本編9話のその後の話です
**************************************
おかえりなさいなのー!!!おねえちゃん!!
・・・うふふー、ただいまっていわれるのって不思議な気分なのー。
ううん大丈夫!さみしくなかったよ。ありがとうおねえちゃん。
ほえ?おみやげ?・・って私に?あ、ありがとうなのー!おねえちゃんはやっぱりやさしいの、おみやげなんて全く想像してなかったの!!
・・ほえっ?終末のダンジョン饅頭?おねえちゃんのふるさとの名物?
・・・あ、あはは・・、なんというか・・、人間ってなんでも名物にしちゃうの・・、ほえっ?中が空洞になっているからダンジョン饅頭?
・・あ・・、あのう・・、それはあんこの入ってない饅頭ということでしょうか?・・それはすでに饅頭ではないとおもうの・・。
あ、ちがうの!べつにおねえちゃんのお土産が不満なわけじゃないのー。ありがとうなの!うれしいの!
あ、・・・でもね、わたしダンジョンだからおねえちゃんに食べてほしいの。
・・ほえっ?おねえちゃんなにしてるの?ふえっ?食べる前に私にお供え?・・・あはは・・、ありがとうなのおねえちゃん。
あ、そうだ、お水のむ?お父さん所の命の泉ほどはおいしくないけど・・・、・・うん!はいどうぞ。
・・おいしい?おねえちゃん?・・ほえっ?水はおいしいけどまんじゅうがなんか物足りない味?・・あはは・・・そりゃそうかも・・。
そういえば、お父さんにもお土産でおまんじゅう買っていってたよね、おねえちゃん。
・・ふえ?クリームが入ってておいしかった?都会の洗練された味だった?・・あはは、よかったね、おねえちゃん。
・・あ、あのね、まんじゅうもいいとおもうんだけど・・、お父さんダンジョンだから食べられないから、次はなにか形に残るものをあげるといいとおもうの。
・・ど、どうしたの?そんな驚いた顔して?・・ふえ?その発想は新しすぎる?次からは何か形に残るものにする?・・よかったー、お父さんもきっとよろこぶとおもうの。
・・ほえっ?お父さんからよろしく?・・正確には「元気にやってやがんのか?このクソへたれようじょん」?
うふふー、なにそれー。おねえちゃんもお父さんのものまね上手なのー。ふふふー、でもうれしいなー。おとうさーん、わたしはとっても元気なのー。
それでそれで、おねえちゃんの里帰りはどうだったのー?
ふえっ?毎日お父さんところにいってたの?涼しいから?
・・・さすがなの・・、おねえちゃん・・。ラストダンジョンに涼みにいく人間はおねえちゃんがたぶん初めてだと思うの・・
・・ほえっ?暑いならこれでも着てろって水でできた服をもらった?でもスケスケで恥ずかしいから着る事ができない?
・・・・あのう・・・、おねえちゃん、その服ってひょっとしなくても・・、「ウィンディーネの衣」って名前じゃないのかな?
・・って、やっぱり!?おとうさん!夏だからって気安く水の大精霊の至宝あげちゃだめだよ!!団扇じゃないんだからー!!
・・あ、違うの・・・、べつにおねえちゃんがおみやげもらったのが嫌なわけじゃないの!その・・、簡単にそれをあげるお父さんに驚いちゃっただけなの。
あのねあのね、そのウィンディーネの衣って水の大精霊のウィンディーネさんが一生懸命作った作品なの。ウィンディーネさんが毎朝一滴づつ涙を集めて何百年もかけて作った最強装備の一つなの、もちろん聖骸布ほど凄くはないんだけど・・・。でもでも、ちゃんと使ってあげて欲しいの・・。
・・・ふえ?じゃあパジャマにする?・・あは・・、あはは・・・、確かにおねえちゃんには聖骸布があるもんね・・・、ウィンディーネの衣をパジャマにするのって、たぶん人類ではおねえちゃんが初めてなの・・・。
・・ふえ?私のところにはウィンディーネの衣はないのかって?・・ってむりむりむり、むりなのー!わたしの所じゃがんばってもBランクアイテムがせきの山なの!Sランク装備なんて夢のまた夢なのー!
・・ふえ?うちにはどんな装備があるのかって?
うーんとね、おねえちゃんが装備できるものだったら、一番いいので魔性蜘蛛の羽織とかかなあ・・・、ダンジョンにすむ斑蜘蛛の糸で織った服なんだけど・・・、
ほえ?見てみたい?・・でもでも、うちのアイテムなんてお父さんのところと比べたら見劣りしちゃうよお・・・、・・・馬鹿にしない?・・ホントに?・・ホントのホントに?・・・・
・・うん・・じゃあ、ちょっとまっててね、おねえちゃん。
えっとー、たしかあそこに・・。あ、28階層を探索しているグループさんごめんなさいなの、今からアイテムへっちゃうの。でもすぐにもとの場所に戻すから待ってて欲しいのー
うんしょっと、
はい、これが「魔性蜘蛛の羽織」なの、・・その・・、見た目も普通っぽいし、防御力もあんまりないし・・・、特殊効果も麻痺防ぐだけだし・・、こんなでも実はうちのレアアイテムなんだけど・・・・。
・・ほえ?かわいい?ホント?ホントにホント?・・・かわいいの?ありがとうなの!すっごく嬉しいの!!
あのねあのね、わたしね、あんまり凄いアイテム作ることはできないから、せめて見た目だけでもいいもの作れるようにがんばってるの!・・そう!そうなの!デパートの宝石売り場よりも、近所のちょっとおしゃれな小物屋さんみたいな。
うふふー、うれしいー。おねえちゃんにかわいいって言われちゃった。わたしダンジョンだからお買い物いけなくて、最近の流行とかわからなくって不安だったんだー。
・・ほえ?いまのままでも十分かわいいけど、襟のところ丸くするともっとかわいくなる?
・・うーん、たしかにそのほうがかわいいかも、ちょっとまってね、変えてみるね。あ、おねえちゃん今魔方陣呼び出すからそのなかに羽織おいてみて、そう、それでいいよ。じゃあ、ちょっとアレンジしてみるね。
るーるーるーるーるー
・・・どう?おねえちゃん?・・ほんと?もっとかわいくなった?わたしもそう思うのー!ありがとうなの、おねえちゃんのおかげなの!
・・ほえ?ほかにはなにがあるのかって?あるよー、ちょっとまっててね・・、うんしょっと。
・・はいこれ、風切りの杖。・・ほえ?色は水色と黄緑にしたらどうか?うーん、たしかにそのほうがかわいいよね。ちょっとまってね、
るーるーるーるーるー
はいできあがり!うん、パステルカラーでとってもかわいいの!すごいのおねえちゃん、センスあるの!
・・ほえ?羽織もおそろいで水色と黄緑のストライプにしたらどうか?さすがなの!こーでぃねーとまで気をくばれるなんて完璧なの、おねえちゃん!
・・ほえ?さらにフリルを一杯つけてみたらどうか?
・・そ・・、それは流石にちょっとやりすぎじゃ・・・。ふえ?そんなことない?今はそのくらいが流行?
ほやー、しらなかったよー。人間の流行ってすぐ変わるもんね。ありがとうおねえちゃん。ふふふっ、冒険者のみんなよろこんでくれるかなー。
・・ふえっ?杖にもお星様つけてみたらどうか?すごいのおねえちゃん!わたし一人じゃそんなあいでぃあ絶対出てこないの!とっても感謝なの!後でやってみるの!!
・・あ、あとね、これもみてほしいの!ちょっとまってね。・・よいしょっと・・。
はい、これ、私のところの最強装備のミスリル装備なの、30階層まで到達できた人のためのお祝い装備なの、これも一年に一度しか作らないうちのレアアイテムなの。
ほえ?背中に小さな羽をつけたらどうか?さすがおねえちゃんなの!その発想はなかったの!!天使みたいでかっこいいのー。
・・ほえ?剣の鍔も羽の形に?なるほどなのー、天使の剣なの。・・なんと!靴にも羽?すごいのすごいのもうこれミスリル装備じゃなくて、エンジェルちゃん装備なの!・・うん、じゃあ、兜に天使のわっかもつけてみるの!
・・ふえ?色は淡いピンクがいい?・・あ、あのう・・男物なのでピンクの色はさすがにどうかと・・・
・・ほえ?そんなことはない?おねえちゃん一度ピンクの鎧に髭を蓄えた筋骨隆々なおじさんをみたことがある?
なるほどなのー、時代は日々進歩しているのー。なんだかピンクの鎧もとってもカッコいい気がしてきたの!・・うん、やってみるね!
あとはねあとはね、この黒装束っていう服なんだけどね・・・
****************************************
その後も幼女は学園ダンジョンのレアアイテムを一通りコーディネート、及び改名します。
姿かたちは変わっても、性能だけはほぼもとのままなのでそれなりにいい装備。
使いたいけど使いたくない、捨てたいけどもったいないと、タチが悪い。
幼女もようじょんもでてこないオチは感想版で、レスの【148】です。
【魔性蜘蛛の羽織→魔女っ子はおりん(改名)】
アイテムランクB
防御力+35 精神力+40
蜘蛛の糸で織られているので、軽くて丈夫な上にそこそこの魔法耐性もあり。麻痺を防ぐ。
フリフリでかわいい。
【ミスリルアーマー→エンジェルアーマー(改名)】
アイテムランクB+
防御力+65 精神力+30
フルプレートアーマーなのに、鉄の半分ぐらいの重量。でも丈夫。
淡い透き通ったピンク色で、いたるところに天使の羽がついている。
【黒装束→黒にゃんこ(改名)】
アイテムランクB+
防御力+40 精神力+15 素早さ+30
レンジャー専用、見た目は黒猫の着ぐるみ、着ぐるみの癖になぜか素早さが大きく上がる。
スキル猫パンチを放てるようになる。