SIDE:田村紡
魔法テラ楽しすww
現在、土曜午後。
午前中は高町なのはと魔法の訓練をした。
高町なのはは疲れたので家に帰って寝ると言って帰宅した。
魔法を使いきって魔力量が空っぽだと思っていた時期が俺にもありました。
収束魔法。
というか、幽白で桑原が四天王の虎?と戦ったときに拡散した霊力を集めてある程度霊力を回復していたので魔法でもできるんじゃね?と思ってやってみたら上手く行った。
とはいえ、完全回復するわけでもなく、魔力量マックス100とすると10~20くらいの回復だ。
身体強化の魔法で走ったけど全然疲れない。疲れないマラソンは案外楽かった。
そのせいで、目的地に早く到着してしまった。
市立図書館で待つこと30分。
異世界とは言え、元いた世界と同じタイトルのライトノベルがあったのは嬉しかった。
とある魔術の続きが気になっていたんだ。
「なんや? 今度はラノベやね?」
「俺はなんでも読むのさ」
八神はやて。
不遇な境遇に置かれながらも明るく、元気な少女だ。
割とハードな人生を送っているのだがそれを感じさせないのはこの子の良い所であり、悪い所である。
辛い時、辛いと言わない。悲しいとき、悲しいと言わない。苦しい時、苦しいと言わないのである。
八神はやてとの出会いは割と最近だ。
実は小学1年から図書館に通っていたのだが八神はやてが何時迄経っても現れず、小学2年の3月中頃になってひょっこりと現れた。4月には小学3年。原作の力か、それとも偶然か。
さてどうやって話しかけようか観察していたら本棚上部の届かない本を取ろうとしていたので、それをとってあげて話始めるようになった。
そして、通い妻。もとい、通い夫の様にほぼ毎週土曜に八神家に泊まる。
小学3年生がたった一人で暮らすのは寂しい。
知りあって1ヶ月ちょいだが、メールのやり取りは八神はやてが一番多い。
二番目は念話があるのに高町なのは。
さて、今日は何を作るか……。
週に一回のお泊りで晩ご飯担当は俺だ。
元の世界で自炊していたこともあり、ある程度料理はできたが、こちらの世界でかなりはまり、今では主婦並には料理はできるつもりだ。
「カレーだな。カレーな気分だ。そうだ。カレーを作ろう。俺のカレーは……うまいぞっ」
「何のネタなん?それ?」
某気持ち悪い人です。
八神はやての前ではわりと素の自分を出してしまうのは何故だろう?
「全ては愛のターメリックッ!」
「チョコは美味いぞ~」
何故知っている!
貴様見ていたな!
小学生ニートの八神はやては結構オタク的な所があった。親近感というか、たぶん素の自分を出してしまうのは同士だからだろう。
八神家に到着して手慣れた動作で車椅子ごと、玄関から家に入る。
雑巾で車輪と床を拭いて一息。
小学3年生が一人で暮らしているのに周りの家や人がどうして何もしないのかがわかった。
ある程度予測していたが、当たっていた。
人の認識を誤解させる魔法。
どんな魔法かわからんが、恐らく八神はやてが一人で暮らしているのが普通だという認識を与える魔法だろうか。
魔法が使えるようになったおかげで感知できた。
両親が死んでいて、悲しむ人が少ないから犠牲にする……。
静かな、それでも確かな怒りは元凶にあったときに発散させよう。
「なんや、紡?自分、一瞬鬼のような顔しとったで」
「般若のモノマネ。そうだ、カレー甘口?中辛?」
「中辛やね。って般若のモノマネなんて、ウケへんよ」
「鬼瓦!」
「トゥース!それはもう過去の栄光や!最近は若林くんの味が出てきたから安泰やな」
そうだね。もういいよね。このくだり。
「うっま!このカレーうまっ」
「落ち着いて食えよ……。うまっ、俺のカレーうまっ」
「自画自賛かい!んぐ、なんやこれ……。トロける鶏肉なんてミスター味っ子かいな!」
「うーまーいーぞー」
「あかん、口からビームとか吐き出しそうや」
あっという間に夕食終わり。
食器を洗い、片付けてまったりタイム。
「この満腹感とマッタリ感は誰にも邪魔させへん……」
ソファーで八神はやてとテレビを見ながらまったりと過ごす。
やっぱり、一人より、二人。八神はやてには愛情と家族が必要だ。
まあ、もうしばらくすれば四人ほど現れるからそれまでは俺が一緒にいてやろう。
「ありがとう」
「ん?」
「友達になってくれてありがとうって、紡と知り合ってから退屈せーへんわ」
「ああ……」
肩を寄り添わせ八神はやては嬉しそうにつぶやいた。
「一人は、寂しい。紡の言うとおりやわ。初めてあった時は女の子と間違えてもうたのもいい思い出や」
「そうか……、別にお礼を言われるほどじゃない」
『ありがとう、綺麗なネーちゃん』
『俺は男であり、同い年くらいのやつにネーちゃん呼ばわりされたくない』
確かこんな感じが初めての八神はやてとの会話だった。
「ゲームすっか!」
「そやね!ぷよぷよはあかん。アンタ強すぎや、止まらない連鎖、降り注ぐ邪魔ぷよ。封印や」
湿っぽい話とシリアスな雰囲気が苦手な八神はやてと俺だった。
ゲームのあと、一緒に風呂に入り、布団を並べて就寝。
一緒に風呂にはいるのは勘弁して欲しかったが脚がうまく動かない人間を一人で風呂に入らせるのもあれだし、本人も『別に気にせーへんよ。顔だけ見てればアンタ女の子やし』とのことです。
俺の精神上かなり来るものがあったがよくよく考えれば小学3年生だったらまだそれほど異性を気にしないはず……。
それに、情操教育をこれから徐々に行えばいいだけの話。
日曜の昼。
「じゃあ、また来週~」
「ほな、さいなら」
あっさりと八神はやてと別れを告げて帰路につく。
寄り道ついでに原作でジュエルシードが発動された神社に寄った所、無造作に落ちていたジュエルシードを拾った。
「これがジュエルシード。しかし、俺だけでは封印できないのよね、これ……」
とりあえず、ユーノを呼んでそれについてきた高町なのはに封印処理をしてもらった。
「昨日は何してたの?」
土曜のあとの話を聞いているのだろうか?
「友達の家に泊まって今はその帰りだ」
高町なのははふ~んと言うだけでそれっきり話すこともなく帰宅した。
SIDE:高町なのは
土曜の魔法訓練のあと、たまたま、図書館から車椅子に乗った知らない女の子と紡くんが出てくるのを見てしまった。
楽しそうにお話している二人を見て、私は……。
たぶん、初めて嫉妬した。
心に渦巻く感情は複雑。
『友達の家に泊まって今はその帰りだ』
その友達とはあの車椅子の女の子の事だろう。
私は「あの車椅子の女の子は誰?」と聞きたかったが、それを聞いてどうなるわけでもないし、答えが怖かった。
紡くんが泊まりに行くほど仲がいい女の子の友達……。
好きな人なのか?
それとも家族ぐるみの付き合い?
答えのでない考えでせっかくの紡くんとの帰りも黙りきりになってしまった。
「はぁ……」
自室につきため息をついてしまった。
「なのは?どうしたの?」
ユーノくんが聞いてきたが、答える気にもなれず、ベッドで横になる。
「紡は、すごいよね。もうジュエルシードを見つけるなんて……」
たぶんユーノ君は勘違いをしている。
私が魔法で役に立てていないことを励まそうとしてくれているのだろう。
「魔法に関してはなのはと紡では比べない方がいいよ。そもそも紡の魔法はなのはとは違ってレアスキルの部類に入るしね」
「レアスキル?」
レアスキルとは稀少技能のことであり、未来を予測したり、他人の魔法を収集して自分のモノにしてしまったりなど色々なレアスキルがあるらしい。
特に魔力変換資質のせいで扱う魔法が拘束魔法に変換されてしまうというのは今まで存在しなかったはずである。
そのため、紡の魔法はレアスキルになるであろうと。
「というわけで、扱う魔法に関しては紡となのはは全く別物だと思ったほうがいいよ」
「でもでも、紡くんはとっても強いよ?」
「そっちについては僕も疑問に思っているけど……」
「けど?」
「なのはも負けてないよ」
普通は私の魔法訓練内容を行うだけでも人によるが膨大な時間がかかるらしい。
それをわずか一日足らずで魔法を扱っているので魔法センスはかなりあるとユーノ君は言ってくれた。
少しだけ心が楽になった気がする。
それと同時に私の携帯がメールが来たと知らせる。
送信者は紡くんだった。
『明日、学校の昼食時に話したいことがあるので屋上にくるように』
SIDE:月村すずか
昨日の夜、私とアリサとなのはに同じ内容のメールを送った人物。
田村紡。
私と、アリサの揉め事でなのはとアリサが大喧嘩をした時に仲裁してくれた以来、私たちと仲良くなった人物。
時たま、ふらりと私の家に来ては猫をかわいがっていく。
仲はいいと思うが、紡の本心はわからない。
紡から話がしたいというのは今回が初めてであり、私は結構驚いた。
昼食時、指定通りに屋上でご飯を食べながら紡の話を聞くことになる。
「俺の友達に脚の悪いやつがいる、そいつは車椅子生活を強いられている。それに両親は他界していて、友達も少ない。同い年で女の子だが、女友達がいないから友達になってやってくれないか?」
アリサとなのはは驚いていたが私には心当たりがあった。
「もしかしてその子、図書館によく行ったりする?」
「ああ、俺が出会ったのも図書館だったな」
私は確信する。可愛らしい車椅子の女の子だ。
「すずかちゃんその子しってるの?」
「うん、前に図書館で見たよ」
なのはが驚いて聞いてきた。その顔は少し怒っているようだった。
「その子、可愛いの?」
「うん、可愛い子だったよ」
「へぇ~、紡って面食い? まあ、私たちみたいな美少女と仲良くしてるからね~」
アリサは胸を張って自分を美少女という。
なのはの怒りのボルテージはまた上がったという感じだった。
「自分で美少女とか言うか……。まあ、月村すずか、アリサ・バニングス、高町なのは、そいつを今度紹介するから友達になってやってくれよ」
「それはいいけどっ!紡とその子、どういう関係?」
アリサの発言になのはがピクリと反応した。
「八神はやてというんだが、友達だ。それ以上でもそれ以下でもない。が、小学3年で天涯孤独ということで同情しているかもしれんな」
それを聞いて私は考える。
もし、私が一人で生きるとしたら?
たぶん、無理。
そして、悲しい。寂しいと思うだろう。
アリサもなのはも同じ様に考えこんでから三人とも同じ答えを出した。
「お友達になりたい」
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あとがき
ネタが多かった今回。
主人公についてはキャラ立ちが未だにはっきりしない。
フラグ建築は順調。
ハーレム系の要素も含みつつ今後どうしようか思案中。
管理局があるところって重婚だめなのだろうか?
感想について
誤字脱字の報告、指摘など、ありがとう。
文章量についてですが、私も短いとわかっています
3話くらいまでは私の話に興味を持ってもらうつもりで書いており、サクっと読める量にしています。
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