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No.21903の一覧
[0] 【習作】Metal Gear East ~Sage Eater~【東方×MGS】[ビアード](2010/11/06 17:59)
[1] 序章1[ビアード](2010/09/16 15:32)
[2] 序章2[ビアード](2010/09/16 15:31)
[3] Mission1[ビアード](2010/09/26 23:15)
[4] Mission2[ビアード](2010/11/06 17:59)
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[21903] Mission1
Name: ビアード◆84e2b218 ID:49b23b13 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/09/26 23:15

ある日、仕事をしていると、依姫が部屋に入ってきた。

「お姉さま、まだ書類の整理をしているのですか?」
「うん。しばらくほったらかしてたからね」
「そういうのは、こまめに片付けたほうが良いですよ」
「はいはい」

適当に相槌を打って、作業を続ける。

「ところで、わざわざ私の部屋に来たって事は、何か用があったんじゃないの?」
「あぁ、そうでした。お屋敷の中にこんな手紙が落ちていたのを、玉兎が拾ったのです」
「手紙……?」

見てみると、それは私宛の手紙だったようだ。
残念ながら、差出人の名前は書かれていなかったが……。

「怪しいとは思いましたが、ひとまずお姉さま宛の手紙ですので、お渡ししておきます」
「分かったわ。ありがとう」
「では、私は訓練の続きがありますので、これで……」

依姫は一礼をして、部屋を去っていった。
残された私は、手渡された謎の手紙を少し眺めていた。

差出人不明の手紙。
どう考えたって怪しいけれど、だからといってそれをそのまま捨てる気にはならなかった。

宛名として書かれた、私の名前……『綿月豊姫様へ』の文字。
その筆跡には、かすかに見覚えがあった。


「まさかね……でも、どことなく似ている気がする……」

40年前、地上へと逃げていった一人のペット……。
先代レイセン。
手紙に記された文字、その筆跡は彼女のそれに似ていた。


意を決して、封を破る。
そして、収められていた手紙を広げる。

手紙に記された文章は、そんなに長くは無かった。
特筆すべきなのはそこではなく、冒頭に書かれた『助けてください』の文字であろう。

助けてくれという以外には、都の郊外にある森の中へ来てくれ、という指示が書いてあるだけだった。

ただそれだけだったなら、私はその手紙を丸めて捨てていただろう。
でも、そうしなかった。
なぜなら、その手紙の最後に、もう一つのものが書かれていたからだ。

差出人の名前……レイセンの文字が……。


誰かが、イタズラにレイセンの名を語っているだけかもしれない。
だけれど、この筆跡は確かにレイセンのものに似ている。

手の込んだイタズラか、それとも……。

どうあれ、指示された場所へ行けば全ての謎は解明できる。
私はあえて、罠にはまる道を選んだ。
なぜなら、私をはめた相手を返り討ちにする自信があったからだ。



私は指示通り、森の中へやって来た。
手紙を持って、指示された地点へとひたすら歩く。

何も無い静かな森の中。
聞こえてくるのは、鳥のさえずりくらい。
こんな、何も無いところに私は呼び出されている。
イタズラにしても、一体何の目的があって……。


その時、近くの草むらから、葉の揺れる音がした。
蛇か何かか……それとも……。

「……っ!」

私はとっさに、その場から離れた。
さっきまで、私の立っていたところに一発の弾が通った。

「誰っ!?出てきなさいっ!」

私は、武器を持って構える。
まぁ、扇子なんだけど……。


「やはり、来ていただけましたね。豊姫様……」
「そ、その声は……っ!?」

足音が私にゆっくりと近づいてくる。
私もそれに合わせるように、ゆっくりとそちらを向いた。

「久しぶりですね。もう、かれこれ40年ぶりですか……」

私の目の前には、一人の玉兎……。
忘れるはずも無い、あの姿があった。

「レイセン……」

その名を口にした瞬間、レイセンは私に銃を突きつけた。
まぁ、指なんだけど……。

「その名で、私を呼ばないで下さい!貴方にだけは、その名前で呼ばれたくない……」
「れ、レイセン……っ!?」

彼女からは、明らかな敵意を感じられた。
一体、何故……。

「私の名前は、優曇華院です」
「そう……で、なぜ私に銃を向けるのかしら、優曇華?」
「そんなの、決まってるじゃないですかっ!」

憎しみの込められた言葉……。
そして、眼……。

「貴方は、私を戦争の道具としか見てくれなかった……だから、復讐するんですっ!」
「ど、どう言う事よ?なぜ、私が貴方を戦争の道具にしたと思うの?」
「決まってるじゃないですか。私の名前ですよ……」
「名前……?」

優曇華の憎しみのこもった目から、涙が混みあがってきた。

「私、知ったんです……『レイセン』と言う名前の意味を……」
「名前に意味など無いわ。それは、単なる記号に過ぎない」
「でも、記号には意味があります。隠された意味だって……」

悔しそうに喋る、優曇華……。

「あの時、地上で起きていたアメリカとソ連による東西冷戦……。貴方はそこから、私に冷戦レイセンの名を与えたんですっ!」
「……………………」
「私は、貴方にとって戦争の駒……いや、兵器でしかなかった!だから、私はレイセンだった……」

優曇華の手が震え始めた。
顔も、涙でぐしゃぐしゃになりつつある。

「何度も言わせないの。名前に意味なんて無いわ。名前なんて、私達が勝手につけて、勝手に呼んでるだけでしょ?」
「それなら、どうして40年前に私を追いかけてきたんですか!?」
「……っ!?」
「私、知ってるんですよ……私が地上へ逃げた時、貴方は地上まで追いかけに来ていた事を……」
「それは、貴方の事が心配だったから……っ!」
「嘘ですっ!」

力いっぱいに否定する優曇華。
歯も、これまた力いっぱい食いしばっている様子が伺える。

「月人の……それも、綿月様なんかが一介の玉兎如きを地上まで追いかけるなんて、普通に考えてありえません。
 貴方は最後の最後まで、私を兵器として利用しようとしたんですっ!」
「どうして、そんな風に思うの……?なぜ、私の言う事を信じてくれないの……?」
「だって、豊姫様は結局、私を迎えに来てはくれなかったじゃないですか……地上人侵略の脅威が去ったと分かったらっ!」
「そ、それは……っ!」
「豊姫様にとって、私はただの兵器です……それ以上でも、それ以下でもないっ!」

次の瞬間、優曇華は攻撃を仕掛けてきた。
突然の先制攻撃に、少し回避が遅れてしまった。

「本気……なのね……」
「当たり前ですよ。そのために、私は帰ってきたんですからね。貴方が作り上げようとした、戦争兵器レイセン……その威力を思い知りなさいっ!」

次々と放たれる、弾幕。
私はそれを一つ一つ、かわしてやった。

「昔よりは成長したみたいね。でも、その程度の速さじゃ私は捕らえられないわよ?優曇華」
「なるほど。ですが、一つ誤算があるようですね」

次の瞬間、目の前に居た優曇華が消えた。

「あ……っ!?」

そして、気が付いた時、私は優曇華の弾を一発被弾してしまった。
そうだ……彼女は幻覚を操れる。
見えてみるものだけが、真実とは限らないってわけね……。
本物は、後ろにいたわけだ。

「よく言いますよね。飼い犬に手を噛まれるって」
「まぁ、貴方は犬じゃなくて兎だけどね」


優曇華は次の攻撃を繰り出す。
気が付けば、辺りには数人の優曇華が居る。

「これで、終わりですっ!」

優曇華達が、一斉に銃を構える。


眼に見えるだけが真実じゃない。
ならば、真実を見るにはどうすれば良い?

簡単だ……見なければ良い。
そうすれば、視覚と言う余計な情報に惑わされることは無い。
必要なのは、感覚センスよ。

私は静かに眼をつぶった。

「どうやら、降参のようですね。心配は要りませんよ、最後は楽に逝かせてあげますから」

声が聞こえる……右のほうからね……。

真実の月インビジブルフルムーン!」
「遅いっ!」

優曇華のスペルカードよりもはやく、私の攻撃が彼女に届いた。

「うわっ!」

優曇華は思いっきり、その場にしりもちをついた。
起き上がる隙を与えず、私は彼女の首に扇子をつきつける。

「さてと、どうやら私の勝ちみたいね」
「うぅ……」
「白状なさい。貴方の後ろには、一体誰が居るの?」
「一体……何の話ですか……?」
「とぼけても無駄よ。貴方一人で、月の都へ帰ってくるなんて考えられないわ。誰かの差し金なんでしょう?」
「……………………」

次の瞬間、優曇華は地面の土を掴むと、それを私の顔に投げつけた。
そして、私がそれで少し顔をそむけた間に、彼女は逃げ出した。

「ま、待ちなさいっ!」

必死になって優曇華の後を追いかける。
優曇華はわき目もふらず、一直線に逃げていく。
まるで、どこか目指している場所があるかのように……。



しばらくして、行く手に大きな屋敷が見えてきた。
そして、優曇華はその屋敷の中へと身を隠した。

「ここは……王様の宮殿……?なぜ、こんな所へ……」

その疑問を解決すべく、宮殿へ入ろうとしたその時だった。

「そこまでよ、綿月豊姫。王への謀反、その現行犯で貴方を捕まえるわ」

どこかで聞いた事のある声がした。
しかし、それが誰の声だったのか、私には思い出している暇が無かった。
なぜなら、突然回りを武装した玉兎に囲まれてしまったのだから……。

「貴方達……一体何をしているの……?」

玉兎に問いかけても、彼らは何も返事をしない。

「どうかしら、豊姫さん?飼い犬に手を噛まれた感想は。おっと、この場合は飼い兎かしらね」

先ほどの声の主が私の前に現れた。
その姿を見て、ようやくあの声が誰だったのか思い出せた。

「一体、どういうつもりなのかしら?八雲紫……」
「あら、さっき言わなかったかしら?貴方を、謀反の罪で捕まえるって」
「バカ言わないでよ!なぜ、月の使者のリーダーである私が、貴方に捕まらなければいけないの!?」

紫は不適に笑う。
私は産まれて始めて、悪寒と言う物を感じた気がした……。

「貴方は王の館に乗り込もうとした。しかもその途中、制止に入った玉兎を攻撃している。これを謀反といわず、何と呼ぶのかしら?」
「ち、ちょっと待ってよ!私を呼び出したのは彼女よ!」
「残念ねぇ。その証拠は、もう何処にもないわ」

そう言って、紫は私が受け取った優曇華の手紙を見せびらかしながら笑った。

「い、いつの間に!?」
「ふふ。私はね、何処にでも手が届くのよ」
「くっ……スキマ妖怪め……っ!」

紫は私の目の前で、その手紙を破り捨てた。

「眼に見えるだけが真実じゃない。でも、眼に見えていることもまた真実よ。さぁ、周りを見回して御覧なさい。
 貴方のかわいいペット達が見えるでしょう?」

四方八方、銃剣をこちらへ向けた玉兎たちが見える。

「冗談……でしょ……?」
「なら、確かめてみる?」

そういうと、紫は右手を上げた。

「さぁ、この裏切り者を捕らえなさい!」

紫がそう言い放つが早いか、玉兎たちは私に縄をかけてきた。

「ち、ちょっとっ!?」
「うふふ。この間と、立場が逆転したようね」

今の玉兎たちは、完全に紫の言いなりになっている。
理由は分からないけれど……。
とにかく分かるのは、このままボーっとしていたら、不味いということだけだ。

「いい加減にしなさいっ!」

私はその昔、ザ・ボスから教わったCQCで、縄をかけようとする玉兎をなぎ払った。
そして、そのまま玉兎の一人を拘束する。

「銃を下ろしなさい。私を撃てば、この子にも当るわよ」
「うぅ……は、放してください……っ!」

捕まれた玉兎は必死に抵抗するが、そんな簡単に私の拘束は解けない。

「銃を下ろしなさい!早く!」
「ふふ。おおよそ、貴方らしくないわね豊姫。自分の大切なペットを人質に取るなんて」

紫はまたしても、不適に笑う。

「私は、そう簡単には捕まらないわよ」
「面白いわね。その台詞、後何分本物で居られるかしら……?」

気が付いた時、私の後ろにスキマが出来ていた。
私は間一髪で、そのスキマから放たれた弾幕を避けた。
しかしその衝撃で、先ほどまで拘束していた玉兎を開放してしまった。

彼らはここぞとばかりに、私を狙い撃って来る。

とにかく、ここで立ち止まるわけには行かない。
私は、必死に森の中を逃げていった。


玉兎たちが追ってくる。
私は彼らから必死に逃げ回っている。
この現実が、今でも受け止められないで居た。
なぜ、あの子達は紫の言いなりになっているの……?
どうして、誰も私の言う事を信じてくれないの……?

残念ながら、それを考える暇さえ彼らは与えてくれなかった。

とにかく逃げる。
当ても無く、何処までも何処までも……。

同じような景色が流れていく。
正直、今何処をどう走っているのかさえ分からない。
でも、すぐ後には銃剣を持った玉兎たちが追いかけてくる。


第二次月面戦争時、侵入者達を前に玉兎たちは逃げ出したと依姫が言っていた。
本来、玉兎たちは戦闘慣れはして居ない。
なのに、今の彼らは迷いもなく私を追い続けている。
好戦的な状態になっているのだ。

どう考えたって、紫が彼らに何かしたとしか考えられない。
とはいえ、紫に玉兎たちの心を操る術があるとも思えない。

月の都で何かが起きている……?
でも、それが何なのか私には理解できない。


「っ!?」


その時、私の行く手に大きな崖が現れた。
崖の下には、川も何も無い。
ここから落ちれば、確実に死ぬだろう……。

しかし、後ろを振り返れば、大量の玉兎たちが銃剣をこちらに向けている光景が見える。
もはや、何処にも逃げ場なんか無い。

「観念なさい、豊姫。もう貴方に逃げ場は無いわ」

スキマからノンビリとやって来た、八雲紫。

「悪いわね。貴方に捕まるぐらいなら、死んだほうがマシだわ」
「そう。じゃぁ、死ぬ?あっちの世界には私の友人も居るから、よろしく伝えといて頂戴な」

紫は再び右手を上げ、そして叫んだ。

「さぁ、裏切り者を始末なさい!」

玉兎たちは一斉に発砲してきた。
何とか避けようとしたけれど、やっぱり全部は避け切れなかった。
肩に一発、銃弾が当った。
それと同時に、私はバランスを崩し、倒れこんだ。


……そして、そのまま私の体は崖へと投げ出されたのだった……。




あとがき
お久しぶりです、ビアードです!
続編遅くなって申し訳ないっ!

ここ数日、例大祭SPだの、ポケモン新作だのと色々ありまして……。
ああ、もう言い訳にもなりません!ごめんなさい……。
本当、ポケモン楽しいです!ごめんなさい……。
ちなみに、自分はブラックです!ごめんなさい……。


さてさて、豊姫は崖から落ちてしまいましたね。
まぁ、でもきっと生きてるでしょう。
主人公補正って奴で。うん。


それにしても、月の都大ピンチ!
一体どうなる、豊姫!?
そして、学校の卒論も大ピンチ!
一体どうなる、俺!?

ではまた、次回お会いしましょう。


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