第8話:謎の提案
ランスの部屋に入ってきたマリスは、浅く頭を下げる。
そんな彼女の服装は裸足でラフなものであり、
新宿の露店で買った、安物の黒いシャツと薄茶色のショートズボン。
マリスの立場から、リーザス城での生活では常に多くの目があり、
自室で休んでいてもランスや部下に呼び出される場面が多々あった事から、
寝るときでさえも今のようなラフな服装は出来なかった。
ある意味、"こちら"に来た事で初めて服装の自由を手に入れたのだ。
その為、"あちら"の者でマリスのこのような姿を見ているのは、
"こちら"に飛ばされたランスとリア……そして香姫とカミーラだけなのだ。
「夜分に、申し訳ありません。」
「な~に……今俺様は機嫌が良いからな、許してやる。」
「ありがとうございます。」
「……で、何の用なんだ?」
ランスが不愉快に思っていないのを確認すると、
マリスはソファーに近付き、そのままゆっくりと腰を下ろした。
対してランスは、腕枕を解いてごろりと右に寝返りをうち、
右肘をついて右手で右顎を支えると、マリスに視線を送る。
すると、彼女は若干躊躇っているようだったが、表情を改めると口を開いた。
「そろそろ、ですね。」
「……ん? 何がだッ?」
「"あちら"に戻れるという事が……です。」
「おぉ、お前もそう思ってたか? 俺様もさっき似たような事を考えてたぞ。」
「そうでしたか……」
「で~、それだけか?」
「……いえ。」
「????」
マリスは再び神妙そうな面持ちになってしまうと俯き、前髪で表情が隠れる。
あまりこういう彼女は見ないので、ランスは彼女の言葉を待っているしかなかった。
そのまま10秒ほど経過すると、マリスは体をゆっくりと起こし、
ランスに顔を向けると、若干眉を落とした視線を彼に投げかける。
……が、目と目が合うと、視線を直ぐ逸らしてしまい、そのまま言う。
「恐れながら申し上げますが……正直なところ、
私はランスさんとリア様には、"あちら"に戻って欲しくはありません。」
「何だと?」
「だからと言って、"こちら"に留まるように工作する気は一切ありませんが、
私は今迄……あれほどまで楽しそうにしていたリア様を見たことがありません。
それが何故だか、ランスさんはお解りになりますか?」
「……さぁな。」
「それは、ランスさんの傍にリア様がおられるからです。
しかしそれだけではリーザス城と同じなので条件があり……ランスさんと"冒険"し、
戦いで"勝利"し、目的を"達成"する事が、リア様にとって最高の幸せなのです。」
「…………」
「"こちら"に来た直後は、こんな危険な旅は直ぐ様終らせるべきと思いましたが、
日が経つに連れ、それは間違いである事に気付きました。
そして述べた通りの、リア様の幸せが何かと言う事が判れて感謝しています。」
「……って事は、何だ? お前は国(リーザス)や"あっち"の人間達よりも、
"こっち"に俺様とリアが居続ける方が良いってぇのか?」
「極端な話ですが、その通りです。」
「うへ……お前のリア好きにも呆れるぜ。」
「……かといって、ランスさんが"あちら"に戻る事を望んでいるのであれば、
それは叶わぬ事……リア様も、ランスさんの意見に従うでしょうし、
リア様が選ぶ道は私の道……即(すなわ)ち、私も同じです。」
「当たり前だ! "あっち"にゃ俺様の帰りを待ってる美女がわんさかいる。
それに俺様はお前と違って、器の狭い人間じゃねぇからなッ。」
「最もです……ところで。」
「なんだ?」
「ランスさんは"あちら"に戻れ、ケイブリスを倒したら……
それからは、どうなされるつもりですか?」
「んん~? そんな先のトコまでなんて、考えて無ぇよ。
鯨野郎の事とか、美樹ちゃんの事とか、挙げちゃキリがねぇだろ?」
「それでは、全てが終ったと仮定すると……
そのままリーザスの王を、続けられるのですか?」
「どうだろうなぁ~、続けるかもしれんし、辞めるかもしれん。」
「後者の可能性も……あると言う訳ですね?」
「ふんッ……どっちにしろ決めるのは俺様だ、お前の指図は受けねぇぞ。」
「判っています、そこで提案なのですが――――」
先程までリアは何かと暗くなっていた。
それは"あっち"に戻る時間が近付いているからであり、
ランスとの冒険が終ってしまうからだったのだ。
リーザスに戻ってもランスの傍には一応居れるが、
王女と言う立場や才能限界から、冒険は出来ないと言って良い。
それをマリスは当然気付いており、何とかせねば……と真剣に考えていた。
そして、考えた"答え"が出たので、今夜彼女はランスの部屋を訪れたのだ。
……結果、マリスはリアの為を考えるのなら、
"あっち"に戻りたくは無いという本音を告げてしまったが、
ふと表情を改め立ち上がると、マリスはゆっくりとランスに近付いた。
それにより、ランスは自然と上半身を起こしてしまっていた。
「提案だと?」
「はい……お耳を。」
「うむ。」
≪……………………
……………………
……………………≫
「……以上です。」
「っ!? お前……本気なのか?」
「冗談で、こんな事は言いません。」
「リアは知ってんのかッ?」
「近いうちに言うつもりですが……リア様もそれを望んでいるでしょう。
後は、ランスさんの判断とリア様の"力"次第と言う訳になりますね。」
「う~む……そう言うのもアリと言っちゃ、アリだが~……」
「……お伝えしたかったのはそれだけです、では。」
あまり大きな声で言う事は躊躇われるのか、
"提案"をランスにボソボソと耳打ちしたマリス。
それを聞き終わると、ランスは流石に驚いた様子で彼女を見つめ返した。
幾つかの条件が揃わなければ実現されない事の上に、内容がブッ飛んでいるからだ。
……だが、マリスにとっては、愛するリアの喜ぶ方法を言っただけなので、
左程大きなことだとは思っていない様子だった。
その"提案"を言う為にマリスはランスの部屋を訪れたので、
マリスは一歩下がると、再び頭を下げて部屋を出てゆこうとしたが――――
「まて待てぇいッ。」
≪がしっ!!≫
「!? ……何ですか?」
「こんな時間に此処に来やがったんだ、判ってんだろ~?」
「私を抱かれるの……ですか?」
「当たり前だろう~? むしろ、今迄何で犯らなかったのか不思議なくらいだぞ。」
≪もにもにもに≫
「ッ……私は、構いませんが……私の体の事は……ご存知ッでしょう?
巧くご奉仕は……っ……出来ないかと、思われますが……良いの、ですかっ?」
「がはははは、全然オッケーだ。」
後ろを振り返ろうとしたマリスに、ランスが立ち上がり抱きつく。
彼の両手はマリスの上半身を包み込み、彼女は一瞬だがビクりと震えた。
そのまま服の上から乳房に手を伸ばし、モミモミしながら誘いを掛ける。
……対して、"こっち"では一回もセックスやオナニーをしていない、
マリスの体は感じてしまっているのか、快感に耐えながら彼女は答える。
「そうなの、ですか? 他に魅力的な方はっ沢山、居ましたから、
私などっランスさんの相手には、役不足ッかと思いました……が。」
「ンな訳ねぇだろ~? お前は後、10年は大丈夫だッ。」
≪ばばっ!≫
「あっ……」
「おぉ~? "あっち"の下着じゃねぇか、やっぱ意識して来たんだろッ?」
「か……可能性も、ありますから……」
そろそろ28歳が近いマリスだが、そんな事は些細な事……というかどうでもいい。
"こちら"では相当な回数のナンパをされている事から、
彼女は東京の誰もが認める美女であり、ランスの守備範囲外である筈も無い。
よってランスがシャツを捲って素肌を露にすると、
カミーラとまではいかないが、豊満な乳房を黒いブラジャーが包んでいた。
その後のランスの言葉に少し恥ずかしそうにするマリスに、
ランスは引き続いてショートズボンを下ろして下着からはみ出るお尻に手を伸ばす。
≪むにむにむに≫
「う~む、久々に触る感触だな。」
「ふっ……う、くぅっ……」
「おぉ? なんだぁ? これだけで気持ち良いのかッ?」
「そ、そのようですね……ご存知の通りッ、体がっ敏感のようで……」
「がはははは、それなら今夜は20回はイカせてやろうッ。」
「そんなッ……んんっ!?」
≪ぶちゅっ!!≫
後ろからランスは、左手はマリスの左の乳房に伸ばし、ブラの下から手を入れて揉む。
右手は、最初はショーツの上からだが、やがて手を入れて秘部の周りを愛撫する。
そしてマリスの首を左に向けさせてディープキスを御見舞いし、
三箇所の場所を同時にマリスを攻める形となっている。
刺激で突起する乳首、愛液を垂らし始める割れ目、絡められる舌と舌……
ランスの攻撃は長い事続き、マリスはやがて立っていることもままならず――――
≪……ぺたんッ!≫
「おぉッ?」
「はぁっ……はぁっ、ふぅっ……」
「何だマリス、もうイッたのかーッ?」
「情けない、話ですが……そ、そのよう……です……」
「(マジか!? くくくっ、こりゃ良いぜッ。)」
≪がしっ……ぐいっ!!≫
「えっ!? ランスさッ……」
その場で崩れ落ち、ペタンとお尻を地面につけてしまうマリス。
ランスの右手の指が割れ目に入った辺りで、マリスは気をやってしまったのだ。
あまりも呆気なかったので拍子抜けしたランスだったが、
これで自分の立場がかなり上なのだと認識した彼は調子に乗り、
熱のこもった瞳で自分を、上目遣いで見上げる、
マリスの後頭部を、右手で掴んで自分の股間に引き寄せる。
同時にもう片方の左手で山を作っていたトランクスを下ろし、
ハイパー兵器をマリスの口に、無理矢理押し込んだ。
「やる事ァ~判ってんだろっ?」
≪――――がぽっ!!≫
「……んん"っ!?」
「これじゃ感じたりはしねぇだろ? 今迄みたいにやってみろって。」
「ンんッ……(そうよ、乱れ過ぎては駄目……
ランスさんを……気持ちよ良く、させないとっ……)」
≪ぐぽっ、ぐぽっぐぽっぐぽっ≫
「くぉ~っ、やっぱ巧いもんだなッ……」
「(ぷはっ)……そうですか?」
「そうだ! 久々に"あれ"やってくれ、"あれ"。」
「んっ、ふっ……ぷちゅっ……」(プチッ)
フェラチオをするにあたり、マリスは両手もしっかりと使う。
二つの袋やハイパー兵器そのものを扱(しご)いて、奉仕にあたっているのだ。
そんな中、一言喋る為に一度ハイパー兵器から口を離したが、
再び口に含むと、口を動かしながらブラを外して乳房を晒す。
直後、マリスは自分の胸の谷間でランスのハイパー兵器を挟む。
……いわゆるパイズリと言うヤツで、柔らかい感触がランスを襲う。
≪――――ぱふっ≫
「あへあへ~ッ、極楽極楽~。」
「んちゅっ……(これでも、私の胸は感じているのね……)」
「お前の胸もやらしいな、硬ぇ乳首が当たってるぜッ。」
「……っ……」
≪むにゅむにゅむにゅむにゅっ≫
「く……うぉぉ~っ、マリスーッ、出るぞぉ~……」
「……どうぞっ、そのまま……ちゅっ……出してッくださいッ。」
「おぉ~~ッ!?」
≪びゅっ!! びゅびゅびゅっ、びゅくっ!!≫
「!? う、くっ……」
胸に包み込まれ、少しだけ出たハイパー兵器の先端をマリスが口に含み、
自慢の舌技で舐めまくると、流石にそれにランスは耐えれず、
口を離した直後のマリスの胸と顔面に皇帝液を発射し、彼女を汚してしまった。
片目を瞑り、少し顔を引き、顎で皇帝液を受ける形となったマリス。
出来れば飲むところだったが、パイズリしただけでも自分の胸が感じており、
今の彼女にはそこまでの余裕が無かったようだ。
そんな以前の自分との違いを感じているマリスの胸に手を伸ばし、
付着している皇帝液を撫で広げながら、ランスは彼女を見下ろして言った。
≪ぬる~っ……≫
「なかなか良かったぜ? 今度は俺様が気持ち良くさせてやんね~となァ。」
「はい……お手柔らかに、お願いします。」
……
…………
お手柔らかにと言われたが、そんな簡単に済む筈が無い。
指の愛撫で潮を吹かされ、69(シックスナイン)での削り合い。
そして突き入れられるハイパー兵器に、皇帝液で汚される体。
≪ギシッギシッギシッギシッ!!≫
「くっ、ふぅッ! あ、あ、あぁっ! ランス、さっ……!!」
「出る~、出る出るッ……また出るぞぉ~ッ!?」
「わ、私も……またッ……ぁあッ!? くふううぅぅッ……!!」
「ちィっ……(このまま出してぇけど、出す訳にもいかんしなぁ~。)」
……30分後、地面から移り、セックスはベット上で繰り広げられていた。
体位はマリスが四つん這いになっている事から"背後位"であるが、
ランスは彼女の背中に覆い被さる様に密着し、器用にも右手は右乳房を鷲掴み、
左手はマリスの陰核(クリトリス)を刺激してピストン運動を行っていた。
その激しい攻めに、耐性が全く無い体になってしまっているマリスが、
何時(いつ)までも耐えれる筈も無く、幾度目かの絶頂を迎えた。
一方ランスが達するのは、マリスが3回達したあたりで1回程度だが、
今回もかなりの締め付けに、限界が来たか、ハイパー兵器を引き抜くと、
気丈にもランスに言われた通り、四つん這いの姿勢を崩さない、
マリスのお尻に皇帝液を振り撒き、快感の余興に浸るのだった。
対して、マリスは崩れ落ちない事に精一杯のようで、
がくがくと体を揺らしながら呼吸荒げに絶頂の興奮を抑えている。
「ふぅッ、ふぅッ……ふぅ~っ、ふぅ~っ。」
「マリス~、犯ってるときゃ"そのままでいろ"とは言ったが、
キツいんなら楽にしちまっても良いだぞぉ~?」
「そ、そうッですか……? では、お言葉にッ……」
≪……がくんっ≫
「そんな中途半端に我慢しなくても良いんだがなぁ~。」
「ハッ、ハッ……はぁっ、はぁっ……」
「なんつ~か、もっとアヘアヘ感じる方が、俺様も燃えるんだが。」
「はぁはぁ……そうも、いきませんッ……私はあくまでも……
奉仕させて頂く側ッ、です……からっ……」
お尻が浮いた背後位の格好で、背後のランスに横顔を向けて言うマリス。
我慢していなければこの2倍か3倍は達してしまっていただろうが、
それではリアに悪く、自分の立場からイキ過ぎないように努めていた。
努めるだけで達してしまうのは不回避なのだが、気持ちの問題なのだ。
……そんな"気持ち"を全く察してい無いランスは、地味に納得がいかない。
確かに何度も達するマリスを好き放題イカせれるのは、
"あっち"では自分が何度もイカされる側だったので楽しい事この上ないが、
中途半端に我慢されると、もっと意地悪したくなってしまうのだ。
よって"もっと色んな事してやる"と口の端を上に吊り上げると、
ランスはマリスのお尻に両手を伸ばし、谷間を開きながら言うのだった。
「そういや"こっちの穴"じゃあ、まだ犯った事無かったよな~?」
≪くに~っ≫
「……っ!? そ、そうですが……まさか……」
「後ろは、経験あるのか?」
「多少は、あります……ですが、何年も前なので……」
「そうか? まぁ、一応聞いただけだ! どっちにしろ犯るけどなッ。」
「仕方ありませんね……もう、ランスさんの好きなように……してください。」
「がははははッ、"こっち"の扱いはベテランだからな、任せておけ~ッ。」
「(保てるのかしら? 私……)」
身勝手なランスに、半ば諦め気味な表情と声色で答えるマリス。
だが、決して嫌がっているような答え方では無く、笑みも見られた。
自分の事は二の次で、何時でも他者を喜ばせる為に行っていたセックスが、
今回は殆ど耐えているだけなモノにせよ、新鮮に感じたからだ。
かといって最後まで快楽に身を委ねる事はしなかったが、
自分も感じる"新鮮なセックス(それが普通なのだが)"も良いものだと実感した。
……
…………
……約2時間後、裸でベットに並ぶ二人。
ようやく最後の一発が済んだ直後の状況は、
かなりの運動をした為か二人ともそのまま動くに動けなかった。
そして二人の呼吸だけが聞こえる状況が10分ほど経つのだが、
興奮が完全に治まったランスは、天井を見ながら言う。
「そういやあ、戻んね~んだな。」
「はい?」
「"あっち"じゃいくら激しくヤった後でもよ……
終ったらさっさと出て行っちまったじゃねえか。」
「そう言えばそうでしたね……ですが、今回はその必要もありませんから。」
「あぁ……面倒な仕事が無ぇんだったよな。」
「その通りです……リア様には悪い気がしますが……」
「ふん、あいつを甘やかす必要は無ぇんだよ。」
「この件にしては、そういう問題でもないと思いますが。」
「良いのだッ、こういう時くらいリアの事は忘れろ~ッ。」
リアだけでなくマリスも"こっち"に来た事でプラスになっていると言っても良い。
リアが喜んでいるのを差し引いても、こちらでは、
日々の忙しい事務を一切する必要が無いので、このようにランスと一夜を明かせる。
実を言うと、エッチが終った後でもマリスが此処に残っているのは今回が初めてだ。
しかし……現在マリスが此処に残っている理由は、
仕事が"こちら"ではする必要が無い事からの"時間の余裕"だけではない。
「さておき、此処に居る理由としては……それだけではありません。」
「おぉ、なんだ? もしかして、俺様に惚れたのか~?」
「いえ、ぜんぜん違います。」
「ガクッ。」
「実は……腰が抜けてしまったようで、暫く立てそうも無いのです。」
「はぁ~?」
「ですから、一晩の間よろしくお願いしますね。」
「お、おう……(まぁ、途中で失神したリアよりはマシか……)」
悪戯して叱られた子供のような表情で"腰が抜けた"と言ったマリス。
"こちら"での初めてのセックスで、リアは快楽に身を委ねた結果、
気を失ってしまったが、我慢したマリスは腰が抜けてしまったのである。
本来なら腰を抜かすのは男の方なのだが、マリスが腰を抜かしたとなると、
ランスが余程無茶なセックスを彼女にしたのが原因だろう。
それでも"こちら"でのセックスが初めてなマリスが、
快楽で自我を失わなかったのは、流石は彼女であると言え、
今回は完全に攻め側だったランスだが、この点では一本取られてしまった。
ランスは違う答えを期待したのだが、"腰が抜けた"という言葉を聞いて、
"やっぱマリスはマリスだな"と、相変わらずの気丈な精神に納得及び関心してしまう。
「それではランスさん、お休みなさい。」
「お疲れ~だ……だがマリス、もっとくっ付け。」
「こうですか?」
≪……ぴとっ≫
「うむッ、それでこそ俺様の女だッ。」
「……意味がわかりません。」
「何を言うか、"俺様の女"の条件として、
一緒に寝ていくのは当然の事だろう? こうやってくっ付いてなッ。」
「難しい、条件ですね。」
「それはお前だけだ~ッ。」
そんなこんなで、マリスと共に一夜を過ごす事になったランス。
あれ程(完全ではないが)乱れた彼女を抱く事はもう無いかもしれないが、
かなり楽しめ、ランスの気分は非常に充実していた。
マリスの"提案"によってこの先どうするか、ちょっぴり難しそうだが、
やはり考えるのは面倒なので、そのまま眠りに入ったランス。
一方、彼の腕を枕にするマリスは、しっかりと朝まで彼の横に居た。
……20日目が終了し、そろそろ"こちら"の戦いも3週間となる。