はたから見れば、異常な光景だ。いや、本当に自分の正気を疑うべきかもしれない。『こののろまども!尻を引きずらずに、さっさと高度を上げろ!』『たった8000だぞ?腑抜けどもめ。聞こえていないのか?』先ほどから、感情を感じさせない平坦な声が無線で流れている。信じられないかもしれないが、これは声変わりも微妙な少女が発しているのだ。展開された魔力光は禍々しく点滅し、高度を下げようとすれば容赦なく撃ち落とす意思を示している。『むりです、もう無理です大尉殿。』『よろしい。ならば、死ね。今すぐに死ね。貴様が死ねば諸経費が仲間のために役立つ。』弱音を吐くと冗談抜きで砲撃術式が展開される。意識がブラックアウトするか、魔力が尽きて降下せずに高度を下ろすものは、断固撃墜する。そんな馬鹿げた宣言が、本当に行われると予想しなかった魔導師らは、文字通り百聞は一見にしかずを学んだ。『さあ、潔く死ぬか上昇しろ。』今日もまた随分と規格外だ。共和国軍魔導師が、高度8000に至っている。で、あるならば我々は高度10000を目指さざるを得ないと信ず。たった一言、そう呟いた教官は『直ちに』全力で上昇するように命令した。その時点で躊躇した志願者は選外。おそらくは、其れが幸運なのだろう。通常、高度6000を越えての交戦は自殺行為だと見なされている。その高度6000を平然と越えて高度8000を指向。この選抜試験は狂っているかもしれないが、参謀本部も各方面軍も大真面目だ。『無能』をたった『一月』で精鋭に育成して見せる。大言壮語などではない。デグレチャフ大尉は、本気だ。本気で、骨の髄まで叩き直し、精鋭へと叩き上げるつもりに違いない。「レルゲン中佐、いかがでしょうか。」第601編成部隊の訓練を視察したい。そう申し出たレルゲン中佐を、デグレチャフ大尉は実に簡単に受け入れた。まるで、何一つとして問題はないと言わんばかりの態度。いや、実際に問題はないのだろう。少なくとも現時点では訓練で死者は出ていない。重傷者も皆無に等しく、ぎりぎりの見極めが異常に上手くなされている。「見事なものだ。」本当に、見事というしかない。兵を限界ぎりぎりまで絞り上げることにかけては天才的だ。生かさず殺さず能力のぎりぎりまでを文字通り絞りださせている。死に直面する恐怖に等しい経験で、兵士が大幅に能力を伸ばすというプログラムなのだろう。一か月も疑似的に死の恐怖に追われれば、確かに急激な能力向上予想も納得いく。しごかれる将兵には、つくづく同情するが。「・・・酸素ボンベも無しに、何故高度を8000に上げられる?」だが、居合わせた技術将校らは別の視点から衝撃を受けていた。訓練とは言え、高度8000へのアプローチが平然となされている。あのデグレチャフ大尉だ。別段、高度12000を飛んだところで驚くには値しない。だが、将兵をその高度へ上がらせられているということは大きな意味がある。「ああ、それは単純です。」だが、茶飲み話をしながら話す話題のように案内役の憲兵はあっさりと答える。「酸素発生の精製式を常時展開させているそうです。」その意味を理解するまで、一瞬間が空いた。常時展開。つまり、式として常駐しているということだ。「・・・常駐式を二つもかね?」「はい。最低限度の要求水準として要請された模様です。」憲兵は、技術職ではない。故に、その専門領域での革新性に衝撃を受けることもないだろう。だが、参謀本部の技術者たちは愕然としている。がやがやと騒ぎだし、一部ではそんな馬鹿なという囁き声まで漏れてくる始末。そう。魔法式の多重起動。一応、理論上は可能だ。技研の研究でも、常にそれ自体は実験として成功している。だが実戦使用に耐えうる並列常駐式を可能とする演算宝珠の開発は難航しているはず。いったい、何処からそのような代物が出てきたのかと彼らは騒ぎ始める。「どこから、そんな無茶に応えられる演算宝珠を?」まだ、正式に軍へ納入されてすらいない代物。何処の試作品かは知らないが、随分と伝手のあることだ。まったく、あきれるしかないとレルゲン中佐は肩をすくめる。あれほど才能だけは突出した軍人だ。どこの軍事メーカーが新型の検証を依頼しても不思議ではない。「大尉殿がエレニウム工廠から先行量産群を強奪同然に徴用したそうです。」其れを聞いても、ああ、あそこか、というぐらいの意識しか思いつかない。なにしろ、彼女はそこで技術開発に従事していた経歴がある。当然、主任技師との接触は今でもあっておかしくない。ならば、そのつてで新型が流れてくるのは自然な流れだ。機密が多いエレニウム工廠から徴用したというのだ。参謀本部装備調達部の黙認があったのだろう。そうでなければ、今頃憲兵隊が死体の山となって転がっても不思議ではない。『単調な機動を取るなと言っただろう!良い的だと何故気がつかない!?』高度8000で、何とか安定した飛行を確立しようとしている訓練生。そののろまさを嘲笑うようにデグレチャフ大尉の機動は滑らかだ。まるで、亀の様な動きの訓練生に対して大尉の機動は燕のように素早い。これが、ネームドなのか。『よろしい。言ってわからないなら、実践あるのみだ。』『ら、乱数回避!急げ!』「・・・信じられん。常駐式を並列起動して乱数回避機動が取れるのか。」目の前で繰り広げられている訓練は、ほとんど訓練生が逃げ惑うだけの訓練だ。一見すれば、情けないにもほどがあるだろう。だが、技術的に理解が深いものから見れば、ほとんど信じられないことの連続。技術的に不可能に近い並列機動を安定して実現。あまつさえ、戦闘機動に等しい乱数回避機動に耐えうる演算宝珠など夢の様な存在だ。「デコイも出していますね。」いや、それどころか幾人かの訓練生は砲撃を回避するために光学系のデコイを積極的に活用し始めた。つまり、乱数回避を行いながら、光学系の欺瞞用デコイを生成できるだけリソースに余力があるという事だ。みたところ、かなり展開速度と欺瞞性の高いデコイらしい。いくつかは、自律行動を見せているようにすら思える。全く大した性能だ。しかも、それを量産可能な規格に落とし込み、量産してのけている。「・・・エレニウム工廠の新型は想像以上に優秀ですな。」次の制式採用はアレ以外にはありえないな。あの光景を目にすれば、誰だって反論しないだろう。少なくとも、耐久テストは彼らが現在進行形で行っている上に、性能は申し分が無い。課題はコストくらいだ。それとて、本格的な量産が決定すればだいぶ下がる。「エレニウム工廠に資料を請求したい。」「わかりました。手配しておきます。中佐殿。」副官に資料請求の手配を任せるとレルゲン中佐は上空の軌跡に目を向ける。実に見事な空中機動だ。ほれぼれすると言っても良いほどに、技量が卓越している。才能と人格は反比例するのだな。そう思った自分の人の悪さが、逆に仮説を証明するようで不快だ。『いい機会だ。貴様らの価値を証明して見せろ。』「デグレチャフ大尉、いささか行きすぎではないのか?」素朴な疑問だが、彼女は兵隊の損耗を嫌うという。一体なぜだろうか。彼女が隣人愛に目覚めるわけもないし、兵士を駒としてみているからか?それにしては、この訓練は本当にぎりぎりだ。駒を育成するという目的からすれば、行き過ぎなほどに。『いえ、問題ない範疇だと認識しております。ここで選別し、排除するべきです。』だが、その疑問は彼女の解答でさらに深まる。何故か?選別し、排除するという発想は士官学校時代のスピーチそのものだ。曰く、『無能という疫病から帝国軍を防疫するのが我が使命』。駒の育成というよりも、切り捨てに近いものが感じられる。「限度がある。すでに、半数が脱落したのだぞ?」一体なぜだろうか。『まだ、二個大隊分の人員はあります。人的資源には、まだ問題ありません。』「そうか。わかった。続けたまえ。邪魔をしたな。」ああ、畜生。そういうことか、よくわかった。資源か。そうか、人的資源か。人的資源と言うのか兵隊を。貴様にとって、兵隊は人的資源という代替可能な資源というわけだ。『いえ、御気になさらずに。』なるほど、違和感が理解できた。あいつは、デグレチャフは、デグレチャフ大尉は、人間を数で数えている。それ自体は、参謀に珍しいタイプでもないが彼女は意図してではなく、資源として数えているのだ。ならば、やつは実に合理的だ。資源の有効活用ということにかけては、実に計算高いに違いない。「良くわかったよ。なるほど、貴様が書いたに違いない。」総力戦や世界大戦の認識に、どこかで見た記憶があるはずだ。すぐそばに、根源があった。だからこそ、見覚えのある足跡を見出せるのだ。数字の狂気。狂気の世界。世界がおかしいのか?まったく、嫌な時代に軍人になったものだ。嫌な奴がいる時代に、戦争が起きたものだ。糞ったれの神様とやらがいるならば、悪魔に味方している時代に違いない。「中佐殿?」「やれやれ、彼女が狂っているのか、世界が狂っているのやら。」あの訓練が、全てを物語っているように思えてならない。いやはや、彼女の本質を見極めることのなんと恐ろしいことか。あれは化け物だよ。後日、レルゲン中佐は参謀本部に辞表を提出するに至る。戦時中故、慰留され現職にとどまることになったが、彼は変わったと以前を知る人間からは評された。とにかく、現場の意見を尊重する。同時に、下士官兵の意見を極力収集したというのだ。参謀本部主流の高級士官としては異例なことに、彼は常に現場からも認められていた。そのことを他人から褒められたとき、レルゲン中佐は笑って指揮官先頭の精神と現場主義の大切さを説いた。なにしろ、信じがたいことに、デグレチャフ大尉は教導過程の全てに参加していたのだ。兵士と同じタスクをこなし、なおかつ兵士を指導し、あまつさえ兵士を介護する。大の大人が悲鳴を上げるような過酷な演習を、平然とこなすどころか、全体を俯瞰する余力すらあったのだ。率直に言えば、訓練の一つ一つがありえない程限界ぎりぎりまで兵士を絞るものだろう。一つ間違えば、死人が出ても不思議ではない。いや、出なかったのはほとんど幸運に過ぎないだろう。それでも、兵士が不可能だと抗弁できないのは、単純に目前で平然とデグレチャフ大尉がこなしていたからに過ぎない。そこまでやったからこそ、彼女の下に部隊は集った。で、あるならばだ。学ぶべき点から学ぶことを、彼も厭わないのだ。・・・少しでも狂気に抵抗するために。一月で精鋭が育つわけがありませんとも。ええ、常識で考えればわかる話。それを、大勢の高官の前で宣言すれば後には引けなくなる。言ってしまえば、失敗すれば普通は大問題。それこそ、キャリアに傷が付き懲罰的に最前線送りもありうる話。しかし、デグレチャフ大尉ですら育成できない程資質に問題ありという結論が誘導できれば意味が逆転する。臭いものには蓋の発想で、この話が無かったことになるのも予想されるのだ。加えて、戦務課からは非常の手段を用いるも可との許可を得ている。徹底的に、かつ限界ぎりぎりで訓練すれば絶対に根を上げるはずだ。そうすれば、耐えられる訓練を放棄した根性無し共という評価が他の人間に行くだけで済む。私は無傷だ。だから、古今東西ありとあらゆる特殊部隊の訓練方法を取り入れようと思う。米国風のメニューは以下の通り。水中順応訓練ならぬ高度順応訓練。文字通り、限界まで根性を出させることにしよう。この訓練が終了すれば、後は悪名高いヘルウィークだ。4日間の合計睡眠時間は4時間。徹底的に極限状況に追い込み、人間の本性を暴きだすという過酷な訓練。いくら、魔導師が思考分割可能とはいえ、限度がある。仲間よりも自分を優先する帝国軍人にあるまじき愚者を暴きだすという大義名分のもとにやってやろう。もちろん、部下を苛めるのは本意ではない。無意味な暴力をふるって喜べるほどの低能ではないのだ。きちんと、意味付けし合理化し、意味がなければ暴力など振るいたくもない。だから、リタイアはいつでもウェルカム。むしろ、さっさとリタイアしてほしいくらいである。抑圧から解放されたいと思う。だから、早くリタイアを選びたまえ。取りあえず、ヘルウィークを凌がれたら一週間のSEREだ。対尋問・サバイバル訓練をみっちりやってやろう。一週間の間に、発狂寸前まで追い込めばすぐにリタイアするはず。それでも粘る戦争狂素質の連中対策もばっちりだ。ヘルウィーク直後にSEREで疲労困憊した連中。そのまま、非魔力依存長距離行軍演習をアルペン山脈で一週間ぶっ続けで行う。もちろん、睡眠時間も休息時間も限界ぎりぎり。戦場の記録で、一番悪いモノを基準としてある。たとえば、水は水筒半分だけとか。もちろん、手持ちの食糧はなし。演算宝珠を使用すれば即失格。使ってよいのは、二人でナイフ一本。参謀旅行をより厳しく、稠密な代物にしたと言えば、お分かりいただけるだろうか。険しいアルペン山脈を一週間で横断できねば即リタイア。通常、一週間での踏破は厳しいとみられる程度だが、健康体が万全の装備と状態で挑んでの話だ。こんな条件で突破できる人間がいるとしたら、呪われているに違いない。ようするに、そこでミスをした者から容赦なく落とすのだ。そうしていけば最後には、程良い結論になるだろう。なに、これだけでは万が一ということもある。そこで、絶対に確実となる保険も用意した。これだけは、これだけは絶対に使いたい手ではなかったと言っておく。私にとっても、全く本意ではないのだ。だが、これ以上に確実な手段も皆無。故に、ええ、涙をのんで保険を用意しました。わざわざ、エレニウム工廠のMADが新開発した試作量産型を標準装備としたのです。あの歩く災厄ことアーデルハイト・フォン・シューゲル主任技師。彼が開発中というエレニウム工廠製97式『突撃機動』演算宝珠の先行量産モデル。きっと、あの忌々しい主任技師の責任追及問題に発展される事も期待できようという物。ええ、そう思っていた時期が私にもありました。なんで、でしょうかね?本当に、人生とは、呪われているものなのか。それとも、人間の可能性とは無限なのでしょうか。信じることは大切かもしれません。でも、思い出してください。希望的観測は徹底して排除しなくてはならないと。経験的なアプローチは常に有益です。思い出してください。いつでも、貴方の失敗は、貴方に原因がある場合が多いのだと。気が付いた時には、もう手遅れになっていることが多々あると。本日をもって貴様らは無価値なウジ虫を卒業する本日から貴様らは帝国軍魔導師である戦友の絆に結ばれる貴様らのくたばるその日までどこにいようと軍は貴様らの兄弟であり戦友だこれより諸君は戦地へ向かうある者は二度と戻らないだが肝に銘じておけそもそも帝国軍人は死ぬ死ぬために我々は存在するだが帝国は永遠であるつまり―――貴様らも永遠である! 故に、帝国は貴様らに永遠の奮戦を期待する・・・なんで、私はこんなことを言う羽目になっているのだろうか?前後の記憶があいまいだ。遺憾なことに、訓練中にエレニウム95式を起動したためか、部分的に記憶が飛んでいる・・・。戦場には、面白おかしく語られる噂が少なくない。例えば、首なしお化けが首を探して未だに彷徨うというたぐいのものだ。実際のところを言えば、戦場の噂というのは何か根本は存在する。それが、どこかの段階で膨れ上がって肥大化した噂に化けてしまう。戦場の噂・怪奇現象というのは得てして何かしらのエピソードが誇張されたものだ。私達は『V600』と『11番目の女神』を調査する過程で、多くの噂にも接した。“これもあの戦争の記憶である。”そう判断した私達は、戦場で語られていた噂の収集も並行して行うことにしていた。実のところを言えば、『V600』も『11番目の女神』に関する情報収集も難航している。ロンディニウム・タイムズのジェフリー特派員が私達に個人的に協力してくれいるため、彼に期待したいところだ。そういう事情なので、今回は『戦場の噂』にスポットライトを当ててみよう。ある者は、荒唐無稽な話を語った。ある者は、まことしやかな話を語った。ある者は、真実とも偽りとも判然としない話を語った。ある者は、一切のコメントを拒否したが、真実は違うと沈黙で示した。そんな戦場の噂は戦後かなり有名なものもいくつかは知られている。そして、それが本物だということもたまにはある。例えば、帝国の『B作戦』なる大規模な通貨偽造作戦だ。正式名称は『高度戦争経済打通戦略第七号提案』というごてごての名前のそれだ。発覚したのは、『帝国軍の隠し財産』を信じたトレジャーハンターによる発見がきっかけだった。噂どおりに、帝国が引き揚げた占領地から、馬鹿げた規模の外貨が発見された。しかも、驚くべきことに専門家も欺くほど精巧な完成度の偽造通貨だったのだ。発見された通貨は終戦直前に製造され、隠匿されたものだったと判明した。この作戦は一般に、偽造を行ったB機関の名前由来の『B作戦』として知られている。なんとも驚くべきことに、共和国と連合王国が戦後調査した結果がここにある。戦後すぐには、経済混乱の懸念から秘密にされていたものの、遂に隠しきれずに両国が公表したファイルだ。それによれば、帝国は、大陸本土ではなく共和国・連合王国の植民地で大量に偽造通貨をばら撒いたらしい。その量、総流通量の13%。大戦後、植民地が武装独立運動を展開する上での秘密資金元は、このB資金だとも語られる。戦時中に、帝国が後方撹乱を狙ってばら撒いたB資金は世界史に大きく影響を与えたとまで嘯かれているほどだ。さすがに、この辺は真相が曖昧であるので、コメントは差し控えることにしたい。そんなわけなので、噂が真実を含んでいないとは、さすがに断言できない。例えば、エレニウム工廠製97式『突撃機動』演算宝珠は、エレニウム95式なるもののダウングレードに過ぎないという噂もある。まあ、これはさすがに傑作演算宝珠の制作秘話がほとんど失われてしまった故の戦場伝説だろう。先行試作機の多くが、誤解を招いたのかもしれない。実際、連合王国にも似たようなエピソードは事欠かないのだ。戦闘機として名高いスピリット・アーサーには、スピリット・ファイヤなる別の機体があったと軍事専門誌が騒いだことがある。議会が、空軍の二重予算を疑うに至るまでいったこの騒動。調査の結果は?まあ、みんな御存じのように制式採用を競ったF202ドラゴンのことを、帝国軍が誤認して新型と記録したのが原因だ。この新型疑惑を、帝国軍はスピリット・ファイヤと推測し、それを専門誌が丸呑みにしたというのが真実らしい。おかげで、空軍は逆に戦後、予算が少なすぎるという実態を把握した議会によって予算が増えたとも言う。この疑惑、実は空軍の自作自演疑惑も一部では噂になっていた。ここまでくると、何が何だかさっぱりということだ。そういうわけで、まあ、本物を見つけるのは困難。この世界で私達は、砂漠におちている宝石を見つけようとしているわけだ。たまに、其れと思しきものを見かけても大半は蜃気楼。蜃気楼にも種類があって我々が幻惑されるものから、さすがにそれはないな、というものまで様々なだが。まあ、中にはほほえましい噂もある。例えば、近年一番笑えたのは、帝国軍魔導師は子供恐怖症だという戦場伝説だろう。曰く、子供が笑うとパパが怯えるのよ、と奥さんが笑って言ったという話だ。由来は不明だが、まあ、世界を恐れさせた帝国軍魔導師にも敵わないものがあるという噂は面白い。彼らにも、苦手なものがあったのだ。そう思えば、だいぶ戦後の融和にも役立つことだろう。ふう。お疲れ様。え?共感できるかって?微妙だね。どちらかと言えば私は子供よりも妻が怖いし。ん?ちょっ、ちょっとまて。ちょっと待ってくれ。止めたんじゃないのか?おい、待ってくれ。今すぐに止めてくれ。ん、ああ、ええっと。いや、違うんだキャッシー。本当だとも。うん、そう、軽いジョーク。いや、本当だって。え?いや、うん、話し合おうじゃないか。きっと、何かの誤解・・・・※アンドリューWTN特派記者※アンドリュー記者が、たまたま一身上の理由により休暇を取ったため本連載は一時休載致します。WTNあとがき・・・アンドリュー記者同様に、作者もお休み致します。申し訳ない。ちょっと土曜日曜はムリぽ。フリとかネタじゃなく、まじむりぽ・・・。月曜も頑張るけど、たぶんむりぽ・・・。鋭気を養って火曜日から頑張りたいと今は・・・。ZAP