Stage4 ~忘れられし岩場~
誰も寄り付かず、全ての存在から忘れられた岩場
故に何者もそこに来ることは無く
ただ岩のみが、時の流れに身を任せる
「さて、そろそろかしら?」
ごつごつした灰色の物体──通称、岩が溢れ返る場所の上空。
紅と白の服を揺らしながら、霊夢は飛んでいた。
戦闘から真っ直ぐ飛ぶと、待っていたのは北と南と西を全て山に囲まれた岩場。
残りの入り口たる場所は、先程の砂丘のみ。
完全に孤立した、誰も、妖精の姿すら見当たらない岩場を霊夢は眺める。
彼女の勘がここに今回の異変の主が居ると訴えていた。
しかしながら、勘はしょせん勘。
ハッキリとした目的地が分かる筈も無いし、異変の主が誰なのか、どんな目的なのかということも分から無い。
なので、捜索するのだ。
見つけたら理由を聞く前に殴る気満々で。
「というわけで、さっさと出て来なさいよー」
そんな心中の狂喜を平然と隠し、霊夢は見る者全てを癒すような笑みを浮かべながらただ進む。
……見る者によっては、逆に気味悪く思う笑みだった。
そして笑みのせいか、元々人が居ないせいか、彼女に答えてひょこひょこ出て来る者は居ない。
「……」
そのことに気がついたのか、気がついていないのか。
空中で、霊夢の動きが止まる。
はためいていた巫女服の揺れが、一瞬だけ収まった。
直後、
「──異常「白翼無限舞踏」!」
轟!!と。
上空から、突然弾幕がやって来た。
弾幕の姿は、羽。
白銀の雪を連想させる、見事なまでに白い鳥の羽。
それらが、百を越すそれらが、
まるでダーツの羽のように、上空から一直線に降り注いで来た。
高い音とともに空を翔てくる羽は、見た目の美しさとは裏腹に確実に人を殺せる威力を持っていると、霊夢には直感で感じ取れる。
「ひゅっ!」
なので無論、たやすく躱した。
それは雨を躱すに等しい行為だったが、彼女はサラリと横に移動し攻撃範囲から逃れる。
が、追尾機能でもあるのだろう。
大量の羽の内、半分程が横に直角で曲がり、霊夢を追う。
「ふんっ!」
霊夢は腕を振った。
指には札が数枚乱暴に掴まれており、振られることによって高速で放たれる。
瞬速を持って飛んだ札は、しかし羽へと向かわない。
羽の弾幕による壁。
その更に上に居る"者"へと札は襲い掛かり、
「おわっ!?」
ドカンッ!!と、大爆発。
爆炎による轟音が響くと同時、美しき羽の弾幕は突如として消える。
スペルを中断されたからだ。
つまりは、爆煙を払って再度霊夢の前に現れた者が、突然の襲撃者。
上空に居るであろうその姿を、霊夢は岩場にある一つの巨石に足を付け、眺める。
そこに居たのは天使だった。
御坂美琴とはまた違う翼を持つ者が、居た。
ただ美琴の翼が膨大な威力を放出するために作り出したものだとするなら、その翼は、まず間違い無く本物の天使の翼だった。
純白の羽で形成された、巨大なる三対の翼。
柔らかで、何処か生物的で、幻想的な、不思議な翼。
本来は鳥にしかついていない翼は今、一つ十メートルという馬鹿みたいな長さで存在し、
一人の人間の背に、存在している。
年は霊夢と差程変わらない。
ただ男で長身、外界産のようなツルツルした素材で出来た赤色の上着を見事に着こなしていることから、実際よりも大人に見える。
若干色の薄い茶色の前髪を揺らし、男はニヤリと笑う。
「やるじゃねぇか」
~常識の破壊者~ 垣根帝督(かきねていとく)
それが、この明らかに人間の枠を超えた者の名。
「人間じゃない?」
「悪いな。人間だ」
翼を生やしていることから人間ではないのかと思ったが、否定され納得する。
よく見ると、羽の一つ一つが何らかの力で構成された物であると分かったからだ。
「で、アンタが異変の犯人……じゃ、ないわね」
「おいおい、少しは疑ってもいいんじゃねぇのか?」
ワザとらしく、垣根はやれやれと首を横に振る。
馬鹿にするような、というより馬鹿にした態度。
失礼な行動に対して、霊夢はニッコリ笑い、
「いや、アンタ如きに異変が起こせるとは思えないし」
喧嘩を、売った。
花のような笑顔で喧嘩売られ、ビキリ!と、整った彼の顔に青筋が浮かぶ。
「……ムカついた。さすがは博麗の巫女。対したムカつきっぷりだ」
「牛乳でも飲んだら?」
更に挑発の言葉が、霊夢の口から紡がれた。
この時点で翼から放たれるプレッシャーが、中級妖怪程度のレベルなら逃げる程にまで達している。
「適当に脅すだけにしようかと思ったが変更だ。テメェはここで素敵で愉快なオブジェに変えてやる」
「残念。アンタみたいな三下は倒されるのが常識よ」
「ハッ……知らねぇならよく覚えとけ」
バサァァッ!!と、白銀の翼が、天に伸びた。
長く、長く。
神々さを発し、天からの贈り物を受け取るように大きく、広く。
「俺に、そんな常識は通用しねぇ」
「まぁ、世の中常識が通用する方が少ないでしょ」
暴風が吹き荒れ、弾幕が唸りをあげる。
世界は戦いに震え、始まりを告げる。
楽しい楽しい、弾幕ごっこの始まりを。
ゴウッ!と、迫る巨大な物体。
自分を叩き潰さんとする物体の正体は、巨大な翼。
霊力を込めたお払い棒で、翼を弾く。
「オラッ!」
乱暴な言葉とともに、三対の翼が大剣のように振られた。
頭上から己を叩き切ろうと、巨大な長さになって迫る翼を、霊夢は岩を蹴って躱す。
クルリ、と宙を舞い、自分の居た岩を翼が叩き潰すのを感じつつ、彼女は別の巨岩に着地した。
曲芸師の如き舞。
しかし、拍手は無く、次に迫ったのは右と左から迫る翼の大剣だった。
「──っ、と」
ハサミのように閉じる翼の領域を見極め、霊夢はまたしても上へ飛ぶ。
「かかった!」
「どっちが?」
読んでいたのだろう。
追撃の羽弾幕が、真正面から迫った。
霊夢は手元に四角い結界防壁を張ってやり過ごし、逆に着弾時の衝撃を利用して距離を取る。
霊夢は接近戦が得意な方では無い。
もっとも、そこら辺の妖怪などを簡単に瞬殺するくらいの戦闘力はある。
ただ、上の領域においてはそうでない。
というより、霊夢は遠距離戦の方が圧倒的に強いのだ。
故にまず、距離を取る。
垣根はそれを最初の激突で気がついていたのだろう。
翼を武器とした接近戦で、彼は戦っていた。
だが、今。
距離を取られる。
「チッ!」
翼をはためかせ、機動力の全てで迫ろうとするが、
「ぐおっ!?」
突如、後ろからの爆発により、態勢が致命的なまでに崩れた。
翼の散った羽。
その隙間から見えたのは、とんでもない距離のカーブを描いて此方に迫る誘導弾だった。
(おいおい!なんつー技術だ!)
垣根が翼で弾幕をかき消している間に、霊夢はまるで疾風のように距離を取り、その手に針と札を持つ。
そして、
「はぁぁっ!」
全部、投げつけた。
空気の層を乱暴に切り開いて、札と針は一気に垣根へと向かう。
更に、次の攻撃はこれだとばかりに、霊夢は霊力を右腕に収束させていた。
無言のプレッシャーとともに迫る、弾幕の嵐。
一転して不利な光景を見た垣根は、
「あぁ、クソ。異常「殺人太陽光」!」
二枚目のスペルを、発動させた。
瞬間、翼の一つが弾ける。
羽の塊であった翼が弾けたため、翼を構成していた羽が空に撒き散らされる。
ヒラヒラと、雪のようにゆったりと羽は舞い散り、
「っ!」
霊夢は全くの勘で飛び退いた。
あと少し遅ければ、結界を張っていただろう。
チカッ、と羽に太陽の光が当たった瞬間、
一条の、強い太陽光が彼女の居た場所を通過する。
鏡のように、羽が太陽光を反射した。
その過程で、ただの太陽光が全く別物になったと、霊夢には分かる。
「言っただろ?常識は通用しねぇってな」
「っ」
舞う羽からの太陽光を、霊夢はなんとか躱す。
三つの閃光は、傍目からは普通の光にしか見えない。
ただの光にしか。
ジュウウウウウウウウッ!!
当たった岩が、溶けていることを除けば。
「っ!」
鏡の要領で複雑に反射してくる光を、霊夢は急降下して躱す。
太陽光からは何も感じない。
だが、もはや普通の光では無い。
「──なるほど」
彼女は納得する。
確かに、これには常識が通用しない。
常識的に考えて、普通の太陽光が、岩を溶かすだけの力を持つ訳がない。
物理法則においての、非常識。
だが、
「所詮は、弾幕よ」
霊夢は、札と針を投擲し、
撃ち落とした。
宙に浮いていた羽の、全てを。
百発百中という言葉があるが、今霊夢が行ったことはその言葉通りのもの。
百の羽を、全て狂いなく撃ち落とす。
「もうかよ!」
早くも自分のスペルが破壊されたことに、垣根は声を荒げた。
羽に反射した太陽光が殺人光線になっていたのだから、鏡たる羽が無くなった今、必然的に殺人太陽光も消え去る。
空間に満ちていた異常の法則は、今は無い。
「ほら、次はいいの?」
空中を、まるで雲のように漂う彼女からの挑発。
ギシリッ、と垣根は奥歯を噛み締めてから叫んだ。
「上等だ!異法「完全封殺」!」
三枚目のスペルカードが、発動した。
光を辺りに放ち、爆発するような効果音が、寂れた岩場に響き渡る。
………………………
が、
「……?」
何も、起きない。
ただ翼が復活して大きく広げられただけで、それ以外は何も起きない。
スペルをミスした訳では無いだろう。
現に、彼女の瞳に映る垣根の表情には笑みが浮かんでいた。
ボバッ!と、一振り。
彼の翼が一つ振られ、同じ高さに浮かぶ霊夢へと、羽が解き放たれる。
矢のように迫る羽を見て、取り敢えず霊夢は右に動こうとして、
左に、動いた。
「っっ!?」
おかしい。
そう彼女が思った時には、躱せた筈の弾幕が目の前にまで来ていた。
咄嗟に結界を張る。
結界に着弾した羽はスパークを散らしたかと思うと、
白い閃光を撒き、炸裂した。
「うぐっ!」
左手で結界を支え、霊夢はなんとか耐え忍ぶ。
本来なら躱している所なのだが、右に動いたつもりが左に動いていたのだ。
(幻覚系……!)
「はっ、どうだ。少しは効いたんじゃねぇのか?」
今までの余裕の笑みを消せたのが嬉しかったのか。
垣根は笑いながら、翼を振るう。
翼が振るわれる度に、羽の矢が次々と暴風とともに放たれた。
剣を振るったような、空気を切り裂く音を耳に入れつつ、霊夢は考える。
(能力を使えば関係無いけど、疲れるし、やっぱり普通に躱した方が楽ね)
本当に命懸けの状況なのかと、疑いたくなる思考の内容。
フワフワと風船のように軽い思考を終えて霊夢は結界を解く。
解くとほぼ同時に第二陣の羽が迫るが、
彼女は、ゆっくりと体を動かして羽の攻撃範囲から逃れた。
「なに!?」
これに驚いたのは垣根だ。
現在、二人が居る空間は垣根の能力によって非常識が支配する空間となっている。
空を飛ぶ際の法則に介入し、逆の方向に体が動くという新たな法則がこの場において適応されているため、霊夢も右に動こうとすれば左に、上に動こうとすれば下に動くことになる。
なのに霊夢は、自由に空を飛んで、弾幕から逃げていた。
他人から見れば、普通に飛んでいるとしか思えない姿で。
「馴れると簡単ね」
そんな一言が彼女の口から放たれ、爆発音の合間に響く。
「たった一回でだと……!?」
戦慄した。
もう、天才などというレベルでは無い。
たった一回の失敗でここまで完璧を得れる者を、天才などという言葉で表すのは無理だ。
「隙あり」
「がっ!?」
衝撃。
垣根が茫然としている間に霊夢は彼の手元まで接近し、顎に容赦無い蹴り上げを叩き込んでいた。
「この……っ!」
彼が顎を抑え、反撃しようとした時にはもうそこに霊夢の姿は無い。
二十メートル程離れ、紅白の服を揺らす。
「……」
微動だにしないその姿に、垣根の目が段々と平坦になってゆく。
舐められている。
そんな言葉が垣根の中に生まれた。
「霊符「夢想封印」!」
しかし霊夢に、そんな思考に付き合ってやる道理は無い。
彼女の周囲に七色の光球が現れ、集束。
一気に解き放たれて、垣根へと迫った。
「異物「ダークマター」!」
霊夢の遠慮無い、怒涛の攻撃。
反射的に彼は、スペルカードを発動させた。
自分の中で、二番目に強いスペルを。
それだけ、彼は非常識を楽に超えてくる巫女に追い詰められていた。
空間が、歪む。
「?」
比喩では無く、彼の周囲の空間が歪んだ。
背後の景色が霞んで捻れ、ひび割れる。
疑問に思いながらも、霊夢は光球を向かわせ、垣根へと叩きこんだ。
そして、爆発が霊夢に向かって起きる。
「っ!?」
本来ならば、爆風も爆炎も全てが相手に叩きつけられる筈。
しかしながら、何故か爆発は全て、霊夢に向かって跳ね返って来た。
二十メートルの距離があった筈の、彼女へと。
「くっ!夢符「二重結界」!」
正面に、スペルカードによる結界を瞬時に展開。
展開と同時に、自分の霊力による衝撃が襲った。
思わず体が後ろに押される。
(反射……!?いや、爆発の法則が変わったって所?)
どちらにせよ、攻撃を防がれるどころか跳ね返されるのならば、攻撃をしなければいい。
そう考えた所で──
ゴシャァッ!!と、何も無いのに霊夢の体が吹き飛んだ。
「──!?」
念動力、もしくは風系の攻撃。
そんなことを考えているうちにも体からミキミキと嫌な悲鳴があがり、ゴミのように空を舞う。
「ぎ、ぐっ!」
十メートル程上空に打ち上げられた所で、漸く霊夢は体を反転させて態勢を元に戻す。
視線を走らせると、空間の歪みはいたる所にあった。
透明な何かはゆっくり宙を回転しながら飛び回り、異界の法則を内側に秘めている。
「……攻撃で消すのは無理ね」
わき腹から走る痛みに顔をしかめつつ、彼女は憎たらしげに空間の歪みを睨みつけた。
歪みから普通の光球型弾幕が撒き散らされ、躱すのも非常に億劫だ。
なので霊夢は、
「──そこ!」
勘のままに、札を放った。
一枚の札は何も無い空間へと"直撃"し、爆発。
轟音が、響いた。
「ぶわっぷ!?なんでだ!?」
爆煙の中、飛び出して来たのは垣根。
今の一撃はそれなりに効いたのか、スペルは解除され、歪みは一つ残らず消える。
彼はどうやら何らかの非常識を使って姿を隠していたらしい。
先程の攻撃はアイツだろう、と霊夢は勝手に決めつけた。
それは、事実だったが。
「テメェ……どうして俺の居場所が……」
彼の煙を払いながらの言葉に、霊夢はたった一文字。
「勘」
「…………」
今まで、このスペルを破ったことのある、誰とも違う返答に、垣根は思わず笑いたくなった。
勘、と言った者は何人か居れど、それ等は全て実戦から導き出した本能の答え。
なのに、彼女の勘は、本当にただの勘だと分かってしまうくらい、本人の言葉に重みが無かった。
「面白ぇ……」
ニヤリ、と。
垣根の表情に、これまでとは違う笑みが浮かぶ。
その笑みの正体は、好奇心。
霊夢がどこまでやれるのか、自分が彼女に対してどれ程戦えるのかという、そんな闘争心に裏打ちされた、感情。
「見せて見やがれ!」
故に彼は笑う。
笑って、放つ。
「「天界からの未元物質」!!」
自分の、最大のスペルを。
「……」
威圧感は、空から。
頭上に展開された羽による雲。
白銀の輝きを放つそれから、羽が降る。
一つ一つに、異界の法則を秘めて。
「……」
霊夢は前へと飛んだ。
居た場所を、死の太陽光が駆け抜ける。
と思ったら、ギシッ、と体に物理的な圧迫感。
重力が倍増しているのか、と思いつつ更に前進。
キュンッ!!
と、極光の残照を引いた羽の槍が、彼女へと降り注ぐ。
霊夢は結界も張らず、ただ光の中を突き抜ける。
更に突然、空間が爆発した。
腹の底まで響く爆音を無視し、彼女は一気にスピードを上げる。
狙いは、ただ一つ。
「ハッ!」
垣根帝督のみ。
彼は三対の、更に巨大になった翼を乱雑に振るった。
振っただけで、低級妖怪ならば死んでもおかしくない烈風が吹き荒れ、霊夢を襲う。
「ふっ」
彼女は一息吐く。
それだけしか、口から何も言わなかった。
烈風をお払い棒で無理矢理叩き伏せ、翼による刃を手を付いて反らす。
翼自体にも、膨大な熱量が備わっているにもかかわらずだ。
恐らく、膨大な霊力でねじ伏せているのだろう。
霊夢は、伸ばされた翼の上を道のように走る。
「ラァッ!」
最後の抵抗と言っていい、蹴り。
垣根は己の非常識と霊力に強化された蹴りを放つ。
突き出された左足の蹴りを、霊夢は踏んづけて、
カウンターの、回し蹴りを叩き込んだ。
「さっさと行っちまえ」
「あら、さっきとはやけに態度が違うのね」
遥か上空。
墜落し、地面に横たわる垣根を見下ろしながら、霊夢は笑う。
その笑みからストレスが解消出来たということが、誰にでも分かる。
なので少しイラッと来ながらも、垣根は岩に背を預けて、
「ハッ、ウダウダ言うつもりはねぇよ。精々、もっとやべぇ怪物共と戦って来い」
「遠慮無くそうさせてもらうわ」
彼の言葉になんら躊躇いを見せず、博麗の巫女は飛んで行く。
呆れた、とばかりに垣根はため息を一つ。
遥か下方の彼の態度など気にせず、霊夢は疑問に思い、一言呟く。
軽く、とても軽く。
「化物って、何処から何処までなのかしら」
少女祈祷中……
設定
~常識の破壊者~
名前・垣根帝督
種族・人間
能力・「非常識を使う程度の能力」
御坂美琴など(※1)とともに暮らす、番人の男(※2)。
性格は軽く、しかし怒った時には冷酷となる。
幻想郷の各地を放浪しているようで、様々な場所で見られている。
ただ当ても無く旅をするのが好きなようで、戦うために旅をしている訳ではない(※3)。
そのため人妖共に交友範囲が広く、特に女性には優しい(※4)。
人里においても、様々な人間と歩いている姿が見られた。
性格上、彼は敵対しなければ特に何もして来ない。
仮に向こうから接触を図って来た場合でも、普通にすれば問題は無い。最低限の常識はある。
ただ、彼は敵に対しては完全なまでに容赦が無いため(※5)、喧嘩を売ったり襲ったりするのは禁物である。
実力も高い上、彼の能力は強さという物を関係しなくするようなこともあるため、なるべく強い者でも戦わないことをお勧めする。
彼の能力は「非常識使う程度の能力」であり、常識を無くすという摩訶不思議な能力である。
背中に展開される翼は彼曰く「非常識というモノの塊」ということで、彼の能力をこの世に浸食させるために必要な物らしい。
能力の説明を言葉で説明するのは難しく、例を上げると、
・太陽の光が岩を溶かす熱線になる。
・重力が逆さまになって、物が浮かぶ。
などという、非常識な現象が起きる。
「異界の法則をこの世に引き摺りだし、操る力」とは、八雲紫の言葉。
ただ、まだこの能力には先があるようだ(※6)。
※1
他に二、三人(?)程居るのが確認されている。
※2
本人は番人を止めたいらしい。
※3
なのだが、交戦的ではある。
※4
女好きなのだろうか?
※5
ごく稀に、情けをかけることもあるらしい。
※6
「概念的な常識を壊す能力になるかもしれない」とのこと。
スペルカード集
異常「白翼無限舞踏」
異常「殺人太陽光」
異法「完全封殺」
異物「ダークマター」
異常「風神白羽桜」
異物「ダークマター・未現出」
非常識「暗黒物質」
異法「虚像壁光」
異人「迷い込んだ異世界」
異常「天人墜落」
「天界からの未元物質」
合計11枚