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No.30266の一覧
[0] 真剣で悟空と闘いなさい!(DB×真剣恋クロス)【完結】[柿の種](2013/05/04 17:40)
[1] 1話[柿の種](2011/11/07 20:27)
[2] 2話[柿の種](2011/11/06 22:07)
[3] 3話[柿の種](2013/05/03 17:40)
[4] 幕間[柿の種](2011/11/03 03:08)
[5] 4話(補足追加)[柿の種](2011/11/14 09:41)
[6] 5話[柿の種](2011/11/19 08:05)
[7] 6話[柿の種](2011/11/14 09:42)
[8] 7話[柿の種](2011/11/14 11:47)
[9] 8話[柿の種](2011/11/17 20:59)
[10] 9話[柿の種](2011/11/20 21:29)
[11] KOS編 1話[柿の種](2011/11/19 08:58)
[12] KOS編 2話[柿の種](2011/11/20 22:15)
[13] KOS編 3話[柿の種](2011/11/26 07:33)
[14] KOS編 4話[柿の種](2011/11/27 17:47)
[15] KOS編 5話[柿の種](2011/12/02 14:33)
[16] KOS編 6話 [柿の種](2011/12/11 09:11)
[17] KOS編 7話[柿の種](2011/12/11 12:39)
[18] KOS編 8話[柿の種](2011/12/14 19:56)
[19] KOS編 9話[柿の種](2011/12/22 22:47)
[20] KOS編 10話[柿の種](2012/01/02 18:29)
[21] KOS編 11話[柿の種](2013/05/03 17:37)
[22] KOS編 12話[柿の種](2012/01/23 03:47)
[23] KOS編 13話[柿の種](2012/02/19 19:58)
[24] KOS編 14話[柿の種](2013/05/03 10:40)
[25] KOS編 15話[柿の種](2013/05/03 10:42)
[26] KOS編 16話(最終話)[柿の種](2013/05/05 12:13)
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[30266] 8話
Name: 柿の種◆eec182ce ID:e9c30a7e 前を表示する / 次を表示する
Date: 2011/11/17 20:59
「さーてと、準備万端っと」

「んっ、ワン子、おめえ、何やってんだ?」

 早朝6時、タイヤを2個先につけたロープを腰に結ぶ一子。それを見て悟空が問いかける。

「あっ、悟空君おはよう。朝の修行よ。タイヤを引っ張って走るの」

「へー、おもしろそうだな。オラも一緒にやっていっか?」

「いいわよー」

 一子の話しを聞いて興味を持った悟空は彼女に案内されて修行用のタイヤ置き場からタイヤを運んでくる。一個あたり10キロ前後の重さがあるタイヤを一度に6個も持ち上げて軽々と持ち上げて運ぶその姿は一般人であれば目を丸くするものであろう。

「こんぐらいでいっかな」

「うわっ、すごいわね」

 2往復し12個のタイヤを用意した悟空はそれを全てロープで結びつけ腰に結びつけようとする。それを感心と驚きの混じった表情で見る一子。
ロープが結び終わり、準備が整ったので、二人はタイヤ引っ張り一緒に走りだす。そのスピードは重量物をつけていると思えない位速く、少し身体を鍛えている位の人が普通にランニングするよりもかなり速いペースで走る。

「ユーオーマイシン、ユーオーマイシン」

「んっ、なんだ、それ?」

 いつもの掛け声をあげながら走る一子に悟空が尋ねる。

「えーと、これはねー。えーん、意味忘れちゃった。……っと、とにかく、気合いを入れる掛け声よ!!」

 答えようとし、泣き顔になる一子。その後でそれを勢いで誤魔化すように指を真っ直ぐ突き出し、宣言する。
 ちなみに勇往邁進とは『困難をものともしないで、ひたすら突き進むこと』という意味である。

「ふーん、なら、オラも言ってみっか。ユーオーマイシン、ユーオーマイシン」

「ユーオーマイシン、ユーオーマイシン!!」

 ワン子の説明を聞いて意味のわからない真似する悟空。そのまま掛け声をあげながら走る二人。するとそこで、二人に対し、近づいてくる人力車があった。そんなものに乗る存在はこの街には一人しかいない。

「はっはっはっはっは、九鬼英雄、ここに参上。一子殿、おはようございます。トレーニングですかな? 朝からあなたに会えるとは素晴らしい幸運だ。んっ、そっちの男は誰ですかな?」

 当然の如くその人物は九鬼英雄であった。人力車は一子と悟空の傍に止まりそれに乗る彼は高らかに笑う。風間ファミリーの他のメンバーが傍に居ないために、隠れることもできず、顔が引きつり、後ずさりながら対応する一子。

「あはは、九鬼君おはよう。えっとね、この人は悟空君って言ってね。旅の武術家で、今、川神院に滞在しているの」

「オッス、オラ、悟空だ」

 大和の考えたカバーストーリーを答える一子と片手をあげて挨拶する悟空。
 余計な揉め事を起こしたり、頭がおかしい人と思われるのを避けるため、悟空が異世界人と言う事はあまり言いふらさない方がいいだろうと言う配慮だった。

「ほぅ、川神院に滞在を許されるとは相当な実力者なのですかな?」

 一子の話しを聞いて悟空に興味を持つ英雄。勿論、そこには一人の男として、好きな相手と一緒に居る正体不明の男の素姓を探ると言う感情も多少は含まれている。最も彼はよくも悪くも器がでかいでため、過剰な嫉妬心を抱き、悟空を敵視したりすることは無いが。
 
「うん、お姉様と同じ位、強いのよ」

「なんと!!」

「それは驚きですねえ」

 一子の答えに従者の忍足あずみと合わせと揃って驚きの表情を浮かべる。百代の鬼神の如き強さは川神学園に通うものであれば誰でも知っていることである。最強と言えば百代と言っても過言ではない程で、その強さは完全に別格扱いとなっている。故に、悟空が彼女と同等の強さを持っていると言うのは正に驚愕の事実であった。

「ううむ。にわかには信じ難いですが、一子殿がおっしゃるのならば本当なのでしょう。それでそのような相手と一緒にトレーニングとは、何か教授を受けているのですか?」

「うん、悟空君の戦い方は凄く参考になるから。今は、ただのランニングだけどね。あっ、そうだ。悟空君、仙豆を」

 悟空の話しをして、仙豆のことを思いだす一子。九鬼の怪我を直す為に仙豆を渡すことについて、一子以外の手から渡すという案も当然考えたのだが、それには一つ問題があった。それは食べるだけで怪我が治る豆と言う胡散臭すぎるアイテムを一子以外が渡したとして果たして受け取ってくれるかどうかという問題である。
 そこで解決策を考え、最終的には一子が傍にいる状態で、彼女の推薦のもと他の誰かから渡してもらうと言う折衷案に結局は落ち着いたのであった。
 
「おう、おめえ、これ食ってみろ」

「むっ、なんだ、これは。豆か?」

 仙豆を取り出し投げる悟空。それを掌で受け止め、訝しげな顔をして眺める英雄。そこで、一子が解説をする。

「それは悟空君が旅の途中で手に入れた不思議な豆で、食べるだけで怪我が治るんだって。それで、もしかしたら九鬼君の腕も治るかもしれないと思って」

「おめえら、英雄様にそんな得体のしれな……一子様、英雄様の腕は九鬼財閥のいかなる名医が見ても完治はさせられなかったものです。薬などでは残念ながら治すことはできませんわ。下手をすれば何か副作用がでてしまうかも」

 主に危害が及ぶのではないかと一瞬、本性が出かけるあずみ。直ぐに猫を被り直し、『変なものを食わせるな』という言葉をマイルドな表現に言い換えて警告してくる。

「うっ、うん、でも本当にそれは効くの。クリスも怪我が直ぐ治っちゃったし、それに川神水や川神キノコみたいな不思議な食べ物もあるでしょう?」

 川神水とはアルコール0%にも関わらず、飲むと酒を飲んだように寄ってしまう不思議な水で、川神キノコは食べると正確が反転しまう不思議なキノコであり、どちらも川神市で採取できるものである。
 それ等を考えると怪我が治る豆と言うのも確かに多少の説得力はある。

「ふむ、一子殿が下さったものならば少なくとも身体に悪いものではないでしょう。その心遣いありがたく頂きますぞ」

話しを聞いて英雄が仙豆を口に入れ噛み砕く。あずみは止めようとするも、主人が決断してことに口を挟むこともできず、彼を見守った。
 そして、砕けた仙豆を飲み込んだ瞬間、英雄の表情が変わる。

「英雄様!! 大丈夫ですか!?」

 それを見て心配するあずみ。それに答えず、英雄はわなわなとふるえている。

「てめえら、英雄様に何を飲ませた!!」

 殺意をほとばしらせた憤怒の表情で悟空と一子に詰め寄ろうとするあずみ。予想外の事態に答えることもできず慌てる一子。
 そして無理やりにでも口を割らせようとあずみが飛びかからんとした時、英雄が驚愕の声をあげた。

「信じられん。腕の痺れが完全に消えたぞ!!」

「えっ!! 英雄様、本当ですか!?」

 英雄は腕を振って調子を確かめるが、そこには何の痛みも無い。自由に動き、また麻酔などで痛みだけを消した時等とは違い、鋭敏な感覚も残っている。それはつまり古傷、より正確に言うならば慢性的な怪我が完全に治った証であった。

「信じられん……」

 もう一度、呟くように声を漏らす。実の所、如何に愛する相手からのプレゼントと言え、英雄は仙豆の効力を本気で信じていなかった。心遣いが嬉しかったのは本当だが、精々がよく効く漢方、少しでも効力があれば儲けもの程度に思っていたのである。それが一瞬にして、完治という劇的な効果に、そして失ったものを取り戻したことに彼は計り知れない衝撃を受けていた。

「よかった、治ったのね!」

 英雄の回復を自分のことのように喜ぶ一子。同じく喜ぶあずみ。
 そして次の瞬間、彼女達は信じられないものを目にする。

「えっ、九鬼君、泣いてる?」

「英雄様……」

 それは傲岸不遜を絵に描いた様な男が人前で流した涙だった。
 言われ涙に気付いた英雄はそれを拭うと顔をあげる。その時には既に彼の目に涙はなく、まるで憑き物が落ちたようなすっきりとした笑顔を浮かべる。

「……みっともない姿を見せました一子殿。そして改めて感謝します。それと、悟空殿と言ったな。先程の物を提供してくれたこと、感謝する」

 威厳の籠った姿で、九鬼は一子に対し礼を述べる、次に悟空の方に顔を向け、彼にも礼を言った。
 普段、他者を見下してはいるが、感謝すべきときや敬意を払うべき時、あるいは謝罪すべき時には誰が相手であっても素直にそれを素直に実行できるのがこの男の美点であった。

「別にいいぞ。オラが何かした訳じゃねえし」

「そうは如何。恩を返さぬようでは九鬼の名が廃る。何か、望むものはないのか?」

「んー、なら、ごちそういっぱい食わせてくれよ。オラ、腹いっぱい飯くいてえ!」

「わかった。最高級の料理を用意し招待をしよう。っと、申し訳ない一子殿、悟空殿。今日は九鬼財閥の方にも顔を出さなくてはならないのでな。これで失礼する。招待の日時はまた、後でこちらから連絡しよう。それでは!!」

 特に謝礼を求めない悟空であったが、強くすすめてくる九鬼に食べ物が欲しいと答える。九鬼はそれに承諾すると、用事の時間に気付き、走り去って言った。
 それを見送る二人。
 そして、その姿が見送ると悟空がポツリと言った。

「変わった奴だったなあ。おめえの友達、面白い奴が多いんだな」

「あはははは、けど、変わってると言えば、悟空君も変わってるじゃない?」

「そっか?」

「うん、何せ異世界人だし」

「そっか、そういやあそうかもしんねえな」

 自分のことを棚に上げて言う悟空。それに対し、渇いた笑いを上げた後で、微妙にと言うかかなりずれた突っ込みをいれる一子であった。


(後書き)
悟空と一子は相性いいけど、両方ともボケタイプなので時々会話が難しいです。キャラが変だと思ったら指摘いただけるとありがたいです。
ところで、ちょっと皆さまに質問があるのですが、原作でワン子がつけている重りの重さは12キログラムと記述がありますが、これって両手で12キロだと思います?それとも片方12キロだと思います?100メートル11秒台とか割と現実的な身体能力から考えると両手で12キロだと思いますし、戦闘時の(気で強化した?)動きとかみると片手で12キロでもそんなに違和感ないですが。個人的には両手合わせて12キロかなと思ってるんですが、よろしければ皆さまの意見お聞かせください。


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