第六話「蒼き嘆きの詩」
12月23日の夜、アスカ一家とフェイトとアルフは翠屋のクリスマスパーティーにお呼ばれされていた。
「いやいやすみませんね、態々招いていただいて……」
「いいんですよ、はいこれ」
そう言って士郎は隣に座っていたシンの父のコップにビールを注ぐ。シン達が座るテーブルには桃子が作った様々なごちそうが所狭しと並べられていた。
「桃子さんってパティシエだったんですよね? 今度レシピとか教えてくれません?」
「ええ、いいですよー」
そうして大人達が会話に花を咲かせている一方、シン達子供組も料理に舌鼓を打ちながら和気藹々としていた。
「マユね、明日ね、お兄ちゃんとパパとママと一緒に遊園地に行くの!」
「ふふふ、よかったねマユちゃん、でも残念だったね、クロノ君とリンディさんが来れないなんて……」
「なんだか急に仕事が入っちゃったみたいなんです」
「まあその代わり、桃子さんが作ったケーキ持って帰るんだからいいんじゃね?」
「アルフもおいしい?」
「くうーん」
美由希はテーブルの下で嬉しそうに肉を頬張るアルフ(こいぬフォーム)を見て微笑む。
「今年もイブは地獄の忙しさだな……」
「いいよねー恭ちゃんは、忍さんとお店の中で一緒にいられるんだからー」
忍とはすずかの姉で恭也の彼女であり、この翠屋でアルバイトをしているのだ。
「それじゃ私、今夜のうちに値札とPOP作っておくね」
「よかったら俺達も手伝うか? みんなでやったほうが早く終わるだろ」
「なのは、私も手伝うよ」
「わあ! ありがとう二人とも!」
そんな和やかな空気の中、マユは料理をおいしそうに食べながらシンに話しかけてくる。
「ねえお兄ちゃん、今年もサンタさん来てくれるかな? マユね、お姉ちゃん達みたいな携帯電話がほしー」
「そうだな……マユはいい子だったしきっと来てくれるさ、あと携帯電話は4、5年早いんじゃね?」
「シン? サンタさんって何?」
シンとマユの話を聞いてフェイトも質問してくる、今までクリスマスの無い世界で暮らしてきたフェイトはサンタという存在を知らなかった。(クリスマスというイベントもこの世界に来て初めて知った)
「フェイトお姉ちゃんサンタさん知らないの? サンタさんはクリスマスにプレゼントを配ってくれるおじさんなんだよ、良い子のところに来てくれるんだって」
「そうなんだ……じゃあ私のところには来てくれないね、今年は私、いっぱい悪いことしちゃったから……」
PT事件の事を思い出し軽くへこむフェイト
「こら! 暗くなるな!」
そんな彼女の口にシンはパンを押しこむ。
「もごっ!?」
「もーだめだよフェイトちゃん、暗い話はノンノンノン! だよ!」
「ふぉめんなふぁい……(訳:ごめんなさい……)」
口にパンを咥えたまま謝るフェイト。
「……? あの子達は一体何の話を?」
「あー……それより士郎さんもほら! ぐいぐいーっと!」
「桃子さんもほら! 美由希ちゃんもどう!?」
「あはは、私は学生なんでお酒はダメですよー」
怪しがる士郎達の注意を反らすため、アスカ夫婦は慌てて酌を注いだ。
同時刻、海鳴総合病院でははやての病室にスウェンとノワールがお見舞いに来ていた。
「皆最近お見舞いに来てくれへんな……お仕事忙しいんやろか?」
「実はそうなんスよー、ごめんなさいねー姐さん」
ノワールはスウェンが切ったリンゴをシャクシャク食べながらはやてに謝る。
「私のことは別にええんよ、うっ……」
その時、はやては急に胸が苦しくなり、ベッドの上で蹲ってしまう。
「!! はやて!」
「はやて姐さん!」
異変に気付いたスウェンとノワールはすぐさまはやてに駆け寄り、背中を優しくさすってあげる。
「大丈夫か? 石田先生を呼ぶか?」
「へ、平気よ……心配かけてごめんな……」
「謝らなくていい」
そう言ってはやてを優しく寝かせるスウェン、するとはやてはポツリポツリと昔話を始めた。
「もう皆と出会ってから半年以上経つんやね……月日が経つのは早いもんや」
「何ババくさいこと言っているんスか、まだ年齢一桁なのに」
調子よくはやてをからかうノワール、しかしはやては答えることなく窓の外の景色をじっと見つめていた。
「……見て、外はもうクリスマス一色や、この町の人皆、大切な人と一緒に幸せな時間を過ごしているんやろうな……」
「……はやてには俺達がいるだろう、弱気になるんじゃない」
「うん……でもな、なんとなくわかるんよ、もうすぐ私にお迎えが来るって……天国にいる両親と会えるんや」
「「…………」」
病室に重苦しい空気が流れる、それでもはやては話を続けた。
「本当は皆を残して死にたくない……でも、最近思うんや、これが私の運命なんだって、神様がそう定めたのなら……従うしかないんやろうな」
「はやて」
弱気になっているはやてに対し、スウェンは手を握って彼女を励ました。
「はやて……まだ家に俺とはやてだけだった頃を覚えているか?」
「うん……覚えとるよ、短い間やったけど……」
「その時に花火大会があったのを覚えているか? あの時は結局雨で中止になって見ることが出来なかったが……それなら来年、今度はシグナム達と一緒に見に行こう、約束してくれ」
「え? でも私は……」
それまで生きられない、その約束は果たせない、と言おうとしたはやての言葉を、スウェンは少し大きな声で遮った。
「お願いだ、約束してくれ……」
はやてはその時初めて、スウェンが悲しそうな顔をしていることに気付いた。
「……分かった、約束する……」
「ありがとう……それじゃもう遅いし、俺達はそろそろ帰る、ちゃんと寝るんだぞ」
そう言ってスウェンははやての毛布を掛け直し、頭を撫でて病室を出て行った。
「お休みはやて」
「お休みッスはやて姐さん」
「うん、帰り道に気をつけてな」
そして病院を出たスウェンは、何も言わずに近くにあった電柱に額をゴンとぶつけた。
「アニキ……?」
ボックスの中からスウェンの様子を窺うノワール、そして彼はスウェンが声を殺して泣いていることに気付いた。
「ノワール……! もし神様が本当にいるのなら、俺はそいつをぶん殴ってやりたい! なんではやてがあんな苦しい思いを……シグナム達が背負いたくない罪を背負わなきゃいけないんだ!! みんなが一体何をしたっていうんだっ……!」
「……変えてやりましょう、人の不幸を見てゲラゲラ笑ってる糞以下の運命の神様なんてぶっとばして、オイラ達で運命を切り開こうじゃないですか」
「ああ……そうだな……!」
スウェンは涙をぬぐい、決意を新たにして八神家に向かって歩き出した……。
一方スウェン達が去った病室では、はやてベッドの中で先ほどの出来事を思い出していた。
(スウェンのあんな顔……初めて見た、いっつもクールなのにあんな顔もするんやな……)
はやて先ほどから胸が苦しくなっていくのを感じていた、ただしそれは先ほどのと違って温かさも感じられていた。
(なんでやろ……なんで私、こんな気持ちになっているんやろ……確かベランダでお姫様だっこされたときもこんな気持ちになったな……)
いつの間にか、はやての頭の中はスウェンとの思い出で一杯になっていた。
(なんかちくちくする……もしかして私、スウェンの事……)
その途端、はやての心にとてつもない気恥ずかしさが襲い、彼女は毛布の中に潜り込んでしまった。
(あ、あかんあかん! 何考えとんの私!? もう寝よ! 寝よ!)
しかしはやては興奮する自分を抑えられず、その晩は一睡もできなかったそうな……。
そんなこんなで次の日、なのはとフェイトはアリサとすずかと共に、街中のバス停でとある人達が来るのを待っていた。
「それにしても今日はシン君いないんだね」
「うん、今日は家族水入らずで遊園地に行くんだって」
「そっかー、今の時期ってパレードが豪勢だもんね、よくチケット取れたよね、羨ましいなー」
「マユちゃんが楽しみにしているって言っていたっけ? まあ引っ越してきたばかりだしたまには家族水入らずってのもいいと思うわよ」
その時、バス停に一台のバスが停まり、そこから金髪の少女が出てくる。
「あ! アリサー! 迎えに来てくれたのね!」
「ルイスひっさしぶりー!」
金髪の少女……ルイスはアリサの姿を見ると、すぐさま彼女に抱きついた。そしてすぐそばにいたなのは達にも次々と握手していった。
「あなた達がアリサの友達ね! 私ルイス・ハレヴィ……って、ビデオメールで何度もあいさつしていたっけ?」
「直接会うのは初めてだよー、会えて嬉しいー」
なのは達もまた、ルイスに会うのを楽しみにしており彼女との出会いを喜んでいた。
「あれ?なんかこっちにリムジンが来るよ?」
その時、今度はバス停に黒塗りのリムジンが停まり、中からお団子ヘアーの黒髪の美女と、彼女より一回り大きい凛とした少年が出てきた。
「お嬢様、おぼっちゃま、念のため護衛の者たちを近くにつけておきます」
「わかりました……行ってよろしいですよ」
お団子頭の少女の指示で去っていくリムジン、そして少女はアリサ達のほうを見てぺこりとお辞儀した。
「ごきげんようアリサさん……態々待っていただいて嬉しいですわ、それにお友達の方々も……」
「あんたも相変わらずねー、留美」
アリサはお団子頭の少女……王 留美の年に似合わない圧倒的な風格に感心していた。そして……彼女の後ろにいた少年の存在に気づく
「そういえばその人は?」
「この人は私の兄の紅龍です、私は一人で来ると行ったのにこの人は勝手に……」
「お前に何かあったらどうするんだ」
「にゃはは、なんだかシン君みたいだね」
「妹のいるお兄ちゃんってみんなこうなのかな……?」
「ま、とりあえずみんな揃ったわね、それじゃ目的地へれっつごー!」
そして一同はアリサを先頭に海鳴総合病院に向かった、目的は……はやてのお見舞いをするために。
それから一時間後、はやての病室、そこでシグナム、ヴィータ、シャマルは、はやてのお見舞いに来ていた。
「ごめんねはやて、あんまりお見舞いに来れなくて……ていうかなんで寝むそうなんだ?」
「ちょ、ちょっとな、それより元気にしてたか~?」
「うん! めっちゃくちゃ元気!」
ちょっと眠そうなはやてに撫でられて、ヴィータは気持ちよさそうだった。
「そういえばゴハンとかどないしてんの?ちゃんと食べとる?」
「え、ええ……」
しどろもどろに答えるシグナム。
「大丈夫ですよ~私が毎日愛情をたっぷり込めて作ってますから~」
「そうか……ご愁傷様やね……」
はやては毎日シャマルのお世辞にも美味しいと言えない料理を、毎日食べている皆に哀れみを感じていた。
そしてそんな中シグナムとシャマルは念話で現在の状況について話し合っていた。
(そういえばザフィーラとスウェンは?)
(一緒にこの世界で蒐集を行っている……時間がないからな、こうしているうちにも主は目に見えるほど衰弱している……急がねば)
すると病室のドアが何者かにコンコンとノックされる。
『失礼しま~す。』
「あっ! すずかちゃんや! どうぞ~。」
「「!?」」
突然の来訪に、シャマルとシグナムは嫌な予感がしていた。そして病室のドアが開かれ、そこからなのは達が現れる。
「じゃ~ん!遊びに来たよ~!」
「お邪魔しま~す。」
「いらっしゃ~いみんな~」
「「「!!!!!」」」
シグナム達はすずか達の後ろにいたなのはとフェイトの姿に驚く、彼女達はなのは達がすずかの友人だと知って以来、今日まで定期的にお見舞いに来る彼女達と会わないよう色々と手を回していたのだが、はやてを驚かせようとしたすずか達の行動が今日の事態を招いてしまったのだ。
「「!!!?」」
なのはとフェイトもまさかここに闇の書の守護騎士達がいるとは思わなかったのか、少しばかり動揺していた。そして直感的に、はやてが闇の書の主ということに気付いてしまった。
「今日はサプライズプレゼントを持ってきたよ~!」
すずかとアリサは掛けていたコートを取り、プレゼントが入った箱をはやてに渡す。
「うわぁ~ありがとうな~」
はやては嬉しそうにプレゼントを受け取る。
「……」
そんな中、ヴィータはずっとなのは達を刺すように睨んでいた。
「あの……そんなに睨まないで……」
なのははそんな視線に耐えられなかった。
「睨んでねーです、元々こういう顔なんです」
「コラッ! ヴィータ!」
はやては態度の悪いヴィータの鼻を躾として摘みあげる。
「あうあうあうあうあう~~!」
「悪い子はこうやで~!」
その微笑ましい光景をみて、一同の重苦しい緊張が少し解れる。
なのは達は何故シグナム達が必死になって主のために戦うのか判った気がした。
(二人とも、少しいいか?)
そこにシグナムが小声で話しかける。
(管理局に通じない……通信妨害を?)
(シャマルはサポートのエキスパートだからな、とりあえず今は主達がいる、後で屋上に来てくれないか?)
その時、はやてはすずか達の他に自分の知らない少女達がいることに気づく。
「そういえば後ろの子たちは何方?」
「この子たちは私の友達なの! 日本に遊びに来ていて一緒にはやてのお見舞いに来てくれたの!」
「ルイス・ハレヴィです!」
「私は王 留美、後ろにいるのは兄の紅龍ですわ」
紅龍は何も言わずぺこりと頭を下げた。
「いやー、今日は大所帯やねー、こんなにお見舞いに来てくれるなんて私嬉しいわー」
「なんの病気か知らないけど早くよくなってね」
「よろしければわたくしがもっといい病院を紹介させていただきますわ」
ルイスと留美もまたはやての身を案じて励ましの言葉を贈る。
その時……シグナムは紅龍がじっとこちらを見ていることに気付いた。
「……何か?」
「いえ、失礼ですが何か武術を嗜んでいるのですか? 立ち振る舞いが様になっていたので……」
「シグナムは町で剣道場の師範の仕事をしてはるんですよー」
代わりにはやてが答え、紅龍は納得してうんうんと頷く。
「なるほど、俺も武術を習っているのです、よろしければ今度手合わせを……」
「はい、そのうちに……(ほう、よい目をしている……)」
シグナムもまた、紅龍の隙のない立ち振る舞いに感心していた……。
数十分後、夜の海鳴大学病院の屋上でなのはとフェイト、シグナムとヴィータとシャマルが対峙していた。ちなみにすずか達は先に帰している。
「もうやめてください!沢山の人を傷つけて…こんなことをしてもはやてちゃんは喜ばない!」
「闇の書が完成したら大変なことになるんです! 悪意ある改変をうけて……だから!!」
なのは達の言葉にシグナム達は首を横に振る、そして辺りに結界が張られる。
「それでも……主のためなのだ」
「クラールヴィントの結界からは出しません!!」
「邪魔すんなよ……もうすぐ終わるんだ! はやてとみんなで静かに暮らすんだ……だからお前ら邪魔すんなぁ!!!!」
ヴィータが先陣を切り、なのはに襲い掛かる。
それを、なのはが受け止める。
「わかった、その代わり…私が勝ったらちゃんとお話聞いてもらうよ!!」
そしてなのは達は互いの守りたいもののためにぶつかり合う、その戦いを何者かに監視されていることに気付かずに。
一方、スウェンは帰りが遅い皆に代わりに夕飯の買い物をすませ、帰宅の路についていた。
「シャマルがメールで帰りが遅くなると言っていたが……何かあったのだろうか?」
「うーん……何事もなければいいんスけどね」
そう言って街中を歩くスウェン、その時、彼の視界にクリスマスセールの真っ最中であるおもちゃ屋が入ってきた。
「……ノワール、少し寄り道をするぞ」
「おう? アニキがおもちゃ屋に行くなんて珍しいッスね」
そしておもちゃ屋に入るスウェン、彼はそのままぬいぐるみのコーナーに足を運んだ。
(見舞いに行けない間、はやては一人ぼっちだからな……ぬいぐるみがあれば少しぐらい寂しくはなくなるだろう)
そしてスウェンは商品棚の奥に狐耳と尻尾を生やした巫女服の女の子のぬいぐるみを発見する。
「『もふもふ久遠ちゃん』……そう言えばニュースで人気商品だとか何とか言っていたな、よし」
スウェンは即決してそのぬいぐるみを手に取る、その時……その商品棚に一人の女の子が近付いてきた。
「あー! 久遠ちゃん売り切れてるー! そんなー!」
「ん? この声は……」
スウェンは聞き覚えのある声に反応して振り向く、するとそこにはコートに身を包んだマユがいた。
「あ! スウェンおにーちゃんだ! こんにちはー」
(おやー、マユ嬢ちゃんじゃないッスか)
「君は……こんなところで会うとは奇遇だな」
「うん! マユねー、家族みんなで遊園地に行ってたの! それでね! パパがプレゼント買ってくれるって言うからここにきたの、でも……」
マユはスウェンが持つぬいぐるみを羨ましそうに見つめる、マユもまた「もふもふ久遠ちゃん」を欲しているのだ。
「……よかったらどうぞ」
スウェンはそんな彼女の様子に気付き、迷うことなく自分のもふもふ久遠ちゃんを手渡した。
「え!? いいのお兄ちゃん!?」
「ああ、別にそれに拘っていないからな、大事にしてくれるなら譲ってやろう」
(アニキってばおっとなー)
「ありがとう! スウェンお兄ちゃん!」
「マユー、プレゼント決まったかー?」
その時、マユ達の元に一人の少年が駆け寄ってきた。
「あ! お兄ちゃん! 久遠ちゃんあったよ!」
「そうか、それはよかっ……た……!!!?」
その少年……シンはマユの傍に今まで自分と何度も戦った闇の書の守護騎士の仲間であるスウェンがいることに気付き、表情を変える。
「!!!!!?」
そしてスウェンもまた、シンの姿に気付き咄嗟に身構える。
「……? お兄ちゃん達、どうしたの?」
「マユ……そいつは誰だ?」
「スウェンおにーちゃんの事? 私のお友達の家族の人だよー」
(これはこれは……意外な接点でしたね)
「お前が……マユの兄だったのか」
互いの間に流れる険悪なムード、その間に挟まれているマユはどうしたらいいか解らずオロオロしていた。するとそこに、今度はシンの両親がやってきた。
「シン、どうしたんだ?」
「マユは見つかったの……ってアラ? スウェン君じゃない、一体どうしたの?」
「母さん……彼なんだ、守護騎士達と一緒にいた、俺と戦った少年っていうのは……」
「え!?」
「何だと!?」
シンの言葉に二人は目を見開いて驚く、その間スウェンは脳内で様々な思考を巡らせていた。
(どうする? ここで戦う訳にもいかない……みんなを呼ぶか? しかし……)
「ねえ、お兄ちゃん」
そんな一発触発の空気をマユの一言が振り払った。
「? どうしたマユ? マユは後ろに下がったほうが……」
「お兄ちゃん……もしかしてスウェンお兄ちゃんと喧嘩するの?」
「「は?」」
予想外の言葉に呆気にとられるシンとスウェン。
「喧嘩は駄目だよ、だってスウェンお兄ちゃんはいい人だよ、マユが悪い人に襲われないようにいっつも送り迎えしてくれるもん」
「で、でもなマユ、こいつは悪い奴の仲間で……」
「ヴィータちゃん達が悪い子な訳ないよ! そうだとしてもきっと理由があるんだよ!」
「ま、マユ……」
その時、シンの父が彼の肩をポンと叩いた。
「シン、ここで戦うのはあまりよろしくないだろう、まずは話し合ったほうがいいんじゃないのか?」
「父さん、でも……」
「戦わずに済めばそのほうがいい、シンだってそう言っていたじゃないか」
「う、うん……」
シンは父に言われた通り構えるのをやめ、スウェンに歩み寄った。
「……ちょっと場所を変えよう」
「わかった」
数分後、人気のない工事現場……そこでシンとスウェンは、マユ達に見守られながら自分達のデバイスを出し、向かい合っていた。
「まずは……お前達の目的を聞きたい、なんでリンカーコアを集める? 闇の書は悪意ある改変を受けているから完成させても主は死ぬだけなんだぞ、それどころか周りのものまで滅ぼして……」
「出鱈目じゃ……ないのか」
シンの言葉にウソ偽りを感じない上に、先日のヴィータの言動の事もあってスウェンはシンの言葉を信じかけていた。
一方その言葉を投げかけたシンも、スウェンの挙動を見てデスティニーと共に色々と思考を巡らせていた。
(あの様子を見ると……どうやら知らないで集めていたみたいですね……)
(防衛プログラムにまで異常をきたしているのか……それであいつは守護騎士達の行動を鵜呑みにして……)
「……今度は俺から質問していいか?」
「いいぞ」
「お前は……“コーディネイター”なのか? コーディネイターとは一体なんだ?」
スウェンの質問に言葉を詰まらせるシン、そして息を思いっきりはいたあと、意を決っして答えた。
「俺は……俺とそこにいるマユはコーディネイターだよ、コズミックイラっていう世界の技術で、遺伝子を調整して普通の人より免疫や運動能力が上回っているんだ」
「遺伝子を調整……」
スウェンは自分の中から沸きあがってくるどす黒い感情を抑えながらシンに再び語りかける。
「俺の本当の家族は……コーディネイターに殺されたらしい、本当のことは解らないけど……」
「……確かにコーディネイターの中には、ナチュラルを妬んだり恨んだりする人もいる、でも……でも俺達はそんなひどいことはしない! 遺伝子がどうとか! 生まれ方がどうかなんかで誰かを恨んだりしない!」
プレシアの事を思い出しながら、シンは必死に訴えかけた。
「……なるほど、お前は信じるに値する人間だろう、でも……!」
スウェンは無言のままセットアップし、ショーティーの銃口をシンに向けた。
「スウェンお兄ちゃん!」
「マユ、シンに任せてあげなさい」
止めに入ろうとするマユを、シンの両親が制止する、対してシンもセットアップしてビームライフルの銃口をスウェンに向けた。
「そうだよな……それでも守りたいものがあるんだよな」
「ああ、そうだ……お前達にはやてが救えるのか? それが解らない限り、俺ははやてを守ろうとする皆を信じる」
両者の間に張りつめた空気が充満する、その時……ほぼ同時に二人の脳内に念話が聞こえてきた。
『シン! 聞こえているかい!?』
「アルフ? どうしたんだ?」
『さっきからお友達の病院の見舞いに行ったフェイト達から連絡がつかないんだよ! なんか病院の周りに結界が張ってあって……!』
「フェイトが!?」
『スウェン! 聞こえるか!?』
「ザフィーラ……一体どうした?」
『シグナム達と連絡がつかん! 病院で何かあったらしい……一足先に行っているぞ!』
「……わかった」
念話を切ったシンとスウェンは、そのまま海鳴総合病院に向かって飛び出した。
「シン!?」
「父さん母さん! マユを連れて先に帰っていてくれ! フェイト達に何かあったみたいだ!」
「わ、わかった!」
「お兄ちゃん! 気をつけてねー! スウェンお兄ちゃんもー!」
そしてシンとスウェンは全く同じ方向に向かって海鳴の夜空を飛翔していた。
「あ……あれ!? そっちも同じ方角!?」
「どうやら俺たちの仲間が戦っているらしい、勝負は向こうについてからだな」
「あ、ああ……」
その頃海鳴総合病院の屋上では、なのは達とヴォルケンリッターによる激しい戦いが繰り広げられていた。
「吹き飛べええええ!!!」
「きゃ~!!」
ヴィータの攻撃に吹き飛ばされ、なのははフェンスに激突する。
「なのはぁ!!!」
シグナムと鍔競り合いをしていたフェイトはなのはに声を掛ける。
「余所見をしている暇があるのか?」
シグナムの斬撃をギリギリでかわすフェイト、だが、
「でええええええい!!!」
そのスキにシグナムの蹴りを腹部に喰らってしまう。
「がはっ……!」
フェイトはそのまますべるように地面に倒れた。
「すまないテスタロッサ、私は主のためなら……たとえ騎士道に反してしまっても……!!」
シグナムは自分の卑怯な行いを悔いてか、一筋の涙を流していた。そしてそのまま彼女はフェイトを抱き起した。
「フェイトちゃん! 起きて!」
フェンスに叩きつけられたなのはは、ダメージが深い体で必死に親友の名前を呼ぶ。
シグナムはフェイトのリンカーコアを獲るため、彼女の胸に手を伸ばす。
(くっ……! このままじゃ……!)
フェイトもダメージが深く体の自由が利かなかった。
そして、フェイトのリンカーコアが獲られようとしたその時、
突然、ヴォルケンリッター全員にそれぞれ四重のバインドが掛かったのだ。
「なぁ!?」
「うわぁ!」
「え、えぇ!?」
「今彼女の力を奪われては困る……」
そこに現れたのは仮面の男だった。
「貴方達は……!?」
続けざまに、今度はなのはとフェイトにもバインドが掛かった。
そして仮面の男はヴォルケンリッターに手をかざす。
「足りないページは貴様達のリンカーコアで補う……今までもそうしてきたはずだ」
「な……何なんだよ、何なんだよお前!!!?」
「それでは……さようならだ。」
そして、騎士達はリンカーコアを奪われ、魔力で姿を保っていた彼女達はヴィータを除いて、この世から消えてしまった。
「さて……」
「うおおおおおおおお!!!」
その時、突如仮面の男に異変を察知して駆けつけてきたザフィーラが殴りかかってきた。
「そうか、もう一匹いたな」
魔力障壁でザフィーラの攻撃を防ぐ仮面の男、そしてザフィーラの胸からリンカーコアが摘出された。
「奪え……!」
「ぐっ……! うおおおおおおおお!!!!」
ザフィーラの最後の一撃もむなしく、彼のリンカーコアも仮面の男によって蒐集されてしまった……。
はやては胸騒ぎがして目を覚ました。
窓の外はもう夜、そのせいか病室も暗くなっていた。
体を起こした瞬間、胸の辺りに激しい痛みが襲い、視界が真っ暗になったかと思うと、いつのまにか屋上に来ていた。そして彼女は信じられないものを目にする。
「なのはちゃん……!? フェイトちゃん!?」
そこには空中でヴィータを磔にしてデバイスを向けているなのはとフェイトがいた、地面にはザフィーラも倒れている。
「はやてちゃん、あなたはね……病気なの、闇の書の呪いっていう病気、もう治らないんだ」
「闇の書が完成しても治らない、はやてが助かることはないんだ」
はやては二人が何を言っているか理解できず涙声で二人に懇願した。
「何言うてるん? ウチはそんなこと命じてへん……それよりもヴィータを離して!」
二人ははやての言葉に耳を貸さず、話を続ける。
「みんなもう壊れていたんだ、俺がこうする前から……とっくの昔に壊れていた闇の書の機能を、まだ使えると思い込んで無駄な努力を続けていたんだ」
「無駄ってなんや!? シグナムは……シャマルは!?」
ふと、はやては後ろを見る、そこには2人の服だけが抜け殻のように落ちていた。
悪い予感が頭を駆け巡る。信じたくない、あんなに優しかった二人がこんな事をするなんて信じたくなかった。
「壊れた兵器は役にたたないよね、なら……壊そう」
なのはが一枚のカードを取り出し、ヴィータにそれをかざす。
「やめて……やめてぇ!!」
「やめてほしかったら……力ずくでどうぞ」
そしてカードがヴィータの魔力を吸い上げ、彼女をこの世界から消し去ろうとしたその時だった。
「「やめろおおおおおおおおお!!!!!!!!!」」
「「!!?」」
天空から一足遅く駆けつけたシンとスウェンが、なのはとフェイトにビームライフルの弾を当てて儀式を中断させた。
「スウェ……ン……?」
「はやて! みんなはどうし……!!!?」
シンがヴィータを救出している間、スウェンはあたりを見回して状況を確認する、そして……脱け殻になったシグナムとシャマル、そしてピクリとも動かないザフィーラを見て、完全に頭に血を登らせていた。
「きっ……貴様らああああああああ!!!!!!」
「くっ、こんな時に邪魔が……!」
タイミングの悪い増援に悪態をつくなのはとフェイト、その時……シンの傍にいたデスティニーが彼女達に指をさして言い放った。
「正体はもうわかっています、仮面の男……いえ、リーゼ姉妹!」
「「!!?」」
正体を見破られ動揺するなのはとフェイト……に変装したリーゼ姉妹。
「アリアとロッテなのか!? どういうことだよデスティニー!!?」
「どうも砂漠での一件以来、この二人があやしいと思ったのです、管理局の監視から逃れて戦場に乱入なんて内部の人間にしかできませんし、ブリーフィングルームでの挙動が怪しかったですしね……それに聞くところによると、お二人は変身魔法が大層お上手なようで……なので心苦しいかったですが、クロノさんとリンディさんに調査を依頼していたのです」
「いつの間にそんなことを……なんでグレアムさんの使い魔がそんなことを!!」
「グレアム……!?」
スウェンはなぜシンが八神家に資金援助してくれるグレアムの名前を知っているのか不思議だった、するとノワールがある答えを導き出す。
「なるへそ、グレアムの旦那は管理局の人間だった訳ッスか、そんでこの事件の黒幕でもあると……」
「な、なんの為にそんな……!」
するとリーゼ姉妹は変身を解除し獣人の姿に戻る。
「11年前……闇の書がクライド君を……クロノのお父さんの命を奪ったからよ……!」
「クロノの……お父さん!!?」
初めて知る事実に驚愕するシン達、そしてリーゼ姉妹は声高らかに話を続けた。
「当時の闇の書の主を護送していたクライド君は、暴走した闇の書からクルーを逃がすために一人艦と運命を共にした……!」
「お父様はそのことをすごく負い目に感じて今まで生きてきた……だけど今日でそれも終わり! そいつを暴走させて封印してしまえば!」
「馬鹿な……はやてには何も罪は無い! それなのに……!」
スウェンの主張に、ロッテは鼻で笑って一蹴した。
「いいじゃない、その子はどうせ天涯孤独の身、居なくなったって誰も悲しみやしない!」
「そ、そんな……」
惨酷な言葉を浴びせられ、呆然自失となるはやて。
「……あんた達も、あの人とおんなじなんだな」
「?」
その時、シンは静かな声で、助け出したヴィータを床にやさしく寝かせながらリーゼ姉妹と向き合った。
「あんた達もプレシアさんと同じだ、誰かのためと言い訳ながら、自分の自己満足のために悲しみを振りまいて、大切に思っている人たちの気持ちを踏みにじる……それは、それはとても悲しいことなんだよ!!!」
シンはリーゼ姉妹とこの場にいないグレアムを、かつて悲しい運命から救いだすことができなかったプレシアと重ね合わせていた。
「もう……もうあんな悲しいことはたくさんだよ……! なんで! なんでみんなそんな悲しいことを繰り返すんだよ! そんなの絶対におかしいよ!」
目を覚まさないヴィータの頬に、シンの流した涙が滴り落ちる、すると魔力を失って意識を失っていたヴィータがうっすらと眼を開いた。
(あいつ……泣いているのか? なんで……?)
「もうこんなことは沢山だ! だから俺は……あんた達を倒す! 倒してこんな馬鹿げたことは繰り返させない!」
シンは力いっぱいアロンダイトを握りしめ、リーゼ姉妹に向き合った。
それを見ていたスウェンもまた、両手にショーティーを握ってリーゼ姉妹と対峙する。
「今わかった、俺が戦うべきなのはコーディネイターなんかじゃない、歪んだ性根を持つ者なんだと……誰と戦えばいいのか、今はっきりとわかった!」
そしてスウェンは、呆然としているはやてに言い放った。
「はやて、少し待っていてくれ、直ぐに片付ける……そしてみんなで家に帰ろう」
「スウェン……!」
その逞しく心強いスウェンの言葉に、絶望に彩られたはやての心に一筋の希望の光が差し込んだ。
「スウェンだったっけ、今からこいつらをぶちのめすぞ!」
「わかった……シン!」
そして4人は寒空の下、互いの信念を胸に激しくぶつかり合った……
その頃時空管理局本部では、クロノが今まで集めた証拠を手にグレアムを逮捕しようと武装局員を集めてグレアム提督の部屋の前にやってきていた。
「いくぞみんな……相手が提督だからって油断するな」
グレアムがかつての自分の恩師とはいえ、これまでの事態を引き起こした黒幕である以上クロノは管理局員として逮捕に踏み切っていた。
そして武装局員の一人がロックを解除し、クロノは部屋の中に入る。
「ギル・グレアム提督……あなたにお話……が……!?」
しかし、その部屋の中には……誰もいなかった。
「しまった!! 逃げられた!!!」
数分後、リーゼ姉妹と戦っていたシンとスウェンは、経験で勝っている彼女らを勢いとコンビネーションで圧していた。
「主、どうやらなのはさんとフェイトさんは別の場所で捕まっているようです、ですがもうすぐアルフさんとユーノさんが来てくれるそうで」
「その前に終わらせてやるよ!!!」
シンはビーム砲を薙ぎ払うように放ち、リーゼ姉妹を分散させる。
「当たれ!」
その隙をついてスウェンが背中のレールガンを連発し、何発かを彼女達に当てる。
「くそ! 私たちが圧されているなんて……!」
「あれで本当に即席チームなの!!?」
「ナイスショット!」
「いいサポートだ」
「いやー、オイラ達なかなかいいチームじゃないッスか」
「ええ、超不本意ですけど」
その頃、屋上に残ったはやては床を這いつくばり、いまだに自由に動けないヴィータを抱き起した。
「はやて……ごめん……私達……はやてとの約束を……」
「ええんよ! もうええんや! 全部私の為やったんやろ!? 怒らないから……消えないで……!」
はやては声を殺し、ヴィータが生きながらえるよう神に祈った、その時……
「!!! ぐわああああああ!!!!」
突如近くで倒れていたザフィーラが、光の粒子となって消えてしまったのだ、そして彼の傍には……リーゼ姉妹が落としたカードを手に持ったグレアムがいた。
「ぐ、グレアム……さん……?」
「……怨むなら好きなだけ怨んでくれ、君の生まれが悪かったのだよ」
そう言ってグレアムははやてを突き飛ばし、ヴィータにカードをかざした。
「て、テメエ……うわああああああ!!!!」
「これで……これですべてが終われる!!!」
「やめて! やめてええええええ!!!!!」
グレアムははやての悲痛な叫びを聞き入れることなく、ヴィータをこの世から消し去ってしまった。
ドクンッ
その時、はやての胸の奥から言いようのないどす黒い何かが湧き上がってくる。
ドクンッ
なんでこんなことに、
ドクンッ
みんな消えてしまった。
ドクンッ
いつも私たちを助けてくれた、グレアムおじさんが消してしまった。
ドクンッ
なんで? 私はただ、みんなと幸せに暮したかっただけなのに!
ドクンッ
ああそうか、この世界は夢なんだ、これは悪い夢なんだ。
ドクンッ
だったらこんな世界、わたシガスベテブチコワシテヤル
はやてを中心に白く光る魔法陣が展開される、そして目の前に闇の書が現れる。
『グーテンモルゲン、マイスター。』
そして闇の書が、覚醒の時を迎える。
「!! この魔力反応は……!」
「んな!! 畜生……まだネズミがいやがった!」
デスティニーとノワールは異常に気付き、病院の屋上を見る。
「やった! お父様が来てくれたんだ!」
「これで闇の書は完成した……! 後は!」
「うわああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!」
憎悪の叫びと共に、はやては光の中に取り込まれる。
「我は闇の書の主なり……この手に力を……」
はやての手には闇の書が握られていた。
「封印、開放」
その声と共に、はやての骨格がメキメキと音を立てて変わっていき、髪の色が灰色になり、顔と腕に赤いラインが入る。
漆黒の騎士服に身を纏い、六枚の黒い羽が背中に生える、そして瞳の色が光のない血のような紅の色に変わった。
「はや……て……?」
眼の前で何が起こったか判らず、呆然とするスウェン
「そんな! 間に合わなかった……!!」
「また……すべて終わってしまった、幾度この悲しみを繰り返せばいいのか……」
はやてを取り込んだ闇の書は、天を仰ぎ涙を流していた。
次回予告
それは、小さな願いでした
欲しかったのは、温もり
欲しかったのは、傍にいてくれる人
欲しかったのは、悲しい過去が霞むほどの幸せな今と未来
それなのに、運命は彼らから一つ残らず奪い去っていきました
だからその子は祈りました、運命ではなく……夜空に浮かぶ星達に、すべてを取り戻す為の一歩を踏み出す勇気が欲しいと。
それは、星の海を掛ける“白い悪魔”と呼ばれる機械人形が、世界を平和へ導く英雄として君臨するいくつもの物語と、数多なる世界を駆け秩序を管理する魔導師達の世界が、一つの物語として融合していく物語。
それは、時を越えて刻まれた悲しみの記憶を打ち消す、ちょっと変わった家族の“絆”の物語
どこかの誰かが願いました……重き十字架を背負ってしまった星を見ることが大好きな少年が、何も背負うことなく、永い時を大切な人たちと過ごし、やがて彼が目指した星の世界に到達してほしいと
みんなで歩いていこう……歪み塞がれた、星の扉の向こうへ
Lyrical GENERATION STARGAZER 最終話「STARGAZER ~星の扉~」
星に込められた願いを、届かせろ! ガンダム!
本日はここまで、次回は最終回をお送りいたします。本当はクリスマスの時期に投稿したかったんですけど結局間に合いませんでした……。
As編もいよいよクライマックス、以前の作品より色々改変するつもりです! それではまた明後日!!!