・・・・・・・・
・・おい、てめえ、なに来るなり岩肌にひっついてんだよ。
・・・ああん?ひんやりして気持ちいい?
バカやろう!てめえがよくても、こっちゃあ生暖かくなっちまうんだよ、このクソガキが!
・・・・・・・
・・・・・・・。
・・・ああん?、おう・・・、久しぶりだな。・・ちょうど一年ぶりかコラ?
・・・あぁん、正確には11ヶ月と1週間ぶりだと?知らねえよ、んなことは!!
つーかおめえ、・・学校はどうしたよ?
・・あぁん?夏休みで帰ってきた?
・・ったく、ガキは気楽でいいぜ、ダンジョンにゃあ休みなんてねえんだからよ!
365日24時間営業だナメんなコラ!!
・・あぁん?大変かだと?・・・っけ、別に屁でもねえよ、いつからダンジョンやってると思ってんだ。ガキがへんな気ぃ使ってんじゃねえよ!
・・・・・・・
・・あぁん?長い間連絡できなくてごめんねだと?
知らねえよんなことは!別にこっちは連絡しろなんて一言も言ってねえだろうがよ!
・・・あんだと?手紙出したけど戻ってきた?・・・ちゃんと終末のダンジョン宛って書いたのにだと・・?
バカかてめえは!!!いったいどこの郵便屋がラストダンジョンに手紙届けられるっつーんだよ!いたずらだと思われるに決まってんじゃねえか!!
・・・・ったく、てめえは・・・、一年たっても頭のネジは緩みっぱなしかよ。
ホント、いつまでたっても成長しねえな、このクソ幼女は。
・・・あぁん?もう幼女じゃねえ?もうすぐ13になるだと?
だから、何度このセリフを言わせる気だよ?140センチになるまで、てめえは一生幼女だ。
幼女じゃねえっつうなら、今の身長いくつだよ?オラ、大きなこえで言ってみな!!
・・・・・
・・・・・・。
・・・あぁんきこえねーよ!いくつだって?
・・・・・
・・138センチって、おめえ、もうすぐ13だろうが・・、なんというか、可哀想で涙出てくんぜ。
・・あぁん?アンナちゃんは168センチあるから、わたしもまだまだ伸びるはずだと?おめえ、きっちり30センチ差つけられてんじゃねえか。
つーかおめえら、今一緒に暮らしてんだろ?一緒のモン食っててなんでそこまで差がついちまうんだよ?
・・おめえ、朝礼で前習えしてるとき、一人だけ腰に両手あててるクチじゃねえか?・・・・・・なんだ図星か。なんつーか・・、哀れで物も言えねえぜ。
・・おう、そういえばよ。おめえ、学園生活はどうよ?
・・・いろいろと新鮮で楽しいだと?いいことじゃねえか、ちゃんと学校の授業には付いていけてんのか?
・・・・おう、そうか。やるじゃねえか。・・・あぁん、ダンジョン実習も一番にクリアしちまったって?
・・あったりめえだバカヤロウ!うちの最強装備渡してんだぞ!!学園ダンジョン程度が太刀打ちできるかっつーの。
・・・・・・ああ?学園ダンジョンからよろしくだと?・・・って、あいつ、てめえの前でしゃべっちまったのか!?
・・・アホかあいつは!!ダンジョンが人間に話しかけちゃだめだろうが!!なめられちまうぞ!!!!
・・あんだと?オレはいいのかって?バカやろう!!おれだっていつもは無口なクールガイよ!
つーか、てめえがどうしようもねえぐらい、グズで、のろまで、身の程知らずだったからわざわざ話かけてやったんだろが!!おれが話しかけた人間はてめえぐれえだっつうの!!!
・・ぁあ!?わたしだけ特別なのかだと!?・・って、てめえ!図に乗ってんじゃねえよ!!
てめえが人間のなかで特別にバカで、無能で、救いようがねえから話しかけてやってんだろうが!!喜んでんじゃねえよバカやろう!!!
・・つーかてめえ、とっとと離れろつってんだろうが!!うっとうしいんだよコラァ!!!
・・あぁん?冷たくてきもちいいから離れたくないだと!?
・・てめえ・・。こっちゃあエアコンじゃねえんだよ、バカやろう!
てめえの都合なんざ知るかよ!離れろっつってんだろうが、クソガキが!!
・・・・・・・・
・・・・・・・・。
・・・だから、樹液すすってるカブトムシみてえにいつまでもしがみついてんじゃねえよ!聞いてんのか?ばかやろう!!
・・・・・・あんだとコラァ?今日は絶対に離れねえだと?
・・てめえ、上等じゃねえか!おーし、今から10数えるうちに離れなきゃ、ここの壁、溶岩フロアの壁ととっかえてやんかんな!おら、いくぞ!
十、九、八、七、六、五・、四・・、三・・・、二・・・・一・・・・・ゼロ
だから離れろっつってんだろうが、てめえは!
・・あぁん?溶岩フロアの壁はどうしたかだと?アホかてめえは?んなもん持ってきたらやけどじゃすまねえんだぞ!バカヤロウ!!
・・・・ったく、てめえは・・・、ちょっと待ってろよ、このやろう。
・・・・・・。
おらよ、これでも着ろ!
あん?これはなんだって?
こいつはな、「ウィンデーネの衣」っつってな、水の大精霊がその涙を集めて作った服でよ。ホントならうちの60階の古(いにしえ)の水竜たおさねえと手に入れらんねえ結構なレア防具なんだぞ!ドラゴンの炎でも防いじまうんだぜ、こいつは!
・・まあ、てめえにゃあ聖骸布あるから必要ねえかもしんねえけどよ。水でできてる分涼しくて気持ちいいぜ、コイツは。
。
おら、コイツを着てとっとと離れやがれ!!
・・・・・・。
・・・ああん?スケベだと?。・・って、ってめえコラァ!!!なにがスケベだ!意味わかんねえよ!!!!!
・・ああ?この服スケスケじゃねえかって?
・・って!ってめえ!!こいつは服の上から着るもんなんだよ!なんでおれが幼女のストリップなんぞで喜ばなきゃなんねえんだよ!!
・・なに?もう幼女じゃねえだと?だからそんなことは、身長140センチになって言えっつってんだろうが!あと2センチ身長伸ばしてきてからいいやがれ!!
・・・おらよ、とっととこれでも着やがれってんだ。んで、いい加減。岩肌から離れろや、ぬるいんだよ!こっちは、
・・・ああん?こっちの方がいい?
人の話聞いてんのかてめえ!!てめえがよくてもこっちは嫌だつってんだろうが、ばかやろう!
あのよお、レアアイテムだぞ!レアアイテム!!シルクよりも滑らかな肌触りの上に、コイツさえきてれば、溶岩フロアのなかで汗一つかかずにラーメン食えちまうような優れモンだぞ!!
・・おら、聞いてんのか?このやろう!!
・・・・・あんだとコラァ!!きもちよくて眠くなってきたーじゃねえよ!
・・・・・ああん?学園都市から移動に3日かかったせいで疲れてる?
バカかてめえは!長旅で疲れてんなら家で休んでろってんだ!!
・・・・・・。
おい!寝るんじゃねえよ!くそ幼女!!
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・。
・・・けっ、まったく・・・、日が暮れて涼しくなったらとっとと帰れよ、バカやろう。
*************************************
少女の旅立ちから1年経過。
幼女の学園生活を期待していた方がいた場合はごめんなさい。
この話は全てラストダンジョンの1人称で進むので、幼女(少女)の学園生活は描写されません。
要望が多ければ、本編完結後に番外編とか書きますが、みなさん見たいものなのでしょうか?
本編完結まで、あと4話です。最後までお付き合いただければ嬉しいです。
【ウィンディーネの衣】
アイテムランク SS
防御力+75 精神力+120
火属性・水属性の魔法とブレスを無効化。
主に、幼女の夏場の寝巻きとして使われることとなる。