※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ <<注意>> この作品は、プチ・オカルト或いはなんちゃってオカルトに該当する十八禁仕様の二次作品です。 よって原作のキャラクターの心を一部改変,破“戒”しております。 展開上、時系列も歪んでおりますし、倫理も歪んでおります。 浦島景太郎以外の男性がひなた荘の女性らに触れられる確率は限りなくゼロですが、展開上“触れる”事はあるかもしれ ません。飽く迄も“かも”という可能性だけですが…… 無論、言うまでも無く美味しい想いをするのは景太郎ただ一人だけですが、他の存在の指一本、同じ空気も景太郎以外に 触れさせるのは嫌だと仰られる独占欲の化身の様な方にはオススメしかねます。 原作にある快活な女性達が性欲に壊れていく事に我慢の出来ない方、 過分な男尊女卑論を唾棄している方、 そして浦島景太郎による性的な蹂躙という展開に我慢の出来ない方には後退をお勧めいたします。 以上の点を黙認できる方のみお進みください。 ※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※ 混濁する理解力。 現実感があるという気にさせられているだけの画像。 自分はここにいるというのに、目の前にも存在する自分。 分裂しているというのに、自分も体験していると感じてしまう錯覚。 ――そう、自分は夢を見ている―― 普段の自分。 現実という世界に生きている自分の時ならば嘔吐どころか迷わず死を選ぶであろう光景が眼前で展開されている。 にも拘らずこれを甘受しているのは、どうせ夢だからと割り切っているのか“慣れた”からだろう。 初めてではないのだ。 この――――――淫夢は。 犯されている。 輪姦されている。 汚されている。 蹂躙されている。 私の眼前で、 よりにもよって私の目の前で、“私”は多くの男に犯され続けているのだ。 口の中に肉棒を突き込まれ、おびただしい量の精液を射精され、出したら交代される。 髪の毛はペニスに巻きつけられて自慰の材料。 頭や顔に白濁の液をぶちまけるとまた交代されて別のペニスがこちらに向く。 頬に、首に、胸にペニスが押し付けられ、こすられ、 乳首は引っ張られ、捻られ、噛みつかれ、歯形を乳輪に残され、ペニスを擦り付けられ、やはり精液でベトベト。 腋の下も、腕も、太股も、膝の裏も、脹脛、手足の指の間すらペニスがなすりつけられ、 腹も臍も腰も多くの亀頭がカウパーと精液をなすりつけ、 肉芽はとっくに皮を剥かれ、噛まれ引っ張られつままれ犬の玩具のよう。 膣にもアナルも肉棒に満たされ、ドボドボと逆流する精液がどのような扱いを続けてこられたかを物語る。 そして犯されている私はそれを甘受し、悦に入っているのだ。 理由も解かる。 そしてその理由が、私を目の前で嬲られている“私”を心底羨ましいと想わせている。 私を犯しているのは全員が同一人物。 全員が愛する男なのだ。 そう―― 彼だから。 彼ならばこそ、“こうする”権利がある。他の誰でもない、彼ならば許せるのであるし、彼以外であれば何者も許さざる行為。 彼だからこうしても良いし、私もこうしてほしい。是非にも。 ふと眼差しを肉棒に群がられている“私”の太股に向けてみる。 そこに足の付け根から走る赤い糸。血だ。それも生理時のそれでは無く破瓜による出血。 犯される度に処女膜が突き破られ、肉棒が引き抜かれてしまう度に処女膜は再生されている。 何度も処女を奪われ、何度も精液を注がれる。 何度も痛みをもらえ、その上に精液をもらっている。 素晴らしいっ!! 流石は夢だ。 何度も彼による破瓜を感じられ、何度も処女をプレゼントできる。 羨ましいっ!! 妬ましいっ!! 何故、私にしてくれないのだ?! 何故、私はここにいるのだ?! 何故、私を嬲り尽くしてくれないのだ?! 妬み、渇望し、その欲望に心を焼き焦がせていると、やはり“いつもの様”にまた私の意識は“私”に成り代わっていた。 その安堵感、歓喜………っ!! それは何物にも代え難い多幸感だ。 “犯してもらえる”のだ。それも“彼”に!! 満足感、幸福感、絶頂、愉悦、快楽、悦楽。様々な幸せが私を舐めしゃぶり、魂を穢し清めてゆく。 痛みも苦しみも嫌悪も失望も絶望も孤独も虚無もない。 在るのは果てし無い絶頂と快楽のみ。 これだ……これこそが私が求め訴えていた世界だったのだ!! 私ではない“私”の声が私をそう促し、私もその声を甘受し、確信を深めてゆく。 そう、今の自分の様を鑑みて…… 何人もの“彼”が童貞を自分にプレゼントしてくれ、私は果てし無く処女を捧げられている。 嗚呼……また破ってくれた。 嗚呼……また膣内に出してくれた。 嗚呼……孕ませてくれるかもしれない。 喉を鳴らして精液を啜る。 舌の上で残留精液を転がしてその味と風味を堪能しいる間にも注がれる新しい粘液。 早く射精せねばカウパーによって苦くなってしまう。 いや、飲ませたいというのであれば悦んで飲もう。彼の願いを叶える事が私の愉悦快楽なのだから。 そう、私は彼のもの。彼だけのモノ。 私の身も心も、 あらゆる権利、細胞の一片、魂魄の欠片、輪廻の彼方、全てが彼だけのモノ。 喉を突くゴツゴツした肉棒、 頬を撫でる亀頭、 胸を揉みしだき、谷間を蹂躙し、乳首を摘み、噛み、嬲り、弄んでくれているペニスと手、 ズリズリと処女道を研磨し、襞の全てに精液とカウパーの味を焼付け、 アナルを押し開き、その奥に直接放尿し、ペニスで栓をして注送し、 隙間無く私に向けられている鈴口から放出してくれているのは、愛しい彼のあたたかな精液。その白濁としたエキスを私の身を精液の泉に沈めるが如く浴びせ続けてくれている。 幸せだった。 喩え様も無いくらい。 幸福だ。 彼の性玩具になれて。 私は喘ぎ、 胸を揉みしだき、 腰を振り、 快楽に絶叫し、 失禁し、 発狂寸前の絶頂を何度も何度も迎え続けていた。 快感にその身を痙攣させている私の周囲には誰もいなくなっていた。 地面に広がる精液の池の中、私は背中を汚しながら仰向けになって口と膣、そしてアナルから、彼から頂いた精液を逆流させつつ大き過ぎた幸福感と快楽によって体を脱力させ切っている。 そんな私のすぐ側に愛しい彼の気配が出現した。 当然の様に全裸で、股間をいきり立たせながら。 私はそのペニスにご奉仕をしようと気力を振り絞って身を起こそうとした。 が、 ―――その瞬間、私は気がついた。 “これ”は彼ではない―――と。 私にとっては凄まじく出来の悪い偽者。 彼によく似せている“つもり”であろう別人であると。 如何にどのパーツを似せようと、私の眼を誤魔化す事は出来ない。 あの大好きな笑顔もどこか濁りきっている。 あの優しい、そしてどこか困ったような眼差しの愛おしいそれではなく、浮かんでいるのは完璧な作り物だ。 『許さん……』 怖気より恐怖より、私の心を荒れ狂ったものは“怒り”。 あたたかく満たされていた私の心は、噴き上がった灼熱の怒りによって焼き尽くされていた。 だから、私は――― その偽者を――― ―――牙で引き裂いたのだ――― 魔の存在の断末魔。 絶叫――――― そして…… 「……? もう朝か……」 全身を汗でびっしょりと濡らし、肌着を貼り付けたまま青山素子はその身を起こした。 何時もの事であるが夢を見はしたが全く覚えていない。 ここ一ヶ月もの間、素子は朝目覚めれば全身汗まみれで、尚且つ眩暈と倦怠感。時には嘔吐感まで残したまま一日を送っていた。 体調不良といえばそこまでであるが、何やら悪い夢を見たという気がするだけで、理由らしい理由は全く気が付かないでいる。 夕べのは特に酷かったらしく、何時も以上に汗を掻き、全身をずぶ濡れにして眼を覚ます派目に陥っていた。 シーツなど、失禁したとしか思えないほどなのだ。 尤も、素子は気付いてはいないし、同じ寮に住まうキツネこと紺野みつね等ならば気が付いたかもしれないが、そのシーツのそれは汗ではなく、紛れも無い愛液の香りがしていたのである。 となれば淫夢に間違いなかろう。 素子が憶えていれば、の話ではあったが…… まぁ、朝稽古をするのでどうせ汚れるのだからと下着を替えたりせず、布団からシーツを引き剥がしてシーツと掛け布団のカバーだけを洗濯籠に放り込み、さっさと稽古着に着替えてそのまま件をてに部屋を後にしようとする。 何故か彼女は気が付いていない。 乳首はカチカチに尖っており、クリトリスは皮がめくれ、アナルは飢えた動物のようにパクパクと腸液を滲ませて下着を汚している。 膣道もヒクつき、熱い男根の到来をよだれを滴らせているではないか。 それでも気付かない。気付けない。 自分が何に飢えているのか。 何を……いや、誰を飢え求め狂っているのか…… 尤も、その対象に秘めていた想いが件の夢によって限界にまで強化され、狂おしいほど高められていたが為に彼女は多淫にならずにすんだ訳であるが――― 淫夢の中で淫気を喰い殺してしまい、“それ”を身に沈めている等と彼女が思いつくはずもなかった…… -妄・愛- 「浦島…先輩?」 自分の中に燻っていたものを持て余しつつも何とか一日を終えた少女は、日課となっている夜稽古を行っていた。 愛刀“だった”止水の代わりに使い出した妖刀“ひな”を振り、己と戦い続ける。剣の家に生まれた剣士である彼女にとっては呼吸を行う事のように当然の行為だ。 だが、何故だか何時より遅くなってしまい、“何とか終わらせる”という納得のいかない終わらせ方となってしまった。 それでも一応の型をやり終え、律儀に礼まで行って夜稽古を終わらせた少女――青山素子の前に、だらしなく椅子に腰をかけて眠り呆けている男が一人。 何と言うか、彼女の家の教えから言えば隙だらけにも程があり、死一歩手前の手酷い叱咤激励を受けようが反論の一つも出来るはずも無い恥ずべきその姿。 “以前の”素子であれば、蔑んだ眼差しの一つも送っていたであろうその無様な姿も、“現在の”彼女から言えば苦笑が浮かぶ程度。 優柔不断である事と、天性のトラブルメーカーが為に何らかの騒ぎに巻き込まれるのはディフォルトとして諦めているし、生来のお人好しさで誰も放って置く事ができない点も今やプラス要素としか感じない。 古人曰く。 惚れてしまえば痘痕も笑窪――― 昔の人は偉かった。 感心…とまではいかないものの、その諺を噛み締めさせられている今現在の素子は諺の正しさを思い知っているのだ。 二十歳を越えているのにも関わらず童顔で、人懐っこい眼鏡顔。 鍛えている訳でもないのに、退魔剣術という顔を裏世界で知らしめている神鳴流の追撃に耐えられるほどの奇怪な耐久力を持ち、それを良い事に自分らがあれだけ理不尽に扱ったにも関わらず恨んですらいない。 何だかんだでひなた荘の管理人の仕事もちゃんとやっているし、留学までして自分を見つめなおし、一回りも二回りも良い男となって帰ってきた青年。 彼の浪人だった時の苦労も自分らの所為だったわけで、今となっては頭を下げるタイミングも掴めない。“今更”という気もするし。 何だか彼の良い点ばかりが目に付くが、それが“惚れる”という事なのだろう。 そんな甘ったるい事を考えてしまう素子は我知らず苦笑を浮かべていた。自覚が出来ると理解も早いという事なのだろうか。 だが、酒の所為で寝入っているのだから用心はしておいた方が良い。一応、顔を寄せて呼吸を窺ってみる。 ややはだけた浴衣はこの“ひなた荘”のもの。旅館だった頃の名残だ。 先程、騒ぎから逃走を果たした素子であるから解かる事であるが、何時もの如く酔ったみつねに酒瓶を突っ込まれてこうなったのであろう。 酒の所為でやや顔を赤らめてはいるが、素子が恐れたような泥酔による昏睡は見られない。 少し前までの人の良さからの心配では無く、一人の男として心配していた素子は、意外なほど安堵の表情を見せた。 “愛しの彼”は呼吸すら止まっているのではないかと慌てさせるほど深い眠りの住人と化しているだけであったのだ。 風呂場近くのソファーである事から、就寝前に入浴しようとしたか、何時もの管理人の仕事である風呂掃除をやってくれようとしたのであろう。 後者であれば良いが、前者であれば大変である。泥酔中の入浴は命を縮めかねない。 当然、体を冷やすのも大問題だ。 何度か身体を揺するも意識は戻らない。 仕方がなく自分の部屋に連れて行き、布団をかけてやる事にした。 「まったく……世話を焼かせるのは相変わらずか…… 大学に受かっても前のままとは……」 等と愚痴る言葉とは裏腹に口元に浮かぶのは笑み。 その事に気付き、今更ながら赤面してしまう。 呼吸は間違いなく寝息。 そう、何時もの寝息だ。 ガーガーという危ない鼾ではないので安堵する。 以前は素子本人も彼を軟弱以外の何者でもない唾棄すべき人物と決め付けていたが、その実は力を沈め込んでいるだけでかなりの潜在力を秘めている事を知った。 単に運が無いだけである。 その事に気付いた頃には、彼女も余裕を持って“監察”する事ができ出していた。 持ち前の鈍感さと運の悪さから自分の力に自信を無くしている景太郎。 考えるより先に思わず行動してしまうそそっかしさはあるが、大半は善意からのもので、失敗という形に“見せてしまう”ものの、結果的には持ち前の雑草精神で丸く治める事が出来る。 そう―― 単なる“成功”ではなく、“丸く治める”のだ。 側にいるだけでホッとしてしまう雰囲気や、優しく細やかに気をつけてくれる彼。 どんなに罵ろうが暴力を振るおうが、何時も笑って許してくれるお人好し。 虐めというか、サンドバック扱いにしている“なる先輩”にしても、気がつけば頼りにし、その姿を探してしまう。 つまりはそういう男なのだろう。 現にストイックだった筈の素子も何時しか…… 「はぁ……」 深く溜息を付く素子。 その吐息は何故か熱い。 自分の身体の熱に驚いた素子は、やっと現状を理解した。 男――浦島先輩と二人きり。 “彼”を寝かせているのは自分の布団。 何故、“彼”の部屋では無く、自分の部屋に連れ込んだのか? 極自然だった。 無意識に、何も考えず、何故か流れるように連れ込んでしまったのである。 自分の行動に気が付いた素子の顔は、一瞬で羞恥の赤に染まった。 意識の無い男を部屋に引きずり込んだのだ。 それが何を意味するか、 そして世間一般の眼から、第三者の眼から見れば一々言葉にするまでもないだろう。 「……はしたない……」 と、わざわざ言葉にし、自分の戒めとした。 尤も、その行動はある意味“救助”と言えなくもない。 あのまま放置すれば景太郎が風邪をひくのは必至。 となると管理人業務が滞り、ひなた荘の全員が迷惑を蒙るのだ。 そう――自分は正しい事をやったのだ。 等と無理のある自己弁護をしている自分に気付き、素子はただ呆れるばかり。 それに自分は剣道着のままだ。 汗を流しに風呂場へと向かった所で見つけたのであるから当然であろう。 汗臭い道着のまま、男を己の部屋に引きずり込んだのだ。 素子でなくとも、年頃の女性であれば気にするだろう。 自己嫌悪のループに軽く陥りつつ、素子は景太郎を管理人室に連れてゆくべく手を伸ばした。 だが、その手は呟き一つで止められてしまう。 景太郎の、 「んん……な…る…」 という一言で。 瞬間、素子の意識が凍結する。 今までの弁護は跡形もなく砕け散り、今の呟きがドッシリの彼女の頭の中に腰を下して図々しくも胡坐を掻いていた。 そう……正に“あの女”の様に―― 待て。 待ってくれ浦島…… “ここ”にいるのは私だ。青山素子なのだ。 お前の……“貴方”の側におり、容態を気遣っているのも、 今、貴方への想いで我を失っているのも、“私”なんだ。 貴方をほったらかしにしている薄情なあの女。なる先ぱ………“成瀬川など”では無く――― そこに意識が繋がった瞬間、ガッと鈍い音を立てて素子の頭に血が上った。 解かっている。 それは良く解かっている。 単なる嫉妬だという事も。 お門違いだという事も。 だが、素子は生まれて初めて、女としての激しい嫉妬に狂っていた。 頭から発生した熱は胸の奥に戻り、全身を駆け巡ってまた頭に戻り、どんどん意識の熱量を上げてゆく。 その嫉妬の熱は彼女を保っていたモノを破壊しつつも枠だけを残して燃え狂っていた。 確かに元々彼女は、なる……“成瀬川”に対してコンプレックスを持ってはいた。 何故予備校に通っていたのか解からないほど学力も高く、不器用な自分には無い社交性や明るさ、そして人をひきつける“何か”。 嫌うほどではないにせよ、自分には無い人間的な魅力に対し、軽い嫉妬にも似た感情を自覚して苦笑したものだ。 しかし、それでもここまで酷い物ではなかった。 今の嫉妬は“女”の嫉妬。 燃え暴れ狂う緑の炎であり、男に対しての“欲の色”である紫すら含んでいるではないか。 その毒々しい炎に身を焼かれ、素子は発作的に彼を欲した。 脳裏に一瞬、激しく自分を罵倒する姉の姿が浮かぶが無視。普段であれば呼吸が止まる程硬直してしまう姉の姿だというのに、素子は全く意を返さない。その全意識は愛しい男に注がれたままだ。 と――その時。 澱んでいたその眼差しが愛しい男のある一点で凍りついたように停止した。 はだけられた彼の浴衣の袷。 グレーのトランクスの股間にあるクロッチの様な部分。 そこのボタンが糸が緩んだか一つだけ取れかかっており、そこから何かが覗いているではないか。 「はぁはぁ……」 途端に息が荒くなった。 彼女から発せられる気配は飢えと渇き。彷徨った砂漠でオアシスを発見した放浪者のそれ。 息を荒くしたまま、それでも慎重さを失っていないのか或いは目に見えぬ“何か”を心配しているのか、恐る恐る素子の手が伸ばされてゆく。 距離にして数十センチだった筈なのに、何十メートルという距離を進むが如く時間が費やされ、ようやく辿り着くにはかなりの時間を要したように感じられる。 素子は、もさっとした体毛を掻き分け、その雄の器官に生まれて初めて触れた。 「熱い……っ」 その肉の熱は彼女の意識を弛緩させ、瞬間的に倫理を腐敗させる。 くにくにと勝手に手が動き、窮屈なトランクスの中からそれを解放してやった。 「あ、あああ………」 蛍光灯の灯りの下。 黒に近いこげ茶色のそれが素子の眼前に露わとなった。 「これが……これが浦島の……」 何の予備知識もない“はず”の素子の手の中、 ぎこちなくはあるが優しく撫でられるその肉器官は、ムクムクと血液を集束させ、みるみるその凶暴さを少女に見せ付けてゆく。 「あ、ああ……浦島のが………」 ごくん…と喉が鳴る。 息も荒い。 つい今しがたまで片手にスッポリと隠される大きさだったそれは、素子の想いを酌んだか棍棒のように固くなってゆく。 確かにその形状は棍棒か擂粉木のようである。 生娘の素子には全てが初めての光景であったが、不思議と彼女はそれを受け入れきっていた。 『なる先輩………いえ、成瀬川さん……貴女は知らないのでしょう?』 撫でていた手を離し、その肉柱を握る。 無論、竹刀の様にでは無く、愛しい男のモノであるから赤子を愛撫するかのように優しく。 『浦島の…… け…“景太郎”のここがこんなに熱いなんて……貴女は“まだ”ご存じないのでしょう……?』 赤い亀頭に顔を寄せ、頬でもってその熱を味わう。 火傷しそうな熱。 ビクビクと脈動する肉柱に景太郎の命の息吹を感じたか、素子の眼が夢の中の彼女と同じ色にドロリと濁った。 途端にその表情が一変する。 欠片ほどは残っていた凛とした美少女のそれは完全に剥がれ落ち、一気に発情した雌のそれとなる。 鈴口から溢れた先走りが前髪を汚すが素子は気が付かない。 否、気付いたとしても汚れたとは感じまい。 その肉棒の“臭い”も今の素子には“香り”。 彼女は、愛しいオスのものを嫌悪する術を完全に見失っていた。 「あ…ンぅうっっ……はぁ……はふ、はふ……」 己が鼻穴に鈴口を押し当て、鼻腔いっぱいにその香りを吸い込む。 眼を瞑り、嗅覚と触覚に集中し、顔全部で持って景太郎を味わってゆく。 彼女は気付いていない。 接吻より何よりもこの青年の性器に“御奉仕”する事の方が大切になっている事に。 清純だった自分が、愛欲と性欲を重視している事に。 ナメクジでも這わせたかの様に顔を先走りの粘液で濡らす今の素子の目には、 理性の色は欠片も残っていなかった。