第二話「ガンダムファイター(見習い)VS守護獣」
アリシアが保護されてから数十分後、シン達はアースラに戻りリンディにこれまでの事を報告していた。
「皆御苦労さま、それじゃ私達はカッシュ博士の元に行った後、第97管理外世界に戻ることになります」
「アルティメット細胞の事を話すんですね、俺とフェイトと……アリシアも付いて行ったほうがいいですか?」
「いえ、私とヴィアさん、それに……ドモン君だけで大丈夫よ、ちょっと事情を話すのに一苦労しそうだけど……」
「事情は聞いています、ちゃんと俺が父さん達を説得するんで安心してください」
「ありがとう、ドモン君」
そうしてリンディとヴィア、そしてドモンはカッシュ博士のいるネオジャパンコロニーに向かい、その間シン達はアースラで待機する事になった。
「それじゃアリシアの様子でも見に行くか」
「そうだね、確か今クロノと話し合っているんだよね」
「確か逃げる時に局員の人達をボコボコにしたんやったっけ?」
「それじゃみんなで行くとするかのう」
「いや、皆で行くと騒がしくて迷惑だろう」
「ここはシン君とフェイトちゃんが代表して行ったほうがいいんじゃない?」
「シャマル姐さんの意見に賛成っす」
そう言ってシンとフェイトと東方不敗がアリシアの元に行こうとした時、ヴィータがあることに気付き呼びとめた。
「ちょっとまて!! なんでオッサンまでここにいるんだよ!?」
「オッサンじゃないマスターアジアじゃ!」
「うわ本当や! ナチュラルに混じってて気付かんかった! しかも二人だけ行かそうとしてるのに付いて行こうとしとる!」
ギアナ高地で待っている筈の東方不敗がここにいる事に今気付きずっこけそうになるシン達。
「実はのう、貴様らの所属する時空管理局とやらに興味を持ち、見学させてもらうことにした!」
「いやことにしたって言われても」
「フリーダムすぎだこの人……」
破天荒な東方不敗に脱力する皆を尻目に、東方不敗はシンとフェイトと共にクロノとアリシアのいる病室に向かった……。
三人が病室に着くと、そこでアリシアがクロノに説教を喰らっていた。
「ったく……そんな理由で局員たちをぶっとばしたって言うのか君は!? ふざけているのか!?」
「だって~」
「どうしたのクロノ? そんなにカリカリして……」
「フェイトか、聞いてくれ……アリシアに本局から逃げ出した時の状況を聞いていたんだ、そしたら……」
「ああ、局員の人達を何人かぶっ飛ばしちゃったんだっけ? どうしてそんなことを……? もうあの時のように暴走はしてないんだろう?」
「だって……私目が覚めた時裸だったんだよ?」
「検査の為だったらしいがな」
「それがどうかしたの?」
「普通……そんな状況で知らない男の人が出てきたら殴り飛ばすじゃん?」
「「はい?」」
アリシアの信じられない動機に空いた口がふさがらないシンとフェイト。
「んで、一人目を殴ったら警報が鳴って、次々と男の人(武装局員諸々)が出てきて、次々とぶっ飛ばしていくうちに……」
「全滅させたっていうのか!?」
「しょうがないじゃん、狭い通路を利用して一人一人相手にしていたらいつの間にか全員のびていたの」
「ほう、以外と頭を使ったんじゃな」
「何関心しているんだよ」
「んで、騒ぎがさらに大きくなってきたからそこら辺にあったタオルを体に巻いて、近くにあった転移装置を使って母さんを探しにいったの」
「まったく……とんでもない子だな君は」
「女の子は誰だってそうするわよ、ねえフェイト?」
「え!?」
アリシアの突然の無茶振りに驚くフェイト。
「そ、そうだね! 女の子なら殴りとばしちゃうかもね!(相手がシンならいくらでも見せるけど……)」
「そう言えばスウェンも前にシャワー中のシグナムと遭遇して攻撃されたとか言っていたな」
「でしょ!? でしょ!?」
「でしょじゃない!」
もうツッコミが追いつかずイライラしだすクロノ、するとそんな彼の肩を東方不敗はポンと叩いた。
「まあまあそうカリカリするな、ここはこの東方不敗マスターアジアに免じて許してはくれんか?」
「あなたに免じられても困るんですけど!!?」
結局襲われた武装局員は全員たいした怪我もしてなかったので、アリシアは反省文を書いて一週間アースラでのトイレ掃除をするということで簡便してもらったという……。
3時間後、ネオジャパンコロニーに行っていたリンディとヴィアがブリッジに戻ってきた。
「あ、おかえりなさい艦長、首尾はどうでした?」
ずっとジュースを飲みながらモニタリングをしていたエイミィが2人に話しかける。
「ええ、実行犯がもうこの世にいない事もあるし、こちらで調べたアルティメット細胞の研究結果を見せてくれるなら何も言わないと言ってくれたわ、ドモン君が間に入ってくれたおかげね」
「本当は一緒に研究をしたかったのだけれど……まあさすがに虫のいい話だから切り出せなかったのよねぇ」
「そうですか……ん?」
ふと、エイミィは二人について行った筈のドモンが居ないことに気付く。
「あれ? そう言えばドモン君はどこにいったんですか?」
「今スウェン君が艦内を案内しているわ、さっきはここに来てすぐに里帰りしちゃったからね」
その頃ドモンはスウェンとノワールの案内でアースラの艦内を歩いて回っていた。
「ほう、お前は俺と同い年なのか……その年でこの艦で働いているのか?」
「いや、俺達の場合少し事情が複雑でな……今はただ管理局に協力しているだけなんだ、もっともはやて達はその後もずっと管理局で働くつもりらしいがな」
「あの歳でもう自分の進む道を決めているのか……しっかりしているな」
「そういうお前はどうしてあんな危険な所で武道の修業を?」
「俺の家族は皆学者でな……ギアナ高地には三年前に動植物の生態調査の為に訪れていたんだ、その時俺はそこで師匠に出会い、あの人に自分の進むべき道を示してくれたんだ、そして師匠のようなガンダムファイターになる為に弟子入りしたんだ」
「……それがお前の夢か、叶うといいな」
「ああ、その為にも俺は強くなる……!」
(ほほう、アニキにも同世代の友達が出来てなによりッス)
歩きながら楽しそうに話しているスウェンとドモンを、ノワールは一歩離れた場所で見守っていた。
そして一行は模擬戦ルームのモニタリング室にやってくる。
「ここが模擬戦ルームだ、今は……シグナムとヴィータが闘っているのか」
「おお!?」
模擬戦ルームの中ではシグナムとヴィータが互いのデバイスを激しく打ち合っていた。
『でやあああああ!!』
『はああああああ!!』
「こ、これが魔導師ってやつの戦いなのか……!」
ドモンは初めて見る魔導師同士の戦いに興奮していた。
「すごいな、あの赤い子は小さいのにあんな大きなハンマーを振りまわせるのか!」
「あいつは少し特殊というか……だがパワーがあるのは確かだ」
「これなら二人ともガンダムファイトでいいところまで行けそうだな、もっともガンダムがなければどうしようもないが……」
「あ、ドモンさんとスウェンさんだー」
「スウェンも模擬戦するんー?」
すると彼らの元になのは、アルフ(人形態)、はやて、シャマル、ザフィーラ(狼形態)、そしてリインフォースがやってきた。
「はやてか、今ドモンを案内していたんだ」
「な、なあ、お前達もあんな風に戦えるのか? 一番強いのは誰だ?」
ドモンは目を輝かせながらなのは達に質問する。
「うーん、一応戦えるっちゃ戦えるけど……」
「皆それぞれ戦闘スタイルが違うから誰が一番っていうのは解らないよね」
「そうなのか……」
なのは達はドモンが妙にソワソワいている事に気付く。
「どうしたんだいアンタ? 妙に落ち着かないね」
「い、いやその……よかったら俺も模擬戦をやらせてくれないか?」
「え?」
ドモンの提案に、なのは達は一斉に目を合わせる。
「も、模擬戦をしたい言うても……」
「魔法も使えないしデバイスも持っていないんじゃいくらなんでも危ないですよ」
回復専門のシャマルを始めとして、みんな素人の人間が魔導師に挑むのは無謀だと考えていた、その時……。
「はあなしは聞かせてもらったぞおおおお!!!」
突如東方不敗がモニタリングルームに飛び込んできた。
「うにゃ!!?」
「なんだよ! いきなり出てくんな!」
東方不敗の突然の乱入に驚くなのはやヴィータ達。
「師匠! 俺の話を聞いていたんですか!?」
「うむ……ドモンよ、ワシもそろそろ貴様に実践を経験させようと思っていたところじゃ、皆の衆……ドモンの相手をしてやってはくれんか?」
「ええ? でも……」
東方不敗の提案にまだ尻ごみするなのは達。
「なあに、そう簡単にくたばるほど柔な鍛え方はしておらん! やるなら全力でやってくれい!」
「うーん、そこまで言うなら……ザフィーラ、相手になってあげてえな」
「御意」
はやての呼びかけに応え、ザフィーラは狼形態から人形態に変身する。
「!! 人間だったのかそこの犬!?」
「犬ではない守護獣だ!」
「シャマル、万が一の為にスタンバッててな、私はリンディ提督とクロノ君に報告しておくわ」
「わかりました」
こうして恐らく史上初、FCの人間と魔導師の戦いがアースラの模擬戦ルームで行われようとしていた……。
数分後、模擬戦ルームに入ったドモンは軽く準備運動をしながら、目を瞑って精神統一しているザフィーラを見て戦力を分析する。
(さっき戦っていた二人は光の壁みたいなので互いの攻撃を防いでいた……ということはあの男にも使えるのか?)
ドモンは程良く緊張しながら頭に巻いたハチマキをギュっと締め直した……。
一方モニタリング室ではなのは達がドモンとザフィーラの戦いをハラハラしながら見守っていた。
「だ、大丈夫かなドモンさん……」
「一応ザフィーラには手加減するよう言っておいたけど……」
「ふん、そんなものすぐに必要無くなる」
「ほう、大した自信ですね」
「それだけ自分の弟子が可愛いのかよー」
シグナムとヴィータの質問に、東方不敗は鼻で笑いながら答えた。
「いや、ドモンは恐らく勝つことはないであろう、相手に全力を出させてな、見たところあのザフィーラという男、立ち振る舞いからしてお主達同様相当の修羅場をくぐり抜けていると見る……簡単に勝てる相手ではないことぐらいはわかるわ」
(この男……この短期間で騎士たちの力量を見極めたのか)
東方不敗の並み外れた観察眼にリインフォースは心の中で関心する。
「なのはー、来たよー」
「ドモンが戦うの? 見せて見せてー」
するとモニタリング室に、今度はシン、フェイト、そしてアリシアがやってきた。
「お! 今始まる所なのか?」
「シン達も来たか……」
「今始まる所や、静かにしたほうがええな」
そして沢山のオーディエンスの中、ドモンとザフィーラは模擬戦ルームの中心に立ち互いに向き合いながら身構える。
(ほう、中々様になっている……)
(すごい闘気だ……! 油断すると押し潰される……!)
『それじゃ互いに構えて……試合開始―!』
ブリッジでモニタリングしているエイミィの合図により、戦いの火蓋は切って落とされた。
「先手必勝! てやあああ!!」
開始早々ドモンがとび蹴りを繰り出す、ザフィーラはそれを片手で受け止めた。
「まだまだ! はあああ!!」
ドモンは臆すことなく地面に着地すると、そのままザフィーラに拳の連撃を浴びせる。
『おお! すげえ攻め……! まるで手が何本もあるみたいだ!』
『だがザフィーラはすべて捌いている』
「くっ! これだけやっても一撃も当たらないのか!」
「次はこちらから行くぞ」
「!」
ザフィーラはそう言って拳を振りかぶり、ドモンはすぐさま腕で腹部をガードする。
「せいいいいい!!!」
ザフィーラはそのままドモンの腹部を撃ちぬく、するとドモンはそのまま数メートル後方に下がっていった。
「がぁ……! ガードしているのに……! なんて重い一撃だ……!」
ドモンは攻撃を防いだ腕にいままで感じたことのないしびれを感じ、ザフィーラの想像以上の戦闘力に戦慄する。
「ほう、今の一撃を生身で耐えるか……」
「当然だ……! こんな一撃! 師匠に遠く及ばない!」
「ならば効くまで撃ち続けるのみ! ぬううううん!」
「でやああああ!!!」
「ふむ……中々やるなあの少年」
「またリンディ提督やレティ提督が欲しがりそうな人材よね」
一方モニタリング室でシグナムやシャマル達は二人の戦いを観戦しながら、戦況を冷静に分析しながら勝敗の予想を立てていた。
「でもちょっとザフィーラが押しているんじゃないかい?」
「だよな、チャンスがあればザフィーラが一撃入れて終わりだろ」
「ほほう、貴様らはそう予測するのか」
「ふっふっふ……解ってないなあ皆」
「……? アリシアはドモンさんが勝つと思っているの?」
「当然! だってドモンにはとっておきの必殺技があるんだから!」
「その通り! ドモン!」
東方不敗は不敵に笑うと、マイクを使って模擬戦ルームのドモンに大声で呼びかけた。
『ドモン! 今こそあの技を使うのじゃ!』
「あの技……! 解りました!」
ドモンは東方不敗の言うことを理解し、両手と片足をあげてザフィーラに向き合う。
『なんッスかあの荒ぶる鷹のポーズ?』
『何となくですがとんでもない事が起きそうです』
「いくぞ! 流派! 東方不敗の名の元に!」
(何をする気だ……!?)
ザフィーラはドモンの構えを警戒し、全面に魔力シールドを展開する、するとドモンは低く飛び上がると、渦巻きのような気を全身に纏った。
「超級……! 覇王! 電影だあああああああん!!」
ドモンは全身に気を纏いながら顔面からザフィーラに向かって突撃する。
「!?!?!?」
ザフィーラの魔力シールドとドモンの顔面が激突した瞬間、模擬戦ルーム全体に衝撃波が襲い、モニタリング室に映像を送るカメラの画像に一瞬ノイズが混じった。
「な、なんや今の技!?」
「魔力反応はありませんでしたが……」
ドモンの技を見て度肝を抜くはやてやリインフォース達に対し、何故かアリシアがふふんと自慢げに説明した。
「アレが流派東方不敗の奥義の一つ! “超級覇王電影弾”!」
「ほほう、この前教えた技なのだが、大分モノにしたようじゃのう」
「すっげー! よくわからないけどすっげー! 俺にも出来る!?」
そしてカメラの画像が回復すると、そこにはスタミナ切れで地面でへばっているドモンと、籠手が破壊されて腕を抑えているザフィーラの姿があった。
「どうやら引き分けたみたいだね……」
「なるほど、確かに東方不敗さんの言うとおり負けなかったですね、彼」
「あいつに本気出させるなんて、あいつすごいじゃないか!」
「当然じゃ、何せワシの一番弟子じゃからのう」
こうしてドモンとザフィーラの模擬戦は両者引き分けとなり、シン達はシャマルに二人を預けてリンディ達のいるブリッジの方へ向かった……。
一方ブリッジでは、先ほどの模擬戦についてクロノとエイミィが話をしていた。
「いやーすごかったねさっきの模擬戦!」
「ああ、まさか魔法無しであのザフィーラと互角に近い戦いが出来るなんて……あれがマスタークラスだったらどれだけのものになるか……」
「? どうしたのクロノ君? そんなに怖い顔して……」
「ほほう、ワシらの世界が主らに牙をむいた時、とてつもない脅威になると考えておるのか?」
するとそこにモニタリングルームから呼び出された東方不敗やシン達がやってきた。
「あ、いや、そういうわけじゃ……」
「なあに気にするな、常に最悪を想定するのは指揮官として必要なことじゃ、のうリンディ提督とやら」
「ふふふ、その通りです」
東方不敗は艦長席でお茶をすするリンディに問いかける、その二人の間には少しピリピリとした空気が流れていた。
(どうしたんだ艦長? いつになくおっかないな……)
(師匠さんも同じだね、二人ともどうしたんだろう?)
シンやフェイト達は訳も分からず二人の動向を見守っていた、するとそこにヴィアがブリッジに現れ、東方不敗に話しかける。
「東方不敗さん……貴方の事はプレシアの調査やFCに関する報告書を読んで知りました、貴方は……」
その時、続きを言おうとしたヴィアを、東方不敗は手で制する。
「お二方……少しワシにも質問させてくれ」
「はい、なんでしょう?」
「いや主たちではない、この子達にじゃ」
そう言って東方不敗は、後ろにいたシン達の方を見る。
「のう、高町なのは」
「は、はい?」
「フェイト・テスタロッサ」
「はい……?」
「八神はやて」
「はい? なんです?」
「シン・アスカ」
「お、俺も? はい」
「スウェン・カル・バヤン」
「はい」
「主たちは何故武器を持って闘う? 何故時空管理局に籍を置いておるのじゃ?」
東方不敗の質問に、名前を呼ばれた五人はしばらく考え込む、そして……まず最初になのは達女の子組が答えた。
「私は皆を守りたいから管理局にいます」
「私は……私みたいな悲しい境遇の子が少しでも減らしたいからここにいます」
「私が今ここにいるのはみんなのおかげです、だから命の恩返しがしたくてここにいます」
そして今度はシンとスウェンが答える。
「俺も……皆を守りたいからここにいる……と思う」
「俺はただはやて達の手伝いをしたいだけだ、大切な家族だからな」
東方不敗は5人の目を見て、満足そうにウンウンと頷いた。
「ふむ……貴様達もまた進むべき道がしっかりと見えているようじゃの、道は迷うものではない! 貴様達の歩む方向がすべて道となる! 自信を持って進めい!!」
「「「「「……………………?」」」」」
(いいこと言っているっぽいけど滅茶苦茶じゃねえか……)
そして東方不敗は再びリンディ達の方を見る。
「ふふふ、年端もいかない子供達を危険な任務に就かせるとはなんと外道な組織だと思ったが、どうやら杞憂だったようじゃ……少なくともリンディ・ハラオウン、お主は信頼に足る人物じゃ」
「それはどうも、貴方のお眼鏡には叶いましたか?」
「ああ、ワシ単騎でこの船を沈めずにすんだ」
(……!?)
(冗談に聞こえんな……)
シグナムやリインフォースは東方不敗が一瞬見せた殺気を感じ取り冷や汗をかく。
そして東方不敗は自分の右手の甲を皆に見えるようにして翳した。
「では改めて名乗らせてもらおう……ワシの名前は東方不敗マスターアジア、シャッフル同盟のキングオブハートでもある」
すると彼の手の甲に13の数字と交差した剣が描かれたハートマークの紋章が浮かび上がっていた。
「キングオブハート……?」
聞いたことのない単語に首を傾げる一同、その時……リンディとヴィアはその意味を知っているのか目を見開いて驚いていた。
「シャッフル同盟……! FCの世界で“秩序の守り手”と呼ばれた歴史上の戦いや事件を陰から調停してきたという最強の武装集団ですね」
「東方不敗さんは元ネオジャパンのガンダムファイターで、今はネオホンコンのガンダムファイターだって調べは付いていたけど、まさかそれ以上に大物だったとは……」
「へー! ししょーってすごい人だと思っていたけどもっとすごい人だったんだね!」
「ふふ、まあな……主達時空管理局が故意にワシらの世界に厄介事を持ちこまないのならば、今回のアリシアのような事があった際シャッフル同盟が力を貸そう」
東方不敗は目をキラキラさせているアリシアの頭を撫でながら、自分の所属する組織は今後時空管理局に協力するという約束を取り付けた。
「……どうやらアリシアさんを探しに来て、幸運な拾いものをしたみたいね」
「上にも報告しないといけませんね、報告書になんて書こう……」
こうして時空管理局は、シャッフル同盟の信頼を勝ち取り彼らとの協力関係を結ぶことになった。
この事が後にいくつもの次元世界の歴史を大きく変えることになるのだが、その時は誰も知る由はなかった……。
今回はここまで、次回はドモンと師匠が海鳴に行く話になります、留美やルイスも出ますのでお楽しみに。
そう言えば師匠、スパロボJでナデシコとアークエンジェルを生身で落とそうとしていましたもんね、あの人ならアースラを生身で破壊する事は可能でしょうね。