・・・・・・。
・・・・・また、おめえかよ、
・・・って、おめえ、ずぶ濡れじゃねえか!傘ぐらいさしとけバカヤロウ!
・・・ったく、ラストダンジョンに雨宿りにくるたあ、てめえぐらい・・・
・・んっ?おめえなにもってんだよ。
・・・・・・。
・・・つーかおめえ、泣いてんのか?
・・・・・・・。
ああん?飼っていた犬が死んだ?
・・・けっ、しるかしるか、庭にでも埋めて来いってんだ!こちとらラストダンジョンだっつうの、葬儀屋じゃねえんだよ!
おら、とっとと帰って庭に埋めてやれってんだ、てめえもそんなナリじゃ風邪引いちまうぞ!バカでも風邪は引くんだからよ!
・・・・・・。
・・・・あぁん?今なんつったおめえ?
・・・・・・。
・・って、バカかてめえは!?生き返らせねえかって、無理に決まってんだろが!
オレはラストダンジョンであって、神様じゃねえんだよ!!オレにだってできねえコトはあらあな、オラ、とっとと帰れ!!
・・・・・。
・・・ああん?世界樹がこの中にあるって聞いた?・・・って、てめえ!!!誰に聞きやがったよ、ンナこと!?
・・・・・・。
・・・けっ、誰に聞いたのか知らねえがよ・・・。確かにうちには世界樹はあらあ。
・・世界の七不思議の一つ、この世界の最も深い場所に根付く、最も古い生命っていわれててな。確かにその葉には、死んだものを生き返らせる効果があるけどよ・・。
・・でもな、その犬じゃ無理だ。命数が尽きちまってる。怪我で死んだんなら世界樹の葉で生き返らせることもできるけどよ・・・。
てめえら生き物はな、いつか死ぬんだよ・・・。
命数が尽きるまで生きられたって事は幸せな事なんだよ。納得しやがれこのバカやろう・・・
・・・あんだと!?お願いだから世界樹の葉をくれって?試してみたいって?
・・って、てめえ、化粧品のお試しセットじゃねえんだぞ!
世界樹は20年に一度しか葉を落とさねえんだぞ、超貴重なんだよ!無理とわかってんのに試すような気安いモンじゃねえんだよ!わかってんのかこのやろう!!
おら、わかったらとっとと帰って家で体拭いとけ!風邪引くぞバカヤロウが!
・・・って、だから泣くんじゃねえよてめえは!無理だっつってんだろうが!!
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・あー。うるせー・・・、
つーかよー、おめえ、泣いたらいつもおれがなんとかしてくれるとかおもってんじゃねえだろな、あぁん?
・・・・・・・・。
こちとらラストダンジョンだぞ、ガキのお守りじゃねえんだよ!!
・・・・・・・・・。
いい加減なきやめっつってんだろが!!泣き止まねえならモンスターハウスに放り込むぞ!!!
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
・・・・・・・・
あー!!!もう、わかった、わかったから泣き止めって、わんわん反響して五月蝿えったらありゃしねえんだよ!!
・・・ったく、特別大サービスだぞ、いいか、こういうのこれが最後だかんな!ホントのホントに最後だかんな!!
・・って、てめ、壁にすがりつくんじゃね、鼻水つけんじゃねえよ。きたねえだろうが。ありがとうじゃねえよ!!
・・・・・・・。
・・・ったく、このクソジャリが・・、
・・オイ、最初に言っとくけどな、期待はすんなよ!忠告はしたかんな、生き返んなくても泣くんじゃねえぞ。
ちょっとまってな、今繋げるかんな。
・・・ったく、あれをここまで持ってくんのは、大変どころの話じゃねえっての、わかってんのか?わかるわけねえだろうな、このクソ幼女は・・・。
・・っち、気合入れていくか、いっせいのーで・・・、オラアァァァァア!!!!!
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・・・・・・・・・・・・。
・・・ふう、・・ふう・・。どうよ、コラ?声も出ねえだろ?
これがうちの自慢の世界樹だよ。
ホントなら地下99階だぞ、いままでここに到達した人間なんて片手で数えるほどしかいねえんだからな。
おら、ぼーっとしてんじゃねえよ!世界中の根元まで行って頼んでみろ、葉をくださいってな。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・。
・・・・おうよ、それが世界樹の葉よ。・・あん?綺麗だって?
ったりまえだ。うちの自慢の世界樹だぞ、バカやろう。それ一枚で城が10個は買えらあ!!
おら!それをな、すりつぶしてその犬の口に放り込んでみろ。ああ、そうだ。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・。
・・・・けっ、バカやろう・・、だからいっただろうが、寿命だってよ・・・。
・・・・・・・・。
おめえら生き物はよ、産まれて、産んで、死んで、そしてまた産まれての繰り返しなんだよ・・・。
てめえもな・・、いつか誰かを産んで、それで死んでくんだ・・・・・・。 わかったか、ばかやろうが・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・ああん?おれか?おれはおめえらより、ずーーーーーーっと、寿命は長いんだよ。
オレの死ぬときはこの星がなくなる時だろうさ。だてに、何億年もダンジョンやってねえんだよ、バカやろう。
・・・ああん?寂しいかだと、・・って、てめえ、だれにむかって口聞いてんだよ!・・・このクソ幼女!
・・・・ッチ・・、ガキの癖して生意気なんだよ、んったく・・、
・・おら、その犬を世界樹のふもとに埋めてやれ。
世界樹はな、この世の生死を司る生き物なんだよ。そのふもとで埋められるなんざ、おめ、そんな贅沢な埋葬ありえねえぞ?
・・いいから、とっととうめやがれ!
・・・・・・
・・・・・・。
・・・よし、そうだ。
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・。
・・・おら、そろそろ帰るぞ、くそガキ。
・・・・・・・。
・・・ああん?犬埋めたとこから芽がでてきただ?
・・・って、てめ、世界樹!おめえなにえこひいきしてんだよ、仮にも世界樹だろうがてめえは!!!
・・ったく、世界の七不思議がガキにホイホイ施しあたえてんじゃねえよ!!
・・・ちっ! おい、くそ幼女!その芽を土ごと掬ってそうっともってかえんな。
それでそれを庭に植えろ。世界樹の眷属の芽だぞ、大事に育てな。一万年はいきるからよ。
その側に住むものをあらゆる病気から守るって言われててな、世界中の葉と同じぐれえ貴重なんだぞ!わかってんのかクソガキが!!
あとはまあ、さすがに死人を生き返らせるような効果はねえが、そいつの葉っぱは強力な薬草にもなるからな。植えといて損はねえさ。
・・・ったく、てめえにはつくづくもったいねえシロモンだよ!物好きな世界樹に感謝しろよバカヤロウ!!
・・・ああん?
・・・おうよ、あの犬の生まれ変わりだよ、バカやろう。
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・。
だから泣くなつっただろうが、バカやろう・・・。
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このダンジョンは100階が最下層、100階は宝箱部屋なので、実質99階が最下層です。
次回からそれなりに新展開です。