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No.29970の一覧
[0] 【習作】殺戮夫婦の大陸珍道中【ランス二次創作】改め【習作】はぐれヤンキー大陸珍道中【ランス二次創作】[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 17:59)
[1] ~殺戮夫婦の大陸珍道中~プロローグ[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 17:59)
[2] 第一話[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 17:59)
[3] 第二話[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 17:59)
[4] お詫びと更新停止のお知らせ~ネタバレ注意~[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 17:59)
[6] ~はぐれヤンキー大陸珍道中~プロローグ[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 18:20)
[7] 登場人物紹介[カカカ、カミーラさん](2011/10/04 18:00)
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[29970] ~はぐれヤンキー大陸珍道中~プロローグ
Name: カカカ、カミーラさん◆93cac2ae ID:ff80b53e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/10/04 18:20
 現在、大陸の東側を占める人間が統治する世界となっている。

 【ジル】が【魔王】の座についていた時代には魔物たちの完全な奴隷となってしまっていた。
 だが、現魔王【ガイ】が人間を解放。
 それにより、人間たちは大陸東半分を使うことが許された。

 その後に内乱が起こり、結果国家が形成され現在に至る。
 今は大きく四つの地域と一つの島国に別れ、北西を【ヘルマン】、北東を【リーザス】、南西を【ゼス】、南東を【自由都市地帯】、その脇の島国を【JAPAN】としている。
 歴史上、人類による統一国家は聖魔教団以外存在しない。
 人間たちの三大国は表面上は和睦の関係だが、いつ戦争が起こっても不思議ではない常に緊張した状況にある。

 一方で大陸西部は太古から変わらず魔の支配する世界となっている。
 絶対君主である魔王を頂点に、血を分けられた【魔人】が従い、魔人に血を分けられた【使徒】が従い、その下に魔物たちが従う。
 完全縦割りの階級社会に彼らは生きている。

 大陸東部と大陸西部の交わる場所、つまり人間と魔の世界を隔てる場所には、人間たちは並々ならぬ力をかけて、防衛手段を講じている。
 歴史は人間と魔が対立していることを示している。
 魔物たちはいつ何時人間の世界に侵攻してくるかわからない。

 たびたびと魔物から被害を受けているゼスでは境に巨大な建造物を走らせた。
 名を【マジノライン】。
 北から1区、2区と全10区に別れており、魔物界側にはトラップや砦が数メートル毎に設置されている。
 山頂には200メートル毎に迎撃システムの制御室がある、40年の月日と国家予算の大半をかけて作られた大防衛線だ。
 ゼスはこれの維持に国家予算の四割を割いている。

 だが維持し続けねばならない理由は、それだけ魔という存在が人間たちに根源的敵対者として残っているから。

 ヘルマンも同様に、魔物を防ぐための百数十キロにも及ぶ【番裏の砦】と呼ばれる大防壁がある。
 ゼスが誇るマジノラインに比べると兵器は原始的だが、随時一個師団以上が常駐しており、何とか機能を果たしている。

 ――そんな番裏の砦から幾らか離れた先。
 ヘルマン領内から魔物たちの世界に向けて駆ける一団が見える。

 がちゃがちゃと鎧を打ち鳴らし、数人の黒い鎧に身を包んだ集団。
 黒鉄の鎧兜に盾、伝統の青いスカートを履く重装甲兵。
 【ブラックナイツ】の異名を持つ、ヘルマン帝国最精鋭の兵が集まったエリート騎士部隊だ。

「待たぬかぁっ!」

 一団の先頭を走る男が叫ぶ。
 声を投げる視線の先にはもうもうと立ち上る土煙り。
 何やら誰かを追いかけているようだ。

「待てと言われて待つバカがどこにいるってんだ!」
「ぬわっ! 魔物ごときが俺に逆らうかっ!」
「バカバカバーカっ!」
「黙れ、黙って経験値にならんかぁ!」
「HAHAHAHA!」

 うさんくさい笑い声が土煙りを払う。
 一団の視界に移ったのは、天突く金色のリーゼント。
 鯨がでかでかと背面に刺繍された白い特攻服を纏い、腹にはサラシを巻き釘だらけのバッドを手に、口にはタバコ。
 
「ファッキュー!」
「がああっ!」

 中指を立てて、リーゼントは一団を挑発する。

 リーゼントは人間に似た姿形。
 しかし人間ではなく魔物の一種【ヤンキー】と呼ばれる種族。

 だが普通のヤンキーとはまるで異なる容姿をしていた。
 ヤンキーはタハコをくわえてバットを振り回す不良なモンスターで、おでこにクジラLOVEの刺青をしたゴツい色黒男のはず。

 リーゼントはいわゆる【はぐれ者】。
 稀に現れる、同種族でありながら強い個性と能力を発揮する存在だ。

 彼は幾体かの魔物を引き連れ、魔物の世界に向けて全速力で走っていた。

「リョウ殿、もうしばし足を速めませんと」

 しんがりを行く【リョウ】と呼ばれたはぐれヤンキーの脇を黒く太い尾の生えた女が進む。
 Mと描かれた黄色い体操服に身を包む、薄紫色の髪の魔物。
 【マスターやもりん】の【リン】と彼女はいった。

「わーってるって。
 ほれエレン、もうちっと頑張れや」
「ん、んっ、おでがんばる」
「砦の末端近くを走っておりますからな。
 もう少しで山に入り、【カラーの森】へ行けば魔王様の領地まですぐですぞ」

 その前には褐色肌の巨人【デカント】の【エレン】。
 広げた手のひらには真っ赤な親指。
 巨大な一つ目と口が張り付いている。

「うっしゃ、もうちょい!
 それでマッカッカサー、アイツは?」
「いえ、私は」

 否定の言葉を返す【アカメ】の【マッカカサー】に、四体はちらりと後ろを向く。
 覆面海パンのマッチョが追いかけてくる一団に向かって大の字に身体を開いていた。

「この世は自由、そう自由なのです!
 みなさん一緒にフリィィダムっ!」
「死ね雑魚がっ」
「あふんっ」

 振りかぶり、打ち据えられた盾の一撃でマッチョは宙を舞う。

「あ~……うっ」
「みぎゃ」
「とった!」
「よし、よくやった」

 【フリーダム】の【キラ】はエレンにくちゃりと受け止められて、リョウたちはまたひた走る。

 目指すは一路、魔物の世界。
 ただ一つ、心に宿した誓いを果たすために突き進む。

「カミーラ様、アンタのために俺は行くぜ!
 俺のガキを産んでくれぇっ!」

 魔人を孕ませる、というふざけた願望を胸に。
 はぐれヤンキーは拳を握った。





~あとがき~

と、いうことで物語再始動です。

ランス世界での、しかも魔物による立身出世物です。

恐らくオリジナルキャラが、ほぼ魔物ですが何体も出るかと思います。

登場人物紹介も作りますので、よろしければ暇潰し代わりにこの作品を読んでいただければ嬉しく思います。


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