※Lyrical GENERATION 1st の続編です。基本的なルールは前作と変わりません。
それではプロローグからどうぞ。
プロローグ「霙空の星」
海鳴市で暮らす八神はやてはその日、図書館で何冊か本を借りた後に車いすに乗って帰宅しようとしていた。
「うーん……借り過ぎてしもうたかな、ちょっと重いなぁ……。」
膝に乗せている何冊もの本の重みに耐えながらはやては車いすを押す、そして彼女は海沿いにある遊歩道に通りかかっていた。
「もう五月なんやな……まだ海では泳げへんか。」
そう言ってなんとなくはやては海のほうを見る、そして……ある異変に気付いた。
「あれ……? なにしているんやあの人……?」
彼女の視線の先には、波打ち際でぐったりとしている黒いシャツに迷彩柄のズボン、そして銀髪を坊主刈りにした12、3歳ぐらい少年がいた。
「ま、まさか溺れて……!? こらアカン!」
はやてはすぐさま彼のもとへ自分が乗っている車いすを動かし、意識があるかの確認の為声をかける。
「(外人さんかな?)どないしたんやあんさん! 大丈夫かいな!?」
「…………。」
少年は返事を返さなかった、よく見ると彼の体にはいたるところに血痕が付着していた。
「うわわ!? 早く救急車よばへんと……!」
少年の命の危機を察知したはやてはすぐさま携帯電話で救急車を呼んだ……。
数分後、はやては救急車に乗せられた少年に付き添い、自分が通っている海鳴大学病院にやって来ていた、そして彼が眠る病室で知り合いの石田医師から彼の容体について聞いていた。
「石田先生……あの人どうなったんですか?」
「安心して、命に別条はないみたい……はやてちゃんが見つけてなかったら大変なことになっていたわね。」
「そうですか、よかった……。」
ほっと胸を撫で下ろすはやて、その時……ベッドに横たわっていた少年が目を覚ました。
「う……ううう……?」
「あ、目を覚ましたのね。」
「大丈夫ですか……?」
少年は目を覚ましてはやてと石田の姿を見ると、首を傾げて彼女たちに質問する。
「あんた達は一体……ここはどこだ……?」
「ここは海鳴大学病院、君……海辺で倒れていたんだって、はやてちゃんに感謝しなさいよ、彼女が救急車呼んでくれたんだから。」
「はやて……?」
少年は自分の傍らにいる車いすの少女を見つめる。
「海で倒れていた……? それは本当なのか?」
「え、ええ……そうですけど。」
「君、自分の名前はわかる? ご両親に連絡しないと……。」
すると少年は頭を抱えて必死に何かを思い出そうとする、そして……汗を垂らしながら石田に向かって答えた。
「俺の名前はスウェン・カル・バヤン……だと思う、家族はわからない……。」
それは、星の海を掛ける“白い悪魔”と呼ばれる機械人形が世界を平和へ導く戦士として君臨するいくつもの物語と、数多なる世界を駆け秩序を管理する魔導師達の世界が、一つの物語として融合していく物語。
少女は願いました、今ここにある幸せが、いつまでも続いてほしいと。
騎士たちは願いました、自分たちに温もりをくれた少女が、いつまでもいつまでも幸せになってくれることを。
魔導書は願いました、いつか……自分も少女や騎士達と一緒に、幸せな時を過ごすことを。
少年は願いました……彼女達の切なる願いを叶える為の力を得ることを。
君たちに聞かせてあげよう……二番目の物語は、やがて黒き機械人形を駆る少年が、心優しい少女たちと出会い、幼い頃失ってしまった宝物を取り戻す物語。
“Lyrical GENERATION STARGAZER” 始まります。
本日はここまで、次回はヴォルケンズ登場までの話を描く予定です。
ストライクノワールはガンダムの中でもトップクラスに入るほどのカッコよさ、異論は認めない。
なんでエクストリームVSやガンダム無双3に出ないんだ……あと第二次Zも……。