattu](2010/09/07 16:37)
[5] マテ似三人娘と父親の苦労[rattu](2010/09/07 16:39)
[6] マテ似三人娘の無限書庫見学[rattu](2010/09/07 16:41)
[7] マテ似三人娘の弟予報[rattu](2010/09/08 15:57)
[8] マテ似外伝 彼女達の幸せの形[rattu](2010/09/08 15:58)
[9] マテ似外伝2 弟が可愛すぎてお姉ちゃんどうにかなっちゃうの[rattu](2010/09/08 16:00)
[10] マテ似三人娘の劇練習[rattu](2010/09/10 17:34)
[11] マテ似三人娘の夏の一時 前編[rattu](2010/09/10 17:35)
[12] マテ似三人娘の夏の一時 後編[rattu](2010/09/10 17:36)
[13] マテ似三人娘の拾い物[rattu](2010/09/12 17:12)
[14] マテ似三人娘の暴走[rattu](2010/10/01 16:48)
[15] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  前編[rattu](2010/11/02 19:10)
[16] マテ似三人娘の禁断の姉妹愛  後編[rattu](2010/11/03 16:18)
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[21737] マテ似外伝 彼女達の幸せの形
Name: rattu◆50c335cc ID:c73723c0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/08 15:58
「「あっ…」」

お昼時の一番忙しい時間が過ぎ、人もまばらな管理局の食堂。今食堂にいるのは、仕事が長引き遅れた昼食を取る人と、仕事に集中し過ぎて、
気付いたら既に時間が過ぎていて、今更昼食に来た人の二通りの人間が、今この場で食事を行っている。そして丁度その二通りに属す二人の人間が
食事に来て鉢合わせになる。それだけだと、お互いに横に避けるだけなのだが、お互いを知っている間柄なので一瞬動きが止まる。その二人とは…

「久しぶりユーノ」
「うん、久しぶり。フェイト」

二人の男女。長い金髪の美しい女性の方の名はフェイト・T・ハラオウン。執務官の仕事が長引き、やっと一区切りがついたので昼食にやってきた。
そして、同じく長い金髪の男性の方の名はユーノ・スクライア。無限書庫の仕事に没頭してしまい、気付いたら昼食の時間を過ぎてしまい、
一食位抜いて良いかな?と思い仕事に戻ろうとしたら、部下の司書に食事を取ってきてください!と言われたので、遅れながら昼食にくることになった。

「ねえ?一緒に食べない?ユーノと少し話したい事もあるから」
「うん、良いよ」

話したい事がある為、二人で食べようと提案してくるフェイト。ユーノ自身も話したい事もあるし、久しぶりに会った幼馴染とも食事がしたいので
この提案は喜んで受け入れる。二人揃って、人がまばらの食堂で座る席を探し、周りに人のいない席を見つけ、そこでお互い向かい合わせになって座る。
食事だけなら特に問題無いのだが、恐らくお互いに話そうとする会話の内容は、余り人に聞かれたくは無いので、周りに人の居ない席で食事を始める。
のだが、お互いに全く会話が無く食事だけが進んで行く。中々切り出しにくい話題の為か、お互いに最初の一言が出てこない。このままどうしようか?
とユーノが内心思っていると、席に着いてから今まで、無言を貫いていたフェイトが口を開く。

「ユーノ、最近なのはとはどうなの?」

フェイトの口から出た言葉は、ユーノの予想していた通りなのはとの事であった。なのはとはどうなのか。既に長い付き合いの二人。
それだけでフェイトが何を聞きたいか理解できる。その為、ユーノも遠まわしな言い方をせずに、簡潔に答える。

「たまに一緒に出かけたり、食事したりと…つまり相変わらずと言う事だよ…、そう言うフェイトは?」
「ユーノと殆ど一緒。出掛けるのも食事も楽しいんだけど…結局そこまで」

そう言い、悲しそうな顔で大きなため息をつくフェイトとユーノ。この二人は現在、なのはをめぐってライバル関係なのである。
しかし、ライバルと言ってもお互い幼馴染であり親友でもある為、お互いに険悪な雰囲気はない。お互いなのはにぶつかって、なのはがどちらかを選んでも
恨みっこ無し!と言う事になっている。しかし当のなのは本人は、その二人の気持ちに全く気付いていない。ご飯を食べようと誘えば同僚も一緒に誘う、
一緒に出かけようと言えば、ヴィヴィオと一緒に三人でお出かけ、それも楽しいのだが、やはり二人きりで過ごしたいと思うのは恋心。
二人がなのはへの気持ちに気付いて既に10年以上。何度駄目なのか、と思いながらもやはり諦めきれない。溜息を吐く二人に一つの影が近づいてくる。

「やっぱりフェイトちゃんとユーノ君や。お昼ご一緒してもええかな?」
「はやて。うん、良いよ。私の隣に座って」

二人と同じ様に仕事が長引き、今お昼やってきたもう一人の幼馴染、八神はやて。フェイトの隣の席に座り二人と一緒に食事を始める。
はやてが来た為か、なのはの話を止めはやてと普通に話しに戻り、食事を再開するフェイトとユーノ。なのだが…

「二人で居るって事は…、やっぱりなのはちゃんの事か?」
「「…」」
「図星みたいやな。それに二人のその顔やと、相変わらず進展なし、かな?」

はやてに事実を突かれて押し黙る二人。はやては二人がなのはを狙っているライバル同士だと知っているし、二人もはやてがそれを知っていると解っている。
その為、今まで何度となく二人はなのはの事ではやてに相談してきた。アリサとすずかは中学時代までならともかく、それ以降は簡単に連絡は取れないし、
シグナムとヴィータは恋愛に疎いし、シャマルのアドバイスは古臭いし、ザフィーラとアルフは犬だし、スバルやティアナには年下に頼るのは
変なプライドが邪魔するしと、結果、頼れる人がはやてしかいないと言う状況になってしまった。はやて本人の気持ちも知らず…

「はは…、何か慣れてきたかもね。…さて、ご飯も終わったし、そろそろ僕は仕事に戻るよ。それじゃあまた、はやて」
「私も戻るね。今日中に終わらせたいのがあるから。じゃあね、はやて」
「うん、ほなまたな」

食事を終え、自分の仕事に戻るフェイトとユーノ。その二人を笑顔で見送った後、食事を続けるはやて。そして、急に真剣な顔になり…

「もう…思い切って決着つけてええよな…?これ以上は…もう限界や…」

はやてが、小さく一言をつぶやく。

-----------------------------------------

「お待たせ、はやてちゃん。待ったかな?」
「大丈夫やよ、なのはちゃん。私も今来た所やから」
「よかった…。でも珍しいね、お昼一緒に食べようなんて」
「まあたまにはな、それに少し話したい事もあるし」

後日、食堂になのはを呼び出したはやて。はやて自身は、かなり決心してなのはを呼んだのだが、なのははそれに気付かず、親友との食事を楽しみにしている。
相変わらずな親友に内心苦々しく思いながらも、まあなのはちゃんだし、と思ってしまうのは、やはり親友として長い付き合いだからであろう。
先日と同じ様に、人がまばらの食堂で、更に周りに人が居ない席を探すはやて。やはり余り人に聞かれたくないの為であるが、やはりなのはは気付いていない。
何処でも良いのでは?と言うなのはの言葉に、話したい事は余り人に聞かれたくない。と言うはやての言葉に納得したのか、なのはも一緒に席を探す。
その後席を見つけ、食事を始める二人。二人で食事しながら話も弾むのだが、はやては中々本題を話さない。なのはも雑談する為に人の居ない席を探したとは
思っていないので、はやてが本題を話し始めるまで待つ。その後、二人共食事を終え、雑談も終わった時、ついにはやてが本題を切り出す。

「なあ、なのはちゃん。私なのはちゃんに言わなあかん事あんのよ」
「それが話したい事?うん。何?はやてちゃん」
「えーと…、フェイトちゃんとユーノ君の事なんやけどな」
「二人の?何の事だろ?」

不思議そうな顔をするなのは。相変わらず、二人の気持ちには全く気付いていない様子である。まあ気付くほど鋭かったら、とっくに二人の決着はついている。

「えっとな、その…二人は…」
「はやてちゃん?」

しかし、いざ言おうとすると戸惑ってしまう。二人で十年以上思い続け戦ってきているのに、はたして自分が勝手に決着をつける事を言ってしまって良いのだろうか?
しかも、なのはに二人の気持ちを伝える事は、はやて自身にも利益がある為、自分の勝手で言ってしまうのは良心がストップをかけて来る
ただ、もうこれ以上ははやては我慢できない。何時までも決着がつかない二人にも、自分の気持ちにも。だから今日ここで絶対に決着をつけなければならない。

「なのはちゃん、フェイトちゃんとユーノ君は…なのはちゃんの事が好きなんや!」
「えっ?そりゃ私も…」
「友人的な意味やない!恋愛的な意味の好きや!」

ついに言ってしまったはやて。言った後やっぱ言わない方が良かったか?と思ってきたが、言ってしまった後などでもうどうしようもないと思い開き直る。
ふと気になりなのはの顔を見て見ると、ぽかーんとした様な、相当な間抜な顔をしている。余りにも予想外な事を言われた為頭が混乱している様だ。
話しかけても反応が無い為、とりあえずなのはが落ち着くまで放っておく。それにしても本当に変な顔である。普段の美しさが全くない。
しばらくすると、やっと落ち着いてきたのか、話を呑み込めたのか、口を開くなのは。

「…それ、本当なの?」
「信じられへんなら、自分で二人に聞いてみるとええよ。まあ付き合い長い人は殆ど知ってるやろうけどな」
「…何時から?」
「私が知ってる限り10年以上は続いとるな」

その後は、なのはの問いかけに答えるはやてと言う構図が続いた。そして休憩時間も終わりが近づき、二人も仕事に戻ろうとするが、
最後にはやてがなのはに一言伝える。

「まあ、結局どうすんのかはなのはちゃん次第やけどな」
「…」

そう言いながら仕事に戻るはやて。その後、仕事に戻ったなのはは様子がおかしかったと同僚は言う。

-----------------------------------------

自宅に帰り、ヴィヴィオと食事を終えた後、ベットに寝転がり、今日の事を思い出すなのは。

(フェイトちゃんとユーノ君が…私を好き…、しかも十年以上前から…)

はやてからの言葉を思い出す。そんな事、今まで気付いていなかったなのはは、聞いた瞬間、何の事か瞬時に理解できずに固まってしまった。
あんな事を聞いて、改めて二人の事を考える。二人の事は間違いなく好きだが恋愛対象となると少し考える。自分は二人が好きなのかと?
そして思う。二人は好きだ、大好きだ!二人を悲しませたくない!。でも片方を選べばもう片方を悲しませる事になる。それは嫌だと考える。

(二人共好きなのに…選ぶと選ばなかった人が悲しむ…。でもどうすれば?)

悲しませる位なら、今までどうりに接して行こうか?しかし、もうはやてから二人の気持ちを聞いてしまった以上、今までの様に二人と接する事は
恐らく出来ない。それに、そんな中途半端な事をこれからも続けて行く訳にはいかない。だから絶対に答えを出さなければならない。

(でもどちらかを選ぶのは…ん?選ぶ……そうだ!)

何かを思いついたのか一気に立ち上がるなのは。その後大急ぎで誰かと通信を始める。通信が終わった後、すっきりした笑顔で眠りに着くなのは。
既に答えが出た為だろうか、その夜はぐっすりと眠る事が出来たらしい。

-----------------------------------------

「あれ?フェイト?」
「ユーノ!?どうしてここに!?」
「どうしてって…、なのはに言われて」
「ユーノも?」
「僕も、って事は、フェイトもなのはに呼ばれたんだ」

はやてがなのはに二人の気持ちを教えた数日後。これまた先日と同じ、人の少ない管理局の食堂の入り口で鉢合わせするフェイトとユーノ。
お互い予想外の人との遭遇に驚くが、話を聞くと両方なのはに呼ばれたと言う事らしい。普段は自分達から誘うのが殆どなので、
二人共なのはに誘われて楽しみにしていると、ライバルも一緒に誘っていると知り、一体どういう事なのか?と言う考えが二人の頭に浮かぶ。
とは言え、どう考えた所で、なのは本人に聞いてみないと真意は解らないので、二人でなのはを待つ事となる。ちなみに二人共
なのはに誘われたのが嬉しかったのか、待ち合わせの時間より30分ほど速く着いてしまった。恋人と初デートの学生かお前等。
その後なのはが来るまでの約30分。二人は非常に微妙な空気で待つ事となる。会話も無く時間が過ぎて行き、遠くから声が聞こえてくる。

「フェイトちゃーん。ユーノくーん」
「「なのは!」」

待ち人来る。声の主である二人の思い人、高町なのはが笑顔で、そりゃもう物凄い極上な笑顔で此方に向かってくる。その笑顔は
二人に一瞬目眩を起こすほどに美しかった。そんな二人を引っ張って人の居ない奥の席へ向かう。二人を並ばせて座らせ、その前に座り向い合せになる。
なのはに引っ張られて落ち着いたのか、二人は改めて、何故自分達を呼んだのかをなのはに尋ねようととすると、その前になのはが口を開く。

「えーと、遠まわしな言い方はやめて、単刀直入に言わせてもらうね。この前はやてちゃんに、二人が私を好きだと言う事を聞きました」
「「!」」

いきなりのなのはの言葉に驚愕するフェイトとユーノ。先日、はやてからメールで「ごめんな」、と一言書いたメールが二人の元に送られてきた事を思い出す。
当初はどうしたのか?と思っていたがこの事だったのかと今解った。なぜ?と二人は一瞬思うが、何時決着がつくか解らない勝負を、
今まで何も言わずに見守って来てくれたが、もういい加減に決着をつけなければならない。とはやてが判断したと二人はすぐに理解した。

「でも、私は二人から直接聞いていません。だから、二人の気持ちを直接聴かせて?私も答えを言いたいから」

優しい言葉で語りかけて来るなのは。しかし目は真剣そのもので、誤魔化しやはぐらかす事は出来そうにない。ここはもう気持ちを伝えるしかない。
フェイトとユーノはお互いを顔を見てうなずく。長い勝負の終止符を、今日つける時が来たのだ。

「うん。はやての言う通り、私はなのはが好き。ずっと、昔から…」
「僕もだ。フェイトに負けない位に、なのはの事が好きだ」

お互いに、今まで思っていた気持ちをぶちまける。それを聞いたなのはは笑顔で答える。

「うん、ありがとう。二人の気持ち、しっかり聞いたよ。だから私も答えを出すね」

真剣な表情で二人を見つめるなのは。なのはの気持ち、自分を選ぶのか、それとも相手を選ぶのか、フェイトとユーノの心臓の鼓動が速くなる。
例え自分が選ばれなかったとしても、それでも二人を祝福しよう。お互いにライバル宣言をした時フェイトとユーノが決めた事。
二人共、はたして笑顔で『おめでとう』と言えるかどうか心配ではあるが。なのはが言葉を続ける。

「でも、私ね一晩考えたんだ。私は、二人共大好き。だからどちらかを選ぶなんて私には出来ない。だから…」

なのはの言葉を聞き、答えを予想する二人。どちらかを選ぶのは出来ない、と言う言葉から考えると、恐らく自分達二人共選ばれない、
と考えた。二人共、内心自分達のどちらかと思っていた為、両方玉砕はショックではあるが、なのはが決めた事なら仕方がないと納得する。
だが、そんな二人の考えの、はるか斜め上の言葉がなのはの口から飛び出す事になる。

「だから…、皆で結婚しよう!」
「「…………はい?」」

今なんて言った?とフェイトとユーノの頭が混乱してくる。結婚?皆で?なのはは何を言っているんだ?振られたと思っていた二人に
いきなり結婚と言う正反対な単語と、皆で、と言う予想外すぎる言葉で、二人共言葉が全く出てこない。そんな二人を知ってか知らずか、話を続けるなのは。

「そしてもう一人!カモン!はやてちゃん!」
「はいなー!」
「うおう!」
「きゃん!」

なのはの言葉の後にテーブルの下から飛び出て来るはやて。もう一人の幼馴染の突拍子のない登場に、度肝を抜かれるフェイトとユーノ。
そもそも何故はやてがここに居るのかが理解できない。しかもテーブルの下から出て来る辺り、最初から潜んでいたとしか思えない。
それと、なのはに自分達の気持ちを伝えた事を含め、色々聞こうと思い二人がはやてに尋ねようとすると、先にはやての方が口を開く。

「その結婚私も混ぜてー。出来ればユーノ君のお嫁さんとして」
「えー!?」
「落ち着いて、ユーノ君。説明は私がするから」

はやてのいきなりのプロポーズに、もう頭がぶっ壊れる程に混乱してくるユーノ。短い間に色々な事が起き過ぎて、ユーノの頭ではもう整理しきれ無くなった。
それを見てなのはが説明に入る。話によると、はやては昔からユーノが好きだったのだが、ユーノはなのはの事を好きなのを知っている為
今まで何もしてこなかったのだが、何時まで経っても勝負がつかない事にやきもきし、はやて自身の気持ちに決着をつける為になのはに教える事になった。
これでなのはがフェイトを選べば、自分は遠慮なしにユーノにアタックを掛け、ユーノを選べばきっぱりと諦めようと思っていた。
ただなのはから「二人と結婚する!」と言う事を聞いて、一気に考えが代わる。三人が結婚したら、自分だけ取り残されてしまう!
それだけは流石に嫌だと思い、なのはと会話中にどうするか考えていると、一気に名案(?)を思いつく。それは、

「それやったら、その結婚に私も混ぜて!」

郷に入っては郷に従え。お互いの出身国の言葉を思い出す。なのはは二人と一緒になろうとしている。ならば自分もそれに加えて貰えて一緒になれば
4人全員好きな人と一緒になれる!と言う事である。その提案になのはは二つ返事で受け入れ、後は二人にそれを報告しようと言う事になった
それと、はやてがユーノに引き取って貰うと、なのはがフェイトとユーノと、ユーノがなのはとはやてと結婚と言う事になり、
なのはが三人と結婚するよりバランスが良い。と言うはやての(若干自分の欲望が混ざった)意見で、なのはは自分は別に良いと思っていたのだが、
はやてがかなり強く勧めてきたので、ユーノが良いと言うならと言う条件で受け入れた。その為、その答えを聞く為にはやてはこの場に居た。
ちなみにテーブルの下で待っていた事に関しては、最初は普通に呼ばれて二人の前に出る予定だったのだが、夜遅くに話してて変なノリでこうなった。

「と、まーそう言う事です」
「と言う訳でユーノ君、宜しくお願いします。あ、シグナム達は既に了承済みやから安心してえーよ」
「いや!ちょっと待って!?他の人の意見は良かったとしても、法律は良いの!?」

二人の説明で大体の事が解ったユーノだが、だからと言ってあっさりと受け入れる訳にはいかない。勿論はやての事は嫌いではない。
恋愛的な意味はまだユーノ自身解らないが、はやてとならなのは達と一緒にやっていけるかも知れない、とも思っている。
だが本人達が良くても法律が許さないだろう。とユーノが言う。が、なのはとはやては笑顔を絶やさない。

「ところがどっこい!カムヒヤ!リンディさん!」
「はあ~い!」
「まだ人居たの!?」
「義母さん!?」

はやてと同じ様にテーブルの下から飛び出すリンディ(推定年齢50代)。アンタお偉いさんだろ、何やってんだ?と言いたくなるがそこは抑える。

「ユーノ君。貴方が言うには、法律さえ良ければ四人で結婚するのは良いのね?」
「えっ、あ、はい…、でもそれって駄目で…」

リンディの質問に答えるユーノ。例え周りが良くても法律が許されない限り四人で結婚なんて出来る訳無い。と、ユーノは思っていたのだが…

「ふふふ…実はミッドはね…結婚する本人達全員が了承すれば重婚可能なのよ!」
「なっ!?ええー!本当何ですか!?」
「勿論よ。まあ重婚は周りの目もあるから、殆どの場合は本人達の家族の許可も取る事が多いけど。」
「あ、ちなみに私はもう実家には連絡済みでお父さん達から一応許可は貰ってきたよ。ヴィヴィオに聞いてら逆に喜んでたし」
「ハラオウン家もOKよ。エリオやキャロに聞いてみたら二人共『フェイトさんが良ければ』って言ってたし、アルフも同じ事言ってたわ。
クロノも最初は難色を示してたけど、フェイトさんが悲しんだり、独身で過ごす位ならって言ったら『本人に任せる…』って言ってくれたし」

最後のが微妙に脅しに聞こえる上に、なのはの一応許可を貰ったの『一応』の言葉が非常に怖い。とは言え、そう言う事なら話は変わってくる。
なのはとその家族、はやてとヴォルケンの全員、フェイトの家族が了承しているし、ユーノ自身も部族の皆はともかく、はっきりとした
家族は居ないので、自分が良いと思えばもう残っている問題は一つだけとなる。

「こうなると、残っている問題は一つだけだよね?フェイトちゃん、ユーノ君」

フェイトとユーノ。あと残っている二人が、お互いと過ごす事を許可するかが最後の問題である。なのはとはやてとリンディが心配そうな顔で二人を見る。
お互い長い期間ライバルとして過ごしてきたのだ、お互いに微妙な気持ちを持っていてもおかしくない。その三人の心配を他所に、
二人はお互いの顔を見合う。今までなのはの事を考えていたが、お互いの事に関しては余り深く考えていなかった為、改めて話し合ってみる。

「もし四人で結婚となると、私とユーノも夫婦と言う事になるのかな?」
「まあ…そうなるのかな?フェイトは嫌かな?」
「そんな事無いよ。確かになのはの事でライバルだったけど、それ以外だと、ユーノははやてと一緒で、大事な…大好きな幼馴染だから」
「フェイト…うん、そうだね。僕もそう思う」

初めてお互いの気持ちを伝えあう二人。改めて思うと、もしもなのはがいなければ自分達が…と思ったが、なのはがいなければ、
こんな気持ちを持たなかったかもしれない、とも思ってしまう。だがそれは所詮もしもの話。今ここにはなのはと、そしてはやてが居る。
自分達4人で普通とは違う家庭を築いていく。それが今の自分達にとって最高の幸せ。フェイトもユーノも心からそう思っている。

「よっしゃあ!フェイトちゃんとユーノ君もOK!これで条件は全部揃た!」
「いえい!それじゃ私は式場探してくるね!」
「はいな!なのはちゃん!私は新婚旅行先探してくるわ!」
「式も旅行先も、ミッドなら良い所知ってるわよ♪」
「いや、三人共!?ちょっと待って!?」
「それより先にしなきゃいけない事あるでしょ!」

二人の言葉を聞いた瞬間、一気に今後の予定を決め行くなのは達。4人の結婚が決まった為か、嬉々として予定を立てて行こうとするのだが、
今はそんな事をしている場合ではない!とフェイトとユーノが止める。なのは達もそれに気付いたのか、しまった!と言う顔を浮かべる。

「そうやな…まずは先にやらなあかん事あったな…」
「そうだね、一番大事な事かも知れないのに…駄目だね私達」

余りにも落ち込んだ二人を見て、少々言い過ぎたと思うフェイトとユーノだが、自分達にはまずやらなければならない事がある。二人共それを解って…

「「まずは皆で住む家の設計考えないと!」」
「「おー!しー!ごー!とー!!」」

くれていなかった。まあそんなこんなで色んな事があったが、男一人、女三人と言う、何とも傍から見ればうらやましい構図の結婚が決まった。

-----------------------------------------

「それじゃ皆。いってきまーす!」
「いってらっしゃい!なのはママ!フェイトママ!はやてママ!ユーノパパ!」
「ゆっくり楽しんできて下さいね」

それからしばらく経ち。家族全員で住む家を建て、四人での結婚式を終え、最後にしてある意味もっとも重要な行事が残っている。
新婚旅行。結婚したてホヤホヤのラブラブな夫婦が、更に愛を育む(稀に子供も孕んだり成田離婚したりするが)為の旅行である。
当然この旅行も4人で行く事になっている。ちなみに行き先は、皆で話し合った結果、地球の海が見えるホテルに泊まる事になった。
四人共、管理局の中でも忙しい役職に就いている為、一泊二日の短い新婚旅行(帰宅後に一日休み有り)となっているが贅沢は言ってられない。
短い時間だと言うなら、その分濃密な時間を送ればいい。濃密なね。

「なのは?どうしたの?」
「ううん。何でも無い。楽しい旅行にしようと思っただけ」

こうして、楽しい新婚旅行が始まった。 まずは転送装置を使って地球に戻る。一応すずか達に、旅行で一旦帰ってきた事を報告し、
その後電車で1時間ほど揺られた所で駅を降り、予め待っていた送迎のバスに乗り込む。そして更に20分程車でバスで移動してやっと目的地に到着する。

「着いた着いた。ここがはやての選んだ所?」
「そや。山の中にあって緑が豊か。そして少し歩けば海水浴も出来ると言う、素敵な民宿や!」
「民宿亀さん…変わった名前だね」
「とりあえず中に入ろ。まず荷物起きたいし」

なのはの提案に三人も賛成し、部屋のカギを一つ貰い、カギに書かれた番号の部屋に向かう。部屋に入って中を確かめて見ると、
これが中々素晴らしい。まず部屋が結構広い。自分達は四人だが、最大で八人位は眠れそうな広さがある。そして窓の外を眺めて見ると海が見える。
今日は無いが、稀に花火が撃ちあがる時が有り、ここからは絶好の観賞ポイントと従業員の人が言っていた。そしてクローゼットの中には
浴衣も完備されている。お風呂から上がったら着ようかな?と四人は思う。テレビの下には金庫が有る。恐らく出かける時、万が一の為に
ここに入れておいて、カギを持ち歩いておけば大丈夫と言う事だろう。そして極めつけは、何とゲーム機が置いてある!しかもセ○サ○ーン!凄いぜ亀さん!
100円で30分とは流石だぜ!と、部屋の探索も終わり、さてどうしようか?とユーノが思っていると、はやてが近づいてきて一言

「ほんじゃ、海に行こか!」

あまりにも速いはやての言葉にずっこけるユーノ。着いたばかりなのだから、少し休憩してからと思ったが、一泊二日しか時間が無いので
多少無理をしても良いかな?と思いその意見に賛成する。なのはとフェイトもはやての意見に賛成したので、海に行く事が決定する。

「それじゃあ、私達水着に着替えるから、ユーノ君ちょっと出ててもらえるかな?…三人で選び抜いた特別な奴だよ。向こうに着いたら見せてあげる。」

その言葉を聞いて、なんかみなぎってくるユーノ。とりあえず、自分もトイレで水着に着替えた後、民宿の入り口で三人が出て来るのを待つ。
程なくして三人がやってきたので海に向かう。海は民宿から道なりに歩いて20分位と言うらしいので、四人で雑談しながら向かって行く。
そして、道なりに進み坂道を超えると、そこには沢山の人と青い海、海の家やパラソルが所狭しと立っている。早速場所を確保しようとして四人が動く。
ユーノがパラソルを借りに行き、三人が場所を探して、見つけたら念話で連絡と方法を取る。パラソルを借りてすぐ連絡が来たので三人の所へ向かうと…

「どうや!」
「見せてあげるって言ったしね」
「えっと…どうかな?ユーノ?」

そこには(当たり前だが)水着を着た三人が立っていた。三人共色っぽいビキニを身に付けている。こうして見ると、三人共非常にスタイルがよろしい。
なのははかなりバランスのとれた体型をしており、胸も中々の物である、はやても他の二人に比べて小柄な為目立たないが、出る所はしっかり出ている。
フェイトは…ボン!キュッ!ボン!まさにパーフェクトボディー! 他に言う事はありません。 そんな感じで三人に見とれていたのだが、
流石に何も言わないのは三人に失礼なので、とりあえず「三人共凄く似合ってるよ」と当たり障りのない言葉を言っておいた。我ながら他に
気のきいた言葉を思いつかないのかと思ってしまうが、三人共喜んでくれたみたいなので結果オーライと言う事で。

「それじゃ早速泳ぎに行こうか!」
「荷物は全部民宿に置いてるから、思い切って遊べるしね」
「適当に休みを入れてもらえると助かるんだけど…」
「ははは、まあ程々で行くから安心し」

そんな会話をしながら海に向かう四人。その後、海では色々な事をしたし、少し困った事態も起こったりした。海の家の料理がまずいなど話したり、
なのはの水着が流されたり、皆がナンパされたり(ユーノ含む)、はやてが相変わらず胸をもんだり、何故かフェイトが溺れかけたりと、
様々な事が起きたが、とにかく楽しい海水浴となった。その後旅館に帰り、お風呂で体を洗った後は、いよいよ食事である。

「新鮮取れたて!海の幸や!味わって食べるで!」
『おー!』

車エビやヒラメにあわびなど、新鮮な海鮮料理に舌鼓を打ち会話も弾む。そして、美味しい食事も終わりついに夜がやってくる…。


夜。外が完全に暗くなり、お風呂も食事も歯磨きも終わり、新婚旅行の実質ラストにして、最大のイベントの時間が、刻一刻と迫ってきている。
ユーノの心臓は、今にも破裂しかねないほど激しく動いている。今まで女性と経験が無いユーノには、速く来て欲しいのか、まだ来て欲しくないのか、
非常にどっちつかずな感情が渦巻いている。一応無限書庫の資料で調べたり、プライドも何もかも捨てクロノからアドバイスも貰ったが、
実際どんな事が起こるかは、その時になってみなければ解らない。とりあえず落ち着こうと持ってきた本でも読もう思ったら…

「ユーノ君…来て…良いよ」
「!?、うん!解ったよ!?」

ついに来た!そう思い呼びに来たなのはの方を見ると、物凄い真っ赤な顔をしている。それを見て彼女達も物凄く緊張しているんだと思うと
ユーノの気持ちも幾分か楽になる。そして、なのはに言われ部屋に入ると、布団が【二つ】並んでいる。【二組】ではなく【二つ】である。
これはつまり、1×1を二組でやれと言う事か!?と一瞬思うが、確かにいきなり四人全員でなんて上手くいくとは思わないので
これは仕方無いと思う事にした。そして布団を見る限り、完全に三人共準備が出来ている様である。後はユーノが腹をくくるだけだが、

「私達は…もう、覚悟決めたよ」
「だから…ユーノ…」
「速く…な…」
「なのは!フェイト!はやて!」

三人共、来ている浴衣の胸元と腰の所がはだけて、色々チラチラしてるのを見えてしまい、一気に理性が飛んでいき、三人の元へ向かって行くユーノだった。

ちなみにこの部屋ではこんな会話があったそうな。
        ↓

「最初はユーノ君となのはちゃんからやな」
「それは良いけど…二人はどうするの?」
「終わるまで見てるね」
「初めてが見られて!?」


「はい、お疲れの所悪いけど、私の相手お願いな、ユーノ君♪」
「ちょ、はやて、少し休ませて…」
「じゃあ私はフェイトちゃんと、それじゃあ、良い?」
「なのは…うん…」


「ふぅ…、ほんじゃ次はフェイトちゃんとユーノ君やな」
「え!?でも…フェイト?」
「…ユーノなら…良いよ…、でも、男の人とは初めてだから…その…」
「フェイト…うん、優しくするから」
「二人は良し。さあ行くよ!はやてちゃん!」
「よっしゃ!こいや!なのはちゃん!」

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チュン チュン
朝の訪れを伝える小鳥の鳴き声が聞こえてくる。その声が聞こえたのかは解らないが、部屋の中で唯一眠っていたユーノが目を覚ます。

「…眠い…」

お目覚め一発目の言葉がこれである。まあ仕方がないのだろうが、とりあえず時間を確認すると、朝ごはんの時間が近づいている為、
とりあえず歯を磨いて顔を洗ってこようと思い、洗面所に向かうと、そこには既に目を覚まし、顔を洗っているフェイトとはやての姿があった。

「お…おはよう…フェイト、はやて」
「「おはよう、ユーノ(君)…」」

二人の顔を見ると、寝不足の所為かかなり酷い顔をしている。まあユーノも似た様なものだが。そして二人の隣で歯を磨きだすユーノ。

「お互い酷い顔やな」
「昨日は頑張りすぎたからね」
「私…まだ痛いんだけど…」

昨夜の事の話の話を始める三人。四人全員が終わるたびに、入れ替わり立ち替わりで始まる為、事が終わった時は既に空が明るくなっていた。
流石にそれだけやると、体力は無い上に寝不足で皆ぼろぼろである。

「あ、ユーノ君、おはよう!もうすぐ朝ごはんだから、皆速く降りてきてね」

…なのは以外は。何で同じ様に夜を明かしたと言うのに、どうしてあんなに元気なのか、本当に不思議にしか思わない三人である。
その後、朝食を食べ終え、帰る準備をする四人。帰りのバスで途中にある海鮮物のお土産屋で、家族や友人達の分のお土産を買って行く。
最後にすずか達に旅行の結果の報告をしミッドに帰る。すずか達が真っ赤になって話していたが、多分聞かない方が良いと思い何も聞かなかったユーノ。
そして、自宅が見え、さあ家に入ろうと思った瞬間、なのはが一足前に出て、三人の方へ向いてこう言い放った。

「フェイトちゃん。はやてちゃん。ユーノ君。私達で…私達皆で、幸せな家庭を築いていこうね!」

極上の笑顔でそう言い放つなのはであった。

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「懐かしい夢を見たな…」

とある日の朝。ユーノが目を覚ました瞬間この一言を漏らした。なのは達との新婚旅行の頃の夢を見て、あの頃の事を思い出す。
あれからかなり長い時間が経ち、それまでに色々な事が起こった、誤解や擦れ違いなどで、離婚の危機になった事もあった。
でも、それでもはっきり言える。自分は、いや、自分達は幸せだと。妻達やヴォルケン、エリオやキャロ、ヴィヴィオも居る、そして…

「あー!父さん!おはよー!」
「うん?まだ居たのか、父さん。おはよう」
「おはようございます。お父さん。今日は遅いんですか?」
「うん。今日は特別に遅出だからね。ご飯はいらないって、なのは達に伝えてて貰える?」
「解りました。では私が伝えておきますね」

ユーノが降りてきて、一斉に挨拶をする三人娘。そう、自分の血を分けたこの子達が居る。
これだけ沢山で、強い繋がりがある家族なんだ。幸せ以外なんて言えば良い?これ以上の幸せは望まない。

「皆?忘れ物ない?」
「大丈夫!」
「私は確認済みだ。問題無い」
「私もです。皆大丈夫ですね? では…」
『行ってきます!(お父さん!)(父さん!)』
「うん、行ってらっしゃい。勉強頑張ってね」

娘達を見送り、自分も仕事の準備に取り掛かるユーノ。こうして合同一家の何気なく、そして幸せな一日が始まる…。


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