ユーノとクロノによってアースラに連れてこられたシン達は、すぐさま重傷を負ったフェイトを医務室に運んでもらう。
「お願いです! フェイトを助けてください!」
「解っている……後は我々に任せて。」
シンは医療班の人々にフェイトを預け、運ばれていく彼女ただただじっと見送った。するとそこに……。
「シン!」
「シン君!」
先にアースラによって保護されていたアルフとヴィアがやって来た。
「アルフ! ヴィアさん! 無事だったんだな!」
「うん……! シン、時の庭園で一体何があったんだい!?」
「それは後で説明するよ、それより2人はフェイトに付いていてあげて……。」
「う、うん……わかった。」
アルフはシンに言われるがまま、フェイトが運び込まれた医務室に向かっていった。
「シン君……一体何があったの?」
そしてその場に残ったシンはヴィアに対し、時の庭園で起こった事をすべて話した。
「そう……まさかプレシアとアリシアが……。」
「ヴィアさん、アリシアはどうなるんですか? このままじゃ……!」
「……。」
するとそんな二人の元に、クロノが神妙な面持ちでやって来た。
「君達、ブリッジの方に来てくれないか? 艦長から話がある。」
「リンディさんが?」
そしてシン達はクロノに言われるがまま、アースラのブリッジの方にやって来た。
「シン君……色々と大変だったわね。」
「いえ……俺達に用って何なんですか?」
「コレを見て欲しいの、エイミィ、スクリーンに出して。」
「はい!」
リンディはエイミィに指示を出し先程時の庭園内で撮影したある映像をシン達に見せる。
「これは……。」
「アナタ達を保護した後、アリシアちゃんとジュエルシードを確保しようと武装局員を向かわせたの、でも……。」
映像にはアリシアの素手の攻撃で手も足も出ずに負傷して撤退していく武装局員達の姿が映っていた。
「これは……!」
「十分に訓練された局員がここまでやられるなんてね……ヴィアさん、あれはどういう事なんですか?」
「多分……アルティメット細胞の副作用ね、あの細胞にはどうやら人間を武術の達人に変える効果もあるみたい、ホント誤算だらけだわ。」
「まったく、アナタ達はなんて厄介な物をこの世界に持ちこんでくれたのですか?!」
「面目ない……。」
クロノの指摘にヴィアは何も言い返すことができなかった、しかしシンはそんな彼女の行いを必死に弁護する。
「ヴィアさんを怒らないでくれよ! この人はただ救いたい子達の為にアルティメット細胞の研究をしていただけなんだ!」
「異世界からわざわざデータ盗み出してか? ご苦労な事だな。」
「その辺にしなさいクロノ、それにしてもどうしたものかしらね……このままじゃ彼女もジュエルシードも回収できないわ。」
「応援を呼びますか? このままにしておく訳には……。」
ビー!!! ビー!!!
その時、アースラ中に非常事態を告げる警報が鳴り響いた。
「!!? 何かあったの!?」
「時の庭園中心部に正体不明のエネルギー反応! な、何これ……!?」
そしてその場にいた一同はスクリーンを見て驚愕する、スクリーンには時の庭園が正体不明の機械のような物に浸食され、みるみるうちに魔人のようなおぞましい姿を変わっていく様子が映し出されていた。
「艦長! 時の庭園の目の前に時空震反応!」
「まさかあの質量を転移させるつもり!!?」
そして時の庭園はある世界に繋がる巨大な魔法陣を出現させ、その場から消え去ってしまった……。
「一体……何が起こったっていうの? あの時の庭園の形状は……。」
先ほどの時の庭園の様子を見てリンディを始めとしたアースラクルーは茫然としていた。すると何かに気付いたヴィアは近くにいたエイミィが操作していた端末を自分で操作し始める。
「ちょ、ちょっと!? どうしたんですか!?」
「このエネルギー量……! アリシアはジュエルシードの力を使って自分の中のアルティメット細胞の成長を速めたんだわ!」
ヴィアのその言葉を聞いて一同は一斉に彼女を見る。
「成長を速めた……!? そんなことをして何になるっていうんですか?」
「アリシアは恐らく、母親の笑顔を奪った原因を全て排除するつもりなのよ、彼女の記憶を照らし合わせれば恐らく……。」
一方何処かの世界に転移した時の庭園は、とある研究所らしき場所の上に転移していた。
「ここだ……母さんを無理やり働かせて、私から母さんを奪った悪い奴等がいる建物……!」
そう言ってアリシアは、角がついた巨大な触手のようなものを研究所に何本も突き刺していく、すると研究所はものすごいスピードで枯れるようにボロボロになっていった。
「艦長! 時の庭園の居場所が解りました……! 例のプレシアが働いていたミッドの研究所です!」
「確かあの研究所って……。」
エイミィの報告を受けて、シンはかつてヴィアから聞いたアリシアが死んだ原因であるプレシアが起こした魔力動力炉の事故の事を思い出していた。
「今スクリーンに出します!」
ブリッジに巨大なスクリーンが現れ、ミッドチルダで暴れる時の庭園の様子が映し出される、その姿を見た一同はあまりの凄惨な光景に戦慄した。
「うわぁ、なんか生気を吸い取っている……!」
「これじゃまるで“悪魔”だな。」
そこには研究所を中心に枯れ果てていく周辺の町の姿と、逃げまどう住人や研究員の姿があった。そしてその様子をヴィアはただ一人冷静に解析していく。
「急がないと大変なことになるわね……あそこはいろんな動力炉があるからエネルギーが吸い放題だし、あの研究所だけでなく数日もしないうちにミッド全域が人の住めない地になるわ。」
「なんだって……何か手はないのか!!?」
クロノの問いに、ヴィアは少し難しい顔をする。
「今実行できるプランで最適なのは二つ、誰かが再びあの庭園の中に入ってコアであるアリシアちゃんを説得するか、息の根を止める事ぐらいしかないわね。」
「なんだ、実質一つしかないじゃないですか。」
ヴィアの言葉を聞きにやりと笑ったリンディは、スクリーンを見ていたクロノに指示を出す。
「クロノ、今から時の庭園に再突入してもらえる? そこであの子を説得してほしいの。」
「無茶苦茶ですね、でもそれしか方法が無いのなら……。」
そんな命の犠牲無く皆を救おうとする二人の姿勢を見て、ヴィアは心の底から二人に感謝した。
(ほんと、こういう人たちが昔の私の周りにもいたらどれだけよかったか……。)
すると、リンディ達の会話にシンとユーノが割って入ってきた。
「あの……その突入作戦、俺にも参加させてください!」
「僕もお願いします!」
「ダメだ、君達は民間人じゃないか……これはジュエルシードの取り合いとはレベルが違うんだぞ、命を失うことだって……。」
するとシンはリンディ達に深く頭を下げてさらに懇願する。
「お願いします……! 俺はアリシアを助けたいんです! もうフェイトの悲しむ顔は見たくない……!」
「おっと、その作戦……。」
「私達にも参加させてください!」
すると入口のほうから声がして一同は視線を一点に集める、そこには医務室でフェイトに付き添っていた筈のアルフと、先ほどのフェイトとの戦いの傷を治療し終えたなのはの姿があった。
「アルフ!? フェイトは……。」
「容体は安定しているみたいだ、それよりも話は聞いたよ……私も一緒に行かせておくれ、またアンタを一人で行かせるとフェイトに怒られるからねえ。」
「私もフェイトちゃんの為に戦いたいんだ、抜け駆けは許さないよ。」
そしてシン、なのは、アルフは無言のままリンディを見つめ彼女の返答を待つ、そしてリンディはエイミィとアイコンタクトをとると、根負けしたかのようにふぅとため息をついた。
「まったくしょうがない子達ね、それじゃお願いしちゃおうかしら?」
「今アースラにいる武装局員は先程の任務で全員負傷して動けない、今周辺地域にいる局員にも応援を頼んでいるから、みんな無茶しちゃだめだよ?」
するとシンやなのはは満面の笑みでリンディにお礼を言う。
「ありがとうリンディさん!」
「アリシアは絶対に助け出して見せます!」
「よし、そうと決まればグズグズしている暇はない、急いであの中に行こう。」
そう言ってクロノはなのは、ユーノ、アルフ、そしてシンと共に転移装置に移動した。
「なんかジャミングが掛けられているみたいだから入口付近に転移させるよ!」
「みんな……気をつけてね。」
そしてシン達はそのまま時の庭園の入口付近に転送されていった……。
(フェイト……ちゃんとアリシアを連れ戻してくるからな、早く目を覚ませよ……。)
フェイト・テスタロッサは今、深い闇の中にいた。
私……どうなったんだろう? もしかして死んじゃったのかな?
母さん……最後の私の言葉、聞いてくれたかな?
……きっと聞いてくれないよね、だって私はアリシアじゃない、あの子じゃないんだから、母さんに嫌われているから……。
……どうして私は生まれてきたんだろう? 私は紛い物で、沢山の人に迷惑をかけて、愛されたかった人にも拒絶されて……。
こんな辛い思いをするのならもう消えてしまいたい、どうせ誰も私がいなくなったって悲しまないんだ、もう動きたくない、もう何も見たくない、もう何も考えたくない、もうなにも…………いらない。
「そんな悲しい事……言わないでください。」
……? あなたは……誰?
「消えたいなんて言わないでください、そんなの……悲しすぎます。」
でも私が生きたいと思ったのは母さんに認められたかったから、それができなかったのに……。
「そんな事ありません、アナタにはアナタに生きていてほしいと思っている人が沢山いるのです、思い出してください……。」
―――私は……私はフェイトに幸せになってもらいたいんだよ!―――
―――私……ようやくわかったの、私はフェイトちゃんと……友達になりたいんだ。―――
…………!
「少なくともアナタはひとりぼっちじゃない、こんなにも、そしてこれからもアナタを愛してくれる人が沢山います、その人達の為にも……生きてください。」
でも……でも私は……! その人達すら傷つけて……!
「彼女達だけじゃありません、ヴィアも、私も、そしてあの人も、アナタの幸せを願っているのです……それがとても幸せなことだって、なんで気付かないんですか?」
私に幸せになる権利なんて……。
「大丈夫です、だってアナタには……ずっと傍にいてあげると、守ってあげるとあの人が約束してくれたでしょう?」
あ……。
―――なら俺は……ずっとフェイトの味方になってあげるよ、たとえこれからどんなことがあろうと、どんな奴が敵になっても……君の傍にずっといる。―――
「あの人は掛け替えのないものをアナタにくれた筈です、それはこれから生きていくうえで……とても大切で、とても愛おしくて、アナタがフェイト・テスタロッサという一つの命である証明なのです。」
うん……うん……。
確かに私はアリシアの劣化したクローンで、一つの命としては劣る所が沢山あるのかもしれない、でも……私が彼を大切に想う気持ちは……きっと誰にも負けない、だって私は……私を大切に想ってくれるシンが……大好き。私もシンの事が大切だよ。
「それだけ分かればもう十分でしょう、さあ……アナタを待っている人達の元に戻りましょう……。」
気が付くとフェイトは、アースラの医務室で一人で眠っていた。そして身を起こして自分の胸に包帯が巻かれている事に気付く。
「そっか、私母さんを守って……。」
そして辺りを見回し、すぐ近くにボロボロになったバルディッシュを見付けて拾い上げ、そっと囁いた。
「ごめんねバルディッシュ……もうちょっとだけ頑張れる?」
[問題ありません。]
バルディッシュは自己修復で新品のような姿に戻り、それと同時にフェイトのボロボロだったバリアジャケットも元の姿に修復された。
「それじゃ行こう……今までの私を終わらせて、これからの私を始めるために。」
そして少女は深い闇の中から羽撃いていく、自分の大切なものの為に、自分を大切にしてくれる人達の元に。
一方その頃、時の庭園内部に転送されたシン達は、アリシアによって操られた傀儡兵達によって道を阻まれていた。
「ディバイン……バスター!」
「うおおおおお!!!!」
なのはのディバインバスターの掃射と狼型に変身したアルフの豪快な攻撃で数を減らしていく、しかし次から次へと傀儡兵は数を増やしていった。
「あーん! 全然減らないよ~!」
「泣き事言っている暇はないぞ! 次が来る!」
すると傀儡兵の一つが攻撃を掻い潜ってなのはに急接近してくる。
「はわわわわ!? やばっ……!」
「な、なのはー!」
なのはの危機を察知し助けに入ろうとするユーノ、すると……。
「デスティニー! フラッシュエッジ!」
「はいはーい。」
ブーメランのように投擲された二本のフラッシュエッジがなのはに襲いかかって来た傀儡兵をバラバラにする。
「大丈夫かなのは。」
「う、うん! ありがとうシン君!」
その様子を見ていたユーノはとても複雑な顔をする。
「あれ? 何この空気……。」
「コレが主人公補正です。」
「何言ってんだデスティニー? それにしてもこの数……奴さん、どうしてもここを通したくないみたいだな……。」
そう言ってシンは傀儡兵達の背後にあるアリシアのいる部屋に通じる通路を見る。
「人手があれば何人かを向こうに送ることができるんだけどね……。」
「もうちょっと持ちこたえてくれ! 今近くの局員がここに応援に向かっている!」
「わかった!」
そしてシン達は再び傀儡兵達を激しい戦闘を繰り広げる、
その様子をアリシアは時の庭園の最深部でモニターで監視していた。
「どうやら新しいおもちゃが必要みたいね……私の邪魔はさせない。」
するとシン達の元に、騎士のような格好をした傀儡兵達とは違う、顔に大きな一つ目があり手には金棒をもった20m程の黄色いロボットが現われた。
「なんだアレ!?」
『デスアーミー! そいつを排除しなさい!』
アリシアの声を聞き、デスアーミーと呼ばれたロボットは一か所に集まって戦っていたシン達に向かって金棒を振り降ろす。
「きゃあああ!!?」
「うわっ!!」
シン達は辛うじてその攻撃をかわし、魔力弾等で反撃を試みる、しかし……。
「駄目だ! 全然効いていない……!」
「もっと攻撃力のある攻撃をしないと!」
するとデスアーミーは金棒の先端をシン達に向けると、そこからビームを何発も発射してきた。
「んな!? あんなものまで……!」
「なのは! アタシの後ろに!」
アルフはなのはを自分の背後に移動させると、シールドを張って飛んできたビームを防いだ。そしてシンとユーノとクロノも襲い掛かるビームをひょいひょい避けていく、しかし……。
「うわっ!?」
その内の一発がシンの背中に直撃し、彼はそのまま地面に落下して行った。
「しまった!」
「シン!」
アルフ達はすぐさまシンを助けようとするが、デスアーミーが彼を叩きつぶそうとするのが早かった。
(やられる!?)
「主!」
思わず目をつむって身構えるシン。
[Thunder rage]
「!?」
突然飛来した雷が轟音と共にデスアーミーの動きを止める。
[Get set]
シンが上を見るとそこにはバルディッシュを構えたフェイトがいた。
「サンダー……レイジーー!」
フェイトはサンダーレイジでデスアーミーをバラバラに破壊してシン達の窮地を救った。
「フェイト?!」
アルフが上を見上げ驚く、それを見たフェイトはシンと彼に駆け寄ってきたなのは達のところまで下りてくる。
「フェイトちゃん!」
「フェイト!」
「……。」
フェイトを嬉しそうに見つめるなのはと恥ずかしさからかそれを正面から見られないフェイト。
すると、壁を突き破りさっきの傀儡兵の倍以上の大きさの傀儡兵が現れ、両肩の砲台がシン達を狙う。
「大型だ! バリアが強い!」
「うん、それにあの背中の……!」
「だけど……二人でなら!」
その言葉にフェイトを見るなのはの顔が笑顔になって首をたてに振る。
「うん! うんうん!」
「いくよ! バルディッシュ!」
フェイトがバルディッシュを構える。
[Get set]
「こっちもだよ! レイジングハート!」
なのはもレイジングハートを構える。
[Stand by. Ready]
「サンダーーー! レイジーーーー!!」
「ディバイン! バスターーーー!!」
「「せーーのっ!!」」
その瞬間、二人の攻撃が大型の傀儡兵のバリアを破り、傀儡兵を粉砕し、時の庭園に大穴を開ける。
「フェイトちゃん!」
「フェイト! フェイト! フェイトー!」
そして二人が地上に降りるとアルフがフェイトに泣きながら抱きついてきた。そしてその後ろではデスティニーが心底ほっとした様子でフェイトを見つめていた。
「来てくれると信じていました。」
「うん、デスティニーの声……私にちゃんと届いたよ。」
「怪我の方は大丈夫なのか?」
「うん、今は平気……。」
クロノの問いに答えながら、フェイトはダメージを受けたシンに肩を貸した。
「シンは平気?」
「うん……ちょっと飛べなくなっちゃった、あはは……カッコ悪いなぁ。」
「そんなことないよ、シンのお陰で私は私を始める事ができたんだから……。」
そう言って見つめあうシンとフェイト、その様子をなのは達はニヤニヤと見つめていた。
「あー? フェイトちゃんもしかしてシン君の事……。」
「君達、今は戦闘中なんだが?」
その時、シン達のいる広場にすぐさま増援の傀儡兵やデスアーミーが集まってくる。
「うわっ! また出てきた!」
「空気が読めないポンコツですね!」
そう言ってシン達が臨戦態勢をとろうとした時……。
「ディバイン……バスター!!!!」
突如どこからかなのはのものとは違うディバインバスターが発射され、傀儡兵達を飲み込んだ。
「え!? 何今の!?」
「私じゃないよ!」
するとシン達の元に大きな槍を持った男と、ピンク色と青い長髪の女性が近付いてきた。
「君達がアースラの部隊か!? 我々は応援要請を受けてやってきたゼスト隊だ。」
「応援感謝します、アースラのクロノ・ハラオウン執務官です。」
そう言ってゼスト隊と名乗った男に敬礼するクロノ、そうしている間にも傀儡兵達はどんどん増えていた。
「ぼやぼやしている暇はないみたいだね……。」
「早く奥の方へ行かないと……!」
するとデスティニーはある作戦を思い付いたのか、先程ディバインバスターを撃った青い長髪の女性に声を掛ける。
「そこのアナタ、先程のディバインバスターをもう一発撃てますか?」
「もちろん! 十発でも百発でも撃っちゃうよ!」
(豪快な人だな……。)
シンはその青い髪の女性の威勢のよさを見て思わず感心してしまう。
「ではなのはさんと共にあの最深部に通じる扉に向かってディバインバスターを撃って道を塞いでいる奴らを退けてくださいください、その隙に私と主……そしてフェイトさんが中へ突入します。」
「私達が……。」
「でもデスティニー……俺……。」
そう言ってシンは左側が折れてしまった自分の翼を見せる。
「うーん、修復には時間が掛かりますね……。」
「それなら……。」
すると大型狼形態のアルフはシンの首根っこを掴み、彼を自分の背中に乗せた。
「うわっと!」
「これなら早く動けるだろ?」
「十分です、それではお二人とも……お願いします。」
デスティニーの言葉にコクンと頷くなのはと青髪の女性、そして二人は迫りくる傀儡兵達の目の前に堂々と立った。
「じゃあせーのでいくよ、えっと……。」
「私はなのは……高町なのはです!」
「よっし !じゃあなのはちゃん、私と一緒に撃ってね!」
「はい!」
そしてレイジングハートの先端と、女性が装備しているギアが巻かれたような籠手に膨大な魔力が集束して行く。
「「ディバイン……バスター!!!!!!!」」
そして2人はほぼ同じタイミングで魔力を傀儡兵達に向かって放った。
桜色と蒼色の光に呑まれ消滅していく傀儡兵達。
「今です!」
その隙にフェイトとシンを乗せたアルフは真っすぐに最深部に繋がる扉に駆けて行った……。
「気を付けてねフェイトちゃん……アルフさん……シン君……!」
「よし!僕達はこの場の敵を殲滅しつつフェイト達の後を追うぞ!」
「わかった!」
「我々も負けていられないぞ、クイント! メガーヌ! 援護してくれ!」
「「了解!!」」
そしてシン達はアリシアのいる時の庭園の最深部に到着する、そこで彼等は信じられない光景を目の当たりにする。
『フェイト……ここまで辿り着いたのね……。』
広間には辺り一面禍々しい植物のような物が壁一面にひしめき合い、中心には銀色の鉄のような何かを全身に纏ったアリシアが、巨大な球根のような物体の中にある赤い水晶に腰から下を取りこませていた。そしてすぐ傍にはプレシアが取り込まれていた。
「母さん!」
「プレシア!」
「あの水晶は……ジュエルシードですか。」
「アリシア……もうこんな事やめてくれよ! こんな事したってプレシアさんは……!」
アリシアを説得しようとシンは必死になって彼女に訴えかける。
『アナタに私の何が解るの? 私から母さんを奪った奴らをどうしようと勝手じゃない。』
しかしアリシアはクスクス笑いながらシンの言葉を拒絶し巨大な触手のような物を幾つも出現させ、それらにシン達を襲わせる。
「うわっ!」
「きゃ!」
シン達はそれを分散して回避し、さらに襲いかかって来る触手を各個迎撃していく。
「フォトンランサー! ファイア!」
「デスティニー! フラッシュエッジ!」
「そりゃー!!!」
しかし攻撃の勢いは衰えることなく、シン達の表情に次第に焦りの色が見え始めていた。
「次から次へと……本当にキリが無い……!」
「やっぱりコアであるアリシアさんを止めないといけませんね。」
「ならアタシに任せろー!」
デスティニーの分析を聞いてアルフは無理やりアリシアに近付こうとする、しかし……。
「わあああああ!!!?」
「アルフー!」
足もとから現れた触手のようなものに絡め取られてしまう。
『無駄無駄……犬ッコロごときが私に触れる事なんてできないわ、そこで大人しくしていなさい。』
「くそう! 力が出ない……!」
アルフは全身から力が抜けていくのを感じ、そのまま意識を失ってしまう。
「いけない! アレは生命力を吸っています! 早く止めないと!」
「待ってろアルフ! うおおおおお!!」
そう言ってシンは地上から、フェイトは空中から迫りくる幾つもの触手を撃ち落としていく。その様子を見ていたアリシアは不敵に笑うと……。
『ふふふ……それじゃレベルアップするかな?』
天井から岩の塊のような物を彼等に向かって落としていった。
「だああ!! そんなの反則すぎるだろ!」
「くっ……!」
顔を顰めながら落下してくる岩を回避するシンとフェイト、その様子を見てアリシアはまたも不敵に笑う。
『かかったわね……まずはお前から!』
すると赤い水晶の中心に魔力が集束され、そこからシンに向かって赤い光線が放たれた。
「うわああああ!!!!」
「シーン!」
フェイトはすぐさま飛べないシンを抱えて空に退避して事なきを得る。
『ちっ……もうちょっとで消し炭にできたのに。』
「た、助かったよフェイト。」
「う、うん……(うわあ、シンと密着してる……)」
フェイトは頬を赤く染めながら地上にいるアリシアを見据える。
「どうしようシン……なんとかしてアリシアに近付かないと……。」
「あのウネウネ邪魔だな……なんとかしてあそこまで辿り着かないと……あそうだ! フェイト耳貸して! ごにょごにょ……。」
そしてフェイトはシンが提案したプランを聞いて目を見開いて驚く。
「そ、それは流石に無茶なんじゃ……。」
「でもこれしか方法がないよ! 俺は大丈夫だから!」
「ここは主を信じてくださいフェイトさん。」
「う、うん……。」
フェイトは今だに承服しかねていたが、取りあえずシンが提案した作戦を採用することにした。
『うふふ……何をしても無駄よ無駄無駄、大人しく私の養分になりなさい。』
「そんなの……!」
「お断りだ!」
そう言ってシンはフェイトに抱えられながらアリシアに向かって猛スピードで突撃して行く。
『なあに? 特攻?』
「シン! 本当にいいんだね!?」
「思いっきりやってくれ!」
フェイトはもうヤケクソ気味にシンを支えていた手を放す、するとシンは慣性の法則に従ってアリシアに向かって弾丸の如く飛んで行った。
「名付けて“シルエットシステムアタック”!!!」
「しるえっとしすてむ?」
デスティニーのネーミングに首を傾げるフェイト、一方シンは襲いかかる触手をはねのけながらアリシアに向かって飛んで行った。
「おりゃあああああ!!!!」
『な!!?』
そしてシンはアリシアに取り付くことに成功する。
「主、アリシアさんをこのジュエルシードの塊から剥がせば時の庭園は機能を停止します。」
「わかった! ふんぬぬぬ……!」
シンはアリシアの体を掴み力任せに引っこ抜こうとする。
『どこ触ってんのよスケベ!』
衝撃波によって吹き飛ばされてしまう。
「わあああああ!!!!」
「シン!」
すぐさま助けに入ろうとするフェイト、しかしその隙をアリシアは見逃さなかった。
『くくく……! 捕まえたわよ!』
「きゃ!!」
フェイトは後方から襲いかかって来る触手に気付かず、そのまま全身を絡め取られてしまった。
『このまま……バラバラにしてらる!』
「ああああ……!!!」
縛る力が少しずつ強まり苦悶の表情を浮かべるフェイト。
「フェイト……今助ける!」
その様子を見てシンは痛む体をこらえながらフェイトに絡みついた触手をフラッシュエッジで切っていく。
『敵に背を向けるなんて……油断しすぎじゃない?』
「!! 主!」
デスティニーは危険を察知しシンに警告する、しかし気付いた時にはもう遅く、アリシアはシン達に向かってビーム砲を放った。
「シン逃げて! 私の事はいいから!」
「…………!!!」
そのままビームの中に呑まれていく2人、巻き上がる爆煙、それを見たアリシアは勝利を確信していた。
『ふふふ……これで邪魔者はいなくなった、後は……。』
しかしアリシアはある気配に気付き、自分がビームを放った方角を見る、そこにはボロボロになりながら身動きができないフェイトを体を張って守ったシンの姿があった。
「うぐぐ……いってぇ……!」
「シン! なんて無茶を!」
『な、なんでよ……なんでそいつの為にそこまでするのよ!』
シンの行動を理解できずに喚くアリシア、それに対してシンは何てことないといった様子で答える。
「約束したから……! ずっと傍にいるって、守ってあげるって……!」
「シン……!」
フェイトはそのシンの言葉を嬉しく思いながら、触手から脱出しようと必死にもがいた。
そしてシンはボロボロの姿のままアリシアに語りかける。
「なあアリシア……もうやめてくれよ! こんなの悲しすぎるよ!」
『悲しい? 私の行動に口出さないでほしいわね、何も知らないくせに……。』
「確かに俺はアリシアがどういう思いをしているかは解らない、でも……。」
そう言ってシンはフェイトの方を一瞥すると、とても悲しい目でアリシアの方を見る。
「アリシアが今やっている事は……プレシアさんを悲しませているんだぞ。」
『母さん……が……!?』
その瞬間、アリシアは動きを止め、フェイトは触手から脱出することに成功する。
「プレシアさん……泣いていたよ? 君がこんなことをするのは自分のせいだって……プレシアさんを大切に思うならもうこんな事やめようよ!」
『……!』
動揺するアリシアへ、一歩一歩近付いて行くシン。
「もういいだろう? 下にいる人達だって十分懲らしめた、一緒に帰ろう……フェイトやアルフと一緒に、アリシアには帰る所があるんだ!」
そしてシンは手を差し伸べた、その手をアリシアは迷いながらもとろうとする、その時……。
『……!! あああああああ!!!』
突如アリシアは苦しそうに暴れ出し、手当たりしだいに攻撃を始めた。
「アリシア!!?」
「アルティメット細胞とジュエルシードがアリシアさんの制御を受け付けなくなっています!このままでは……!」
「そんな! どうすれば……!」
その時、シンとフェイトの頭の中にリンディの念話が聞こえてくる。
(シン君! フェイトさん! 聞こえる!?)
「リンディさん!?」
(ヴィアさんの解析が終わったわ!! アリシアさんを取りこんでいるジュエルシードの塊……あれを破壊すれば時の庭園は機能を停止するはずよ!)
「ジュエルシードの塊……あれか!」
そう言ってシンとフェイトはアリシアの下半身を取りこんでいる巨大な赤い塊を見る。
(でも気を付けてね、あれは高威力の攻撃じゃないと破壊できないから……。)
「高威力……!」
シンはふと、自分がデスティニーから魔法を教わっていた時に聞いた“切り札”の事を思い出し、自分の両腕に装着してある傷だらけの青い籠手を見つめる。
「どうします主? 翼の修復はたった今終了しましたが……。」
「なのは達が来るのを待ってはいられないな。」
そう言ってシンは決意を固めて右手に魔力を込める、すると突然フェイトがその手を自分の左手で掴んできた。
「シン、私も一緒にやるよ、二人なら……。」
「フェイト……うん、わかった。」
そして二人は繋いだ手から優しい温もりを感じながら、決意に満ちた目でアリシアを見据えた。
「「二人なら、終わらせることができる」」
最終話「君は僕に似ている。」
「ウオオオオオオオオン!!」
次の瞬間、雄たけびと共に触手の先端に牙とアンテナのような二本の角が生え、シンとフェイトに向かって一斉に襲い掛かってくる、二人はそれを真上に飛翔して回避した。
「デスティニー!」
「薙ぎ払います!」
「バルディッシュ!サンダーレイジ!」
[Get set]
そのまま二人はそれぞれビーム砲とバルディッシュの先端を下の触手達に向け、ぐるぐる回転しながら、豪快に触手をビームで薙ぎ払っていった。
『うああ、うわあああああ!!!!』
もがき苦しむアリシアはビーム砲をシン達に向かって放つ、それに対してシンは左手にため込んだ魔力を迫ってくるビーム砲にぶつけた。
「うおおおおおおおおおおおおー!!!!」
そしてシンはフェイトと手を繋いだまま、ビーム砲を縦に引き裂きながらアリシアに急接近する。
そしてジュエルシードで出来た水晶をパルマフィオキーナの射程圏内に入れたシンは、先ほどからチャージしておいた右手の魔力を、フェイトと一緒に掌を合わせて撃ち出した。
「フェイト!」
「うん!」
「「ダブル! パルマ……フィオキーナあああああ!!!!!!」」
シンとフェイト、二人の思いが籠った攻撃は、ジュエルシードの塊にヒビを入れ破壊するのに十分の威力を持っていた。まさに二人で勝利を掴み取る技、この技の前にはどんなものであろうと耐えきることは不可能だった。
「グオオオオオオオオオン!!!!!」
そして触手達は断末魔をあげて消滅していく、勝利者は……シンとフェイトだ。
「アリシア!」
そして勝利の余韻に浸る間もなく、シンはフェイトと一緒にアリシアをジュエルシードから引き剥がした。
「あ……ぐ……!」
「ふぎゃ!」
その瞬間、取り込まれていたアルフとプレシアも開放され、意識を取り戻し起き上がった。
「アルフ! 母さん!」
「あいたたたた……あ、あれ? もしかしてもう終わっている!?」
「アリシア……フェイト……!」
プレシアとアルフはすぐさまシンとフェイトの元に駆け寄り、2人に抱えられているアリシアの安否を確認する。
「アリシアは?」
「生きてはいるみたいですが……意識を失っているようです。」
「そう……!」
デスティニーの言葉を聞いてプレシアは思わずアリシアをフェイトと一緒に力強く抱きしめる。
「か、母さん……?」
「ごめんなさい……! アナタの大切さに気付かずに、私はなんてひどい事を……!」
そこには今までのフェイトをいじめていた鬼のようなプレシアはおらず、ただただ自分の罪を悔いて娘に許しをこう母親の姿があった。
「ごめんなさい……! ごめんなさいフェイト……!」
「母さん……私怒ってないよ、だからもう泣かないで。」
そう言ってフェイトはプレシアの頬を流れる涙を手で掬った。
「私……私はもうアナタ達に母と呼んでもらう資格なんか……! 私は憎まれても当然の事をしたのに……!」
「そんな事言わないでください、私は……母さんが昔みたいに笑ってくれればそれで……。」
「フェイトぉぉ……!!」
シンはそんなフェイト達の様子をすぐ傍で優しく見守っていた。
(フェイト……よかったな、プレシアさんと仲直りできて……。)
「…………主。」
その時、デスティニーが神妙な面持ちでシンに語りかける。
「どうしたのデスティニー? 早くなのは達の元に戻ろう。」
「それが……先程からイヤな空気が晴れないのです。」
「え?」
するとシン達の背後で主を失ったアルティメット細胞の塊が、うねりをあげて再生を始めていた。
「な、なんでだい!? アレはフェイト達が壊したんじゃ……!?」
「生命力が半端ないですね……私達の火力じゃ完全に破壊できませんか、今度は私達の誰かをコアにするつもりですね。」
「このままじゃみんなが……!」
「…………。」
するとプレシアは足もとに魔法陣を出現させ、詠唱を始めた。
「母さん!? 何を……。」
「皆、アリシアを連れて逃げて頂戴。」
「プレシアさん!?」
すると今度はシン達の足もとに魔法陣が出現する。
「転移魔法!? プレシア! これは一体何の真似です!?」
「アイツの中にあるジュエルシードを使って虚数空間の中に転移するわ、いくらアイツでもそこに落とせば何も出来ない筈……。」
「プレシアさんはどうするんだよ!? 逃げるなら一緒に……!」
「誰かがここでこいつを引き止める必要があるわ、それに……ゴフッ!」
するとプレシアは突然咳き込む、そして咳き込んだ口を抑えた手には血が付いていた。
「母さん……!?」
「もう私は長くはないの……ふふふ、本当に愚かよね……。」
「そんな……そんなのあんまりだよ! 折角一緒になれる筈だったのに……! 解りあえたのに!」
魔法陣の中に閉じ込められているシンは必死になってプレシアを説得する、対してプレシアは優しい顔でシン達に語りかける。
「私にはあなた達の母親を名乗る資格なんてない……でも最後くらい母親らしいことはさせて。」
次の瞬間、シン達の足もとの魔法陣が強く光り、彼等は時の庭園の外へと転移していった。
「母さん! いやだ! いやだよぉ!!」
「プレシアさん!」
「プレシア!」
「…………。」
「ごめんなさい……アリシア、フェイト……ヴィアにありがとうって伝えて……。」
それが、シン達が見たプレシアの最後の姿だった。
そして一人その場に残ったプレシアは猛スピードで回復していくアルティメット細胞の塊を睨みつける。
「さあ来なさい……! あの子達には指一本触れさせない!」
一方アースラでは、時の庭園の動きに気付いたアースラのクルーが慌ただしく状況を確認していた。
「上空に次元震の発生を確認! 中規模以上!」
「時の庭園が吸い寄せられています!」
「一体何が……!?」
そんな中、ブリッジにいたヴィアは猛烈に不安を感じていた。
(プレシア……!? まさか!?)
するとブリッジでオペレートをしていたエイミィの元にクロノ達から通信が入って来た。
『エイミィ! 何が起こっている!? フェイト達の援護に行こうとしたらみんな強制的に外へ転移させられて……!』
「えええ!?」
「シン君達は!?」
「待ってください……シン君とフェイトちゃん達の反応を確認しました! 地上に転移したようです!」
その頃地上に転移したシン達は、虚数空間に吸い込まれていく時の庭園を地上から見ていた。
「母さん! 母さん!」
「駄目だよフェイト! もう間に合わない!」
フェイトは時の庭園の元に飛んで行こうとするが、アルフに止められていた。
「アルフ離してよ! 母さんを一人にさせられない!」
「その言う事だけは聞けない!」
そして時の庭園は虚数空間に吸い込まれていき、そのまま跡形も無く消えてしまった。
「あ……ああああ……あああああああー!!!!!!」
その光景を目の当たりにしたフェイトはショックのあまり狂ったような叫び声をあげ、泣き崩れてしまった。そしてその彼女の様子をアリシアを抱えていたシンは悔し涙を流して見つめていた。
「くそっ……! なんで! なんでこんな事に……!」
後にP・T事件(時の庭園事件とも呼ばれている)と呼ばれる出来事はこれで終わりを告げた。
首謀者であるプレシア・テスタロッサは時の庭園とアルティメット細胞と共に行方不明となり、書類上では死亡扱いとなる。
彼女の協力者であるヴィア・ヒビキ博士とフェイト・テスタロッサについても近々裁判が行われる予定ではあるが、リンディ提督らアースラクルーの弁護により刑に執行猶予が付くと見込まれている、
意識の戻らないアリシア・テスタロッサについては、ヴィア博士の指示でしばらく管理局の監視下に置いておくことになっている、もっともアリシア・テスタロッサの中のアルティメット細胞はほぼ消失しており、彼女が再び暴走することはあり得ないということで、アリシア・テスタロッサは近いうちに妹の元に帰ることができるだろう。
最後にシン・アスカについて、彼は管理外世界からフェイト・テスタロッサにやむ負えない事情があったとはいえ誘拐された身であり、事件後間もなく彼の住む世界にいる親元に返された。(リンディ提督による説明も済ませてある。)
彼の中にあるジュエルシードについてはいまだ引き離す方法が見つかっておらず、現在対策を模索中である。
追加報告:ジュエルシードについて。
20個あったジュエルシードは戦いのドサクサで所在が分からなくなっている。
現在も捜索を進めているが発見は絶望的であり、近いうちに捜索が打ち切られる予定である。
一説によれば消失した20個のジュエルシードは他世界に転移した可能性もあるとのこと。引き続き調査の必要がある。
本日はここまで、次回は後日談的なエピローグを月曜日にお送りいたします。
ちなみに作中に出てきたデスアーミーは人間をコアにしておらず、ジュエルシードの魔力で動いている不完全なものとなっております。しかしガンダム作品扱っているのに最初に出てきたMSがデスアーミーって……。
ゼスト隊を出したのはサービス的な意味もありますが、実は彼らの存在は今後の話の展開の重要なカギを握っています。まあとりあえずはそういえばこういうこともあったんだと頭の隅に留めておいてください。