とある無人の観測世界。
「それでは……双方、準備はいいか?」
問いかけるのはクロノ=ハラオウン。
「いつでも」
答えを返した片方は闇の書の守護騎士・ヴォルケンリッターのリーダー烈火の将シグナム。
彼女の傍には同じくヴォルケンリッターの仲間、ヴィータとザフィーラ。そしてやや後方にシャマル。
騎士甲冑を展開し、長剣型のデバイス・レヴァンテインを構えている。
「同じく」
答えを返したもう片方はユーノ=スクライア。
彼のやや後方には彼の恋人にして婚約者の高町なのは。
バリアジャケットを展開し、二刀小太刀型のデバイス・阿吽金剛を構えている。
一拍。
「始め!」
そして、双方が激突した―――――!
あの話の後、ユーノとクロノは細部を煮詰めた。そしてやはり守護騎士を仲間に引き入れたいと考えた。なのはからの証言で信用できる相手だと判断したことも大きい。
そしてユーノはクロノと共にギル=グレアムと会った。彼を説得や討論で説き伏せ、引き入れた。元々彼もできることならばこのような方法はしたくなかったのだ。
ただし交換条件として、いざという時には封印されるのを説得、最悪封印に協力するというものもついていたが。
そして八神はやてに連絡を取り、その日がやってきた。
八神家。リビング。対峙するは八神はやて、ヴォルケンリッターとグレアム、クロノ、ユーノ。(なのはもいるが、中立)
そこには静かな緊張感が漂っていた。
「まずは自己紹介からだね……。はじめまして、ギル=グレアムだ」
「あ、はじめまして、八神はやてです」
互いに自己紹介をする。そこでいきなりグレアムが大きく頭を下げた。
「すまない。私は自分の為に君を放置していたようなものだ。幾ら罵倒してくれても構わない」
「あ、いえ、その!今日会いに来てくれましたし!」
はやては自分の恩人とでもいう人にいきなり頭を下げられて混乱している。ヴォルケンリッター達は何かを言いたそうにしていたが、主が真面目な会話しているのに口を出すわけにはいかないと黙っている。
「その理由を説明したい。……いいかな?」
「はい。お願いします」
電話では魔法絡みだというくらいしか話していない。
グレアムはヴォルケンリッター達にも声をかけた。
「君達もしっかり聞いてくれ。何故、管理局が闇の書を目の敵にするのかを。闇の書が今までどれほどの被害をもたらしてきたのかを」
「……」
「……」
「……」
「……」
ヴォルケンリッター達は無言。だが早く話せという雰囲気を出している。
「では、始めよう。まずは……」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「そんな、馬鹿な……」
「なんで、そんな……」
「……」
「私達は、今まで……」
説明を受けたヴォルケンリッター達は愕然としている。確かに、言われてみて改めて考えてみると違和感がかなりあった。
それにに言葉だけでなく、具体的な資料や映像まで出たら信じざるを得なかった。
「以上だ。闇の書が極めて危険だという理由は」
「……」
はやても無言。グレアムは続ける。
「そして事件からしばらく後……私は地球に住む、とある友人が亡くなったという知らせを聞いた。その知らせに、そういえば、彼から前に送られてきた写真を見ていなかったと思い、探して見た。そして愕然とした」
一拍置く。
「その写真には友人夫婦と生まれたばかりの彼らの娘が映っていた。……それだけでは無かった。あの闇の書が写っていたのだ」
グレアムは続ける。
「そんな馬鹿なと思いながら私はそれでも確認のためにリーゼアリアに派遣した。……本物だった。私はチャンスだと思い、それを何とか封印しようと考え――後は今に至る。
……君を放置していたのは偏に私が、いずれ封印する娘に情を移したくなかったからだ。もう一度言う。幾ら罵倒してくれても構わない」
そう言ってグレアムは言葉を切る。はやてはしばらく無言だったが、やがて言葉を出す。
「……でも」
「?」
「でも、今それを話したっていうことは、何か別の方法が、私を死なせんでもええ方法が見つかったってことでしょうか?」
「ああ。後で説明する」
ヴォルケンリッター達が凄い反応をしているが、はやては気にせず話を続ける。
「……じゃあ、方法を変えたのは、私を死なせたくない、ていうことでええんですか?」
そのはやての言葉にグレアムは絶句する。……気が付いていなかった。
「……ああ。都合が良い話だと思うが、できることならば君を死なせたくは無い」
その言葉を聞いてはやては嬉しそうに微笑む。
「ありがとうございます、グレアムおじさん」
その言葉にグレアムは何かを堪えるように下を向く。顔から水滴が零れ落ちたが、それを指摘する者はここにはいなかった。
そしてグレアムが落ち着き、具体的にどうするのかという話になった。
「では、これから僕がどうするのかを説明します。……、とその前に、ユーノ=クスライアです、よろしくお願いします」
ユーノが話を引き継ぐ。先ずは、あちらは初対面であるヴォルケンリッターに自己紹介をした。
「ほう……お前が……。私がヴォルケンリッターのリーダーのシグナムだ」
「へー、お前がユーノ……。ヴィータだ」
「お前が、か。ザフィーラだ」
「あら、貴方がなのはちゃんの……。シャマルよ」
それを受けたヴォルケンリッターも自己紹介をする。
だが、少々意外な反応にユーノは思わずなのはを見た。なのははえへへ、と笑う。
「あー、なのはから散々惚気やらなんやらを聞かされているんだよ」
ヴィータが言う。ユーノは苦笑する。
「あはは……。では、説明を始めてよいですか」
「ああ、頼む」
それを受けてシグナムが答える。
「では、始めます。まず……」
ユーノは資料を出しつつ説明する。元々、闇の書は夜天の書という物で、確かに魔法の蒐集などの能力はあったが別段危険なものではなかった事。
しかし、何代か悪意がある改造が行われ、危険なものとなり、夜天の書という名も失われ闇の書と呼ばれるようになったこと。
「成程……。だから夜天の主の元に集いし雲、か……」
ザフィーラが頷いている。そしてシグナムが続きを促す。
「それで……どうにかなる方法とは?どうすれば主はやてを助けることができるのだ?」
「はい。この画像を。これは夜天の書の作成者の手記のとあるページです」
ふむ、と頷き、それを読む。流石に生まれた時代が時代なだけにちゃんと読めるようだ。
「成程……」
「シグナム!あたしたちにも見せろ!」
「ああ。すまんな、ほら」
納得しているシグナム。ヴィータにせっつかれて渡す。
「だがここに書かれている場所に今でも在るのか?」
「ええ、高い確率で」
疑問。ユーノはそれに無限書庫の事を教える。
「そのような場所なのか……」
「はい。ですが問題が。……最も、そのおかげでさらに現存している可能性が高いのですが」
「どういう問題だ?」
ユーノの発言にシグナムが訊く。ユーノはそれに答える。ある意味これが今回の本題だ。
「その区域は危険区域の中、少なくとも危険区域を通らねばならない所にあります。そしてその区域で嘗てランクSをリーダーとした一個小隊が壊滅したことがあります」
そう言うユーノ。だがヴォルケンリッター達の答えは決まっている。相談するまでもない。
「だけど……」
「そこに、主を救う可能性があるならば……」
「考える必要もないわね」
「ああ!行くぞ!」
ユーノは当然その反応が分かり切っていた。
「まあ、そう言うと思いました。僕となのはも行きます。戦力は多いほうが良いでしょうし」
「……お前たちが、か?」
それにシグナム達は疑問をはさむ。
「はい。……何か問題でも?」
「ああ。その話の通りならそこはかなり危険だ。お前もその立ち振る舞いを見る限りかなりの強者だとは分かる。ならば、少しでも確率を上げるためには、協力してくれるのは素直にありがたい。
だが、なのははどうだ?確かに魔力は高いが、主の親友に万一の事があっては……」
「なら」
そこに今まで黙っていたクロノが珍しくニヤリと笑いながら口をはさむ。
「何だ?」
「なら、その二人とチームで模擬戦でもやってみるといい。必要なら適当な場所を提供しよう」
「ほう?……それは良い考えだな。今の生活に全く不満は無いが、やはり偶には体を思い切り動かしたいと思っていた所だ。皆も構わんな?」
シグナムもニヤリと笑って答える。
「んー。まあ実力が分かっていたほうが戦術を立てる時に楽だしな……」
ヴィータが答える。他の二人も大体同じ意見のようだ。
「ユーノとなのははどうだ?」
クロノは問う。
「別にいいよ」
「私も」
クロノは頷く。
「そうか。では後で場所時間を伝える。恐らく一週間以内にできるだろう」
そう言うクロノ。そのまま後は雑談という流れになった。
それから5日後に決まった。その間に起こったこと。
グレアムが高町家に行った。その際グレアムは高町家に謝罪と感謝を示した。高町家の面々は、無論かなりの勢いで彼を非難した。しかしはやてが間に入り、落ち着いた後に理由を説明すると納得はしないまでも一定の理解は示した。
溝は埋まったとは言えないが、少しだけ低くなった。
レイジングハートが改造に出され、カートリッジシステムが付いた。とは言ってもユーノとレイジングハートからあまり多用しないようにとなのはは釘を刺された。
ユーノのデバイスが完成した。銘は“阿吽金剛”。形状は無論二刀小太刀。カートリッジシステムや人格はおろか、魔法演算システムさえもついておらず、魔力の通りや耐久性を優先されている。
ユーノ曰く「いざというときに使わないからこれでいい」とのこと。クロノあたりは「そこまで来ると、デバイスと言ってよいのやら……」等と言って驚いていたが。
ちなみにユーノのデバイスの費用も、レイジングハートの改造の費用もグレアムのポケットマネーから出ていたりする。
後はせいぜい、なのはとユーノがそのいちゃいちゃっぷりを見せつけて、初めて見るヴォルケンリッターを中心に砂糖を吐かせた事くらいである。
そして、その日になった。
「成程……確かにここなら思い切りやってもよさそうだな」
シグナムがそう言って笑う。
無人の観測世界。ここで今からユーノ・なのはVSヴォルケンリッターの模擬戦が行われる。
それ以外にいるのははやてとクロノ。ちなみにグレアムはもう帰っている。
そして話はようやく冒頭に戻る。
「それでは……双方、準備はいいか?」
問いかけるのはクロノ=ハラオウン。
「いつでも」
答えを返した片方は闇の書の守護騎士・ヴォルケンリッターのリーダー烈火の将シグナム。
彼女の傍には同じくヴォルケンリッターの仲間、ヴィータとザフィーラ。そしてやや後方にシャマル。
騎士甲冑を展開し、長剣型のデバイス・レヴァンテインを構えている。
「同じく」
答えを返したもう片方はユーノ=スクライア。
彼のやや後方には彼の恋人にして婚約者の高町なのは。
バリアジャケットを展開し、二刀小太刀型のデバイス・阿吽金剛を構えている。
一拍。
「始め!」
そして、双方が激突した―――――!
その合図と同時にシャマルとなのはが後ろ下がり、他の四人は前に出る。
さらになのはは30近いアクセルシューターを出現させ、ユーノは邪魔ではないが、通り抜けるのは難しい位荒くバインドを広範囲に展開。
「チッ!」
ヴィータが舌打ちをする。一気に後方に突っ込むつもりだったのだが。
仕方が無い、まずは目の前の相手を潰す。シグナムとザフィーラもそう判断したようだ。
互いの得物が交錯する。長剣で斬りつけ、ハンマーで薙ぐ。長剣で突きを放ち、ハンマーを振り下ろす。
ユーノは基本的に防戦。回避し、魔法で、デバイスで受け止める。小太刀は本来、受けなどには向かないが、強度を優先させただけあって可能なようだ。
そしてそのまま暫く交戦している。
ヴィータは思う。
(やりづれぇ……)
やはり、簡単にはいかないようだ。
邪魔をするように無視できない威力の誘導弾が飛んでくるし、ユーノとある程度間が開くと、バスターも来る。
さらにそこかしこに罠の様なものがある。一度捕まった。簡単に抜け出せないくらい固いバインドだ。とは言っても流石にあれが全て本物でなく、ダミーも含まれてはいるのだろうが。
シャマルがそれの解除やらの(ちなみに捕まった時シャマルが解除してくれた)こちらの補助をしてくれているが、それでもばら撒かれている。
また、相手も単純な技量もかなりの手練れだといっていい。防御に専念しているが、見事にこちらの攻撃回避し、シールドで防いでいる。とはいえ油断していると斬撃も来る。
なのはもあれほどの戦技魔導師だとは思わなかった。
シグナムも似たような感じである。ザフィーラは自分とシグナム、そして偶にシャマルにも飛んでいく砲撃などの防御担当だ。
そのまま均衡状態は続く。
さて、どうやって破るかと思っていたらシャマルから念話が入った。
(みんな!)
(なんだ!?)
シグナムが代表して聞く。
(さっきからからなのはちゃんが全く動いていない!旅の鏡からリンカーコアを直接抜き出して戦闘不能にする!)
蒐集するわけではないが、確かにそれなら成功すれば一撃である。そうすれば誘導弾と砲撃が無くなる。
ただし、旅の鏡を使っている間、補助がなくなるが。最も、成功すればそれ以上の価値がある。
(分かった!やってくれ!)
(了解!)
そしてシャマルが旅の鏡を起動する。
シャマルは旅の鏡を起動する。
(ごめんなさいね、なのはちゃん)
後遺症は残さないが、暫く眠っていてもらう。それくらい成功すればこれは大きい。
(よし。……ここね)
だが旅の鏡を繋げたシャマルは
(え?)
そこから飛び込んできた桃色の奔流をまともに食らった。
ゼロ距離の砲撃をまともに受けたシャマルは気を失ったのであった。
(よし!成功した!)
なのはは内心でガッツポーズをとる。かなりシビアなタイミングを要求されることだが上手くいった。
前日のユーノと行った作戦会議、それでいくつかパターンが出たが、恐らく戦況が拮抗して、なのはが動かなければこうなる可能性は高いと二人は判断し、見事にそれに相手ははまってくれた。
これで補助は潰れた。相手は罠の解除や防御の増強、回復などに手間取るだろう。チーム戦で先に潰すべきは補助と盾なのである。
誘導弾の数をさらに増やす。一人いなくなった分を残りに回す。
さて、先程の理屈から言って次に倒すべき相手は……。
(シャマルが倒されたか!)
ザフィーラは内心で驚きを上げる。まさかあの奇襲が初見で破られるとは思わなかった。
(俺も出る!)
シャマルには悪いが放っておく。それよりも自分も前に出て、より積極的に二人のカバーをすべきだ。補助がいなくなったのだからきついだろう。
だが……
(何!?)
自分の前にユーノがいた。見ればシグナムとヴィータは数が増えた誘導弾で動きが制限されているようだ。
ユーノはそのまま連撃を繰り出す。
(くっ!)
シールドを張るが、それを徹して攻撃が入る。全てまともに入った。
(がぁっ!)
だが倒れない。自分は盾の守護獣。そう簡単に倒れてなるものか!
見れば相手は少し驚いたような顔。だがそれも一瞬。追撃を繰り出してきた。
(はぁっ!)
先程よりも厚いシールドを張る。確かに徹ってくるが、先程よりもダメージは少ない。どうやらある程度のシールドを徹す魔法か技術を使うらしい。
相手は振りかぶり、さらに攻撃。
(ふんっ!)
ならば、とさらにシールドを厚く張り、相手の攻撃を堪える。見ればシグナムとヴィータも誘導弾が減っており、こちらにも向かえそうだ。或いは、もう一人の方に行って欲しい。
しかし!
(ぐはっ!)
そのシールドが完全に徹された。
御神流奥義之肆“雷徹”。今のユーノの攻撃はそれである。余り多用はできないものだが。
(く……そ……)
そして、ザフィーラも意識を失った。
シグナムは現在の状況に内心、かなり複雑である。
悔しさや仲間をやられた怒り、主の前で良い所を見せられない情けなさから、素直に相手を讃える気持ちや思わぬ強敵を見つけた喜び等々。
そして今、ザフィーラもやられた。
(とは言えこの状況は不利だと言わざるを得んな……)
幸い、相手までは距離がある。今の敵は誘導弾だけ。ならば……
「レヴァンテイン・カードリッジロード」
「グラーフアイゼン・カードリッジロード」
カートリッジをロード。短期決戦で仕留めるしかない。
ヴィータもやはり同じ考えか、同時にカードリッジを使う。
自分とヴィータの前にユーノが立ち塞がる。
そして、ユーノの速度が今までより明らかに上がる、今まで防戦中心だったスタイルが攻勢に変化する。
(何!?)
一瞬動揺したが、すぐに戻る。最後のラウンドが始まった。
明らかに今までより速いスピード。それもスピードが速いだけでなく、全ての動作が速い。
単純な得物や腕、足の動きからこちらの攻撃に対する反応、そして、恐らく思考速度まで。
だが同時に思う。相手のスピードは確かに速い。だが一人。ヴィータと二人ならばなんとかなる。
そして、ついに捕らえた。
「紫電一閃!」
それは相手にまともに入り、カードリッジで増した威力はシールドごと相手を斬り、吹き飛ばす。ヴィータが追撃に入る。
しかしここまで来てシグナムは違和感を感じた。
(……!)
気が付く。誘導弾が一切無い。シャマルとザフィーラが墜ちたというのに妙に戦いやすかったのはそれか!相手の速度が上がったのに気を取られ過ぎていた!
残った一人に意識を向ける。
(!!!)
とんでもない魔力砲がチャージされている。さらにヴィータが設置してあった罠に捕まる。どうやらあれは吹き飛ばされたふりをして設置していたようだ。
しかもその罠、今までと違って隠蔽式だ。つまり、今までの動きを制限するためのそれ違い、罠に嵌める為の物。ここ一番で出すとはいやらしい。
……そこに意識を向けていたのがまずかった。自分にも翡翠色のバインドが絡まる。
「くっ!」
抜け出せない。とんでもない強度だ。シャマルが無事ならば或いは何とかなったかもしれないが。
そうこうしている内にユーノがなのはの傍に転移する。
そして……
「スターライトブレイカーーー!!!」
砲撃が放たれる。それは自分とヴィータを巻き込み、シグナムはそのまま意識を失った。
「戦闘終了、だな」
「……」
戦闘が終わり、クロノが呟く。万一の流れ弾を防ぐためにはやては傍にいる。呆然としているが。
「な、なあクロノ君!」
我に返ったはやてがクロノに問いかける。
「何だ?」
「いや、魔法使いの戦いってあんなにすごいん!?」
はやてはびっくりしたように問う。クロノは冷静に答える。
「まさか。あんなのはそうないさ。互いの技量から何からが高かったからな。ここまでの物はそうない」
はやては納得したようになる。
「あー。うん。そうやよね。なんだか安心した。……それにしてもなのはちゃんが、あんなごん太ビームを出せるとは思わなかったわ」
「……僕も、あんなものまで出せるとは思わなかった……」
思わずクロノも呟く。
「さて、彼女たちを回収しないとな」
「よろしくお願いします」
そしてクロノがヴォルケンリッターの回収に行く。こうして模擬戦は終わったのだった。