・・・・・・・
・・・・・ハァー
・・・・・てめえよお・・。なんなんだこのヤロウ。来ていきなり寒い寒いってよ。もう2月だ、寒いに決まってんじゃねえかよ。
ああん?家の中よりもさむいだと?
馬鹿かてめえ、こちとら、ラストダンジョンだぞ、なんで暖房つけてなきゃいけねえんだよ。
寒いっつうなら、とっとと帰りやがれ!つーか、もう来んなっていつも言ってんだろが、このクソ幼女!!
・・ああん?もう幼女じゃねえ?身長も130センチになった?
だから言ってんじゃねえか、140センチになるまでてめえは一生幼女だ。
・・なんだと?同い年のアンナはもう145センチだと?知らねえよ!てめえのダチのことなんざ!
つーかてめえ、よそ様の尻馬に乗っかろうなんざあさましいんだよ!てめえで140センチ超えてから言いやがれ!
・・あぁん?そんなことはもういいから、なんか暖かいものはねえかだと?
・・おいコラ、ここは喫茶店じゃねえんだぞ!そんなに、さみいのなら、溶岩頭からぶっかけんぞ、このクソジャリが!!
・・なに?溶岩なんてあんのか?だと。
・・ったりめえだろ!こちとらラストダンジョンだぞ、溶岩フロア程度は標準装備だこのやろう!
うちの溶岩フロアは、めっちゃ熱いぞ、耐熱魔法がなきゃ、あっという間に黒こげだぞ。
まあ、よっぽどの使い手じゃなきゃ、あの冗談みてえな熱気は防げねえがな・・。
おまけによ、その上の階は全部極寒フロアだかんな?いい加減寒いの終わったと思ったら、灼熱の地獄よ。なめんじゃねえぞラストダンジョン!!
・・・ああん?そこって、ここより寒いのかって?
当然だこのやろう!おめ、この世にオレの極寒フロアより寒いとこっつったら、世界の七不思議の一つ、凍れる山の墓標ぐれえだぞ。
・・ああん?知らねえ?・・かーっ、やっぱおめえ救いようのねえバカだな。
砂漠のど真ん中にある山でよ。熱を完全に遮断しているせいで、いつだって絶対零度のトコなんだよ。うっかり入ったら、即凍死っちゅうえげつない場所だ。
・・てめえぼーっとしてんかんな、あそこにゃ絶対近寄るんじゃねえぞ!
・・・・ケッ!・・バカやろう。別にてめえのこと心配して言ってる訳じゃねえんだよ!嬉しそうにしてんじゃねえよ、クソガキが!!
・・・・まあいい、話がそれた。・・ま、そんくらい、おれんとこの溶岩フロアと極寒フロアは厳しいっつーことだ。わかったか?
・・おうよ、・・まあな!・・なんだ、わかんじゃねえかこのやろう!
・・ああん?溶岩あるなら温泉はあるのかだと?
・・っけ、バカにすんなよ!あるに決まってんじゃねえか、こちとらラストダンジョンだぞ。
「あのダンジョンにあるものでこの世界に無いものはたくさんあるが、この世界にあるものであのダンジョンに無いものは一つもない」とか学者共に言われてんだぞ。
・・あんだよ、なに目ぇキラキラさせてんだよ、・・なに?入ってみてえ?温泉にはいったことが一度もねえ?
・・って・・てめえ、銭湯じゃねえんだぞここは!ラストダンジョンだっつってんだろ、このクソ幼女!
てめえみてえなガキにゃあ温泉なんぞ10年はええよ。
・・・なんだとコラ!自分だけ温泉に入ってるなんてずりい?バカやろう、おれが入れるわけねえじゃねえか!どうやって自分のからだの一部に、自分で入れるっつうんだよ。おめえだって、自分の耳の穴に入れるわけねえだろ?あん?
・・・・・・・・なんだとコラ?それはわかったから早く出してだ?
・・・このクソジャリが!てめえコラ、人に物を頼むときゃあ態度ってもんがあんだろがよ、わかるかオラ?誠意っちゅうもんを見せてみやがれ!
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・はぁ??・・なにやってんだおめえ???
・・なんだって、色仕掛けだって?・・ってバカかてめえは、何でガキに欲情しなきゃいけねえんだよ!!!
つーか誰に教えてもらったんだ、誰に!このクソ幼女が!!
・・ああん?アンナちゃん?だから知らねえっつってんだろうがバカやろう!
おめえ、人に物頼む態度っつったら、土下座だろうが、土下座!!わかってんのかこのやろう!!
・・・・・・。
・・・って、てめえ!!なに、「そういう趣味の人だったんだ」って目でこっち見てんだよ!引いてんじゃねえよ。むしろなんか言えよバカやろう!!
・・・・・・っち、あー、もう!・・・わかったよ!出してやるよ温泉。
・・いっとくけどなあ、うちの温泉はそこんじょそこらの温泉じゃねえんだぞ!入ったら肌年齢が20歳は若返るといわれてる、伝説の美人の湯だぞ!
地下31階の極寒フロアの中、ようやく探し出すことができた一流の冒険者しかはいれねえ温泉だ、本当だったら、てめえみてえなクソガキが絶対に入れるようなトコじゃねえんだぞ!
湯の花一瓶で家が建つぐれえ貴重なんだぞ!わかってんのかコラァ!
・・・っけっ!とたんにニコニコしやがって・・、相変わらず現金なガキだぜ。おれはてめえのその笑顔が一番気にくわねえんだよ!・・ったく。
・・・っち、まってろよ。あれはそれなりに深い所にあるからな・・、
おっこらしょっと・・・
・・・・・・
・・・ふうっ・・・、おら、これでどうだ、正真正銘の温泉だぞ。解ったらとっとと入ってとっとと帰れ!
・・・ん?なにモジモジしてんだ?ションベンか?
・・・・あに?「バカッ」だとコラァ!
おめえ、だれに向かって馬鹿っつってんだこのやろう!こちとらラストダンジョンだぞこ!!
・・・つーか、なんで入らねえんだよ?
・・あぁん?なんだって?「覗かないよね?」だと?
・・って、てめ、ぶっ殺すぞこのやろう。ガキの癖に色気づいてんじゃねえよ!!
なんで、ラストダンジョンが幼女の入浴を覗かなきゃなんねえんだよ!!いいから、とっとと入って、とっとと帰りやがれ!
・・・・・・。
・・・・・・。
・・オラ、準備できたならとっとと入れ!
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・。
・・・・・・バッカてめえ、中途半端にあったまると風邪引くぞ、ちゃんと100まで数えろってんだ。
【その次の日】
・・って、てめ、なにシャンプーと石鹸もってきてんだよ!
ガキのくせして温泉の味しめてんじゃねえよ!銭湯じゃねえっつってんだろが、このクソ幼女!!
しかもなんだそのシャンプー。でけえよ。どんだけ入りに来る気だよ。
「ここおいとくね」じゃねえよ。マイボトルキープしてんじゃねえよ。
「リンス忘れた」じゃねえよ、あるわけねえだろそんなモン!!
「明日は忘れないようにしなきゃ」じゃねえよ!もう来るなっつってんだろうが、バカやろう!!
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ようじょのおはだのつやが70あがった