Lyrical GENERATION SEED (SEED中心のガンダムシリーズ×リリカルなのは)
※今まで以上にSEED以外のガンダムの関わりが強いです、その他は今までと変わりません。
※クオリティは低いですがよければどうぞご覧になっていってください。
新暦70年、第一世界ミッドチルダのとある山奥にある研究所、そこに二人の若き魔導士が、バリアジャケットを身に纏い奥へ奥へと歩みを進めていた。
「はやてちゃん、もうすぐ目標の地点に着くよ」
白いバリアジャケットに身を包む少女の名は高町なのは、時空管理局の戦技教技官であり階級は二等空尉、これまで様々な事件を解決に導いたエースオブエースである。
「別ルートから来ているアルフと合流してから向かうね」
白いマントにミニスカート型の黒いバリアジャケットに身を包むのはフェイト・T・ハラオウン、時空管理局の執務官として数々の事件を解決に導いてきたなのはと並ぶ実力の持ち主である。
二人とも小学生だった五年前と比べて色々と成長し、若干ながら大人びた雰囲気を纏っていた。
一か月前、時空管理局でとある高官が局の資金を横領していた事が発覚した。
しかしその罪を追及する前に、高官は自宅で何者かに暗殺された姿で発見された。
その時押収された証拠の中に、なのは達が今現在いる研究所の事が記されているメモが発見されたのだ。
なのは達は高官が流した資金の行方を探るため、こうしてこの研究所の調査にやってきたのだ。
『二人とも、私らも後で合流するわ』
「なにか見つけたの? はやてちゃん」
なのはと念話で会話している相手は八神はやて、5年前の闇の書事件の中心人物であり、事件解決後は捜査官として管理局で働いている、現在は仲間であり家族であるヴォルケンリッターと共になのは達とは別の場所を捜索している。
『うん……資料室のような所を発見してな、押収にしばらく時間がかかりそうや』
「でも変だよね、私たちが来たときは蛻の空だったのに……普通は廃棄なりなんなりするんじゃないの?」
『相当慌てて逃げ出したのやろか、消し忘れるほどのお間抜けさんとは思えへんのやけど……』
数分後、資料室でははやてが近くにあったノートを一枚一枚捲って内容を確認していた。
「なんやろうコレ、見たことのない生き物が映っとる……こっちのは天使?」
ノートにははやてが見たことのない、海の上を飛行するクジラのような巨大な黒い生き物と、黒い翼を生やした少女達が映った写真が貼られていた。
「皆、とにかくここにあるもの全部本局に持ち帰るで」
「はっ」
そう言ってはやてはノートをパタンと閉じると、ヴォルケンリッターの面々と共に資料を回収し始めた……。
その頃、なのはとフェイトは目的地に向かって歩き続けていた、その道中で……。
「フェイト! なのは!」
別ルートを探索していたフェイトの使い魔……アルフ(人型)が合流してきた。
「アルフ、何か見つかった?」
「一通り回ってみたけど、人の匂いはしなかったねえ、ただこの施設の地下は戦艦が入りそうなくらい広いみたいだよ、一体何をするつもりだったんだろうねえ?」
「まさか戦争とか?」
「戦争か……」
なのはの一言に、フェイトはある事を思い出す、それは自分の大切な人の故郷の事だった。
「戦争といえば……CEも今、戦争で大変な事になっているんだよね」
「うん、ユニウスセブンってところが核で破壊されて、その報復にニュートロンジャマーキャンセラーっていうのが地球に打ち込まれて沢山の人が死んじゃったんだよね」
CE……第101管理外世界は現在地球軍とプラントという宇宙に浮かぶコロニーの国が大規模な戦争を行っており、そのあまりの壮絶さにCEとあまり関わりのない管理局でも話題に上がっていた。
「シン達も危なかったねえ、もしかしたらその戦争に巻き込まれていたのかもしれないんだからさ」
「「うん……」」
“シン”という名前を聞いた途端、なのはとフェイトは歩きながらしゅんと俯いてしまう。
それを見たアルフは慌ててフォローをかける。
「ふ、二人とも元気だしなよ! 確かにあのことは不幸だったけど、なのはは今こうして元気になったし、フェイトだって執務官になれたんだ、あいつもすぐに立ち直ってくれるさ!」
「そうだね……」
そして三人は微妙な雰囲気を纏いながら、目的地である研究所の奥にやってきた。
奥には戦艦が何隻も入りそうな広大な空間が広がっており、中心には柱のように聳え立つ巨大なコンピューターの様なものが置かれていた。
「これってもしかして……転移装置?」
「今は動いていないみたいだね」
なのははレイジングハートで光を照らしながら、辺りを見回して調査を続ける。
一方フェイトとアルフは中心にある装置に歩み寄った。
「うーん……こういうのはエイミィに任せたほうがいいんじゃないかい?」
「そうだね、私たちが見てもちんぷんかんぷん……!?」
その時、突如装置が起動し、フェイトとアルフの体を紅色の光でスキャンし始めた。
[“ジェネレーションシステム”起動 転移対象:人1、使い魔1 転移先:第101世界インド洋研究所]
「え!? 何!? 何!?」
「どうしたの二人とも!?」
異常事態に気付いたなのははすぐさまフェイトとアルフの元に駆けつけようとする……しかしその時、二人の足元に巨大な魔法陣のようなものが展開され、なのはは見えない壁に行く手を阻まれる。
「転移魔法!!?」
「フェイトちゃん!! アルフさん!!」
[転移開始します]
フェイトとアルフは抗う暇もなく、魔法陣の放つ光に包まれて、その場から姿を消してしまった。
そしてその様子を、なのははただ茫然と見ているしかなかった。
「ふ、二人とも消えちゃった……!」
「う、ううう……?」
フェイトは気が付くと先ほどと似たような場所で倒れていた、そしてすぐ傍にはおとなフォームからこいぬフォームになったアルフが倒れていた。
「アルフ、大丈夫アルフ?」
「う、ううん……フェイト? ここは……」
「解らない、なのはも見当たらないしさっきの場所じゃないみたい……ちょっと待って」
そう言ってフェイトは瞳を閉じて念話を試みる……が、結果は著しくなかった。
「ダメ、皆とも繋がらない」
「一体ここはどこなんだろうねえ? あの機械が私らをここに転移させたのかね?」
「とにかくここから出よう、ここがどこなのか調べないといけないし……」
その時、フェイトとアルフはここに近付いてくる複数の足音を聞きつけ、その場で足を止める。
「誰か来る?」
「もしかしてなのは達かい?」
するとフェイト達のいる部屋に、ライフル銃のような武器を持った緑色の軍服を着た5、6人の男たちが入ってきた。
「何者だお前達!? 連合軍か!?」
(銃……!? 本物……!?)
フェイト達は見たことのない軍服に身を包む兵達に銃口を突き付けられ、思わず反射的に両手を上げて無抵抗の意思を示す。
(どうする? 蹴散らすかい?)
(ダメだよ、この人たち銃を持っている)
フェイト達の所属する時空管理局及びミッドチルダを始めとした管理内の各次元世界では、銃を始めとした質量兵器の所持は禁止されており、基本的に非殺傷設定のデバイスしか使うことは許されなかった、つまり質量兵器を使用する人間がいる所は違法な場合を除いて管理外世界ということになる。
ふと、フェイトの脳裏に先程の機械が発していた言葉を思い出していた。
(あの機械、転移先を第101世界に指定していた……じゃあここは……!)
「何か見つけたのかね?」
その時、兵達の後ろから白い仮面を付け白い軍服を身に纏った男が現れた。
「隊長! エネルギー反応の中心地にこの女が……」
「む? ほう……これはまた可愛らしいお嬢さんだ」
(この人が隊長?)
フェイトは兵達に隊長と呼ばれた男と向かい合う。
「あ、あの……あなたは……」
恐る恐るその男の名前を聞くフェイト、対して男は落ち着いた態度でフェイトに自己紹介した。
「これは失礼……私はザフト軍クルーゼ隊の隊長、ラウ・ル・クルーゼだ」
この時のフェイトはまだ知らなかった、このラウ・ル・クルーゼとの出会いが自分の人生を大きく変えていくことに……。
プロローグはここまで、リメイク前では見送ったCE71が舞台の話になっています。
今後は様々な視点から物語が展開する予定です。
場合によっては後日修正するかも……。