番外編4 『ルナティック・ルナリアン』1958米国の探査衛星ヴァイキング1号が火星で生物と思しき存在を発見。なれども、画像送信直後に通信不能となる。1959国連、特務調査機関ディグニファイド12招集同年3月ターシャ・ティクレリウス大尉、合衆国航空宇宙軍より特務調査機関ディグニファイド12へ出向。1966国連、ディグニファイド12発展解消しオルタネイティヴ計画へ移行。ターシャ・ティクレリウス中佐、合衆国航空宇宙軍調査・観察グループよりオルタネイティヴ計画司令部付国連軍将校として出向。1967月面、サクロボスコ事件国際恒久月面基地「プラトー1」の地質探査チームサクロボスコクレーターを調査中に、火星の生命体と同種と推定される存在と遭遇。付近にて実弾演習中であったティクレリウス中佐率いる第203調査・観察中隊が此れを救援。此処に、第一次月面戦争が勃発する。人類史上、初の地球外生物と人類との接触及び戦争(BETA大戦)が始まる。異星起源種、BETA:Beings of the Extra Terrestrial origin which is Adversary of human race――『人類に敵対的な地球外起源生命』と命名される米国、対BETA宇宙兵器の基礎研究開始米国国防省が在来宇宙兵器の決戦能力に疑問を提示実際に交戦したティクレティウス中佐曰く、在来宇宙兵器は火力・継戦能力・コスト・生存性のいずれにおいても欠陥だらけ。米軍の4軍(陸・海・空・宇宙)共同開発プロジェクト・NCAF-X計画発動1968国連、オルタネイティヴ計画を第二段階へ移行月面方面軍第203調査・観察中隊は、国連軍オルタネイティヴ直轄中隊へ改編。ティクレティウス中佐、月面における奇妙な地盤振動を報告。地中侵攻の可能性を提示し、調査を行うも決定的なデータは収集できず。国連、オルタネイティヴ3予備計画招集1970米国、月面より渇望されていた機械化歩兵装甲ハーディマンの実戦部隊を前線配備人類初のFP(Feedback Protector)兵器を運用する実戦部隊を月面戦争へ投入。一定の戦果を収めるものの、数的劣勢の挽回には至らず月面各所で後退を強いられる。1971年ティクレティウス中佐、独断で月面陥落を警告。安保理に対し、即時増援ないし撤退を提言。これを受け、月面戦線への大規模増援を安保理は可決。第2計画司令部、越権行為を理由にティクレティウス中佐を解任。国防省戦略研究室へ転属。1972異星起源種との戦争という状況に後押しされる形で欧州、EU統合及びNATO軍再編。米国、同盟各国に試作戦術機の存在を公表政府の情報公開を受けて、開発メーカーであるマクダエル社が、同盟各国に売り込みを開始。197304.19:中国新疆ウイグル自治区喀什(カシュガル)にBETAの着陸ユニットが落下。PRA軍航空部隊が即応。着陸BETA群との交戦開始。オリジナルハイヴ(H1:甲1号目標)の建設を開始。『ルナリアン案件』発覚。04.23:『ルナリアン案件』鎮圧『ルナリアン案件』:国家安全保障委員会指定第427号機密。閲覧には、委員会の承認を必要とする。BETA群が西進を開始中国は、優勢な戦況を背景に国連軍の派遣を拒否するが、光線属種の出現により、人類側の航空戦力を無力化される。BETAの物量に抗しきれず、中ソ連合軍側は撤退を重ね戦術核を用いた焦土作戦で対抗するも実質的な効果なし。BETAの地球侵攻を受け、国連航空宇宙総軍司令部が恒久月面基地プラトー1の放棄と月からの全面撤退を宣言。月がBETAの完全勢力下に。国連、オルタネイティヴ3発動直接的な侵攻と驚異の物量に歯が立たない実状を受け、決定的な成果を生まないオルタネイティヴ2が見切られ、ソ連主導のオルタネイティヴ3への移行が決定する。X-day -21 days発『カッサンドラ』宛『ルナリアン』蒼き清浄なる世界に、黄金の時代を。「…遂に、ですか。」「やるのかね?」「はい、閣下。ご迷惑をおかけいたします。」「…我々地球人には、絶対に理解できないだろうな。」「では、なぜ?」「カッサンドラを信じる気になっただけだ。」X-day -14 days発NRO宛国家安全保障会議マイノット空軍基地発、フランシス E. ワーレン空軍基地着B-52搭載兵装に疑義。至急、確認されたし。案件番号3364733番「…廃棄予定のミサイルごと紛失した核弾頭だと!?」「不味いことに、巡航ミサイルは実戦運用が可能な水準です。」「SACは何をやっている!」X-day -10 days発DIA宛国家安全保障会議案件番号3364733番に関し緊急。マイノット基地保安要員より、核の弾数不整合の報告。並行して、同基地保有の廃棄予定巡航ミサイルが前倒しで廃棄されている旨を確認。廃棄担当者、空軍特殊作戦司令部の担当大尉が数日前より行方不明。同案件に関し、緊急に調査を要請。第20軍への内偵必要性を勧告。「管理ミスではありません!」「何?」「SAC内部の独断です!奴ら、独断で核兵器を動かしています!」「何だと!?」X-day -5 days発DIA宛国家安全保障会議要優先処理案件番号3364733番に関し緊急。在フランシス E. ワーレン基地、90th Missile Wing、独断でICBMを中央の統制より切り離している模様。「・・・・・もはや、越権行為を通り越して叛乱です。」X-day -4 days発NSA宛国家安全保障会議要優先処理BETAユニット、中国領カシュガルへの落着を確認。PRAの行動活性化の傾向有り。空軍により、戦局はPRAが優位に進めている模様。案件番号36352567番。対応協議の必要性を鑑み、緊急に安全保障会議の開催を要請。「宇宙人が、ついにか。」「面倒なところに堕ちました。おかげで、介入できない。」「国連経由で介入を試みていますが…」「当面は諜報活動を強化し、成果を得るしかないのだろう。」「全く、堕ちるところがせめて東側以外であればよかったものを。」「まあ、仕方ないでしょう。こればかりは。」発DIA宛国家安全保障会議緊急・最優先90th Missile Wing、一部ミニットマンへの諸言入力開始を確認。目標、PRC領カシュガル。即時鎮圧を要請。「・・・核戦争を引き起こすつもりです。奴ら、本気だ!」緊急に呼集された会議。「時間だ。始めよう。」誰ともなく、重苦しい雰囲気の中で議長が淡々と開催を宣言。「マイノット基地から報告があった。…一部の核兵器は実装されていたよ。」「独断で、核の無断配備並びにICBMの発射体制に入っていたのは事実だ。」「…事実関係は現在至急確認中であるが、空軍内部どころか国防省中枢に核の無断運用の動きがあったということのようだ。」続けて提出される各種の報告。事態が発覚し、即座に全力で内偵を行っている情報部はあまりの事態に愕然としていたという。たちの悪いことに、行動している連中は須らく愛国者だ。故に、実態に迫るのに酷く手間取っていた。「軍の統制を外れている中核は、月面戦線帰りども。確証はないが、おそらくティクレティウス大佐指揮下の部隊だ。」だが、少なくとも影は掴んだ。そして、これほどの事態。凶暴な犬は、きちんと飼いならしておかねば安心できない。「ティクレティウス大佐は、NCAF-X計画専従のはずでは?」そう、だからこそ頭脳を生かすために研究部門にぶち込んだはずだった。…カリスマとでもいうべきものがあったのだろう。国防省においてすら、奴のシンパができているという分析資料には誰もが頭を抱えたくなる。「SACへ奴が細胞を植え付けていた。確認された限りでは、二か所だ。」「なかでも、 フランシス E. ワーレンの90番にかなり浸透している模様です。」そして、古巣の空軍は完全に汚染されていた。「第20軍は?」「…頭から腐っていた。第20軍のアーノルド中将は黙認していた可能性すらある。」「マイノットから、フランシス E. ワーレンへのB‐52は正規の命令で移動していた。…核の搭載以外は完全に正規のだ。」疑いというレベルにすぎないが、関与が疑われる人間の中には中将クラスの高位将官までいるのだ。SACという国防戦略のかなめが奴に蝕まれているということ。これが何を意味するのは、不気味すぎて誰も考えたくもないほどだ。だが、そこまで議題が進んだとき連絡将校が血相を変えて会議室に飛び込んでくる。「閣下、緊急です。マイノットで拘束した将校が自白を。」差し出された通信文。そして、それを一読した直後に議長の顔色が一変。「…間違いない、関係者は一掃する。大統領にも報告を。」X-day -1day発海軍特殊作戦群宛国家安全保障会議フランシス E. ワーレン・マイノット両基地を制圧。第20軍将校ら複数の関係者を拘束。90th Missile Wing、司令部要員らは全滅。…なお、司令部内にてオルタネイティヴ計画権限によるICBMの運用許可を発見。至急、関係者の拘束・調査を開始。ターシャ・ティクレリウス大佐、国防省内部にて心臓発作。軍中央病院へ『緊急入院』措置。平和でユートピアな世界ならば、まだいい。時間逆行ならば、まあ損はしない。未来がわかるということは、最高のインサイダー取引を合法で行えるものなのだから。だが、それは市場が存在すればこそだ。可愛いつぶらな瞳で焼き払ってくれるBETA世界だと理解した時、即座に絶望。完璧な計画であったシリコンバレーで大規模投資計画なんぞは即座に放棄。株式で濡れ手に粟の未来から一転、物量相手に摩耗させられる一生。真綿に占められるように破産していくようなものだ。シンプルかつ最も合理的な回避策は、BETAをお月さまから下に降ろさないこと。そこまで考えが至ったら、後は月面方面軍、それも出来る限り権限を有する士官にならざるを得なかった。その結果というべきか、月面戦争に従事。だが、まったくだめだ。月面の兵站線は完全に貧弱。使い捨ての対戦車兵器にかかる輸送コストは膨大過ぎる。宇宙で活用できる兵装など、高すぎて弱すぎる代物ばかり。光線級が不在の状況下で、これだ。到底、人類という知性体の装備では宇宙戦など望むべくもない。結局のところ、唯一の正しい解決策は核による着陸ユニット撃破のみ。…着陸ユニットさえ潰せれば。月面帰りらの人脈。国防省で、第二計画で培った人脈とツテを最大限に編成。軍内部に生成した『ルナリアン』の人脈。それで、辛うじてはあるが核の運用権限へアクセスすることに成功。そして、いよいよカシュガルにBETAユニットが落ちてきた。ミニットマンの集中飽和攻撃による一掃。だが、あと少し。たった少しのところで、突入してきた海軍特殊戦部隊によりサイロが陥落。僅かな差で露見。その事実は、間違いなく関係者への追及の手が伸びることを意味していた。その一報を国防省で入手し、咄嗟に証拠の隠滅を決断。行動を行おうとした瞬間だった。国防省のオフィスに突入してきた完全武装の海軍兵士。咄嗟に、拳銃に手を伸ばしかけたところで意識が途絶えた。…ご苦労なことに、わざわざ自分一人のために鎮圧用のガスまで流していたらしい。だが、生かして捕えるということ。つまりは、なにがしか喋る機会もあるだろう。「つまり、躊躇うことなく、速やかに核を使うべきです。ICBMが望ましいでしょう。」世評によれば、ターシャ・ティクレティウス大佐は切れ者だ。彼女は統合参謀本部きっての才媛であり、極めて鋭い戦略眼を有している。実は転生して原作知識もちであるが、誰にもそんなことを漏らしていない。故に余人はそれを彼女の頭脳から導き出されたものだと勝手に誤解する。それがためにこれまでの時局を、原作知識活用し、もっともらしい分析と共に報告。すでに、統合参謀本部内では100年に一度の英才として著名となっていた。少なくとも、ルナリアン案件の時までは。「ティクレティウス大佐・・・?」いまだ、30代後半でありながら、異例の昇進速度を誇り士官学校の席順を度外視した出世頭筆頭。近いうちに准将に昇格し、上級将官への推薦が当然視される傑物。そのターシャは、その未来知識を最大限活用できる瞬間を好機とする。査問の場に現れた高官らに、これ幸いと核攻撃を主張。白眼視されようともBETAを戦略核の集中運用で殲滅しようとあらん限りに力説していた。何も知らなければ、それは冷静に狂った戦略家の戯言にすぎない。「過去の月面からの戦訓を考慮すれば、ミニットマンの飽和攻撃が最も有望でしょう。」本人は、ごくごく筋道立てているつもりの説明。「生産が始められているW62弾頭ならば、空中起爆で上部構造物を破壊し、しかる後に触発信管で根こそぎ排除できるはずです。」だが、誰が知ろうか。今後、30年近くBETAに人類が圧迫され続ける未来を。だれが、想像しえようか。核どころか、G弾の大量運用でユーラシアを沈めるまでに人類が追いつめられることを。「理想としては、撃ち漏らしを避けるためにも、二桁の核弾頭は撃ち込むべきです。」BETA大戦中のパラダイムならば核攻撃は全面的に正当化されるだろう。「上部構造物の強度にも寄りますが、放射線汚染は度外視してでも、数を投入すべきでしょう。」BETA大戦中のパラダイムならば、即時核攻撃は外交・戦略上容認しえるだろう。なにしろ状況を一言で言うと『パラダイス』だ。繰り返すが、『パラダイス』だ。まだあの忌々しい光線級が出てこない。だから、『パラダイス』に等しい環境である。今なら、戦略核の集中運用であっさりBETAを排除できるだろう。戦略防衛構想を整備すれば宇宙空間でBETA着陸ユニットを迎撃しているだけですむ。これで、桜花作戦という博打は無用の長物。おまけにオルタネイティヴ5よりはるかにクリーンだ。だが、それはあくまでも後知恵。追いつめられた人類が戦争に特化していく過程で認知された理論にすぎない。「我が国の核戦略は、ソ連のそれとことなり、精密誘導に依拠して威力をやや犠牲にする傾向があります。ですが、集中運用によって、問題は克服可能です。」相対的エコ万歳。G弾で汚染された大地に住むくらいなら、核のほうが幾分まし。好みではないが、人間相手に落とすわけでもない。BETA相手ならばまあ、この際致し方なし。いまさら一発くらいなら地球の環境にも致命的な一撃にはならない。だって、核実験何回やったよって話さ。そんな風に割り切って核攻撃を提言し、実行しようとする人間はこの世界ではまだ『ルナリアン』だけだ。人類は生きているのだ。全人口を二桁のパーセンテージで削られることに比べれば、核攻撃とて、検討対象といったところ。少なくとも、G弾でユーラシア沈めるよりは、よほど感謝されるに決まっている。ついでにいえば、急な減圧でぽっくり逝くのも御免蒙りたい。そう考えているティクレティウス大佐の発想はMAD理論を信奉するストラテジストには異質其の物。理解しようにも、前提条件が、戦略基盤が全く異なるのだ。だからこそ、彼らには理解できない。「ティクレティウス大佐、貴官はこれが公式の記録に残ることを理解しているのかね?」暗に査問の意図を履き違えるなという助言。同時に、此方の意図を訝しむというところ。居並ぶ諸参加者もよく言って、訝しげ、悪く言えば査問打ち切りの傾向すら見せている。だから、記録にせめて残してもらわねばならない。「無論です。ぜひ、記録してください。」憲兵を呼びたそうにしているのを視界の隅に捉えつつ、言葉を勢いに任せて紡ぐ。憲兵隊を呼ぶのは結構だが、核攻撃を敢行してからにしてほしいところなのだ。正直、戦略航空軍団の配属を志望すべきだったか未だに迷っている。さすがに単独で核攻撃しても後が厄介。「我が国の核戦力は、なんのために存在するのか?無論、使うためでありましょう。」どこかの国防産業理事が叫んでいたが、まさしくその通り。軍事費用は、無用の長物を貯蔵するために巨額の資金を投じたわけではないのだ。間違っても、間違っても無力化される前に使用しなければ意味がない。「核は持っていれば幸せになれるコレクションではないのであります。費用対効果の観点からすれば、今使うほかありません。」そして、現状ならばユーラシアを保全しつつBETA着陸ユニットごとハイヴを一掃しえる。そうなれば、今次BETA大戦は勃発するまでもなく終戦だ。後は、技術力を伸ばして月面さえ奪還すれば当面の安全は確保しえる。「ティクレティウス大佐、BETA相手に核は不要だ。」だが、そんな発想を説明しえるわけがない。情報源のソースを要求されたところで、開示できるはずがないのだ。そんな情報分析など、誰も信じようとも思わない。薬にすらしたくないだろう。頭痛に耐えるようにこめかみを押さえて、敬愛すべき我らが議長殿におかれまして、お怒りになられる。まあ、ある意味では、覚悟していたことだ。怒鳴られるのは、想定の範疇でしかない。一応。嫌だけど抗弁だけはしておこう。「議長、逆であります。今しか、無いのかもしれないのです。核です。核しかありえません!」「費用対効果の勉強を、士官学校からやり直したまえ!」ターシャとしても議長殿の見解が正統派であることは認めるにやぶさかではない。確かに現状の常識からすれば、戦略核を他国にぶち込むという時点で核戦争だ。相互確証破壊理論の実証的研究と皮肉られても仕方ないような暴挙を要求している自覚もなくはない。だが、今ならやれるという好機が目の前に転がっている。そして蹂躙されてBETA大戦をエンジョイするよりかは、中国共産党と政治決着つける方が簡単なはずなのだ。交渉できる時点で、あの中共とですらBETAよりはるかにお友達になれる可能性に溢れている。それに、結局友好国のカナダにだって将来的にはぶち込む未来が横たわっているのだ。それに比べれば、ICBMの投入は歴史的要請ですらあるとターシャは確信している。「お言葉ですが、議長。月面戦争の戦訓を分析した結果をお手元にお送りしたはずです。」せめて、それらの行動原理を正当化する努力は惜しまなかった。胡散臭い注釈をもっともらしくつけただけではあるが。とはいえ、一応BETAをこの世界では誰よりも知悉している自信はある。「私は、合衆国にとって、この問題を放置することの危険性の方があきらかだと考えております。」月面戦争は敗色濃厚だ。そもそも、あのBETA相手に宇宙で戦争である。拮抗できると期待する方が、どうかしていた。…こちらは、宇宙服に穴でも開いたが最後。対するBETAは、収束爆薬でも使わなければ宇宙空間で撃破できる火器すら乏しいという使用だ。できる限りオルタネイティヴ計画権限で武装を持ち込んだが限界があった。宇宙で戦うにはあの著名なツノ付きで赤く塗った機動兵器の集中運用でもない限り戦争にならない。根本的に、この時代の技術で作られた宇宙船とか宇宙服とかで、月面戦争を戦い抜くのは無理がありすぎる。これですら、歴史的経緯を勘案すれば格段上なのだから人類にとって月面戦線は遠すぎた。酸素からなにやら全部せおって月面で戦闘するのだ。BETA相手に、戦争になるわけがない。「月面で、我々は負けました。その敵を水際で叩かずしていつ叩くというのです!?」勢いに任せて、両手でデスクをバンバンと叩く。実に頑丈なデスクなので、恐れることなく叩ける。それは実用品として秀逸であるということだ。だが、それと比較しても優秀という点で見れば作業用のユニットとして見た場合、BETAは優秀すぎる。戦争ということを考える際に、補給の問題は実に大きい。殆どの戦争が、兵站の強弱で左右されることを考えれば決定的とすら言えるだろう。BETA相手に通商破壊作戦は無意味で、兵站を乱すことすら不可能に近いのだ。原則特に追加装備なしでほとんどの環境に対応できる環境適応性は異常に高い。最も汎用性の高い歩兵でさえ、人類は山岳なり砂漠なり極地なり、行くたびに専用の装備を用意しなくては戦う前に自滅する。対するBETAは要塞級に小型種やらを搭載できるので意外と長距離行動も可能ときている。こっちの現主力兵器、つまり戦車とかが地形に弱いのに比べて、あいつら川だろうと海だろうとものともしない。歌って踊れれば、もはや何でもできるといってしまってよいに違いないだろう。タチコマの恐るべきライバル足りえる可能性すらある。魅力がでれば、某アンドロイドお嬢様にも匹敵しうるだろう。その時は、ネズミーランドと死闘を繰り広げるのだろうか?悲しいかな、この世界はネズミーランドの援軍が期待できない。自前で、排除するしかないのだ。「我々は、あきらかに既存の敵とは異なるものと対峙しているのです。」一応、体裁を整えたレポートを作成し各所に配布し警告は散々発した。けれども現状ではそれほど深刻視されていないとしか言えないようだ。幾ら結論が正しいとはいえ、ほとんど推測で書かれたレポートなど、というべきだろうか。月面に対して周回軌道爆撃を!と国連の分析官と共謀して提案したのは、我ながら冴えていたはずなのだが。仮に月面から退却しても、対地軌道周回爆撃が可能になりますといってやったのだが。結局この提言はあえなく却下された。曰く、費用対効果が最悪すぎる、と。そして地上戦ならば人類に分がある上に航空支援で十分だ、と。いや、確かに月面の過酷な環境下だからこそ苦戦したのはわかる。過酷な環境のせいだねと言われればそれはそうかもしれない。…だが、そうして空を失うのだ。それから、対応するのではどれほどの犠牲を払うことだろうか。全く無意味な損耗を出し続けるという人的資源の許し難い浪費。人類は、もっと効率的に対BETA戦争で死なさなければならないに違いない。そうでなければ、どうやってあの効率的な作業ユニット相手に損耗で打ち勝てるというのか。「月面という限定的な戦場ですら、我々には過酷に過ぎました。地表で戦うなど論外でありましょう!」月面が耐えられているのは、本質的には我々人類をBETAが脅威と見なしていないからだ。光線級が出現していないのも、単純に優先順位の問題と損害が少ないからに過ぎない。端的に言ってしまえば、こちらの防衛拠点が少なく、単純にBETAから相手にされてないからだ。BETAは資源探索が目的。故に、当然のこととして優先順位は資源である。そりゃ月の資源が多い方に優先的に向かっていくのは自明のことだ。つまり、現状の月面戦線は過酷な環境とは言え、BETAの数だけ見れば、まだましなのだ。いつこのことを軍人が理解するかは、全く別問題だが。「BETAの戦力と脅威を過大評価しすぎだ、大佐。敵を侮るつもりもないが、ハーディマンのみで戦った月面とは状況が異なるのだ。」月だったから。環境が悪いから。だから人類は苦戦したのだ。それは、一面の真実に過ぎないことを後のBETA大戦史は証明してくれることだろう。ホームグランドならば、重装備で手ぐすね引いて殲滅できると?いつまで、通用するかわからない核戦力というカードをきれるのは今だけなのに。そもそも、月面への軌道周回爆撃に研究予算満足につけなかったくせに。だが、それをどうやってもターシャは証明し説得することができない。山のように積み上げたレポートですら、ルナリアン以外にはまともに相手にもされないのだ。そればかりか、月面で少しぼけたのではとからかわれる始末。第二計画の実働部隊として、回収したBETA残骸標本を片手に説得に赴いてもなしのつぶて。それどころか、これならば航空部隊で十二分に対応可能と回答される始末。追い詰められてから本気出すのでは、間に合わない。自分という人間は、夏休みの宿題だってちまちまとやるタイプだ。今からちまちまと用意しておくべきだと叫んできた。「閣下、BETA共とてそれは同じことです。我々だけが、一方的に新兵器を戦場に投入しえましょうか。新しい武器、新しい戦法、さまざまな可能性が考慮できます。」「それは真実だ。しかしだ。だからと言って他国の領土に核攻撃を行うのとは別問題だ。」そして、悲しいことにカッサンドラの叫びは良識派に届かない。議長閣下をはじめとして、ステイツの軍人はあくまでも良識を有しているのだ。彼らの誰も、未来の凄惨な種の存亡をかけた戦争など想定していない。彼らにとってみれば、核というのは最後のカード。いわば、禁断の手札である。その感覚の違いは、パラダイムの違いを意味する。「他国?確かに、中国は他国です。ですが、そこは人類の土地でも有ります!」「何が言いたいのかね大佐?」「合衆国は、人類の未来に責任ある立場として決断することを迫られております。そして、合衆国には、その能力があるのです!」地球を。人類を。代表して、対BETA戦争の指揮を執る立場にあるべきステイツ。だが、このパラダイムはBETAにユーラシアを持っていかれてようやく目覚める感覚にすぎない。破滅する寸前に至って、ようやく発揮される危機意識というのは救いがたいものだ。「確かに、合衆国は責任ある立場にある。大佐、だからこそ、核攻撃など断じてできないのだ!」責任ある大国が、問題解決のために手っ取り早く核攻撃をできないという理屈は、実にまともだ。マトモすぎるぐらいに、彼らは正しい。だが、常識とは主導権を握られた側が叫ぶものだ。非常識こそが、主導権を握るための最低条件だとすれば?動くしかないのだ。相手は、ちょっとばかり我々の常識から外れた宇宙からの招かれざる来客。ようこそ地球へ!パスポートはお持ちですか?お持ちでない方は、残念ですが、お帰りくださいというやつだ。お帰りくださらないので、強制的に排除するほかにない。そして、いまなら、水際で押し返せるのだ。「中国人民に撃つ訳ではありません!BETAの、強襲降下してきたユニットを叩き潰すための最良の選択肢なのです!」「中国軍が展開中だ。」ああ、そうだろうよ。貴重なサンプル回収を夢見て、機甲師団と航空戦力がわんさかと出ている。偵察衛星の資料で言われずともすでに確認済みである。嫌になるくらい豊かな戦力をお持ちのようだが、あの程度では。BETAを相手にするにはやはり不足しているといわざるを得ないだろう。相手は、あの化け物どもなのだ。古今東西化け物というやつは常に碌でもないのだから、ここで粉砕しておくのが最善に決まっているだろう。「閣下、我々は、今手札を持っています。機を逃すことなく、損害を最小化すべきです!」そもそも論になると、戦略防衛構想自体は、もう提案済みなのだ。地球に着陸ユニットを落とすことなくさっさと迎撃しましょうと提言したのに。予算が膨大に過ぎるとか、非現実的であるとか言いたい放題言われた。実現には程遠いのが現状である。こうなれば、もういかなる批判を覚悟しようとも核攻撃を断行するしかないのだ。原作知識が正しいならば、2週間程度は光線級が出てこないはず。当然、あ号標的とやらも、ふっ飛ばせばそれで済むのだ。一撃、一撃でこの大戦を終わらせられる好機なのだ。間違いなく、BETA大戦中期以降の軍人ならためらわずに核を独断でぶっ放しかねない好機なのだ。大戦後半に意識調査を取れば、間違いない。降伏とか恭順とかそういうことがとりわけお好きな方々を除外して即座に賛成の意を表明することだろう。……むしろ。核のキーを握っていれば、何よりも早く回すはずだ。考えることなく、躊躇することなく速やかに。「核を使えということの意味を理解しているのか!?」たぶん、この面々の大半は反オルタネイティヴ5派になってくれるんだろう。けど、今ばかりは将来のオルタ5支持派が議長でないことを残念に思う。人間とは実に不思議な生き物だ。と冷静に分析しているようで、若干諦めが入りつつある自分を発見。頑張ろう、超頑張ろう。挫けたらだめだ。将来のことを考えればここで粘っておくべき。最低でも、元手はとれるはず。最低でも、投資した労力分はリターンを確保しておかねば。「理解しております。私は、冷静に分析した結果として即時核攻撃を提言いたします。」故に、少しばかり真面目に説明しておき自分の戦況理解がダメになっていないことを明かしておく。通常戦力に限定すればこちらの手札はようやく実戦配備が計画され始めているF‐4と戦車やら自走砲やら程度。一見すると有望そうな航空支援は、核カードが無くなり光線級とかいう反則カードを場に出されると、使い物にならない。フェイズ1のハイヴとて現状のドクトリンでは手に余る。現状でのこちらの対ハイヴ戦略は、お粗末もいいところ。極言すれば、わーっといってわーっとやっつけて未知の技術ゲットだぜクラスだ。勝てるわけがない。「閣下、小官の独断ではありますが、すでに、諸元は入力してあります。あとは、決断して頂くだけなのです!」一応、軍関係者の名誉のために誰かに対して弁護しておく。中共や、ウチとかみんな、航空優勢を確保し、地上軍でBETAをやっつけるドクトリンを主張している。現時点では有効だ。しかしながら、対光線級の想定が完全に抜け落ちている時点で砂上の楼閣にすぎない。ALM弾も無しに、機動力の無い戦車や第一世代戦術機で光線級とがっつり戦争?どうかしている。物量に対抗するのは航空戦力のみ?軌道周回爆撃ドクトリンもオービットダイバーズも無しにハイヴ攻略?知らないとはいえ、無知がここまで恐ろしいとは。経験という教育者の授業料は高すぎるという警句は間違いなく真実だろう。「ティクレティウス大佐、そこらへんにしたまえ。」「閣下、お願いです。どうか、どうか、核攻撃の採用を。神と母の名においてこれこそが人類の命運を左右する転換点ともなりかねません。」まあ、ここに至っては核攻撃の清算が頓挫しているのだろう。だから、せいぜい愛国者に擬態しておくことにしよう。…次の好機が何時に訪れるかは分からない。「警告するぞ、大佐!」「どうか、私の分析レポートを精読してください閣下!他に道はありません!」それを思えば、愚痴を言うだけ無駄なのだろう。つーか、核で焦土作戦とかやるんだろ?。ベルリンにだって落としたじゃない。何とかなるからさっさと使おう。もってりゃうれしいコレクションじゃないんだから。ほら蒼いコスモスのお偉いさんも言っていたでしょう!?「そこまでだ!」「閣下、人類をみすみす滅亡に追い込む選択をなされますな!神が我らに選択を今与えたもうているのです!」「憲兵!!ティクレティウス大佐を拘禁せよ!」「閣下!どうか、」それ以上しゃべらせないよとばかり体格のいい憲兵さんに引きずられていきますよ。でもまあ、諦めきれずに喚くのですよ。やれ、核攻撃を今すぐに断行するべきだとか、選択の余地がないのだとか。BETAを甘く見すぎているとか。神が合衆国に与えたもうた時間の浪費だとか。「主よ!どうか合衆国と人類を守りたまえ!」「下がらせろ!」「閣下!どうか、どうか、ご決断を!」まったく、対BETA戦争をこれからどうしようというのだろうね?とある軍人のユーラシアからの遺品より国連軍戦史研究会編纂、BETA大戦史 機密指定:閲覧には国連軍方面軍指揮官以上の推薦と、国連軍機密保持委員会による承認を必要とする。なお、複製および持ち出しは、階級の如何を問わず、即刻軍法会議送りを伴う。1973年カシュガル落下物事件今日、BETAが地球に初めて着陸したカシュガルは中国領(今日の統一中華戦線領)であった。当初の戦局は、航空戦力の活用により優位に推移。現在でこそ光線級の出現により航空優勢が望みえないものの、当該時点において光線級は確認されていなかったため、航空優勢が確立されたことが最大の要因。一方で有利な戦局の推移から中国政府が国連軍の介入を拒絶し、結果としてBETAの光線級に苦杯を舐めさせられることとなった。この事件は、BETAに対する情報不足という点から論じられる点が多い。だが、最近公開された米国公文書の中から興味深い発見が行われた。カシュガルへのハイヴユニット着陸を受けて対策を協議するべく開かれた統合参謀本部の某会議にてBETAユニット着陸時に戦略核の集中運用が強硬に提起された形跡がみられる。議論されていた内容は、諸元が入力され、統合参謀本部の同意さえあれば、即座に核攻撃を行いうるものであったとされる。機密保持の観点と当事者が在命と言う点から、機密指定が一部残されている議事録によれば、月面戦争を分析した士官の一人が、即時に最大戦力の使用を強硬に主張し、降格処分と厳罰を課されている。中ソ合同の紅旗作戦失敗後に試みられて失敗した核によるハイヴ破壊は、この後も幾度か試みられるも一度も成功を収めていない。だがこの時点で光線級が存在しなかったことを考慮すると、成功の成算は極めて高いとされる。(国連軍統合司令部によれば、フェイズ1建設途上のハイヴ着陸ユニットに対して、ミニットマンは、十分な破壊効果が見込める。提言時点においては光線級がないために、攻撃は成功したとの予見は合理性が高い。)しかしながら、当時は現実的とみなされていなかった。この士官の言動は、戦略防衛構想を1960年代後半に提唱し、BETAの地球侵攻を予想したレポートとの関連性が現在指摘されているものである。いずれにせよ、我々はBETAに対して、あまりにも後手に回っていた。(以下走り書き)撃ってしまえばよかったのだ。それでこの大戦が防げたのに。国土を、人民を、愛すべき故郷を全て焼き尽くす羽目になど、ならなかったのに。その程度で済むならば、私がそこにいたならば、必ず撃っていたのに。あとがきお久しぶりです。カルロ・ゼンとか、存在Xとか称してあちこちに顔を出しております。なんか、割とBETAのつぶらな瞳に心を焼かれたいというMuv-Luvプッシュがありましたので少し捻ってみました。ティクレティウス大佐の、愉快なパレオゴス反攻作戦にご期待ください!ステイツは、人類は、諦めないっ (`・ω・´)人類の皆さん、皆さんは幸福ですか?スピンオフ作品、『ルナティク・ルナリアン』はアルファ・コンプレックス市にて公開予定(`・ω・́)ゝ※セキュリティ・クリアランスが足りていないため、予定日時へのアクセスが許可されておりません。追記完結につきこっそりと、部分的にセキュリティ・クリアランスの制限が緩和されました。~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~はははははっはははははははははははは。嘲笑を響かせながら、彼女は嗤う。だから言ったではないかと。無能共め、散々よくも足を引っ張ってくれたな、と。迫りくる戦車級は数知れず。積み上げた闘士級の遺骸に至っては小さな迷路を作るに足る程。担いだ対戦車ライフルの弾は完全に射耗。手持ちの残弾は、アサルトライフル程度。手りゅう弾に至っては、つい先ほど戦車級に投げつけたのでそこを突いた。小型種程度には有効かもしれないが、戦車級や要撃級相手に小火器程度では絶望しかない。本来ならば、重機関銃で相手にするべき相手に肉薄攻撃を繰り返して撃退している現状。手りゅう弾も、爆薬も底を突いてくるとなれば逃げだすしかない。そして、それが許されるならば彼女は何もかも投げ出してどこまでも逃げただろう。だが、逃げ場など人類には最早残っていない。ユーラシアを沈め、カナダを中央部を戦略核で焼き払い、バビロン災害に伴う減圧で北米の多くを不毛の大地と化したのだ。クソッタレの第四計画に肩入れし、どうやら上手くいくと油断したのが致命的だった。乾坤一擲の桜花作戦を、最後の最後でしくじったらしい。即座に発動された第五計画。持てるものをかき集め、シアトルのシェルターに飛び込むので精いっぱいだった。そして、このざまだ。たかが、たかが土木作業用のユニットごときに。人的資本価値を垣間見ず、一切合財を排除する単なる末端ユニットに。人類が、資本が、社会が、自分が蹂躙される羽目になった。冗談ではない。我々のシカゴ学派。我々の市場。そして我々の人的資本価値。そのすべてを無視する低脳ども。そんな連中程度に、そんな連中程度に屈するわけにはいかないのだ。襲いかかってくる兵士級に鉛玉をぶち込み、半生半死のそれをバリケード代わりに防戦して久しい。合衆国が誇った兵器廠で山のごとく積み上げられた弾薬をうちつくすほどの奮戦。だが、弾に限りがあり人間に限界があるにもかかわらずBETAはきりがない。「クソッタレのBETAに存在X!このおとしまえは兆倍にして返すぞ。必ずだ、必ず存在もろと殺してやる。」崩れた防衛線の一角。其処に浸透してくる小型種を吹き飛ばすべく、各所に設置されてある航空用燃料へ集中射撃。食いつかれ、苦悶の表情のまま吹き飛ばされる部下の姿。辛うじて再編に成功した情報軍の精鋭が、正規編成を保った一個師団が。今では、わずかな区画の全集防御にすら事欠く兵数しか残存していない。そして、それが人類有数の反攻勢力というのだから笑うしかないだろう。「もうすぐここは陥落する。もうすぐそこまで化物が来ている。 本施設よりこの通信を聞く『人間達』に最後の命令を送る抵抗し、最後の義務を果たせ」「非道い人だ あなたは 何奴も此奴も連れて回して 一人残らず地獄に向かって進撃させる気だ」「それが戦争で、諸君のいう地獄はここだ。 無限に亡ぼし無限に亡ぼされるのだ そのために私は諦観の夜を超え今、火の朝を迎えるべくここに立っている。 見ろ、人類の敗北が来るぞ。 我らルナリアンは少なくともこれで勝利と共に滅びるわけだ。一勝一敗というところか?」「狂ってますな、少将閣下。」「ありがたいことに私の狂気は君らが保証してくれるというわけだ。 ならばよろしい。 ならば私も問おう 君らの正気は一体どこの誰が保障してくれるのだね? BETAにでも祈ってみるかね?一体どこの誰に話しかけているか判っているかね?私がライヒの黒衣を着て突撃宝珠を振りかざせば良かったかな?私はラインで、南方で、泥濘で地獄の底を這えずりまわった生き残りだぞ?一体何人殺したと思っているのかね?闘争と暴力を呼吸するかのように行う戦闘集団の生き残りに狂っていると?いかれていると?何を今更!!半世紀ほど言うのが遅いぞ!!」~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~11月7日、部分的にこっそり追記しました。もうね、ローマ資料を英語とラテン語ってのは無理ぽ。どうして、ガルスもオトラント公もローマ世界にぶち込むなんて発想にいたっのかと、小一時間自問自答したいですよ…。多分、あるいは、ひょっとして、デスマーチでテンションがおかしくなった勢いでルナティックルナリアン本当に投稿するかもしれません。まあ、ご容赦を。