SIDE:田村紡
二度目の小学生の授業ははっきり言って退屈である。
担任は若い女性で恐らく教師になって間もない。恐らく20代後半に入ったばかりか、少なくとも30代には見えない若さだ。
教育システムはリリカルなのはの世界も元いた世界と変わらずであった。
中学生までは義務教育であり、俺の場合テストの時だけ主席して点数を稼ぐだけでもよかったのだが、世間体というものがあり、少なくとも今の家族に迷惑をかけないつもりで学校に行っていた。
しかし、というか、意外にも授業以外の時間の小学生たちとの交流はなかなか興味深いものがあった。
元いた世界で彼女もいなければもちろん子供ももいなかった。
年齢=彼女いない歴=童貞であったが、それなりに親しい女性はいた。
いや、まあ、風俗にお世話になったことがあるのでニア童貞?
どうでもいい話だ。
ところで、俺はロリコンではない。
守備範囲として年齢16~30と広かった。
さすがに年齢が二桁にもなっていない女の子に性的な興味はない。
それでもパンチラや胸チラに眼が言ってしまうのは男の性というものだろう。
さて、前置きが長くなりすぎたが何が言いたいかというと、小学生3年の女の子は守備力が低かった。
校内での階段でパンチラ、校庭で遊んでいてパンチラ、教室の椅子に大股で座っていてパンチラ。
俺がパンチラ見たいわけじゃない。お前らがパンチラ見せてんだ。
こと、高町なのはにいたっては羞恥心がないのかと疑うほどである。
今日は休日であり、高町なのはは私服。
ピンク主体の上着に、ミニスカートに白のニーソックス。
絶対領域に当たる太ももは小学生らしい健康的な脚である。
可愛らしい格好をしてきているのだが、識者(ロリコン)の眼から見ればこれほど興奮させる格好はないのではないかと思う。
場所は人気のない広場、アニメでレイジングハートと魔法を訓練していた場所である。
そこに俺と高町なのはは集合していた。
目的は魔法の訓練だ。
昨日の夜に魔法を使い始めた。魔法になれるためにも訓練が必要である。
そのため、土日を使い魔法を訓練しようと俺から高町なのはに連絡したのであった。
本来、高町なのはからレイジングハートを回収し、魔法を使っていくのを止めさせようと思っていたのだが、原作と同じく高町なのはは頑固であった。
結論から言うと高町なのはは魔法を学び、それを正しく使う。そのために俺が監視し、危ないことには極力参加しないということで意見は合意された。
今ではレイジングハートの元、高町なのはは魔法を訓練。
ユーノの元、俺は魔法講義を受けていた。
魔法の訓練の最中に風が吹いてスカートがめくれようが、私服のまま飛行しようが、こけてスカートの中が見えようがお構いなしだった。
ピンクのパンツか。
少しは隠そうと努力したり、恥ずかしがったりしないのは俺がパンチラをしていることに気づいていないのか、それとも見えているのに気づいていないのか。
注意したほうがいいのか、それとも言わないほうがいいのか。
将来的に考えてここは注意しておこう。
「高町、パンツ見えてんぞ」
「え?」
3メートルほど浮いてディバインシューターの練習をしていた高町なのはは顔を赤らめてすぐに地面に降りて俺の前に来た。
「つ、紡くんのえっち!」
怒ったとはいえディバインシューターで攻撃してくるとは思わなかった。
さすが、白い悪魔。
だが、俺には魔法があるのだ。
「プロテクション」
相変わらずどういう仕組で発生しているのか理解できないのだが、頭に盾を思い浮かべトリガーになる言葉を発するだけでこうして魔法の盾。プロテクションが発生する。はずであった。
――ジャラ
展開された魔法の盾は通常のプロテクションではなく、魔法の鎖が重なりディバインシューターを防いでいた。
魔法が使えると思っていたが、そうじゃなかったのか?
「魔力変換資質……??」
ユーノがなんじゃこりゃみたいな口調で呟いた。
本来、魔力変換資質というのは「炎」「電気」が比較的多く、「凍結」は稀。それ以外の魔力変換資質というものは聞いたことも見たこともないと、ユーノが説明した。
「しかし、俺が聞いたことも見たこともない魔力変換資質でしたっと?」
「たぶん、レアスキル系かな?それとも遺伝的なものかも……。でも紡の家族は魔法使いじゃないし……」
ユーノは歯切れの悪い口調で考えていることを述べているようだった。
とりあえず、重要なのは『能力』を手の内に納める事だ。
誰もが知る能力だろうと、誰も知らない能力だろうと自分の魔法を知ることが今最大の重要点だ。
俺の魔法の威力はどの程度になる?
最大魔法は?
最小魔法は?
魔法の範囲は?
どういう魔法をどれだけ発動できる?
発動するためにかかる時間は?
検証――。
対象者。
高町なのは
戦闘条件。
高町なのはは及び、レイジングハートは俺の攻撃魔法に対して防御魔法を展開すること。
飛行、問題なく飛べた。
攻撃魔法は高町なのはを参考に砲撃魔法から始める。
イメージしたのは高町なのはのスターライトブレイカー。
右手から砲撃を出す感じで高町なのはに掌を向け、魔法を発動。
ジャラ、ジャラジャラ、ジャラジャラララ――
魔法の鎖は複数の芽が発芽し成長するように増殖して、大量の鎖は砲撃と遜色ない威力で高町なのはに襲いかかる。
チェーンバインドを100~200ほど発動したような大量の鎖に飲み込まれた高町なのははプロテクションを展開させて俺の"砲撃"を防いでいた。
砲撃というか、大量のチェーンバインドを勢いをつけてぶつけた、それが俺の砲撃魔法であった。
しかも、俺が魔力供給を止めない間は大量のチェーンバインドは消えなかった。
つまり、プロテクションを展開している高町なのはごと、遥か上空まで押し出していた。
まずいと思い、砲撃したチェーンバインドで高町なのはを覆い尽くし、手元まで引き寄せた。
右手から展開されていた大量のチェーンバインドはどうやら俺の意思通りに動くようだ。
「ある意味すごいよ……」
「しばらく鎖はみたくないの……」
SIDE:ユーノ・スクライア
特殊魔力変換資質呼べばいいのだろうか。
紡の魔法は飛行以外、バインド系の魔法に変換されてしまうようだ。
主にチェーンバインドで攻守を行っていたが、ありえないよ。
発動、速度に優れないはずのチェーンバインドを一瞬で発動、最高速度で動かせるなんておかしいよ。
紡は自分の能力を調べていた。検証するたびに僕の常識は崩れていく。
紡の魔力はなのはと同等くらい。
だが、魔法の理解力、応用力、判断力が圧倒的に紡が上。
たった一日。そう、たった一日で僕は紡に教えることが殆どなくなった。
なのはと模擬戦をしている内に紡はどんどん成長していったのだ。
チェーンバインドの攻撃は模擬戦を重ねるごとに鋭さを増し、防御も捌き、見切りが上手くなっていた。
なにより、チェーンバインドの使い方が普通の魔道士、魔法使いとは別であった。
紡の左腕には左手首から肘までにかけて腕を中心にチェーンバインドが高速回転している。単純な魔法砲撃はこれで弾くか捌いていた。
大きな砲撃は高速回転されたチェーンバインドを紡の正面に展開させ円を作り出し防御。
同時に、右手から大量のチェーンバインドが飛んで来る。
どうやら紡は両腕を起点に魔法を使用するのを好んでいるようだ。
それにしても、チェーンバインドがココまでやっかなものだとは思いもしなかった。
SIDE:高町なのは
何度目の模擬戦になるだろう?
たぶん10回以上。
紡くんとの模擬戦はワクワクする。
回数を重ねるごとに手ごわくなる紡くん。
その顔は楽しそうだった。
私はそれを見て頬が緩む。
もっと続けたいと思ったけど、そろそろ終わりが近い。
「高町、次がラストだ。魔力が底を付きそうだ」
「うんっ!私もそう思ってたの!」
紡くんは左腕のチェーンバインドを消した。
「?」
防御を捨てて攻撃?
「ゲートオブバビロン!」
えぇえええ??
紡くんの背後の空間から大量のチェーンバインドが襲いかかってくる。
いや、チェーンバインドだけじゃない。リングバインドだったり、魔法の輪だったり、それこそあらゆる拘束系の魔法が飛んで来る。
避けようとしたが、右足が動かなかった。
不可視のリングバインド?
そう思った瞬間に私は衝撃を受け眼の前が真っ暗になった。
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あとがき
オリジナル魔法設定&解釈
ゲートオブバビロンはやりたかったからやった。後悔はしていない。
原作を見ていて複数の拘束魔法をいっぺんに発動すればいいのにと思っていたので使ってみました。
タイトルのバインドマスターの意味は主人公の魔力変換資質を示していたんだよ!
な、なんだってー
とうわけで、バインドマスターの名前の由来は主人公がバインド系の魔法しか使えないという設定からタイトルをつけました。
ちなみにパンチラのくだりはグループ魂のパンチラオブジョイトイという曲を参考にしています。
主人公は表向きは冷静沈着だが、心の中ではむっつりスケベみたいな感じになりつつある。
今後、オープンスケベの変態紳士になるかもしれません……。
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