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No.25789の一覧
[0] 【ネタ完結】魔法少女リリカルなのは ~ちょっとだけ、やさぐれフェイトさん~[熊雑草](2011/02/02 22:59)
[1] 第1話 フェイトさん、やさぐれる[熊雑草](2011/02/02 22:51)
[2] 第2話 やさぐれた理由[熊雑草](2011/02/02 22:52)
[3] 第3話 やさぐれ初日・昼[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[4] 第4話 やさぐれ初日・夜[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[5] 第5話 やさぐれと白い服の少女①[熊雑草](2011/02/02 22:53)
[6] 第6話 やさぐれと白い服の少女②[熊雑草](2011/02/02 22:54)
[7] 第7話 やさぐれと白い服の少女③[熊雑草](2011/02/02 22:54)
[8] 第8話 やさぐれとプレゼント[熊雑草](2011/02/02 22:55)
[9] 第9話 やさぐれとプレシア①[熊雑草](2011/02/02 22:55)
[10] 第10話 やさぐれとプレシア②[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[11] 第11話 やさぐれの休日[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[12] 第12話 プレシアの憂鬱[熊雑草](2011/02/02 22:56)
[13] 第13話 フェイトとなのは[熊雑草](2011/02/02 22:57)
[14] 第14話 やさぐれとフェイト[熊雑草](2011/02/02 22:57)
[15] 第15話 フェイトとプレシアとやさぐれと[熊雑草](2011/02/02 22:58)
[16] 第16話 そろそろ幕引き……[熊雑草](2011/02/02 22:58)
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[25789] 第14話 やさぐれとフェイト
Name: 熊雑草◆890a69a1 ID:96ed7643 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/02/02 22:57
 == 魔法少女リリカルなのは ~ちょっとだけ、やさぐれフェイトさん~ ==



 当てもなく走り続け……。
 自問自答しても答えは出ず……。
 頭の中で色んなことが入り乱れる。
 誰も居ない公園で、フェイトは、ベンチに腰掛けた。


 「どうすればいいんだろう……。」

 『分からないから逃げ出した……。』


 フェイトの耳にやさぐれフェイトの言葉が響いた。



  第14話 やさぐれとフェイト



 確かに声が聞こえた。
 自分の中から自分に響く。


 『修復が途中まで進むとありえないことが起きる……。
  二人とも覚醒しているから話し合える……。
  きっと、優先順位的には対等なんだろうね……。』

 「もう一人の私……。」

 『あたしは、隠しごとが下手みたいだ……。
  記憶に制限を掛けていたのに
  フェイトにほとんど見透かされてた……。』

 「…………。」

 『もう、隠しごとはしない……。
  辛いことも包み隠さず話す……。
  多分、そういう時期に差し掛かってる……。』

 「うん……。」

 『まず、自分のことから知ろう……。
  フェイトの誕生のことから……。』


 やさぐれフェイトは、ゆっくりと語り出した。


 …


 やさぐれフェイトから、フェイトに出生の秘密が語られた。
 フェイトは、少し気落ちしていたが、やさぐれフェイトの予想以上には落ち込んでいなかった。


 『思ったより、落ち込んでない……。
  これは、少し意外だ……。
  あたしの苦労は、一体……。』

 「そのお陰なんだ。
  キーワードに制限が掛かっていたから、
  何かの拍子にキーワードへ当たる度に少しずつ気付かされた。」

 『あたしの策略って、底が浅い……。』

 「常に考えていることが伝わるからね。
  完璧な制限は出来ないよ。
  それに……君の気持ちは伝わってた。
  私を気遣ってくれてた……。」

 『うむ……。
  主人格が馬鹿だったら、自殺することも考えた……。
  だけど、フェイトは、とってもいい子だった……。
  だから、あたしも安心して好き勝手を……。』

 「そこは間違い!
  周りの人が変な目で見てたよ!」

 『大丈夫……。
  別人格であることもカミングアウトした……。』

 「その設定自体が変な人なんだよ?」

 『今後のフェイトの人生に幸あれ……。』

 「今、諦めたよね?」

 『…………。』

 「もう……。」


 フェイトは、少し怒りながら、そっぽを向いた。


 「私、こんなに話せたんだな……。」

 『自分自身だから、遠慮がないんじゃないの……?』

 「そうかもしれない。」

 『満更、悪くもないでしょ……?』

 「うん……。」

 『あたしの暴走って、フェイトの欲求も加味されてたのかもね……。
  フェイトは、少し話さなさ過ぎた……。
  その反面、あたしは、言いたいことを言える……。』

 「そうだね。」

 『あたしの図々しさも悪いことだけじゃないはず……。』

 「どうかな?」

 『そこは、嘘でも頷く場面……。』

 「……違う気がする。」

 『まあ、いい……。
  それは置いとく……。
  次は、アリシアについて……。』

 「母さんの本当の娘……。」

 『うん……。
  どうする……?
  フェイトの立場は、取って代わられるよ……。』

 「私は、母さんの娘じゃなくなるから……。
  それでもいいかな……。
  母さんに優しい笑顔が戻るなら。」

 『もし、アリシアが助かったら、
  フェイトは、どうするの……?』

 「アルフと別世界で静かに暮らすよ。」

 『フェイトがそれでいいなら、
  あたしも従って眠りにつく……。
  でも、諦める前に話すべきだと思う……。
  プレシアが、アリシアを見て母親であることを思い出せば、
  プレシアにも変化がおきるはず……。』

 「そうかもしれない……。」

 『気持ちは分かる……。
  今のフェイトとプレシアは、少し離れているから……。
  そして、そのせいでプレシアに自分の気持ちを伝えられない……。
  もちろん、これも要因の一つでしかなく、
  フェイトが、プレシアの病気に心を痛めているのも知っている……。
  ・
  ・
  でも、一言いい……?』

 「うん。」

 『さっきのなのはの言葉を思い出して欲しい……。
  人は間違える……。
  一人じゃ気付けない時もある……。
  プレシアは……フェイトの母親は、
  間違いを犯そうとしているかもしれない……。』

 「でも……。
  それでも、私は……。」

 『分かっている……。
  最後まで、プレシアの味方でいてあげて……。
  だけど、間違いを間違いだとも言葉にしてあげて欲しい……。
  これは、なのはがフェイトにしてくれた優しさで、
  フェイトがプレシアに出来る優しさ……。
  その上で、プレシアがジュエルシードを求めるなら、
  フェイトは、なのはと戦えばいい……。
  時間はないようだけど、まだある……。
  有効に使えば間に合う……。
  ・
  ・
  フェイトも、次元震を起こす危険性は理解しているよね……?』

 「うん……。」

 『なら、なのはと友達になる日が来た時、
  対等に話をするためにプレシアとも話して置く……。
  やるだけやって、なのはとぶつかろう……。
  少し辛いけど、フェイトの人生を歩むための試練……。』

 「…………。」


 フェイトは、目を閉じる。
 そして、自分の中で気持ちを整理していく。


 「逃げればいいってわけじゃない……。
  でも、諦めればいいってわけじゃ……もっとない。
  これからの自分を始めるために
  今の自分の気持ちをぶつけよう……。」

 『敵は、魔王プレシア……。』

 「違うよ!
  しっかり、お話しするの!」

 『冗談だよ……。』

 「折角、覚悟を決めたのに!」

 『台なしだね……。』

 「自分で言うんだ……。」

 『それがあたしの生きる意味……。』

 「本当に何で、こんな擬似人格が生まれちゃったんだろう……。」

 『フェイト……。
  君だけは、あたしの誕生を祝福してくれると思ってた……。』

 「微妙だよ……。
  今さっきまで感動してたのに……。
  ・
  ・
  思い起こせば、刃牙とか……。
  パチンコとか……。
  猫とか……。
  学校来襲とか……。
  敵の子に迷惑掛けて仲良くなるとか……。
  その友達にも迷惑掛けて……。」

 『あたしの功績が羅列されている……。
  照れる……。』

 「褒めてないよ?
  そして、一番落ち込んでるのが、
  母さんにした仕打ちだからね?
  これから、話しに行くのに顔を合わせづらいよ……。」

 『逆に考える……。
  あれだけのことをしたんだから、
  恐れるものは何もない……。』

 「会ったら、後悔と自責の念が噴出しそうだよ……。」

 『優柔不断な奴め……。
  あたしが付いてる……。
  気をしっかり持つといい……。』

 「……そうだね。
  こんな爆弾を抱えてるんだから、
  気をしっかり持たなくちゃ。」

 『フェイト……。
  言うようになったね……。』

 「皆、君のせいだよ!」


 こうして、フェイトは、再び時の庭園へと向かうことを決めた。


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