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No.21903の一覧
[0] 【習作】Metal Gear East ~Sage Eater~【東方×MGS】[ビアード](2010/11/06 17:59)
[1] 序章1[ビアード](2010/09/16 15:32)
[2] 序章2[ビアード](2010/09/16 15:31)
[3] Mission1[ビアード](2010/09/26 23:15)
[4] Mission2[ビアード](2010/11/06 17:59)
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[21903] Mission2
Name: ビアード◆84e2b218 ID:49b23b13 前を表示する
Date: 2010/11/06 17:59

「それで……こんなもの拾ってどうするつもり、咲夜?」
「一応、お屋敷の前に落ちていましたもので……」
「家の敷地に落ちてれば、家のものって訳じゃないわ。さっさと捨ててきなさい」
「しかし、人間は何ゴミとして出せばよいのでしょうか……?」

誰かの話し声が聞こえる。
声からして、二人居るようだ。

「全く……どうしてこんな時に、こんな余計なものが落ちてくるのかしら……」
「寧ろ、こんな時だからでは無いでしょうか?やはり、あの噂は本当だったのでは……?」
「面白くないわね。結局、私達も霊夢も、あのスキマ妖怪に踊らされてたって訳」

スキマ妖怪……?
……そうだ。あいつが月の都を……っ!

「う、うぅ~……」
「あら、目が覚めちゃったのね」

まだぼんやりとする視界を駆使しながら、周りを見回した。
どうやらこの建物は、紅を基調とした配色をしているようだ。
このぼんやりとした視界には、紅色しか入ってこない……。

「これが、あの時私達を苦しめた月人だって言うのかしら。見る影も無いくらいボロボロじゃない」

私の目の前に誰か立っている。
いい加減、視界もハッキリしてきたので、幸い相手の顔は認識できた。

「あっ、貴方達は……っ!」
「久しぶりね、月のお姫様」

私の目の前に立っている人物……いや、正確には人じゃないけど。
忘れもしない。第二次月面戦争で、月の都を侵略しようとした吸血鬼だ。
確か名前は、レミリアとか言ったっけ。

「どうして……ここに……?」
「それはこっちが聞きたいわね。なんで、よりにもよって私の屋敷の前で行き倒れていたのかしら?」

私は記憶を辿った。
確か、玉兎たちに追われて、崖に追い詰められて……。
一発被弾した後、そのまま崖から落ちて……そこからの記憶はハッキリしない。
でも、ここに居るって言う事は、恐らく薄れ行く意識の中、私は自分の能力を使ったのだろう。
それで、空間を繋いだ先がたまたまこの屋敷の前だった……と。

「……まぁ、良いわ。とりあえず、何があったのかは大体想像がつくし」
「しかし、お嬢様。想像通りだとすると、少し不味いのでは……?」
「そうね……」

ここはひとまず、二人の話を聞くべきかしら。

「あの……不味い、と言うのは……?」
「貴方、紫にやられてノコノコと地上に逃げ延びてきたんでしょう?」
「ど、どうしてそれを!?」
「最近、紫が不審な動きをしていたのよ。で、昨日になってある人物が情報を流したのよ。
 月の都が八雲紫に乗っ取られたってね」

紫の行動は、地上でも噂になっていたのか……。
でも、肝心な紫の目的と、乗っ取りの経緯は分かりそうもないみたい。
ただ、一つだけ解決しそうな疑問はあったけど……。

「その、情報を流したある人物というのは?」
「貴方の良く知る人物よ」
「えっ……?」
「八意永琳。貴方の師匠でしょう?」
「や、八意様!?」

唐突に懐かしい名前が出てきたので、思わず声が裏返ってしまった。
とはいえ、少し疑問が残る。
なぜ、八意様は月の都が乗っ取られたことを知ったのだろうか?
それともう一つ……なぜ、八意様はレミリアにその情報を伝えたのか?

「ねぇ、貴方……私達と手を組まない?」
「えっ……?」

レミリアの唐突な一言に、頭の中で巡らせていた疑問が一瞬にしてパァになってしまった。

「紫が月の技術を手に入れれば、それを何に利用するか分かったものじゃない。
 私達にとっても、この事態はある種脅威と言えるわ。
 貴方としても、月の都を取り戻したいのなら、利害は一致すると思うけど?」

レミリアの言っている事は、確かに間違ってはいない。
しかし、仮にも彼女は一度、月の都を侵略しようと企んでいた。

「……その後で、私達から月の都を奪うつもりではありませんよね?」
「もう、月の民とまともにやりあうつもりは無いわ」

しれっと言ってのける、レミリア。
とはいえ、コレを信用しろと言われても……。

「まだ、信用できないといった感じの目をしてるわね。まぁ、それならそれで結構よ
 でも、貴方がこうしている間にも月の都や『貴方の妹』は大変な事になっていくのよ?」
「……っ!」

そうだ、月の都にはまだ依姫が……っ!

「目の色が変わったようね」
「依姫は……依姫は、今どうなっているの!?」
「私もよく分かっては居ない。詳しいことは、貴方のお師匠様から聞きなさい」
「や、八意様がここにいらっしゃるの……っ!?」

私は色々な意味で、居てもたっても居られなくなった。

「八意永琳は、ここには居ないわ。彼女には、医者としての仕事がある。
 これから戦いが起こるのであれば、彼女の力は絶対に必要になるものね」
「では、今何処に……?」
「ここよ」

唐突に八意様の声が聞こえてきた。

「八意様!?……って、声だけ?」
「ふふ、これよ」

そういうと、レミリアは陰陽玉のようなものを手渡してきた。

「これは……何?ただの陰陽玉に見えるけど……」
「それは、ただの陰陽玉ではないわ。それを通すことで、相手の顔を見ながら通信する事が出来るの」

地上にも、それぐらいの技術はあったのね。

「ちなみにそれの開発者は、八雲紫よ。間欠泉騒ぎがあった時に、パチェが作らせたの」
「八雲……紫……」

また、ここにも紫なのか……。

「とりあえず、話して御覧なさい」

私は、手渡された陰陽玉に向かって話しかけた。

「八意様……?」
「久しぶりね、豊姫」
「八意様……本当に八意様なのですね!?」
「もちろんよ」

千年以上も八意様と言葉を交わしたことなんか無かった。
今の私の気持ちは、どんな言葉でも表せない……としか、表現できないわね。
とりあえず、八意様の声が聞けて本当に嬉しかった。

「それで、依姫はどうなっているのでしょうか……?」
「うちに居る玉兎を使って、調べさせたわ。どうやら、大変な事になっているみたいね」
「大変な事……ですか……?」

八意様に大変と言われると、何だか変に力が入ってしまう……。

「貴方も気付いてるでしょ?シャゴホッドの設計図が、紫の手にあること……」
「やはり、アレはあいつが盗んだんですね!?」
「そうよ」

予想通り……か。
とはいえ、やっぱりその目的はよく分からない。

「紫は貴方から盗み出した設計図を元に、シャゴホッドを作り上げるつもりよ」
「でも……あいつはもう事実上、月の都を占拠したのでしょう?
 一体、シャゴホッドを何に使うつもりなのかしら……?」
「核発射装置の設計は、紫による一種のパフォーマンスのようね」
「パフォーマンス……?」
「玉兎達を従えたとはいえ、それだけでは月の民達の信用を得たことにはならない。
 そこで紫は、月の民達に受け入れてもらうためのパフォーマンスをしようという訳」

シャゴホッドの作製と、月の民達との信頼……それが、どうにも頭の中で結びつかない。
それ以前に、どうやって紫が玉兎達を従えたのかも謎だし……。

「今、月の民達が最も恐れているのは、中国の月面探査計画。通称、『嫦娥計画』」
「嫦娥……計画……」
「紫はそれを阻止するため、中国に核を撃ち込むつもりで居るわ」
「な、なんですって!?そんな事をしたら……っ!」
「地上は大変な騒ぎになるわね。でも、彼らは裏の月の存在に気づくことは出来ない……。
 結果、中国はどこかの核保有国が先制攻撃を仕掛けたとみなすわ。
 疑いの芽は正しい判断をつむぐ。やがて、中国は無差別に核保有国を攻撃し始めるわ。
 そして、最終的には第三次世界大戦……大いなる核戦争の幕開けとなるでしょう。
 そうなれば、当然嫦娥計画も中止となる」
「でも、そんなのって……っ!」

どうやら、思っていたよりも紫の計画は大きすぎたようだ……。

「月の技術を使えば、シャゴホッドも核兵器も簡単に作れる」
「じ、じゃぁ、一体どうしたら……っ!?」
「聞いて豊姫。月から中国までは、普通の核発射装置では届かない。
 そこで、貴方が旧ソ連から設計図を盗み出した、シャゴホッドが必要になるの。
 貴方はもう知っているだろうけれど、シャゴホッドはかつてアメリカとソ連が宇宙開発競争を行っていた際にソ連側で作られたもの。
 その概要は、宇宙ロケット用のエンジンを搭載し、その推進力によってより遠くに核ミサイルを飛ばすというものよ」
「えぇ……私も、ある程度の概要は把握していましたが……でも、まさかそんな事に」

動揺が隠せない。
紫がそんな途方も無い計画を立てていたなんて……。
私が、もっと早くあの設計図を処分していればこんな事には……っ!

「大事なのは、ここからよ。さっきも言ったように、シャゴホッドはロケットのエンジンを使って、推進力を得られるの。
 でも、月にはそんなロケットエンジンは存在しない」
「それならば、紫の計画は……」
「まさか、第二次月面戦争の事を、忘れたわけじゃないでしょうね、豊姫?」
「……っ!ま、まさか……」

そうだ……思い出した……。
レミリアたちが、どうやって月にたどり着いたのか……を。

「あの時、地上の巫女である博麗霊夢は、神卸の力で住吉さんを呼び出した。
 彼らの力を借り、ロケットエンジンの原動力を得たのよ。」
「じゃぁ、まさか今回も……?」
「いえ。今回、博麗霊夢は紫の計画に加わって居ないわ」

あの巫女が、紫の計画に入って居ない……?
そうなれば、神卸をすることは……。

「……ま、まさかっ!?」
「ようやく、気付いたようね。そう……紫は、依姫の力を使って住吉さんを呼び寄せるつもりよ」

信じられない……紫の計画に、依姫が入れられている……?

「で、でも!依姫がそんな計画に力を貸すはずが無いわ!」
「そう……信じたいものね。でも、紫は本気よ。貴方も感じたでしょ?
 依姫だって、紫に何をされているか分からない。
 もしかしたら、何か弱みを握られているのかもしれないわ」
「そんなっ!」

考えたくない……依姫が、あいつの言いなりになっているなんて……っ!

「大分困惑しちゃったみたいね。でも、落ち着いて考えて豊姫。
 逆に言えば、依姫が居なければ、紫はロケットエンジンの推進力を得ることはできないのよ」
「そ、それってつまり……依姫を助ければ、紫の計画も阻止できるってことですか!?」
「そうよ。とはいえ、紫の計画も着々と進んでいるみたいね。急いだほうが良いわ」

依姫を助ければ、紫の計画は破綻する……。
月の都を……いえ、世界を救うには、それしかない……っ!

「豊姫……私から、最初で最後のお願い……。依姫を助けて……紫の計画を潰して!
 もう、貴方しか頼れる人は居ない……」
「そんなの……言われるまでもありませんよ!」
「……ありがとう」

ありがとう……か。
そういえば、八意様に感謝されたのは、産まれて初めてかもしれない……。

「それじゃぁ、今後はレミリア達の指示に従ってちょうだい。
 今回の月への潜入任務は、彼女達に一任してあるわ。
 私は今回、あくまでもメディカルスタッフとしての参加になるから」
「分かりました」
「じゃぁ、私はまた作業に戻るわね。作戦開始後、何かあったらまた連絡ちょうだい」
「はい!」

八意様との無線が切れた。

「どうやら、話はまとまったようね」
「えぇ……こうなった以上、貴方達とも協力しないわけには行かないわね」
「話が早くて助かるわ。それじゃぁ、これから作戦メンバーを紹介しましょう。咲夜!」

レミリアがそう言うと、レミリアの横に居たメイドがやって来た。

「はい。もう呼んで来ています」

咲夜がそう言い終るや否や、部屋に二人の人物が入ってきた。
……まぁ、正確にはこの二人も人間では無いのだが。

「そっちの紫髪の方が、パチュリー。私はパチェって呼んでるけどね。
 喘息持ちではあるけれど、かなり広い知識を持っているわ。
 わからない事があれば、彼女に無線してみて」

パチュリーと呼ばれた少女は、読んでいた本を閉じ、こちらを向いた。

「貴方が月のお姫様ね。お初にお目にかかるわ。この間は、レミィが迷惑かけたわね」
「レミィ……?」
「あぁ、お嬢様の事よ。私はそう呼んでいるの」

二人は愛称で呼び合う仲なのか……。

「迷惑とは失礼ね。私はただ、遊びに行っただけじゃない」
「遊びに行くのなら、今度はもっと近いところをオススメするわ。月は行くだけでも面倒だから」
「はいはい……」

レミリアは気を取り直して、もう一人の方を向いた。

「こっちの赤髪の方は、美鈴よ。彼女には、今回の作戦の記録を取ってもらうことにしてるの。
 まぁ、後無駄な知識も持ってるから、暇を持て余してたら無線してみても良いかしらね」
「む、無駄って何ですか!諺には、先人達の知恵と苦労が……っ!」
「まぁ、その話は後で聞くわ」

私はひとまず、二人の方を向いた。

「パチュリーさんに、美鈴さんですね。よろしくお願いします」
「よろしく」
「よろしくお願いします!」

最後に、レミリアは咲夜の方を向く。

「もう、紹介する必要は無いわね。咲夜には、武器や格闘に関してのノウハウがあるから、
 そういったものに関して分からなかったら無線して。
 んで、私は今回の作戦の指揮を執るわ。私の命令は絶対だから、ちゃんと聞いてなさいよ」
「はぁ……分かりました」

これはこれで、厄介なのと組んじゃったな……。

「それじゃぁ、豊姫。貴方には、月の都へ単独潜入してもらうわ」
「た、単独!?相手は、何十もの玉兎を従えているんですよ!?」
「だからこそ、よ。大勢で行ったら目立つでしょ?それに、少なくとも私達よりも相手方の方が戦闘は慣れてる。
 余計なのが付いていけば、足手まといになるだけよ」
「でも、貴方達だってスペルカードがあるでしょ?」
「スペルカード戦と、実際の戦闘は違うわ。これは弾幕ごっこじゃない。戦争なの」

戦争……そうだ、紫とは二度もその戦争をやった。
まぁ、二回目はおふざけも入ってたけど……。

「単独潜入の基本は、隠密行動よ。大丈夫かしら?」
「問題は無いわ。必ず、やり遂げてみせる」
「良い返事ね。それと貴方の能力だけど、月の都内部では使えないみたいよ」
「えっ!?ど、どう言う事!?」
「紫が、都内部における空間と空間の境界をいじっているの。貴方の能力を恐れているみたいね」

となると、都の中は歩いて移動するしかないみたいね。
まぁ、久々に良い運動にはなるかも……。

「あれ……?ちょっと待って。私の能力が使えないなら、どうやって月の都へ行けば良いのよ……?」
「そうね。パチェ、そろそろ準備は出来たんじゃない?」
「もう大丈夫よ。二回目だから、手際も慣れてきたわ」

どうにも、話が読めない……。

「一体、何の話……?」
「来れば分かるわ」

私はレミリアに言われるがまま、着いて行った。
そして、その先にあったものは……。



あとがき
うぅ……一ヶ月以上も、更新してなかった……申し訳ない。
ま、まぁ、いろいろありました……はい。


とりあえず、そろそろ本格的に潜入開始です。
依姫は、ソコロフポジションのようですねぇ。
自分で言うのもなんですが……似合わねぇ……っ!


あ、そうそう。
この間、綿月姉妹不人気って仰った方に、もう一度綿月姉妹の話をしました。
とりあえず、綿月姉妹が駄目な理由。

依姫:
神卸という能力に問題あり。
神様の力を『借りる』という事は、神様よりも『弱い』ということである。
(そうでなければ、そもそも神様の力を借りる必要が無いから)
つまり、リアル神様である、ケロちゃんとか神奈子様には『絶対勝てない』存在。

ケロちゃん>>>>>越えられない壁>>>>>よっちゃん

豊姫:
そもそも、紫の能力と何が違うのか……?
むしろ、紫は様々な境界を操れるわけだから、豊姫の方が劣化してる。


だ、そうです。
う~ん……とりあえず、俺は反論できませんでした(汗)


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