Fate/stay night~魔術師と死神~
第3夜「冬木」
日本のアインツベルン城。日本に到着した俺達はそこを目指していた。
移動手段はイリヤに買って貰ったバイク。生前に一通り乗り回した事があるから、特に問題無く運転できる。
運転はできるけどよ…バイクに400万ってのはどうなんだ…
「クロサキー!今深町に入ったわ!」
「あー、何かピリピリするな!」
魔力に関しては、ピリピリするって程度だ。それよりも…何か空座町に似てるな。
「急ぎましょ!セラとリズが待ってるわ!」
「そうだな!飛ばすから、しっかり捕まっとけよ!」
イリヤが掴まる手に力を入れたのを確認してスピードを上げた。
町の中心を抜けて、西に向かう。町の西側郊外の森は全てアインツベルンの物だそうだ。
こっちのアインツベルン城も馬鹿でかかった。イリヤ、セラ、リズと俺しか居ないのに城に住む必要があるのか疑問だったんだけど、イリヤ曰く結界やら低級霊の侵入を防ぐやらで都合が良いんだそうだ。
「お、セラ。何やってんだ?」
「見て分かりませんか?お嬢様の荷物を部屋に運んでいるのです。それとセラと呼ぶな、と言っているでしょう」
セラには大分嫌われてるみたいだな…何で嫌われてんのか分かんねぇから、どうし様も無ぇけど。
ま、それは別として。
「手伝うぜ。重てぇだろ、それ」
両手に持った荷物の塔。正直どうやってバランスとってんのか分かんねぇ。
「お嬢様の私物をサーヴァントとは言え、男に触らせる訳にはいきません。暇なら…そうですね、リズの変わりに玄関の掃除でもして来なさい」
失敗した…話かけるのが間違いだったか。
「…了解」
城の中を歩いて行く。…広い。生活するには城ってのは失敗作だよな。
ちょっと走って玄関に向かう。玄関には掃除中のリズが居た。
「リズ、お疲れさん。掃除変わるぜ」
「クロ…ありがとう。じゃあ私は庭の方に行く」
「おう、コッチは任せておけ」
俺がリズから箒を受け取ると、リズはパタパタと玄関から出て行った。
「クロサキー!」
俺が粗方掃除し終わった所で、イリヤが上から降りてきた。
「どうした?」
「下見に行きましょう」
下見か…町を戦場にしたくはねぇんだけどな…
勝ったけど、一般人を巻き込みました、じゃ話にならねぇ。…俺が上手くやるしか無いか。
「そうだな…あ、そういや丁度良いのあったな」
すっかり忘れてたけど、義骸持ってるんだった。実体化との違いが、肉体的に疲れない程度しか無いから忘れてたぜ。
義骸を出して、一旦霊体化して義骸の中に入る。調子は…悪くないな。
「クロサキ。それも宝具なの?」
「ん?いや、宝具って程じゃ無い。戦闘にも使えないしな」
「いえ、結構使えそうよ?それ。パッと見ちょっと変わった人間だもの。上手く使えば不意打ち位できそうね」
なるほどな。ただ、不意打ちは好きじゃねぇんだよな…その辺は一回話し合うとして、先ずはバイク取りに行くか。
私達はまず深山の方から見て回る事にした。主な戦闘場になりそうな穂群原学園、柳洞寺、海浜公園の順に調べて回った。
この地でお母様は命を落としたのね…アイツが裏切ったせいで…
アイツはもうこの世にいないけど、アイツには息子がいる。
ふふ、楽しみね…どうせなら聖杯戦争に参加してくれると良いんだけど。
「イリヤ、腹減らねぇ?」
「クロサキ…気が抜ける事言わないでよね…」
ああ、もう。何か空回りして気分だわ…
「貴方そもそも、お腹減るの?」
「霊体の時は良いんだけどよ、義骸だとな。ちょっと商店街行っていいか?」
「いいわよ…その後は新都の方に行くからね?」
へいへい、と適当な返事をしてクロサキはバイクのエンジンをかけた。
商店街の入り口でバイクを止めた。空は赤くなり始めている。
「私はここに居るわ」
イリヤは腹減って無いみたいだ。暫く何も食ってないハズなんだけどな…ああ、そういや遊子も「間食は我慢しなきゃ」とか言ってたな。
イリヤから金を貰って商店街の中に入る。…なんか情けねぇな。
周り見回しながら歩く。娯楽性施設こそ無いが、食品系は充実してるみたいだな。学生がチラホラ買い食いしてる。
何食うかなやんでると、一つの店が俺の目に止まった。名前は江戸前屋。俺の直感が告げてる…ココに行かなきゃ後悔する。
「すいませーん。大判焼き4つ下さーい。あ、こしあんと粒あん半分ずつで」
「まいど!お兄ちゃん見ない顔だね?」
愛想のいいおっさんが手早く渡してくれる。こういう店の人って人の顔覚えんの得意だよな。
「今日、引っ越して来たんだ」
「そうか!んじゃサービスだ。一個おまけしとくぜ」
焼きたての大判焼きを手渡された。
「サンキュー、おっちゃん」
礼を言って、イリヤのトコに戻ろうと振り返って歩き出すと、横から赤いのがぶつかってきた。
ドンッ!
「っと、悪りぃな。大丈夫か?」
赤は高校生位の男の、髪の色だった。地毛か?
「すまない。急いでたんだ」
「ん?…オマエ…」
「何だ?」
「いや、なんでもねぇ。急ぐんだろ?」
「あ、ああ。すまなかった!」
そういって赤毛は俺と反対の方に走り出す。今のヤツ魔術師、だよな?
「遅かったじゃない」
バイクを止めたトコに戻った俺は絶対零度の視線で出迎えられた。反射的に頭を下げる。
「すいませんでした!」
大分経っていたらしい…気付けば空は既に赤から黒に変わろうとしている。
「今から新都に行ったんじゃ夕食までに帰れないわね…」
「本当にすいませんでした…」
「もういいわ…その代わり、夕食は抜きね」
「…はい」
義骸を脱げば腹は減らないんだけど、折角の飯を食えないのは辛い。大判焼きを買っといてホントによかったぜ…
その次の日、新都に行って、下見ついでに俺の服を買った。当然のように支払いはイリヤ。店員の視線がイタイ。
バイト…するかな…
あとがき
感想で指摘された一護の神性についての言い訳。
型月の設定とは違うのは分かってるんですが…
世界中の人が持っている伝承の死神へのイメージから人霊ながら神性が付加され、その中でも霊圧の高さによって神性が高くなる…というのが作者の中でのオリ設定です。
「それなら平でも最低E−クラスの神性持ちかよ?」ってなりますよね。それでも神性は残して置きたいんです。
でも、流石にAは高すぎたので
、ちょっと下げます。すいませんm(_ _)m
型月は設定がしっかりしてる分、上手く擦り合わせないと矛盾が酷くなりますね…精進します。
次回から戦争が始まります。