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No.24487の一覧
[0] 天使と悪魔と妖精モノ。(剣と魔法と学園モノ。3)【完結】[りふぃ](2014/05/11 22:24)
[1] 天使と悪魔と妖精モノ。(設定資料)[りふぃ](2011/07/02 13:43)
[2] 天使と悪魔と妖精モノ。①[りふぃ](2010/11/22 11:29)
[3] 天使と悪魔と妖精モノ。②[りふぃ](2011/11/05 01:59)
[4] 天使と悪魔と妖精モノ。③[りふぃ](2010/11/22 11:37)
[5] 天使と悪魔と妖精モノ。④[りふぃ](2010/11/22 11:45)
[6] 天使と悪魔と妖精モノ。⑤[りふぃ](2010/11/23 18:32)
[7] 天使と悪魔と妖精モノ。⑥[りふぃ](2010/11/23 19:00)
[8] 天使と悪魔と妖精モノ。⑦[りふぃ](2010/11/27 16:24)
[9] 天使と悪魔と妖精モノ。⑧[りふぃ](2010/12/02 16:30)
[10] 天使と悪魔と妖精モノ。⑨[りふぃ](2010/12/10 11:33)
[11] 天使と悪魔と妖精モノ。⑩[りふぃ](2011/12/23 10:16)
[12] 天使と悪魔と妖精モノ。⑪[りふぃ](2010/12/19 15:47)
[13] 天使と悪魔と妖精モノ。⑫[りふぃ](2010/12/23 16:36)
[14] 天使と悪魔と妖精モノ。⑬[りふぃ](2010/12/30 18:45)
[15] 天使と悪魔と妖精モノ。⑭[りふぃ](2011/01/08 00:07)
[16] 天使と悪魔と妖精モノ。⑮[りふぃ](2011/01/15 19:08)
[17] 天使と悪魔と妖精モノ。⑯[りふぃ](2011/01/29 23:34)
[18] 天使と悪魔と妖精モノ。⑰[りふぃ](2011/02/12 14:31)
[19] 独り言[りふぃ](2011/02/12 14:32)
[20] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act1 前編[りふぃ](2011/06/23 11:51)
[21] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act1 後編[りふぃ](2011/07/02 13:43)
[22] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act2 前編[りふぃ](2011/11/11 16:58)
[23] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act2 後編[りふぃ](2011/11/17 23:56)
[24] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act3 前編[りふぃ](2012/09/08 10:26)
[25] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act3 後編[りふぃ](2012/09/14 12:34)
[26] 生徒会の非日常に見せかけた、生徒会長の日常茶飯事[りふぃ](2013/04/10 21:09)
[27] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act3 一方その頃前編[りふぃ](2013/08/29 23:04)
[28] 天使と悪魔と妖精モノ。外伝 Act3 一方その頃後編[りふぃ](2013/09/12 03:31)
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[24487] 天使と悪魔と妖精モノ。④
Name: りふぃ◆eb59363a ID:c8e576f0 前を表示する / 次を表示する
Date: 2010/11/22 11:45
§


プリシアナ学園から歓迎の森を抜けた先に、一つの町が栄えている。
ローズガーデンと呼ばれるその町は、大陸全体でも北寄りに位置していた。
標高も其れなりに高くかなり寒い町なのだが、夏の間は雪が融けてくれる為、北国の中では貴重な町でもある。
此処はこれより北に向かう旅人にとって、中継地点として利用される宿場町でもあった。
加えて八月の中旬であるこの時期は、避暑に訪れる旅行客も多く、賑わいを見せている。
その名の通りの薔薇園と、都市中央の噴水という名所を備えた、風情豊かな町並みも人気が高い。
人波の多いこの町でも、一際目立つのが学生服姿の若者である。
プリシアナ学園から程近いこの町は、彼らの探索の拠点として利用されることも多かった。

「見て! 綺麗な噴水~!」
「はいはい、はしゃがないでくださいね恥ずかしいですから」

冷たい雪山の風と、暑い夏の日差しが溶け込んで刹那の快適を演出するこの時……
プリシアナ学園の制服を着込んだ二人組みの生徒が、町の噴水を眺めている。
見るものが見れば、その組み合わせに違和感を覚えたかもしれない。
一人は漆黒の髪を背中まで伸ばし、悪魔の角を持ったディアボロスの少女。
今一人は薄桃色のウェーブヘアを靡かせる、天使の翼を持ったセレスティアの少女。
両種族の相性が最悪なのはこの世界の常識であるが、この二人に至ってはそんな常識をあざ笑うが如くじゃれ合っている。

「ねぇねぇ! 皆噴水にコイン投げてる!」
「あれは皆カップルですね。二人してコインを投げて泉に祈ると、永遠に添い遂げられるとか……」
「え? そうなの! これは覚えておかないとだね」
「は? もしかしてそんな……この町の観光協会の商業戦術を真に受けていらっしゃる?」
「あれ……エルはなんだか不機嫌?」
「不機嫌というか……いや、ディアーネさんが幸せならそれでいいのです」

美しい町並みと自分の知らぬ物事に興奮するディアボロス。
ディアーネと呼ばれたその少女が、天使の手を引いて早足に歩く。
苦笑して着いてゆくその天使の名はエルシェアという。
エルはこのままディアーネに任せて、好きに歩くのも魅力に感じているのだが……
目的を忘れたわけではない彼女は、手を引き返して悪魔を止める。

「取り合えず、地図を買って宿に戻りましょう」
「あ、そうっすねー」

二人がこの場所に来たのは、プリシアナ学園のクエストをこなして卒業単位を獲得するため。
『約束の雪原』にあるプリシアナッツという果実を手に入れる目的があったりする。
穏やかにたしなめられたディアーネは、微笑するエルに笑み返す。

「用が済んだら、三人で観光とかしたいっすねー」
「まぁ、無理だと思いますよ」
「ティティス嫌がるかな?」
「いいえ、来たがると思いますが動けるとは思えません」

元々二人だった彼女達は、近頃三人目の仲間を迎え入れていた。
賢者学科所属のフェアリー。
最近になってプリシアナ学園に転入してきたその少女の名を、ティティスと言った。

「ティティスってば……なーんで倒れたんだろうね?」
「本気で言ってらっしゃいますか? 脳味噌まで筋肉で凝り固まった悪魔さんですね貴女は」
「むむ、最近悪意の表現がきつくなってるよ腹黒天使様」
「私は嘘は言っていません。あの娘が倒れたのは貴女の無茶なレベリングが原因で、その自覚がなさそうなので先の発言になったのです」
「え……あれ、無茶っすか?」

意外そうな顔で首を傾げるディアボロス。
エルシェアはその顔を見て複雑な思いに駆られる。
転入したてで経験も少なく、この二人より格段に実力の劣る妖精の少女。
本音を言えば、エルシェアはレベリング以前にティティスを雪原まで連れて行くことから反対であった。
しかし当人の強い希望と、ディアーネの能天気な了承によって、主張を曲げざるを得なかったのだ。
そしていざ出発の時になり、ディアーネはティティスに課題を出した。
それはエルシェアが思わず頬を引きつらせるほど過酷なもので……

「無茶なんですよ。本来なら」
「でもティティス、一緒が良いって聞かなかったし」
「そうですね……頑張る子なのは認めます」
「なら、一緒に行けるようにして上げるのが、先輩の優しさってモノじゃないっすか」

こうして賢者学科初心者である妖精少女は、恐らく歓迎の森の利用史上でも最も過酷な修練を受ける。
ディアーネには精神力の限界まで魔法を打たされ、魔物の攻撃範囲を実地で仕込まれ、前衛が後衛を『庇える』間合いを感覚で覚えさせられた。
更にエルシェアには回復魔法の使い時、戦況に中での攻守の判断、不意を打たれた時の最初の一手、そして高山病の対処法を叩き込まれたのだ。
厳しい事をしているという自覚が、エルシェアにはあった。
しかし二人の間では判断の前提条件が異なっている。
もし、ティティスを連れて歩くのなら……
それを前提にして考えるなら、この詰め込み学習は最低限。
ディアーネの判断はある意味非常に的確であり、エルシェア以上に容赦が無いものだった。

「もう少しゆっくり……大事に育ててあげる心算だったんですけどね」
「それは駄目。あの子は私達に追いつこうとしているの。エルはゆっくり育ててる間も、ティティスを待ってあげる心算ってないでしょ?」
「……ありませんね。今はまだ」
「私も無い。でもあの子は、そんな私達に着いてこようとしてる。私もあの子と一緒に歩きたいよ」
「分かりました。貴女がきっと、正しいです。この上は、ティティスさんの根性に期待しましょう」

後輩の指導方針をスパルタに決定した二人は、交易所で雪原の地図を購入する。
他にも必ず必要になる冒険のお供はおにぎり。
飲み物はエルシェアの強い希望で紅茶になった。

「忘れ物ってないっすかね?」
「むしろおにぎり買いすぎじゃありませんか?」
「三十個くらい普通に使うでしょ」
「まぁ……メインタンクがそういうのでしたら敢えて何も言いませんが」

疲れたように息を吐く相棒に、不思議そうな視線を送るディアーネ。
しかし直ぐに良い買い物をしたと笑みに戻り、エルシェアと手を繋いで歩き出す。

「さ、戻るっすよ」
「はい。参りましょうか」

それぞれ片手に荷物を持ちつつ、元来た道を引き返した



§



ローズガーデンは宿場町であり、旅行者も来訪するために宿屋が多い。
更にはプリシアナ学園が直接経営している、生徒用の安価な宿泊施設も存在し、泊まるところには事欠かない町である。
今回エルシェアが宿に決めたのは、プリシアナ学園とは縁もゆかりも無い宿屋だった。
観光シーズン真っ只中ということもありやや割高なその宿屋は、町全体でも中の下と言った格である。
ちなみに学園直結の宿泊施設は下の下という言葉を地で行く設備。
多少でも資金に余裕のある学生ならば、利用しようとはしないのである。

「お帰りなさい、先輩方」
「ただいま戻りましたよティティスさん」
「ただいまー」

宿屋二階の三人部屋で合流したメンバー。
憬れの先輩二人の帰参を、フェアリーの賢者がベッドから出迎えた。
金髪碧眼の美少女だが、瞳の色に負けないほどに青い顔色が痛々しい。

「あまり無理なさると倒れますよ」
「大丈夫です!」
「大丈夫? じゃあしごき方、間違えたっすかね……?」
「いいえすいません。嘘吐きましたっ」

実際は筋肉痛で、ベッドから起き上がれない妖精。
連日の修行で身体を酷使し、毎晩エルかディアーネからマッサージを受けるのが日課になりつつある。

「今日は私少し早く休みますので、マッサージはディアーネさんにお願いしますね」
「うぃっす」
「っひぃ!?」

エルシェアの発言に対する反応は、両者でかなり異なった。

「あ、あの……エル先輩?」
「何か?」
「探索は、明日行くんですよね?」
「そうですねぇ……天候に恵まれれば」
「えっと、明日本番を控えた前夜に、ディアーネ先輩の靭帯断裂マッサージは……」
「ほぅ? 聞いたことの無いマッサージっすね誰の何だって?」
「あ……ごめんなさい先輩。じゃあ、骨格矯正マッサージということに」

割と良い根性をしているフェアリーに、天使と悪魔は顔を見合わせて苦笑した。
実にしごき甲斐がある良い後輩である

「大丈夫ですよ。ちゃんと翌朝には、身体が解れているでしょう?」
「確かに動くようになりますけど、ほら! 悲鳴とか我慢できないですし!? 他のお客様にご迷惑が……」
「ああ、それもご心配なく」

エルシェアはにっこり微笑むと、学園指定の制服を一つ一つ脱いでいく。
それはディアーネに取っては二度目であるが、初見の妖精は混乱した。

「え? 先輩?」
「貴女もいずれ経験すると思いますが、装備外さないと転科不能なんですね何故か」

事も無げに下着姿になった天使。
染み一つ無い白い肌は同姓であっても息を飲む美しさである。
エルシェアは口の中で何事か呟くと、燐光が全身を包み込んだ。

「これは……」
「堕天使っすか!」

背中と頭と……四枚の翼を漆黒に染め上げた天使の姿。
それだけで随分印象が変わったエルシェアだった。

「あまり見ないでくださいな? お金取りますよ」

性格は変わっていない。
そんなパーティーブレインの様子に、やや安堵する悪魔と妖精。
エルシェアはそのまま制服を畳んで道具袋にしまいこみ、持ち込んだ丈の長いワイシャツを着込んで備え付けの椅子に腰を下ろす。
首を傾げたのは、相棒である悪魔の方。

「あれ……エルがお腹所か羽まで真っ黒になったのは良いとして」
「まぁ、否定は出来ませんが」
「それで、何でティティスちゃんの悲鳴が大丈夫になるの?」
「それは勿論……」

答えかけたその声は、ガタンという大きな音に阻まれる。
見れば其処には床を這いずり、一つしかない扉へ必死に移動する妖精の姿。
ディアーネはやはり首を傾げたままティティスの前に回りこみ、後輩が命がけで超えようとしている扉に背を預ける。

「何処へ行く?」
「あ……えと……」
「気づいたのですね。ですが遅かった」

エルシェアは微笑を浮かべてティティスの首根っこを捕まえる。

「よいしょ」
「ひぃ!?」

猫の子を運ぶように持ち上げ、そのままベッドに腰掛けたエル。
震える妖精を自分の膝に乗せて、後ろからしっかり抱き寄せる。
種族柄背の小さなフェアリーは、ヒューマンの子供程の背丈しかない。
セレスティアの標準身長よりもやや高いエルシェアに抱すくめられると、最早完全に逃げられなかった。

「私がこのまま、マッサージしてあげても良いんですが……」
「エル先輩のは、マッサージじゃなくてセクハラです」
「失礼な。ちゃんと筋肉疲労は解してあげていますのに」
「マッサージが終わった後の行為がそうだと言っているんです!」
「そうなんですよね。でもそれは、貴女が私の様な純粋無垢な天使にまで嗜虐心を抱かせる、生粋の被虐体質なのが悪いのです」
「いやぁ……うあっ」

耳を甘噛みされたティティスは、全身を強張らす。
エルシェアは固まった妖精に微笑すると、少女をベッドへうつ伏せに横たえた。
次に来るであろうセクハラに怯え、しかしなんとなく拒めないことも頭の隅で理解していたティティス。
目を硬く瞑っていたために鋭敏化した聴覚で、エルシェアの声をはっきり聞いた。

『サイレンド』

貞操の危機に思考を乱していたティティス。
もとより実力が違う相手から掛けられた沈黙魔法に、抗うすべなく堕とされた。

「……! ……!?」
「おお、悲鳴も怒号も聞こえない!」
「明日の編成は、ディアーネさんとティティスさん。そして堕天使の私で行こうと思いますので、よろしくお願いいたします」
「メインタンクは私?」
「はい。ティティスの面倒は私が見ます」
「……」

エルが視線を降ろすと、頬を膨らませた後輩と目が合った。
にっこり笑って頭を撫でる。
苛めて良し、愛でて良し、扱いて良しと、正に理想の後輩である。

「ポジションは、私らのツートップでティティス後衛かな?」
「いえ……それだとバックアタック時に、ティティスさんが集中砲火を受けてしまいます。的を散らすために私も後衛で行こうかと」
「すると私のワントップで二人後衛……あ、だから堕天使なんだ?」
「そう。お守りだけならナイトの方がいいんですけど……それだと、後ろから敵にちょっかいかけ辛いので」
「堕天使は魔法に鎌までつかえるからねー」
「良い鎌が手に入らなかったので、武器は魔法重視で杖を持ちます。まぁ基本が後輩指導になりますから、援護射撃が多少もたつく事を覚悟してくださいね?」」
「うぃっす」

行軍時の配置と、基本戦術を決めていくエルシェアとディアーネ。
ティティスはそんな先輩の様子を見つめ、経験の差を少しでも埋めようと耳を澄ます。
今だ頭を撫で続けていたエルは、後輩の雰囲気が変わった事を感じて頷いた。

「雪原の敵は、私が大体把握しています。歓迎の森とは違いディアーネさんが前に居ても、届く攻撃手段を持つ敵が多く居るところです」
「……」
「明日はずっと私の隣でお勉強になるでしょう。森で教えた回復魔法使用時の注意点は、覚えていますか?」

微笑と頭を撫でる手は休めず、しかし瞳は全く笑っていないエルシェアに、妖精の新米賢者はしっかりと頷いた。

「其れでは、今度は攻撃魔法のノウハウを覚えていただきます。しかし、同時に私の転科に伴い、回復魔法の使い手は貴女だけになりました。明日の探索で戦線を維持するのは、貴女の役目と心得てください」
「……」

その言葉にはやや気圧されがちなティティス。
この妖精は最初のクエストで失敗しており、実力以前に自信というものが全く無い。
エルシェアとしては、歓迎の森で行った地獄の特訓に耐え抜いた、この妖精の成長を評価しての事なのだが……
いかんせんティティスにとって『普通』の比較対象が無い為、自信にはつなげにくかった。

「大丈夫。任せられるから、任せるんだよ」

そう言って、ティティスの肩に手を乗せたディアーネ。
ティティスは二人に触れられることが好きだった。
この二人の間こそが、自分の居場所だと知っているから。
憬れの天使と悪魔が、自分に重要な仕事を任せてくれた。
胸の中に暖かいものがこみ上げるのを感じながら、ティティスは今一度頷いた。

「其れでは、私は夕食時まで少し休みますので……後はお任せしますね?」
「おういえ。さぁティティスちゃん、お楽しみの時間っすよー」
「……!? ……!!」

うつ伏せに寝かされた妖精の腰に、悪魔の少女が跨った。
そのまま肩に両手が添えられ、筋肉と骨格の歪みを矯正していく……
哀れな妖精の声無き悲鳴は、一眠りしたエルシェアが目覚め、制止するまで続いたらしい。



§



明くる日の天候は曇り模様
空に薄く掛かった灰色の雲は太陽の光を薄く遮る。
しかし目的の場所までそう遠く無い事と、太陽の輪郭は見える雲の薄さに、三人は探索を決行した。
天候が崩れた場合には、即座に『帰還符』を使用する事を決めてはいたが。
昨日宿屋で打ち合わせた通り、先頭を歩くディアーネに、エルシェアとティティスがついて行く。

「冒険の必需品っすけど、帰還符って高いよね」
「ですね……しかし命には換えられませんから」
「あの、あの? 先輩方?」

比較的のんびりと言葉を交わす天使と悪魔に、ティティスは不思議そうな声を上げる。
その首には真っ赤な首輪が装着され、十尺程の長さの鎖はエルの右手に握られていた。

「これは、何ですか?」
「おや……初等教育を受ける子供でも分かりそうなものですが」
「えっと……首輪……に見えるんですけど?」
「ああ、良かった。これを間違えるようなら、お付き合いの仕方を考えないといけませんでした」

釈然としない表情のティティスは、無意識に首輪を撫でていた。
エルは首輪を引っ張ると、ティティスは逆らわずに寄って来た。
セレスティアもフェアリーも、本来は浮遊が使える種族。
しかし今、この二人は雪原を徒歩で歩いている。
これは地に足を着けた方が、緊急時の初動が早く取れるというエルシェアの経験だった。

「その首輪、外したければ外してもいいですよ?」
「いえ、不満は無いんです。でも訳は教えておいていただきたいなと……」

探索開始直前に、突然首輪をかけられたティティス。
その事に対して不満は無いと言い切った妖精に、エルは微笑して頭を撫でた。
これほどまでに自分達を慕い、その指示を守ろうとするティティスの姿は、エルシェアにとっても感慨深い。

「昨日、此処の敵は後衛を直接狙う事が出来ると話したことを覚えてますか?」
「あ、はい」
「その首輪は命綱だと思ってください。この距離なら、何が来ても私が庇う方が早いです」
「……保険をかけてくださったんですね」
「そうですね。この探索、貴女に人権はありませんが……」

エルはそう前置きし、隣を歩くフェアリーの肩を抱き寄せた。

「ディアーネさんに代えても、貴女の命だけは保障しますよ」
「待てコラ、昨日は三人で頑張ろうって……」
「頑張ります、エル先輩」
「ちょっと! エルはともかく、ティティスちゃんからそういう扱いされるとダメージでかいよ!」

悪魔の抗議を聞き流し、仲睦ましい天使と妖精。
そうしていると突然、空から羽音が聞こえてくる。
直ぐに周囲を警戒すると、背中に真紅の羽を持った小柄な人影が……五つ。
妖精の亜種族と呼ばれるその魔物の名は、パピヨンレディ。 
その左手には、小柄な体躯にはやや不似合いな大振りの剣が握られている。
エルシェアは隣の妖精が身を竦ませるのが分かった。
森の敵とは格が違う。
そう感じ取ってくれたのなら、修行の成果は上々と言っていいだろう。

「ふむ、運が良かったですね……あれは直接後ろを狙える技を持っていません」
「魔法は無いんですか?」
「ありますが、唯の『フィアズ』です。当然掛からない事を前提として動きます」

エルシェアは以前所属していた別パーティーで、雪原にも来た経験がある。
この敵との遭遇も初めてでは無く、使用してくる状態異常魔法も十分凌げるという計算があった。
既に前衛のディアーネは、先頭の魔物と接触しつつある。

「此処はディアーネさんが崩れない限り大丈夫。魔法支援の実地をお見せするので、私の傍を離れないでくださいね?」
「はい!」
「行くよ!」

魔物の一団に向けてディアーネが切り込む。
とっさに群れを散会させるパピヨンレディ。
その集団の最右翼にいた一匹が、突然の落雷を受けて墜落する。

「前衛が集団に切り込むとき、左右両端のどちらかが基本です。中央に切り込むと残った左右から同時に囲まれます。開幕の援護は、前衛が狙いやすいように敵の足を止めましょう」
「……」
「また、敵が強いときは敢えて正面から切り込み、意図的に囲まれることによって、敵を後ろに流さないようにする場合もあるのでご注意を」
「はいっ」

エルシェアによって落とされた魔物を、ディアーネが容易く切り倒す。
魔物の群れは怒りの咆哮を上げて前衛の悪魔に襲い掛かる。
四方向からバラバラに繰り出される斬撃を、ディアーネは二つ避け、一つを盾で受け止め、四つ目の剣をわき腹に掠める。
新調した鎧によってダメージこそ少ないが、その身に朱の線を刻み込まれたディアーネ。
それはティティスが始めてみた、傷ついたディアーネの姿だった。
四匹のパピヨンレディに囲まれた悪魔の少女。
しかし囲みを完成させるのは、左端に居た一匹がやや遅れる。
包囲に掛かった数瞬の遅滞は、堕天使の魔法の完成へ費やされた。

「こうして囲まれた時、右利きの彼女は武器を使って牽制し、その方向に抜けていくのがセオリーです。盾を持つ左側から抜けるのは難しいですから」
「……」
「すると私達がすべき援護は……」

ディアーネは振り払うようにサーベルを薙ぐ。
やや大降りになったその銀閃は、魔物に難なく回避される。
その時、再び落ちた雷が、ディアーネの右側の一体に直撃した。
同時にティティスから放たれた冷気が迸り、ディアーネの背中から斬り付けていたパピヨンレディが凍りつく。
悪魔は背後を一切構わず、エルシェアが打ち落とした魔物を踏み潰しながら突破する。
鉄骨で補強されたブーツに踏み抜かれたパピヨンレディは、あっけなく絶命した。

「いい判断ですティティスさん。援護は右に抜けていく前衛の、道作りと追撃阻止です」
「はい!」
「ですが、雪山で冷気魔法は厳禁ですよ。寒さゆえに効果が上がるのはメリットですが、冷気は前衛の体温を奪って動きを鈍くしてしまいます」
「あ……」
「属性と状況を良く考えて……他にも、雪崩誘発の危険から大規模な炎は自粛、地震系の魔法は絶対禁止です」
「なるほど……」

解説を交えながらも実戦は止まらない。
しかし既に三匹にまで減らされた魔物は、ディアーネの敵にはなり得なかった。
襲ってきた一匹を、剣と腕の長さの差を利用したカウンターで切り落とし、横から突き出された剣を盾で逆に押し返す。
小柄なパピヨンレディとディアーネはそもそもの膂力にかなり差がある。
吹き飛ばされたその固体は、エルシェアとティティスの雷が二連続で落とされ炭化した。
最後の一匹は空に舞い上がって逃げ出してしまい、戦闘は此処で終了した。

「ディアーネ先輩! 大丈夫ですか?」
「かすり傷だよ。でも、治してくれると嬉しいかな」

心配そうに駆け寄り、ヒールを掛ける後輩に目を細めるディアーネ。
気だるげに回復を行うエルシェアのヒールと比べれば、同じ効果と言えども気持ちが違うというものだった。
そんな二人に歩み寄り、エルシェアは回復待ちの間に方針を決める。

「ティティスさん」
「はい」
「この先、私が主に援護を担当します。貴女は状況を見つつ、自分の判断で動いてみてください」
「え……? もうですか」
「賢者は、様々な魔法を使いこなす学科です。私では回復と攻撃、その両方を一度に指南することは出来ません」
「……」
「なので此処は、基本行動を前衛の回復に寄りつつ、私の事を見ていてください。そして自分なら、この場面でどの魔法を選択するか、もしくは魔法を使わないか……考えながら見ていけると、いいですね」
「分かりました」
「私は、先程の戦闘で解説した事を基本方針として援護を行います。その中で貴女の選択と食い違う選択を私がしたら、その都度質問してください」
「……難しいですね」
「別に判断力の勝負をしているわけではありません。貴女の発想の中には、私の浅慮を改める鍵があるかもしれないのですよ」
「せ、先輩が浅慮ですか?」
「はい。他方からの視点でモノを見たとき、私の視点からは見えていない穴があっさり見つかったりするのです」

悪戯っぽく微笑みながら、堕天使の少女は片目を瞑る。
そんなエルシェアの様子に何故か気圧されたティティス。
ディアーネに視線を投げると、治ったばかりの傷口をなぞりながら右手の剣を鞘に収めている。
歓迎の森よりも遥かに敵が強いことは、間違いない。
しかしこの二人は事も無げに完勝し、ティティスの指導までこなしている。
自分の実力が及ばないことは理解しているが、何時かこの差を埋められるのか……
未だ伸びた分だけ距離感が鮮明になるという段階にいるティティスには、二人に追い着く自分の想像がおぼろげであった。



§



探索を続ける三人は、然したる危険な目にも遭わずに目的の場所に到着する。
途中ティティスが昔法師から魔封じの光を食らって薬箱の役目すら果たせなくなり、エルシェアに泣くまで言葉攻めされたりもしたのだがご愛嬌である。

「あ、あそこがそうみたいですね?」
「おお、本当に鐘の形してる!」
「……そうですね」
「あれ? テンション低いっすね?」
「……もうお嫁行けない」

どんよりと暗いフェアリーと、無言で微笑する堕天使。
エルシェアの手には鎖が握られ、鎖はティティスの首輪に繋がっている。
ご主人様と犬という立場をはっきりと表す構図と、両者の表情。
エルシェアは沈黙回復アイテムのキャンディーを、普通にはティティスに渡さなかった。

『クチウツシ?』
『はい。もう二度と状態異常など食らわないように、もし食らったらこういうことになるのだと思い知るのもお勉強です』

それは完全にエルシェアの遊び心だが、役立たずの自覚があったティティスには拒めるはずが無いのである。
最もティティスが落ち込んでいるのは、同性との口付けに羞恥を感じても嫌悪感を感じなかった自分自身に対してである。
堕天使を受け入れてしまう属性を自分も持っていたことに戦慄し、新たな自分を認める事がまだ出来ていない。
もちろんエルシェアとしても、今後は時間をかけて開発していく心算ではあった。

「所でエル?」
「なんでしょうか?」
「あれ……何に見える?」
「……猫?」
「エル先輩、私背は小さいですが、猫は私でも抱き上げられる大きさだったような気がします」

プリシアナッツの群生地帯を見つけた三人は、同時にナッツを食い荒らす珍獣の姿も発見していた。
顔面の造詣だけは猫に近いフォルム。
氷結して氷が張り付いた体毛に、二股の尾。
そして何より、全長で三メートルに届かんとする巨体と額に伸びた一角が、この獣を愛玩動物に分類する事を拒んでいた。
食事に夢中なこの化け物は、未だ三人には目もくれない。
プリシアナッツの木にその巨体を叩きつけ、落ちたナッツを食べている。
そもそも気づいているのかどうかすら、判然としない食いっぷりであった。

「嗚呼……私たちの卒業単位が、ケダモノに食い荒らされていく……」
「落ち着いてくださいディアーネさん……と言っても、これどうしたものでしょうね?」
「え? これまで見たいに戦ったりしないんですか?」
「うーん……」

ディアーネとエルシェアは、それぞれ顔を見合わせる。
そしてお互いの顔に同じものを発見した両者は、更に困惑を深めるのだ。

「私、あいつ見たことないっす」
「奇遇ですねぇ……私もです」

それは吹雪の獣と呼ばれる雪原の主。
遭遇例が極めて少なく、麓のローズガーデンの住人すら、その存在を架空のものと信じている人が居る始末だった。
未知の敵に対して警戒を強める先輩コンビ。
その様子を見たエルシェアは、不意に二人との視野の違いを自覚した。
ティティスには、冒険探索を始めたときに、目的のものを見逃して撤退する……
この選択肢が存在していなかったのだ。
敵が居れば戦うもの。
目的があれば達成するもの。
そのような硬直した思考があったことを理解する。
唇をかみ締めて俯きかけたティティスだが、不意に一つの可能性に気がついた。

「あの、もしかして先輩方……お二人だけならあいつと戦ってましたか?」
「ん……まぁ、そうっすね」
「ディアーネさん……」
「隠しても仕方ないよエル」
「はぁ……」

身も蓋もない相棒の言葉に、エルシェアをして閉口する。
しかしディアーネの表情を見る限り、決して貶す意図は感じられない

「そうだねティティスちゃん。私とエルなら迷わないよ? 私が前衛でエルが後衛。そして私が流しちゃっても、エルなら自分を守れるから」
「……」
「それで、ティティスちゃんはどうしたい? 私とエルは、このまま帰ろうと思ってる。クエストは失敗になるけどね」
「私は……」

悔しげに唇を噛むフェアリー。
少女は戦いたかったのだ。
自分にとっては初めてのクエスト達成が、目前にある。
しかしやはり自分が原因で、自分より遥かに強い二人がクエスト攻略を断念しようとしている。
ティティスの中に巡る苛立ち混じりの焦燥感。
自己嫌悪で潰されそうになった時、縋るように天使を見た。

「……」

エルシェアは何も言ってくれない。
髪にも肩にも触れてくれない。
そして、頷いてもくれなかった。
それでもティティスは、この時確かに聞いた気がした。
エルシェアの声を……

―――がんばって

ティティスは不意に口内に鉄の味を感じた。
いつの間にか噛み締めた唇が切れていたらしい。
やがてティティスは、文字通り血を吐く思いで意見を告げる。
憬れの先輩と、正反対の意見を。

「私は、戦いたいです」
「やるの?」
「はい、お二人だけなら戦うということは……二人なら勝算があるんですよね?」
「あるっすよ」
「私を庇いながら戦うと、難しいって事ですよね?」
「うん」
「じゃあ、無理な部分まで庇わなくて……いいです」

言い切ったティティスは、自分の中の最初の気持ちを確認していた。
彼女は二人の、本当の仲間になりたかったはずだった。
一人実力の伴わない自分。
それを決して見捨てないで、此処まで連れてきてくれた。
足りない部分をひたすら指導してくれた。
命の恩人であり、彼女の世界その物と言っても過言ではない天使と悪魔。
だけどその足は誰よりも何よりも速いから……
同じ速さで走れないなら、共に在れないと悟ったのだ。
二人の飛躍を妨げないで、自分もそれと共にある事。
それは彼女が二度目の生で掲げた、自分への誓いと目標だった。

「……ぁ」

いつの間にか双眸に涙を浮かべた妖精を、エルとディアーネが抱き寄せた。

「よく言ったっすね」
「其れでは、三人で凱歌を上げに行きますか」
「っ……はい!」

友情を確かめ合っている間も、獣はナッツを食い荒らす。
エルシェアとしては例え食い尽くされていたとしても、残骸と獣の首を持ち帰ってクエスト達成をもぎ取る心算ではあったが。

「私が前衛、ティティスさんが後衛。ディアーネさんは少し離れて、最初は待機をお願いします」
「お?」
「短期決戦で仕留めます。開幕はティティスさんの炎系魔法で獣の気を引いてください」
「炎……良いんですか?」
「一発でいいのです。熱と光は目立ちますし、確実に襲ってきてもらいたいので」
「はい」
「私が同時に正面から飛び込みます。ディアーネさんの盾、お貸しください」
「うぃっす」
「……で、私が食われている隙に、ディアーネさんが剣を両手持ちにして一刀両断。動物は基本、首を落とせば死にますから」
「……分かった」

ディアーネはやや迷ったが、相棒の意見に従った。
リスクを取る短期決戦の策が、やや彼女らしくないと思ったのだ。
これは、まるでディアーネ自身が選びそうな……

「珍しいね? いつもはこういう作戦は避けるでしょ」
「今の私達には、これくらいはリスクにならないと判断します」

エルは一息に吐き出すと、ティティスの金髪を指で梳く。

「私達には、頼れる後衛が居ますから」

ディアーネから借りた盾を構え、囮役の堕天使が歩みだす。
悪魔と妖精もそれに続き、珍獣狩りが開始された……



§



いささか拍子抜けするほどあっさりと、吹雪の獣は退治された。
ティティスに表面を軽く焦がされた獣は、同時に襲い掛かったエルに飛び掛った。
巨体に圧し掛かられて潰されながらも、正面を盾で覆ったエルシェアに致命傷が入らない。
その間にエルシェアの氷結魔法が獣の足を大地に縫いつけ、堕天使を襲う事に夢中な獣は、悪魔の刃に無警戒で……
当初の予定通り、一太刀で勝負はついたのだ。

「やった……?」
「やりましたね」
「やっちゃったねー」

呆然と呟くティティスに、脱力した声なのは先輩コンビ。
必勝のパターンに嵌め込んだ勝利ではあるが、ティティスが感動しているのは其処ではない。
初めて、やり遂げた。
そんな想いを噛み締めるティティスを眺め、二人は優しく微笑している。

「ちゃんと、此処まで着いてきましたね」
「私は、来ると思ってたっすよ」
「そうですね。今回は貴女が正解でした」

エルシェアは肩を竦めて呟くと、そう遠くない過去を思って微笑を苦笑に変化させる。
ディアーネと始めて出会ったとき、相手を認めたのは悪魔のほうであった。
そして今回、ティティスというフェアリーを先に認めたのも彼女であるという事実。

「本当に、貴女には勝てませんよ」
「ほえ?」
「良いんです。私だけが解っていれば」

エルシェアはディアーネを緩く抱き寄せる。
ディアーネもそれに習いお互いの無事とクエスト達成を祝福した。
そしてエルシェアは、今回最も頑張った新米賢者を同じように抱き寄せる。

「よく頑張りましたね」
「はい!」

感極まって力いっぱい抱きつくティティスを、エルシェアはとりあえず引き剥がす。
まだ、言うこととする事が彼女には残っている。
エルシェアは懐から鍵を取り出し、ティティスの首輪を外してやった。

「正直後二~三クエストは必要かなと思いましたけど、もう卒業で良いでしょう」
「あ……」

哀惜の目で外された首輪を見送るティティス。
やや逡巡した後、かなり大胆な発言を飛ばす。

「あの……やっぱり首輪欲しいんですけど……」
「は?」
「あ、えっと……これが無いと先輩が遠くなっちゃいそうで」
「本物のマゾですね貴女は」

赤くなって俯き、否定しないティティス。
そんな後輩に苦笑しつつ、エルシェアは制服の内ポケットから銀色の飾りを取り出した。

「代わりにこれを差し上げます」
「それは?」
「この学校の校章です」
「え!?」

驚愕の声を上げるティティス。
エルシェアは片膝立ちになると、ティティスの学生服の襟に校章を挿す。
それは彼女が、ディアーネと共に森を訪れた時に手に入れたもの。
そして、ティティスの命を拾った時のものだった。

「あ……ありがと、ございま……」
「すぐ泣くのですね貴女は……」

誰よりも認めて欲しいと望む人から、最も欲しかったモノが貰えた。
エルシェアの胸で感涙に咽ぶティティス。
そんな二人を見つめ、満足そうに微笑むディアーネ。
卒業までの単位は遠く、これからも様々な困難が待つのは間違いが無い。
それでも、自分達なら必ず届くという事は誰も疑っていなかった。




§



後書き


プリシアナッツ編でした。
別名ティティスのパワーレベリング編。
プレイ中は新キャラを強キャラで挟んでレベル上げやりましたが、これ上げて貰う方は所在無くて辛そうです。

ティティスさんは今回冷気魔法とか使ってますが、ゲーム上で冷気魔法とかありません。
水魔法はあるのですが、何も無いところから水を創造する時に納得の行く理由が上手く描写出来ずに、ただの温度変化魔法を使っていただくことになりました。
原作で水魔法に強い愛情を注ぐ、全国三千万の魔法愛好家の皆様には、この場を借りて陳謝いたします。
水を創造出来ると、旅はすごい便利なんですけどね……


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