ーダガーン会戦防衛線ー 勃発。
「さーてやりますかねぇ」 とサトシが言った。
「く、くそ!!」 俺はイライラしていた。「ど、どうしたんだ?」 ホロマンが言った。
「え?あ、いや、エンチャントがいいのがでねえんだよ!! 攻勢が14までしかでねえんだ!!」
「ああ?そんだけあればいいじゃねえか!!もうみんな前線行ったぞ?」
「ぐ、ぐむぅ」
「しょうがねえ。妥協はしたくねえが、時間とのバランスが大事だな!!」
「い、いやそういう問題なのか?まあいいわ。さっさと前線いけよな!!」ホロマンは去っていった。
俺は納得していなかったが、俺が遅れて前線崩壊したんじゃあ話しにならないので、行くことにした。
おっし、ブースト発動!!いくぜ!!ドゴゴゴゴゴゴゴッゴゴ!! 一気に主戦へ向かった!!
先発組みの姿が見えてきた。おーやってるやってる。みんなATを建築中だった。序盤は守りを固めるのが上策なのだ。もちろん領域もだけどな。
ん?ゼイからささやき回線要請が来た。俺は取りあえず出た。
「あんた遅かったわね?何してたの?」
「え?ああ、エンチャをしてただけだぜ?」
「そういうのは始まる前までに終わらすのが常識でしょ?」
(うああ小言が始まったよ。お前は俺のママかよ!!)
「だってよ攻勢が14までしかでないんだもんよ?しょうがないだろ?」
「あんたばっかじゃないの?たった+1にどれだけ時間使っているのよ!!全くあんたのワンワンぶ
には呆れたわ」
ブチっ 俺はワンワンと言われるのが大嫌いだった。
「ああ?じゃあなんだ?もし+1してなくてボス倒せなかったら、お前責任取れるのかよ!!」
「あ、ごめん。ちょっと言い過ぎたわ。あんたは大隊長だもんね。責任重要だよね。」
(あれ?なんかしおらしくなって、どうしたんだ?調子狂うな)
「それで武夫、攻勢15にしたんだよね?」
ギクウウ、心臓が飛び出そうな気がした。
「ああ、もちろんしたさ。」
「ふーん。したんだ?」
「な、なんだよ?」
「ま、いいわよ。」
「武夫?私のエンチャいくつだか分るかしら?」
「攻勢15に耐性20だな。」
(あ、しまった。バレテールよ)
「ふーん、良く分ったわね?」 そう言うとゼイは ささやき回線を切った。
(くそっwま、負けた悔しい!!)
俺達がくだらないやり取りをしている間に、AT砦は完成していた。
「よーしこれで準備は万端だな。おし、お前ら先制攻撃だ!!いくぜ!!」 一同 了解!!
今回は絶対に負ける訳にはいかないので、俺が先陣を切る!!ドゴゴゴゴゴゴゴ
横にはゼイも並んでいた。久々だなあこうして並んで戦うのは。部隊員も見てるし、こいつには
負ける訳にはいかねえな!! 俺はさらに加速した!!
「ちょっと待ってくれませんかねぇ? とサトシが言った。隊長達はボスの相手をしてもらわないといけないのでコスト温存のためにも、後方に居てもらえませんかね?」
「あ、そうね。武夫?私達は後方にいましょ?」 「あぁそうだな。分った」 そういって俺らは下がった。
サトシが先陣を切った!!俺は後方で見ていた。
「さーて奴さん来ましたねぇ。いっちょやりますか。」
サトシは高い丘に登りだした。部隊員達と戦闘が始まった!! んー俺ならあんなの余裕なんだがなぁ。
サトシのキルログが流れ出した。
「おおやっぱあいつすげーな相変わらず。」
サトシは地形を生かした戦い方が得意だった。ま、斧戦士はみんなそうだけどな。あいつは普通は上れない所にも登ってしまうから凶悪だった。敵からすれば、いきなり上から落ちてきて、倒されるわけだ。
「閣下!!閣下!!」 部隊員達の士気も、うなぎ上りだ。
やばくなると丘に登って、敵が他を狙いだしたらまた降りてきて瀕死を倒す。
それの繰り返しだった。俺はこう思った。 (ハイエナじゃね?)
ま、普通は倒せない敵を倒しているのだから、ハイエナでは無い。分ってはいるがハイエナにしか見えなかった。
「ハイエナじゃあありませんからねぇ?」 とサトシが言った。
俺は沈黙を守る。
「隊長?」
(なんだこいつなんで俺の考えていることが分った!!)
「これは断じてハイエナではないですからねぇ?」
「分った!!もう分ったから許してくれ!!」 そう俺は言った。
ゼイからささやきが来た。
「あんた心の声が口から出てたわよ?」
「ええ?マジデ?き、気をつけるわ」 マジか?知らなかった。本当に気をつけよう。
そうこうしているうちに、敵のAT防衛ラインまで攻め上がっていた。
サラマンダーどもはAT郡から出てこない!!
サトシが言った。
「これは困りましたねぇ うかつに攻めるとこれはカウンターをもらってしまいますねえ。ここは一度下がって召還をつれてきたほうがよさそうですねえ。隊長どうしましょう?」
「そうだな。うかつに攻め込んで消耗したところにボスが出てきたら目も当てられないからな!!ここはひとまず下がって、レイスとジャイアントをつれて来よう!!」
いつもなら強引に行くんだが、今回ばかりはそうも行かない。
俺たちは一度自軍AT郡まで後退した。サラマンダーどもは追ってくるのかと思ったが、追ってこなかった。
「やっぱりAI賢いわね。」ゼイが言った。「そうだな。」 俺も同感だった。
召還の準備をしつつ、俺は福戦場の様子を聞いた。
「ホロマン、そっちはどうだ?」
「ああ、こっちは可も無く不可も無く。といった感じだ。そっちはどうなんだ?」
「こっちは今、やつらのAT郡を崩すために召還を準備してるとこだ。」
「なるほど。」
「じゃあがんばれよ!!」 「お前もな!!」
召還の準備が出来た!! レイス、ジャイ2、護衛ナイト2。完璧じゃないか!!
ゲージを見るとまだ、一ゲージ目で、少しばかり自軍が優勢だった。これはカウンターを
受けなかったことが大きかった。
「よーしお前ら出陣だ!!敵砦を壊滅させるぞ!!」
「おおおおおおおおおお!!!!」
少し進むと、敵と遭遇した。奴らも召還を従えていた。 「で、出来るな!!」俺はつぶやいた。
敵の召還はレイス、ジャイ1、ナイト3という構成だった。 護衛の数が負けてるな。
ま、NPC相手に召還で負けることはないだろうと考えていた。こっちは強化レベル10の召還なのだからな。
敵のナイトはレイス目掛けて突進してきた。レイスは華麗に避けつつ、味方ナイトが的確にランスを当てていく。
スタンを食らったりしていたので、あっという間に敵のナイトは蒸発した。どうやら召還を解除する
暇もなかったようだった。
じわじわと俺たちは前進していた。敵のジャイアントはあきらめたのか、解除した。
残りはレイスのみ。自軍ナイトが後方に一体回りこみ、レイスに仕事をさせない!!流石、俺の部隊員だった。
さらに攻め上がり、とうとう敵のAT郡までたどり着いた!!ジャイアントの出番だ!!
ジャイのストロングキャノンが火を吹く!!ドゴーン!!
敵ナイトが次々現れるが、単体だったので次々と撃退できた。この辺はやはりNPCだった。
そうこうしているうちに、敵のATはほとんど無くなっていたのだった。
「それではいきますかねぇ。」 サトシが合図をする。
「お前らいくぜーーー!!!!」
「おおおおおおおお!!」
俺達は一気に攻め上がった!!敵はどんどん後退していった。 逃げ遅れた奴をことごとく捕まえて、サトシが倒していた。
「ハイエナじゃあないですからねぇ?」 (まだ言ってるよw)
ジャイアントがオベリスクを破壊していたので、俺達はその周辺を護衛していた。しばらくすると
もう破壊できる建築物は無くなっていた。
ジャイアントを操作している部隊員が言った。
「隊長~これ外してもいいですか?」
「あ?ああ、それ外れるんだったっけ?いいよ~もうどうせ破壊出来る者も無いしよ!!」
そう言うとジャイアントはストロングキャノンを投げ捨てた。
すっかり忘れていたが、強化したジャイアントは肩に乗せた大砲を取り外せる。すると戦える巨人へと進化するのだった!!しかし、相変わらず鈍足なのと、スキルが二つ増えるが、近接しないと使えないためほとんど出番はないのだ。まぁ威力は絶大なのだが。。。
いよいよ敵本陣に近づいてきた!!来た来たおいでなさりました。サラマンダーの親分が登場!! 親分の周囲には雑魚どもが取り巻きの様に群がっていた。
ゼイがささやき回線要請をしてきた。もうめんどうなので、自動で許可するように設定した。
「いよいよ私達の出番ね?」
「なんでお前はいちいちささやきで話すんだ?別にオープンでもいいじゃねえか!!」
返答はなかった。んーゼイは良く分らない。
「よーしまずは、俺達で、あの雑魚どもから親分を引き剥がすか!!」
「そうね、武夫が劣りになって引き剥がすのね。了解!!」
「え?俺だけなの?」
討論している暇はなかったので、俺はブーストで加速し、一気に敵に近接した!!黒サラマンダーが次々と重力(グラビティーフィールド)を撒いてくるが、そんなものは当たりはしない!!
俺は避けつつ、敵を釣った。
親分は足が速いため、どんどん雑魚どもは引き離されていく!! それをサトシ達はみごとに
引き付けていった!!
「よーし分断成功だ!!」
孤立した親分と俺達二人は対峙した。 ゼイはちっとも動かない。 なんか咳払いが聞こえる。
「え?また、俺が先に行くの?」
「何よ?私は初めて戦うのよ? あんたは経験があるんだから当然でしょ?」
「分ったよ。じゃあいくぜ!!」 俺はブーストを発動した!! ドゴゴゴゴゴゴゴゴ!!
親分は火の玉を連発してくる!! 大きく迂回しつつ、なんとか避ける!!カキーン!!な、なんだと!?
俺は凍ってしまった。なんだ?こいつジャベリンも出来るのかよ!!ああでも雑魚が出来るんだから親分が出来ても当然だよな。そんなことを思っていると。ドゴーン!!あいた!!俺は特大の火球をもろに食らった。うおおおDOT痛い!!死ぬ死ぬ ファイナルリジェネレート!!ピキーン!
俺は親分から距離を取った。「ふう危ない危ない」
「もういいわ。私がやるから、あんたは見てなさい!!」 ドゴゴゴッゴゴゴ!!
俺は自分に降りかかるDOTを見ていた。100ってチートじゃね?あ、でも俺のリジェも100だし、
お相子だなw そう思って、ふと視点を戻したら。
一体何が起こったのか分らなかったが、とにかく親分は死んでいた。ま、マジデ?
あ、でもそいつ復活するんだわ。
「おーいゼイ危ないから離れろ!!そいつ復活すっからよ!!」
「え?そうなの?ありがとう。」 そう言うとゼイは距離を取った。
小さな光が瞬く間に大きくなっていった!!「ウギャーーーーーーーーーーーーーーー!!」
巨大な羽を広げ、そして飛び立つ!! そう、こいつは飛ぶのだ!!
「え?これって?武夫どういうことなの?聞いてないんだけど?」
「ああ、言うの忘れてたわ。すまん。俺もそいつとは戦ってないから分らないんだ。
なんせ、見たらFB(ファイナルバースト)食らって負けていたからな。」
「そ、そうなんだ。」 どうやら流石のゼイ様もこれには戸惑っていた。
「まぁでもよー。いくらなんでもパワー無限じゃねえだろうしよ。回復は地上でするんじゃねえのか?そうじゃねえと倒せないしな。うはははははw」
俺は怒られないように必死だった。
(ああ、なんだかこいつといると、あの地獄の修行みたいで、落ち着かないな。)
「そ、そうね。だったら倒し方は一つしかないわ。あんたはあいつが着地したら、なんとしても
バッシュを当てるのよ!!いい?分った?」 「あぁ分った」 「とにかくスタンさせれば後は私がなんとかするから。」
「さあいくわよ?」
「OKそんじゃあいくぜ!!」 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
羽親分は俺たちを無視して、どっかいってしまった。「何よ?」 「な、なんだ?今の、ミーティングはなんだったんだ?」
二人とも呆然と立ち尽くしていた。
つづく。
作者より。
いやー小説って読むのはすぐですけど、書くのってこんなに時間かかるとは思っていませんでした。
この調子だとラストまでいったいどれくらい時間が。。。なんとかがんばって時間を見つけて
がんばります。
そ、それとお願いがあるんですけど、も、もし面白いって思ってくれる人が
いたら、そ、そのこの小説を紹介してくれないかな~ごめんなさい。他力本願で
アクセス伸ばそうとしました><