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No.27883の一覧
[0] 【ネタ・アンケ】羽ばたけ! 教祖様(ドラクエ6風味異世界もの)[ミケ](2011/05/23 13:01)
[1] 二話 壁は厚くて[ミケ](2011/05/21 05:33)
[2] 三話 商人と獣人の守護者(笑)と言われています[ミケ](2011/05/21 08:21)
[3] 四話 正と負[ミケ](2011/05/21 20:23)
[4] 五話 便利すぎる力[ミケ](2011/05/22 16:54)
[5] 六話 ゆるゆる同盟、結成[ミケ](2011/05/22 19:21)
[6] いつものプロット兼相談(超ネタばれ)[ミケ](2011/05/23 13:01)
[7] 7話  大いなる運命~絶対に知られてはいけない予言~[ミケ](2011/08/02 19:07)
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[27883] 【ネタ・アンケ】羽ばたけ! 教祖様(ドラクエ6風味異世界もの)
Name: ミケ◆8e2b4481 ID:9a8f54f5 次を表示する
Date: 2011/05/23 13:01
「ん……っ」

 私は唐突に、目を覚ました。
 すぐそばでは小川が流れており、水の音が穏やかに聞こえている。
 私は目を擦りながら起き上り、困惑した。

「ここ……どこよ……?」

 私は眠っていたはずだ。なのに、パジャマじゃない。着ていたのは分厚い布地の服だった。そして、腰には棒。
 近くには袋が落ちてあり、私は周囲を確認しながら、その袋をそっと覗いた。
 宝石がいくつか。
 白紙の本が何冊か。数冊は表紙も白紙で、何故か私の名前だけが書いてある。一冊だけ例外があって、それは冒険の書と書かれていた。
 その他に、筆が一つ。
 後は、食器や食料といった、旅の道具? なのかなぁ? それと、神官っぽい服。
 ってわけわからないわよ!

「なんなのよ、一体!」

 私は叫ぶ。すると、頭の中で閃く物があった。

【ルイ レベル1】
力 5
素早さ 5
守備 5
賢さ 10
かっこよさ 10
HP 20
MP 5
職業 ダーマ神官 みならい
*精霊ルビスに選ばれし者なので転職は出来ません。
装備 E 布の服
装備 E ひのきの棒
冒険者モード オン
特技 ルビスの祝福 宿屋への転職の儀式★1 武器屋への転職の儀式★1 防具屋への転職の儀式★1 道具屋への転職の儀式★1 復活アイテムの作成
※商人がレベルアップするには、儀式を受ける事が必要です。
※商人はHPを持ちません。
※復活のアイテムは冒険者モードをオンにしないと作動しません。
※帰れません。ごめんなさい。
※魔物の大攻勢まで、後10年です。
 あ、あはは……これってパラメーターなの? 嘘でしょ? 神官って何よ……。精霊ルビスって、選ばれたって……転職の儀式ってなんなのよ……!
 お家に返してよぉぉぉぉぉ!
 お父さん! おかあさぁん!
 さんざん泣いた私は、お腹がすいて食料を食べた。
 硬いパンはまずかった。
 異質なパンの味に、私は理解する。もう、帰れない。
 そして、私は涙を拭って、荷物を纏めた。
 そうだ、日記を書こう。考えを纏める為に。
 白紙の本にステータスやら何やら書きつける。
 それが終わると、私は出発した。遠くの方に、街が見えていた。
 街を目指して、私は歩く。
 街までの距離は、私が迷うよりは近く、覚悟を決めるにはちょうどいい長さだった。
 門番が、声を掛けてくる。

「ようこそ、迷宮都市ディスレンジに。お前さんも、十年後の大攻勢のお告げを聞いて来たのか?」

「はい。……えっ? 他にもお告げを聞いた人がいるんですか? 私と同じ境遇の人が?あ、会いたい! 会いたいです! どこに行けば会えますか!」

 私が勢い込んで聞くと、門番は驚いた様子を見せた。

「ああ、貴方様は直接お告げを聞かれたのですね」

「え?」

「信仰する神は?」

「精霊ルビス……様、です」

 様をつけるかは迷った。多分、ルビスは私を浚った人だから。

「精霊……神ではないのですか。しかし、選ばれし者には違いありません。この紙を持って、中央の役所に向かって下さい。そこで神の祝福の確認が済めば、支度金と様々な恩恵が受けられますよ」

「ありがとうございます」

 精度がしっかりしてるって事は、神様はたくさんいるのか。
 広い道を真っ直ぐ行った所に、確かに大きな建物があった。
 私はそこに入り、紙を渡す。
 受付のお姉さんが、にっこりと笑って水晶を差し出した。

「まず、この水晶に手を翳して下さい」

 言われた通りにすると、水晶が発光し、紋章が浮かび上がった。
 紋章がひとりでに数枚の紙に印刷され、受付のお姉さんが質問を浴びせかけてくる。

「まず、貴方を守護する神のお名前は?」

「精霊ルビス様です」

「精霊ですか……。しかも、聞いた事が無いですね。ルビス様の加護は?」

「えっと……。ルビスの祝福と、防具屋、武器屋、道具屋、宿屋への転職の儀式です」

 受付のお姉さんは顔を顰める。

「……ルビスの祝福とは?」

「冒険者にする事だと思います」

「信者は? 教団の規模は」

「私一人です」

「危機に瀕しての新規参入の神のようですね。力が無いと言っているわけではないですが、私どもからの援助は、最小限からスタートとなります。力が示せれば、援助は拡大して行きますのでご安心ください。これが支度金になります。これで神殿区画に教会を用意して下さい。これはお告げを受けた者の義務となっています。その他の支度金の使い道は自由です。あちらの窓口に行って下さい。支度金からいって、貴方の場合は一から作るよりも、予め用意してある小さな神殿群を利用するといいでしょう。あちらの窓口で、初期の行動に限定すれば大抵の事は相談に乗ってくれるはずです。では、貴方に神の……いえ、精霊の祝福がありますように」

 溢れだす情報量に、目を回す。
 とにかく、私は紋章の印刷された紙を持って指示された窓口に行った。
 そこで大きな建物群に連れていかれ、急かされて一つの建物を選ぶ。
 玄関に入ってすぐの広いスペースと、奥の小さな生活空間。
 受付の人はテキパキと指示して、色々な事を決めていく。
 最後に、女の子を一人連れて来て言った。

「貴方は教祖様ですので、迷宮に自由に出入りできます。しかし、教祖様御自ら迷宮に入る事はお勧めしません。何か迷宮に御用があれば、冒険者ギルドに頼めばよいでしょう。また、これはお付きの者のアトです。アトは身の回りのお世話をしますが、迷宮には入れません。では、私はこれで行きます。一週間ほどで全ての準備が整うと思います。では、精霊の祝福を」

「あ、アト、ちゃん。よろしく」

「はい、ルイ様。よろしくお願いします」

 えーと、なんだろね、教祖様って。訳がわからない。生活の基盤がいきなり整ったのはいい事だと思うけど。とにかく、祝福を受けてくれる人を探さないと。迷宮に入るのは良くないって言ってたけど、レベル上げの為にはどうしようもないよね。
 とりあえず、この二つかな……。
 ええい。この際、教祖様に私はなる!
 面白いじゃない。国教にまでのし上がってやるわ!


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