なのポやっていないのでどうやって奴らを本編に絡ませたらいいのかわかりませんので、番外編で出します。
そして、魔力のチャージが完了した。
「ユーノ君!引いて!いくよ全力全開!スターライト!ブレイカーーーーー!!!」
桃色の巨大な魔力砲撃が放たれる。
その桃色の光の奔流は高町なのはのマテリアル“星光の殲滅者”を飲み込み、なのはとユーノは勝利を確信した。
しかし!
「え……?」
光が消えて視界が露わになる。星光には傷一つ付いていない。何故ならば……
「悪ぃな、星光。遅くなった……」
彼女を守っていたのは自らのシールドだけではない。新たに現れたマテリアル。彼のシールドにも包まれていた。
モノクロになっているだけのバリアジャケット。その魔力光。その魔法。
――何より、彼を銀髪に変えただけのその姿。
「ユーノ君の、マテリアル……!?」
そんなものは前回はいなかった。硬直しているユーノとなのはをよそに、二人は会話していた。
「遅いですよ、翡翠」
「あ?別に間に合ったんだから構わねえだろ?」
「いいえ、そんなわけにはいきません。どうしてですか?」
「だーかーらー。ちょっと遊んでただけだって」
そこで星光は気が付く。
「少々右半身が負傷してますね。……誰かに会いましたか?」
「あー。ロリハンマーにな」
「ふむ……鉄槌の騎士にですか。勝ったんですよね?」
少々ばつが悪そうにしていた翡翠が答える。
「当然。三段がけから雷徹でな!まるで案山子みたいだったぜ!」
それを聞いた星光は翡翠に怒鳴る。
「何をやっているんですか!そんな体に負担がかかるものを使って!別に使わないでも倒せるでしょう!?」
そこで星光は気が付く。
「……もしかして、私を早く助けるために、ですか?」
「ち、ちげーよ。そんなわけねえだろ!」
翡翠はそっぽを向く。しかし顔が赤くなっているのでバレバレだった。星光はそれを見て穏やかに微笑み、言う。
「そうですか……。では遅れたのですから埋め合わせを」
「あ?なんでそんなことしなきゃ……?」
「なんでも、です」
そう言う星光。それに呆れたように翡翠は言う。
「まあ簡単なのならな。で、なんだ?」
それに星光は顔を赤らめて言った。
「“ぎゅっ”てしてください」
「は?」
翡翠が問い直す。聞き間違えか?
「ですから、そのぅ、“ぎゅっ”てしてください」
「……ああ、うん、分かった」
つられるように顔が赤くなる翡翠。
耳まで真っ赤になった星光。
そして、翡翠は星光の体を優しく抱きしめるのであった。
ユーノのマテリアルがこちらを向く。
「悪ぃな、待たせたか?」
「いや、そうでもない」
ユーノがそれに答える。
「それじゃ、名乗るか。俺は“永全不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀術 翡翠の守護者”。【サツリク ノ ヤイバ】セットアップ」
ユーノも応える。
「僕は“永全不動八門一派・御神真刀流、小太刀二刀術 ユーノ=スクライア”」
ユーノのほうは既にデバイスは起動している。
一瞬の間。そして
「「参る!」」
翠と翠が交錯した。
おまけ1 それを見ている二人
「おおー。何というか、若いなあ」
「……」
「どうしたの?なのは」
「……もう我慢できない!ユーノ君!私たちもいちゃいちゃするの!!!」
「え?あ、ちょっとなのは!アッーーーーー!!!」
おまけ2 彼のマテリアル
「アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
クロノ=ハラオウンは頭痛を堪えるように頭を押さえていた。
「アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ!!!」
「あーはっはっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」
見れば、隣のフェイトも似たような感じである。
「ふっ。幾ら有象無象が来ようともこの 最☆強 天☆才 絶対☆無敵である“黒衣の殺戮者”に敵うものなど存在せん!!!」
「おおー。流石兄やん、かっこいーーーーー!!!」
妙な動きをしながらそう言っている自分のマテリアルとやららしい少年。さらにそれを絶賛しているフェイトのマテリアルとやららしい少女。
「おお!流石は我が妹!この良さが分かるか!星光やら翡翠やらとは格が違うな!アーハッハッハッハッハッハッハッハッハッハ……ゲホッゲホッ」
「ああ、兄やん!ほらのど飴!」
むせていた。頭痛が痛い。今ならこの言葉の意味が分かる気がする。
「おおぅ……。優しい娘だよ、我が妹は……」
「そんなことないよー。でももっと褒めて!」
のど飴を舐めながら目頭を押さえている。正直、無視してさっさと帰りたかったが、そういうわけにもいくまい。
「あーちょっといいか?」
「む?貴様もこれから私がやる“かっこいいポーズ百選”が見たいのか?」
さらに頭痛が酷くなった気がする。
「冗談だ。で、戦るのか?」
「別に君たちが大人しくアースラまで着いてきてくれればそうでなくとも良いがな」
ようやくまともになった。少し安心して言う。
相手はふむ、と言うとのど飴を一気に噛み砕く。雰囲気が一変した。
「そういうわけにもいくまい。始めるとしよう。“捧げよ魔力を!今宵は殺戮の宴なり”【アクエリアス】セットアップ」
そして、その手にデュランダルに似たデバイスが展開される。
(やれやれ。楽に済みそうにはないな……)
そして、戦闘が始まった―――――