もうそうがばくはつしてかいてしまった。
こうかいもはんせいもしていない。
冒頭がクライマックスで、後から本編を書くっていうアレです。
【MS】ティアナ憑依・魔改造(TS)【モビルスーツ・ショウジョ】
プロローグ 不可能をも砕く戦士。その名は・・・・・・・
天高く昇り往くゆりかご。
もはや事態は一刻の猶予も許さない。
追いすがる人影・・・・・・閃光を散らしながら大きな機械の羽で空を翔る少女に、
ミッドチルダは希望を託す。
「───狙い撃つ!」
背面から射出されたドラグーンで空中にうじゃうじゃいるガジェットを鴨撃ちにするティアナ。
左右合わせて合計16機の放熱板のようなものが、ガジェットの数をみるみる減らしてゆく。
・・・・この世界では知る者とているまいが、これは現実世界のとあるアニメの面制圧兵器だ。
別にファンネルでもフィンファンネルでも良かったが、
シリーズで言えば、珍しくバッテリー(一部核分裂炉を搭載した機体もあったが)で動くという共通点でドラグーンと名づけられた。
リリカル世界の、・・・・・・・これは言い過ぎかもしれないが、
野球ぼーる並にのろくさい訓練すれば誰でも撃たれてから避けられる欠陥魔法の数々とは訳が違う。
確かにあの変則的な機動は脅威かもしれないが、弾丸なんてものはまっすぐ早く飛べばそれでいいじゃん。とティアナは思う。
照準を合わせられたら最後、光速でせまり回避も許されないレーザー兵器こそ至高だ。
この世界でも、地球ではそういう思想が標準的だった。
ホーミング機能は確かに魅力的かもしれないが、速度が伴わないミサイルにはなんの価値も無い。
管理世界人とは価値観が違うのだろう。
人質を避けて撃つとか用途はいろいろあるらしいが、それなら何のために非殺傷設定があるのだという。
死にはしないのだから人質ごと撃てばいいのだ。ぐだぐだ無駄な事を考えて命を危険にさらさせるよりよっぽどいい。
ミッドの連中は使い方次第だとは言うが、戦闘中にそんなややこしい事はティアナとしては考えたくない。
ただでさえ魔法の演算式で頭がぐちゃぐちゃなのに「戦術」とか「戦略」とかくそ喰らえだ。
そんな事はえらい奴等が考えれば良い。そのための官僚だ。
敵は撃つ。撃てば堕ちる。堕ちたら私の勝ち!!・・・・・・・現場で働く人間はそれくらい単純なほうが良い。
いろいろ悩みながら闘ってるスバル達は本当に頭がいいと思う。
私にはそんな余裕が無いからうらやましい。
結局、非殺傷設定と光速は両立不可能だったがそれでも音速程度の速度は出る。
耐えるか、銃口を見て先読みして避けるしかこの世界の魔導師には対処法は無い。ガジェットも同じだ。
ただ、制御が甘いせいでブレまくる銃口から着弾点を導き出す事は不可能に近い。
────そしてティアナ本人にも実は何処へ飛ぶのかあまりよくわかっていない。・・・・狙い撃つ!(笑)である。
実際の所、大雑把に狙いを付けたらあとは地球産のコンピュータ制御だ。
民間人に当たっても死にはしないと割り切ってるし、建物の崩壊に巻き込まれて死人が出ないように気を使ってはいるのだが。
しかしだからこそ、「面制圧」なのである。
原作ではドラグーン一機一機を精密に制御しそれぞれが人間台風ばりに頑張っていたが、
コーディネーターどころか戦闘機人でもないティアナにはそんなこと出来よう筈もなし。
下手な鉄砲数撃ちゃ当たる。を地でいくティアナだった。
原作とは180度方向性が変わってる。
どうしてこうなった。
魔法をというのはある種質量をともなったエネルギーのようなものである。
それを可能な限り加速させたティアナの魔法は質量をもったレーザーとでも言うべきものだ。
質量をもったレーザーと言うと、イメージはビーム兵器に近い。
そしてそれはAMFでは、コンマ一秒レベルの時間では中和できないようなのだ。
おかげでティアナはその低い魔力保有量に対し、絶大な戦闘力と命令に忠実な戦士として、
ぶっちゃけ反抗的で扱い難い六課より重宝されている。
既に、この年にして総出撃回数は管理局でも相当なものだ。
そしてその全てを成功させ、その全ての死地から生還した。
このティアナ・ランスターは誰もが認めるエースオブエースだ。
どうしてこうなった。
そんな中、ゆりかごに吶喊するティアナ・ランスターは憂鬱だった。
彼女の中の人は元・現実世界地球の工科大学生。例によってTSである。
どうしてこうなった。
彼女がティアナ・ランスターになった日は、元の彼女が兄を失い葬式を挙げたところだ。
その晩、間抜けにも幼いティアナは壷を自分の頭に落してしまったようでかなり危険な状態だったらしい。
もとのティアナは一体どうなったのか、今のティアナにもわからない。
混ざり合って一つになったのかも知れないし、死んでしまったのかもしれない。
唯一ついえる事は、兄の汚名を雪ぎ兄の名誉を貶めた連中を見返してやりたいという強い思いだけは、間違いなく彼女のものだという事。
それだけだった筈なのだ。
決してミッドチルダを代表して、聖王様に物申す親善大使になりたかったわけではないのだ。
何故か知らないが、みんな私の事をやたらと持ち上げるから、ティアナなら・・・・・ティアナなら何とかしてくれる・・・・・・!!
みたいな空気に耐え切れず飛び出してきたら、まさかの最終決戦。
一体全体何故こんな事になったのか・・・・・・・・。
どうしてこうなった。
「ははははははははっ!!やはり、やはり最後に私の前に立ちふさがるのは貴様か!・・・・ティアナ・ランスター!!」
顔芸。
憎憎しげにティアナを睨むこの男はジェイル・スカリエッティ。
無限の欲望と呼ばれた重犯罪者だ。
「エキサイトしてるとこ悪いけど、あんたの狂言回しに付き合ってるヒマは無いんだわ。ヴィヴィオは返してもらうわよ、スカリエッティ。」
モニター越しにスカリエッティは叫ぶ。
「くっ。・・・くくく・・・・・貴様・・・・・・貴様如きに私の娘達が敗れるとは・・・・・・・・」
ドン!!
モニターの内部でスカリエッティが杖を振り回した。
「・・・・・肉体を強化するための付属品として機械を埋め込んだ、私の戦闘機人とは根本的に違う!!」
「貴様のアーマード・デバイスは肉体を機械の付属品に貶める狂気の兵器だ!!この・・・・・・・・・・・・・・・・魔女め!!」
・・・・・・。
────だからなんだっての。
ティアナの正直な心境をいうとこの一言に尽きる。
こっちの地球でも、人口筋肉やモータ等多種多様なアクチュエーターで動く身体補助装置が多数開発されている。
ティアナがアーマード・デバイスを作る時に参考にしたのはこれらだ。
そして地球の科学に基づいて設計されたこれらが最後にぶつかる壁は、人間だ。
戦闘機や戦車。こいつらはもし脳みそだけ搭載して操縦する事が出来たら。
もし人間の感じる不快感や疲労などを無視できたら。
もし軽いGや衝撃で容易く故障する人間と言う部品を排除できたら。
二次大戦からこっち発達してきた人間工学とは、
如何に人間に機械の邪魔をさせないかと言う事を追求する学問だと、ティアナは思ってる。
そもそも、剣術だの槍術だのいう技術は武器に合わせて如何に人体を動かすかと言う技術の総称だ。
なにもおかしな所など無い。
ミッドの連中の価値観がおかしいのだ。
ぶっちゃけミッドの魔導師の持つデバイスという奴の設計思想もおかしい。
幾ら魔法でも、慣性を完全に無視できるわけでも物理法則を対価なしで捻じ曲げられるわけではないのだ。
石を投げたら反動が帰る。無効化するには踏ん張るしかない。魔導師はそれを魔法でやっているだけだ。
ただ、それをするには魔力がいる。そして魔力は幾ら多くても節約するに越した事は無い。
よって手で持って反動を殺せる分は殺したほうがいいし、
中途半端にするくらいなら反動なんて全て消すくらいの対策をしたほうが良いとは思うのだが、
ティアナの知る限り反動中和は完成された魔法との認識らしく、設定をいじってる奴は見たことが無い。
まだシグナムのレヴァンテインやヴィータのグラーフアイゼンはわかる。
「振る」武器だから垂直に持っていたほうが安定するし反動も逃がしやすい。
だがなのはのR・H、クロノのS2Uやデュランダルなどは違う。
砲が前面についてるのに取っ手が付いていない。肩当もない。
R・Hは何処で作られたかわからないとは言うが、高度な文明圏で製作された事は間違いない。
一体何を考えてアレを製作したのか一度親の顔を見てみたい。
まして、他の大概の杖型デバイスを作っているのは管理局である。
槍のように前面に構えて宇宙戦艦ヤマトばりの砲撃を行うなのはの姿は今でもティアナの頭痛の種だ。
あれはアニメだから許されるのだ。
三次元においてアレは駄目だ。脳が理解を拒否する。
・・・・・そんなわけだから、坊主憎けりゃ袈裟までと言う。
頭の固いティアナは相も変わらずなのは達が苦手だった。
これは、ティアナはミッドの連中はと蔑む様に言うが、ティアナもまた同じように地球の価値観を脱しきれていない査証といえる。
ミッド人からしてみれば、これが標準で常識なのである。
そしてさしたる問題が浮上していない以上、別に伝統を変えようとは思わない。
精々、低ランク魔導師用のデバイスにそうした概念を導入すると言った程度だ。
必要は発明の母。必要が無いならわざわざ苦労して新しい事をする事は無い。
なのは達にはそうしたこまごまとした工夫は必要がないものなのだ。
そしてティアナも頭でわかってはいるのだが・・・・・・何年たっても未だに納得がいっていなかった。
つくづく異文化コミュニケーションに向いてない女である。
絶対外国に住んで文化摩擦起こすタイプだね。
「ヴィヴィオを素直に返さないなら、こんな骨董品落すまでよ。あんたもぼこぼこにして、この異変は終わらせる。覚悟は良い?」
冷徹な瞳で見返すティアナ。
疲労のたまる六課生活での一番の癒しである、可愛い可愛いヴィヴィオを誘拐したコイツの罪は重い。
自分だけでなく、隊長陣を引き回して一人100発ずつ最大魔法攻撃を叩き込んでやりたいくらいだ。
「できるか!?貴様如きに・・・・・・・・?人間を止めて心まで機械仕掛けとなった魔女如きに、・・・・・・私の計画が止められるかぁああああああああ!!??」
厳かに答える────機械仕掛けの魔女と呼ばれた少女。
「出来る、出来ないじゃない。・・・・・・・やるのよ。」
──────COMING SOOON !!!
あとがき
やっちゃったね。
絶チルのほうも忘れないけど、感想を見てたら脳汁が止まらなくなっちゃった。
文章力は上がらないのにタイピング速度が鬼のように上達してるお!