神話的埋設物
神話的埋設物(しんわてきまいせつぶつ)は、地中に埋蔵された状態で発見される資源(一説には文化財)である。人間の経済活動の中で、工業製品の原料やエネルギー資源として幅広く活用されている。
1.エネルギー資源としての神話的埋設物
18世紀後半に起こった産業革命により、蒸気機関という動力を得た人類は、大量の燃料の確保に関心を向けるようになる。当初、燃料には薪や木炭を当てていたが、森林破壊などの環境問題が深刻化してくると、石炭を利用するようになる。
石炭は比較的浅い場所に豊富に埋蔵されていたことから利用が進んだが、そのエネルギー効率の悪さから、別の資源が模索されていた。
19世紀後半、石油を新たなエネルギー資源とすることが各地で検討され、掘削技術が開発されより深い場所の掘削が行われるようになる。そして初めて、人類は地中に埋蔵される大量の埋設物に気づくことになる。
それらは刀剣や石像、銅鐸など、世界の神話に記述されるものとも取れる形状をして発見された為、神話的埋設物と呼ばれるようになった。当初はそれが古代の遺構であると考えられていたが、20世紀に入ってその真価が世界を震撼させることになる。
それが「産業の神話的革命」と呼ばれる産業構造の大幅な変容である。
1907年。旧ドイツ地区の人類学者、D・ヤコブセンは、神話的埋設物のレプリカを作成していた。(残念ながら現存していない。刀剣類の神話的埋設物であったと考えられる)
ヤコブセンが鋳型を取って構造を似せたレプリカを娘のアンがとても気に入り、アンはヤコブセンの目を盗んでレプリカで遊ぶようになる。
ヤコブセンがレプリカを抱きかかえるアンをたまたま目撃して叱りつけると、アンは驚いて階段から落下してしまった。
慌てて階段から下を見下ろしたヤコブセンが目撃したのは、何とレプリカを抱えたまま空中にふわふわと浮かぶアンの姿であった。
これが記録される中では最も古い、物理現象が無視された瞬間である(「アンの空中浮揚」)。
敬虔なキリスト教徒でもあったヤコブセンは、それを神の奇跡か、あるいは自分の娘が聖書に記述される様な超能力を持っているのではないかとも考えたが、やがて神話的埋設物のレプリカがある一定の条件によって物理現象を恣意的に無視することを発見した。
学会に発表された当初こそ一笑に付されたヤコブセンの発見は、しかし一年後には世界を揺るがす大発見となり、神話的埋設物の研究が推進された。
後に神理学と呼ばれる学問の魁と言えるそれら研究によって、神話的埋設物のレプリカから保存則を無視した一定のエネルギー(神力)が得られることがわかった。
人類はまず新たなエネルギー資源として、神話的埋設物を扱うようになる。
2.工学的利用
20世紀後半になると、ウォーリー・ヴィンセントが神話的埋設物を工業品として活用すべきだと宣言した。有名な「神話的埋設物の積極的活用の提唱」である。
ヴィンセントの弟子筋にあたる二階堂マコト(誠)を中心としたグループが、神話的埋設物のレプリカを作る際にある一定のルールに従い構造的なアレンジを加えることによって、設計者の意図する工業品と出来ることを発見した。
神話的アーティファクトの発見である。
これら研究は神話的利器工学と呼ばれ、神話的埋設物の恩恵が、市場を通して一般に流通する大きなきっかけとなった。
神話的埋設物が物理法則を無視する現象を研究する学問分野は神理学と呼ばれるようになり、さまざまな発見が相次いだ。
著名な発見としてはミハイル・ルドマンの「非対称性の原則」や凛趙明の「神話的埋設物の擬似物質生成」、レイモンド・ラッセルの「超言語」や武村トーコ(超子)の「神話層の神語的解釈」などがある。
また神力学から派生した量子予知力学の分野ではフラッガーとローダンの予知に関する有名な論争があり、いまだ決着が着いてない(「フラッガーの予知優位法則」「ローダンの超克的予知解釈」。)
いずれにせよ、量子予知力学の分野では神話的置換作用の発見によって多くの恩恵が得られることとなる。
3.デモンの問題
神話的埋設物が世界中の関心を集める中、しかしその発掘作業は困難を極めた。神話的埋設物が埋蔵された地域は、恣意的に物理法則が無視される領域(神域)となっている場合が多く、神域では後にデモンと呼ばれるようになる、神力が具現化したと考えられる擬似生命体が発生し、人間の殺害を目的として行動することがわかった。
つまり、デモンを排除しなければ発掘作業が出来ない。しかし、神話層と呼ばれる神話的埋設物の地層毎の発掘物の出土傾向の調査など、発掘には高度に専門的な知性も求められたことから、一時的な人足などに発掘を委託することが出来ず、デモンを駆逐できる研究者、あるいは高度な知識を備えた作業員が求められるようになる。
20世紀も終盤になると、攻務店と呼ばれる発掘の専門委託業者が現れ始める。彼らはデモンを駆逐する戦闘能力と神話層を考証する専門性を同時に兼ね備えており、神話的埋設物の発掘は彼らの存在なくしては考えられなくなる。
彼ら攻務店の為に開発されたのは装剣という神話的アーティファクトである。物理現象を無視するデモンを効率的に排除できる装備として爆発的に普及し、多くの専門メーカーを生み出した。
4.社会構造の変容とのかかわり
今世紀初頭の社会学者、O・ナルシスが「もしも神話的埋設物の利用法が確立されてなければ、我々は化石燃料に頼る酷く非効率で持続性のない生活を送るしか方法はなく、その偏在性によって長く戦争を続けていたかもしれない」と自著で述べるように、神話的埋設物が人類に与えた影響は計り知れない。
まず女性の社会進出が驚くべきスピードで実現したのは、人間が神力を内在する値(神通値)が、男性と比較できないほど女性に有利であったことが上げられる。
これによって女性が積極的に発掘現場の最先端作業に携わるようになり、男女の年収が逆転するようになる。
また、国家の解体にも神話的埋設物の利用が関係していると考えられ、前述のO・ナルシスは「神話的埋設物は、人類が空気と水の次に得た国家の管理を必要としない資源であった。何故ならそれは神の持ち物であったからである」と述べている。
関連項目
神話的埋設物考証学
擬似物質工学
擬似生物工学
極大統一場理論
神力学
量子予知力学 -ラプラス型 -オラクル型
神話利器工学
神話的発掘工学 -発掘神話学
神話層の神語的解釈
神話層の比較神話的解釈 -先神説 -後神説
神語学
神話的情報工学
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