SIDE:田村紡
現在、月村すずか家に絶賛不法侵入中。
平日で本来は学校にいなければいけない時間。
原作では休日で月村すずか宅でお茶をしている時に発動するはずのジュエルシードを捜索していた。
家、というか屋敷というか、とにかく広かった。
「あ、見っけ」
闇雲にこのクソ広い庭を捜すのでは効率が悪いので、原作でお茶会をしていた辺り周辺から捜索。
おかげで3時間ほどで見つかった。
見つけたと同時に、魔法の反応がした。
どこからともなく現れたのは黒いマントを羽織った少女。
フェイト・テスタロッサだ。
「それ、危ないものだから」
「うむ」
はっきり言って、フェイト・テスタロッサの格好は水着にマントを羽織って申し訳程度にスカートを履いているといったイカレタ格好だと思う。
「あの、魔導師ですよね?」
「田村紡だ」
自己紹介をするのならまず自分の名前から。
フェイト・テスタロッサは戸惑いながら問う。
「ロストロギアの探索者?」
「で、君の名前は?」
きょとんとした顔をしたフェイト・テスタロッサは答える。
「デバイスなし、ロストロギア、ジュエルシード。申し訳ないけど頂いていきます」
「名前は?どうしてジュエルシードを集める?」
フェイト・テスタロッサは無表情になり杖を構えた。
無視ですか、そうですか。
「バルディッシュ」
『イエス、マスター』
杖、バルディッシュは形を変え死神の鎌のようになる。
どうやら接近戦で挑んでくるようだ。
魔法で身体強化をかける。
それと、目に多めに魔法での強化をかけた。
ハンター×ハンターで言う凝みたいなものだ。
この魔法の利点と効果はまだテストもしていなかったが、すぐに結果はわかった。
フェイト・テスタロッサが杖を構えたと同時に踏み込み、魔法で加速か、ブーストで一気に距離を詰めてきた。
そして脚を刈り取るように鎌を振ってきた。
ここまでの流れを眼で追えた。
フェイト・テスタロッサの考えは恐らく脚を攻撃することで、相手は上に回避させる、その後、飛び上がった相手に何らかの攻撃を仕掛けるつもりなのだろう。
予測しておいて何だがフェイト・テスタロッサの考えに乗ってみた。
鎌を飛行で回避して上空へ。
しかし、追撃がない。
フェイト・テスタロッサは攻撃した位置から動かずにいた。
避けられると思っていなかったのか?
その考えと同時にフェイト・テスタロッサは杖を構えなおし、鎌を振るう。
その先端、鎌の刃がクルクルと周り勢いをつけて俺に向かってくる。
プロテクション、鎖の盾で防ぎ、爆発から逃げ出した。
逃げ出した先にフェイト・テスタロッサが既に待ち構えており、死神の鎌を振り降ろしてきた。
それをまた鎖の盾で防ぐ。
「チェーンバインドを盾にしてる?」
「いや、まあ、説明が面倒だからそんな感じで」
鎖の盾から数本だけフェイト・テスタロッサの身体に伸び、捕らえる。
この鎖の盾のイヤラシいところはガードとカウンターを一つの魔法で出来てしまうところだ。
本来、ガードと同時にカウンターを放ち相手を拘束できるのだが、敢えて隙を与えてフェイト・テスタロッサの動きを観察した。
どうも、フェイト・テスタロッサは驚いて拘束から逃れられなかったようだ。
ガードからカウンターまでにわざと間隔を開けたのだが、逃げれないかったことでこの戦法が有効であると確信。
「油断……っ!圧倒的油断……っ!」
「くっ、こんなものっ!」
残念っ……。逃れられないっ……。これが現実っ!
さて、バインドに魔法が変換されてしまう人間がバインドを使った場合どうなるのか?
答えは明白。
逃れられない。
原作では設置式のバインドとか力技っぽい方法で脱出していたが、俺のチェーンバインドからは逃れられない。
恐らく、バインド系の魔法から抜け出すにはバインドに込められている以上の魔法力開放でバインド魔法を壊して脱出というプロセスか、術式を解析して開放処理をして拘束が弱まったところで魔力で破壊するというプロセスになる。
何故そんなことがわかるかというと、バインドに流れる魔力の流れを解析していたからである。
フェイト・テスタロッサは後者のプロセス。
つまり、術式を解析して拘束を弱めようとしている。
だが、今は戦闘中であり、余力など考えずに一気に魔力を開放して強引にバインドを破壊したほうが正解だと思う。
敵である俺が大人しくしているわけがないので、とりあえず急降下。
「えっ?きゃああああ」
当然、チェーンバインドで拘束されているフェイト・テスタロッサも急降下されるわけで。
地面にふわりと着地。
フェイト・テスタロッサも同じくふわりと地面に落とす。
チェーンバインドはフェイト・テスタロッサの身体を徐々に侵食していくように絡まり、既に両うでは身体に縛り付けられ、両足もぴったりとくっついて、蜘蛛に囚われた獲物状態になっていた。
「は、離せっ」
「だが断るっ!」
フェイト・テスタロッサに近づき、デバイスを取り上げる。
「さて、落ち着いて話そうか?」
地面に座り込み、芋虫の様に地面に寝転がっているフェイト・テスタロッサに話しかける。
SIDE:フェイト・テスタロッサ
デバイスを取り上げられたことで術式を解析するのが困難になった。
ただでさえ、かなり複雑な術式で普通のチェーンバインドと思っていた私は完全に囚われてしまった。
魔法を覚えて間もないという感じだったが、擬態だったのかな?
アルフとは連絡は取れないし、どうやって切り抜けようか……。
「さて、落ち着いて話そうか?」
私の考えを遮るように正面に座り込んで"女の子"は話しかけてきた。
同い年くらいのボーイッシュな女の子だ。
「まあ、そんなに睨むな。こちらに敵対する意思は無い。それに、俺が聞きたいのは君の名前と目的だ。ああ、目的はジュエルシードか。まあ、聞きたいことに答えてくれればコイツはくれてやる」
ポケットからジュエルシードを取り出して私の前においた。
この子は何を考えているのだろう?
私の名前を聞くためだけに戦ったと言っているのだろうか?
「名前は?」
「……、フェイト・テスタロッサ」
名前を言ったら、チェーンバインドを解いてくれた。
「さっきも言ったが俺は田村紡だ。私立聖祥大附属小学校3年生。魔導師じゃないが、とある事情でジュエルシード集めの手伝いをしている」
「えっ?」
魔導師じゃない?
「ハイ、デバイス」
「あ、うん。ありがとう」
デバイスを渡されてついついお礼を言ってしまった。
「ジュエルシードを集める目的は?」
「それは、お母さんが集めてこいって……」
「何に使うかは?」
「……」
何に使うかまでは知らない。
お母さんに集めて来いと言われたから集めているだけだ。
「うむ。何に使われるかまでは知らないと、まあ、俺では封印処理できないし、このままだと危ないから封印処理してくれ。その後は勝手に持っていけばいいよ」
「あ、うん。ありがとう……。でもどうして?ジュエルシードを集めていたんじゃないの?」
田村紡はとある事情でジュエルシードを集めていると言っていた。ジュエルシードを集めているのにそんな簡単に私に渡していいのであろうか?
「ああ、それか……」
田村紡の説明によるとジュエルシードは事故でばらまかれた。それを放っておくと危険だから集めている。
事の発端であるユーノ・スクライアという人物ともう一人の魔導師がいることも教えてくれた。
「あと、管理局に通報してあるから悪用するなら早めに集めた方がいいよ」
田村紡は地球で危険が及ぶのが嫌らしい。そのため、封印処理をした後の使用については地球で悪用しないなら別に誰が持っていようが関係ないらしい。
変わっている人だと思う。
協力している魔導師が3つほどジュエルシードを封印していることも教えてくれた。
「フフッ」
「ん?」
ついつい笑みが零れてしまう。
この人は可笑しい。協力がいるのに、あっさりとジュエルシードを渡してくれた。
普通は協力者のことを考えてジュエルシードは渡さないだろう。
「あと、連絡先を教えておく。まあ念話でもいいか。俺一人でジュエルシードを見つけたらまた連絡するよ」
「いいの?」
「ああ、フェイト・テスタロッサは笑っている方が可愛いぞ」
カッと顔が熱くなる。
「早めにジュエルシードを集めれることに越したことはない、それに素敵な出会いもあった」
というわけで、と連絡先が書かれた紙を渡された。
「じゃ」
シュタっと飛び上がりそのまま私を置き去りにして田村紡は飛んでいった。
「田村紡……」
「フェイト!」
「あ、アルフ」
田村紡と入れ替わりに使い魔であるアルフが駆けつけてきた。
「今のは?」
「うん、たぶん、ジュエルシード集めを手伝ってくれる協力者……、かな?」
SIDE:田村紡
建てられるフラグは建てておく。
フェイト・テスタロッサとの邂逅から一週間。
サッカー観戦をしている間にジュエルシードを盗み出し、高町なのはに封印処理をしてもらった。
現在は高町なのはの両親が経営している翠屋で八神はやてを紹介しているところだ。
「へー、ここの娘さんやったんか~」
「うん」
同い年であり、女の子同士。
八神はやて、高町なのは、アリサ・バニングス、月村すずかはすぐに仲良くなっておしゃべりをしている。
男である俺は蚊帳の外。
既に俺の出る幕はなかった。
「紡は、アレやな。女たらしやな」
「おい、こら何言ってやがる」
「いや、紡の知り合いの女の子は美人さんばかりや。私も含めてな」
「はは、君が何を言っているのかわからないな」
「紡くんって、はやてちゃんと話す時はいつもの感じじゃないね」
高町なのはが、おかしな事をいう。
「うん、そうよね。なんか、いつもより砕けた感じじゃない」
「そうだよね。いつもは丁寧な言葉使いだもんね」
アリサ・バニングス、月村すずかの順で、追い打ちをかけてきた。
「クールを演じてんねん。はじめは私もそやった。けどな~、擬態やで。紡のボケとツッコミはなかなかのもんや」
「「「へぇ~」」」
ジド眼で三人が見てくる。
「あー、シュークリームがうまいなぁ」
「あ、露骨に話をそらそうとしてるの!」
「はやてとの会話くらいに砕けてるほうが私たちも気楽よね?」
「うん……、今通りだといつまでたっても他人行儀だし」
そしてまた、四人でゴニョゴニョと話始めてしまった。
SIDE:高町なのは
「はやてちゃん、どうやって仲良くなったの?」
「え~と、すずかの言ったみたいに、他人行儀やな~、泣いてまうで~とかいったらああなった」
「へ~、紡ってはやてみたいなのがタイプなのかしら?」
「たぶん、違いと思う」
すずかちゃんの答えに皆が注目する。
「紡くんってどこか大人びてるから、ちゃんとお願いすれば聞いてくれるんじゃないかな?」
「あ~、私も人を馬鹿にするような態度はやめろって怒られたっけ」
「私とアリサちゃんとの喧嘩も仲裁してくれたよね」
「おお、その話詳しく聞かせてや」
私は、二年生の時にあったアリサちゃんとのやり取りを説明した。
「なのはちゃん、そうかアンタが、白い悪魔かいな」
「え?」
「紡曰く、お話=武力制圧の脳筋といっとったで、まさかこんな可愛い子がそうとは思わんかったわ」
カッと顔が熱くなる。
私のことお話してたんだ。
「兵法三十六計、逃げ……」
「ちょっと、お話しようか……」
「なんだと……」
逃げようとした紡くんを捕まえる。
「どういうことかな?かな?」
「それキャラ違うくね? アーッ」
「悪魔や、悪魔がおる……」
「なのはって怒ると怖いもんね」
「うん……」
SIDE:八神はやて
「友達増えたで!」
「月村すずかとアリサ・バニングスはお家の事情で今回はお泊り見送りっと」
「へー、ここがはやてちゃんの家か~」
紡に紹介された三人の女の子は美人か可愛い子ばかりだった。
でも、それほど仲がいいわけではないらしい。
どうも私が一番仲がいいという認識だが、それは違うと思う。
たぶん、紡は誰にでも優しい。
こうして私に友達を作ってくれたことに感謝しているが、本命は誰なんやろ?
しかし、このなのはちゃんが白い悪魔か。
紡がお泊り会をするといって参加してくれた。残り二人も次回から参加してくれる。
こんなに嬉しいことはない。
って、どこぞのガンダムの主人公か私は。
「まー、急な誘いに乗って来るのはさすがやね」
「何の話?」
「いや、こっちの話や」
私を含め、紡に好意的な視線を向けていた三人。
一番手ごわいのはなのはちゃんや。
「夜は鍋だ。ウインナー入れようぜ」
「何鍋やねん?」
「紡くんて料理できるんだ」
初めて紡が料理ができることを知ったらしい。
あかん。この子、惚れとるな。
「デザートは翠屋のシュークリームとケーキ。余り物と言って渡されたが、高町なのはに感謝」
「え?うん。どういたしまして?」
「裏を読むと、娘の面倒を頼むってことかいな」
私は危機感を覚えた。どうもなのはちゃんの両親は紡の事を気に入っているっぽい。
「まあ、八神はやてのデザートもうまいが、それは今度だな」
「そやね。料理手伝うわ」
「私も手伝う~」
なのはちゃんはハイっと手を上げて主張した。
「なら配膳の手伝いね。それ以外は俺の……俺だけの世界だ」
「ええぇ?」
「あかんで、なのはちゃん。紡一人のほうが旨いし早い。悔しいけど認める所は素直に認めたほうがいいで」
キッチンに入ると自分の世界に入ってしまう紡の悪い癖や。
まあ、奇っ怪な叫び声までは無いが、邪魔すんなオーラが半端ない。
なのはちゃんと二人で配膳の準備。
テーブルを拭いて鍋の用意をした。
トントンと食材を切る音が聞こえる。
配膳準備が住みソファーで座っているなのはちゃんに話しかける
「なあ、なのはちゃんって紡の事どうおもてる?」
「え?」
「頼れるやろ?優しいやろ?惚れてまうやろ?」
「うん……」
やっぱり、私と同じか。
「はやてちゃんも?」
「うん。早めにつばつけといたほうがいいで」
「ライバルだね。私たち」
「そうやね。残りの二人もそれっぽいし、ライバルと友達がいっぺんにできてもうた」
「誰が選ばれても恨みっこなしだよ?」
「抜け駆けは……」
「「許さない」」
ココに同盟ができた。
やっぱ、友達ができると楽しい。
「仲良くなってんじゃん。俺、料理作り終えたじゃん。鍋ウマそうじゃん」
「自画自賛乙!」
鍋はうまかった。どんどん料理が旨くなる。
「締めはリゾットか、雑炊か、麺はないのでパスタで締めてもいいな」
「雑炊でリゾットで」
「何その旨そうなもの」
「えーと、雑炊にしてお皿に分けたときにリゾットにしたい人はすればいいと思うの」
「「それだ」」
なのはちゃん、あなどれんな。
食後のマッタリタイム。
「ねぇ、紡くんってなんで名前で呼んでくれないの?」
「そや、今時フルネームで呼ぶなんて流行らんで?」
「気にするな」
カフェラテを飲む紡はそう答えた。
何かの暗示か、それとも単なるはずかしがりなのか?
「なんや、恥ずかしいんやな?」
「そうなの?」
「ち、違うもんね」
あー、そうかそうゆうことか。
大人びている割に子供だ。
「ほら、はやてって呼んでみ?」
「なのはって呼んで?」
「八神さん、高町さん」
ぷいっと顔を逸らして苗字で呼ぶ紡。
なんや、かわいいやんけ。
「男のツンデレはキモいだけや」
「しるか」
「ツンデレ?」
なのはちゃんはツンデレがわからないらしい。
「恥ずかしがっとるだけや、時間をかけて攻略できるとわかった。なのはちゃんも時々でいいから名前で呼んでと要求するんや」
「わかったの」
「さー、寝よ寝よ」
紡は耐え切れなくなったのか、寝る準備を始めてしまった。
「紡の仲が良くても一線を越えようとしない壁を壊すで」
「うん!」
SIDE:田村紡
名前を呼んで、か。
確か原作一期の最終回のタイトルだったはず。
女子を呼び捨てにするというのは元の世界でも抵抗があった。
正直、惚れた相手や家族以外で呼び捨てで女性の名前を読んだことがなかった。
精神年齢が高町なのは達より、一回りも違う。
その上、彼女たちは正直言って美少女だ。
俺の感覚では芸能人を名前で呼び捨てにする位抵抗がある。
まー、拘っているわけではないが、名前を呼ぶべき時は決まっている。
その時までは待ってくれ。
さて、三人で雑魚寝状態なのだが、ユーノ・スクライアはどうした?
『家でお留守番だよ』
『そいつは残念だったね』
念話でユーノ・スクライアに呼びかけたら置いてきぼりを食らったらしい。
『で紡、話って?』
『ああ、魔導師にあった』
『え!ほんと?』
『ジュエルシードを集めてるって。一つプレゼントしたけどいいよね?』
『えぇえええ?』
『そのかわり、名前を教えてもらった』
『紡、ジュエルシードは危険なんだよ……』
『暴走したら危険だね。それより今後も現れると思うよ』
『紡は……、いや、そうか、ジュエルシードを安全に集めるのが最優先ってことだね?』
『理解が早くてよろしい。悪用されてもそれは俺達がどうこうするわけじゃなく、管理局に任せよう。そのための管理局だろ?』
『そうだけど、規模によっては地球にも影響が……』
『それはその時に管理局になんとかしてもらおう』
『他人任せだね』
『地球の危機を救うってか?それも少数で?そのための手段は?方法は?』
『うっ、ない……よ』
『そういうことだ。もう少しは自分が子供だと自覚しろ』
『紡だって同い年じゃないか……』
『自分のできること、できないことくらいの分別はわきまえている』
『どうしたら、紡みたいになれるかな?』
『自分で考えろ』
『厳しいね。ま、そうゆう所も含めて見習うよ』
『勝手にしろ』
『うん』
念話を終えて寝た。
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あとがき
無印の間は変態プレイに当たる、バインドによる亀甲縛り等のロープを使った特殊な拘束プレイは出ないと思います。
SM系のロープの縛り方を調べてないとか、R15になるかもしれないとか思ってるわけじゃないんだからねっ!
縛られるフェイトをペロペロ。
二期、三期に当たる話を未だにプロットすらできてません。
無印の管理局が現れるところまでは考えてますが勢いとノリで書いてます。
感想への書き込みしてくれている方々へ感謝。
当分は勢いとノリで書いて行きますが、不評が多ければ削除、修正をしていくつもりです。
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