憧れの地、イギリスへ旅立ち、いらない物を切り落として義指をつけた私ですが
高級住宅街のイギリスロンドン北部のハムステッドのBの511のランカスターグローブ辺りに居を構え、白くて中身が黒い家という日本に比べればお城みたいな家に住み始め、荷出しなどの作業を行い。
早速、エスプレッソなどが絶品な美味しいと評判なカフェネロにでも行ってコーヒーをテイクアウトして
近くのパーラメント・ヒルの公園でエスプレッソ飲みながら、かの有名なフィッシュ&チップスをモグモグしようかなぁ。
ロンドン北部だからあのハリポタで有名なキングスクロス駅でも近いから行こうかなぁ
と、ミーハー気分に浸れると思いきや、いきなり買ったばかりの人ん家のドアを壊し
「桜、行きましょう」
バゼットさん光臨。
「バゼットさん、今の私はセレッソ・マレフィニカですよ?商家の娘さんですよ?」
フランスのボンボンの娘さん設定ですよ、今の私は。
「それはすみません、ではセレッソ行きましょう」
「あ、時計塔ですか?私の紹介ですね、助手の」
「いいえ――――カナダです」
「は?」
やっと長い飛行機の旅が終わると思えば、また長距離渡航。
欧州から北アメリカ大陸へ。
カナダ北部のアラスカの間辺りに連れて行かれる、私でした。
とりあえず、そんなに寒くなかった。
わけないだろう。
最悪に寒いわ。
ここまで来たらオーロラみえるかも、とか思いました。
なんで貴女はスーツで大丈夫なのよ?
なんでも大禁呪の封印指定の魔術師が逃げ込んだらしくそれの追跡任務らしいです。
脳みそだけとってくればいいらしいです。
で、本場メイプルシロップを食パンなどにかけてモグモグしていた私ですが
危険があるところには連れて行かないって
嘘ですか?
おもいっきし、死にかけた。
レア魔術の封印指定者でした。
まず、生きた人間じゃ不可能な魔術であるはずなのに
人間のまま使いこなす固有結界使いと生きた英雄との戦いに巻き込まれました。
【固有結界・熊牧場】
あれは凄かった。
本気で死に掛けました。
バゼットさんも全く歯が立たないとか。
強すぎます。
でも結局、殺したのは私ってなんだろう。
しかも死因
蜂に刺されたことによる、アナフィラキシー・ショックって。
死に間際の一言
「鮭よりも蜂蜜が……食べたい」って阿呆かと。
そんなに蜂蜜が好きなのか。
この鮭が一杯捕れそうな川べりの戦いだけでも大長編小説書けちゃいますよ。
とりあえず、冬眠の途中でたたき起こされたクマとはもう、絶対に戦わないことに決めた。
捕った脳みそは少しペロペロさせて貰った。
うむ、美味でございます。
で、また飛行機でロンドンに帰り。
即行でインテリジェンス箒の捕獲を任された。
どこのファイヤー・ボルトだよと言う位
夜のロンドン市内を飛び回る箒。
封印指定された魔術師が逃げようとして焦り、間違って人格移植を箒にしたらしいです。
これは執行者の仕事なの?
と思いつつ。
マッハ・ギンヤンマで撃墜。
近接戦闘しか出来ないくせに任務受けるなバゼットさん。
上空にいる戦闘機と素手で戦うつもりか。
神秘秘匿のお礼に箒を貰いました。
これで歩かなくてすむ。
と、うきうきしていると
「明日から中国です」
「え?」
中国の雲南省に現れた仙人の捕縛任務。
おお、不老不死ですね、楽しみです、と思いきや
コレジャナイ的な不老不死だった。
植物にはなりたくない。
自然との一体化で本当に一体化してどうする。
とりあえず脳みそ分捕り、ルーンで植物を山ごと燃やし始めたバゼットさんを見ながら飲茶でも頂きながら
そう、思う私でした。
金華ハムと飲茶美味しいです。
あ、燃えすぎ。
隣の山に燃え移ってますよ。
私しーらないっと。
共犯?
いや、貴女の単独犯行じゃないですか。
とりあえず分捕った脳みそはペロペロした。
なんかしょっぱい。
また仕事。
「大地」の大勢の兄弟達に喧嘩を売った馬鹿を抹殺しにリトアニアに赴いた。
バゼットさんが抹殺完了すると
ジャルギリスの戦いが起きた場所でウルリッヒ・フォン・ユンギンゲンさんっていう人の剣を妖精さんから「大地が汚れるから処分して」、と譲りうける。
その時、王蟲ちゃんに一匹の妖精さんが一目惚れしたらしく
気付くと王蟲ちゃんの中で寄生結婚生活を送っていた。
母親として嫁は大切にしようと思い、契約をした。
どうやら本質は人間の住まいを守るタイプの妖精だったので
ロンドンに帰ったら家を守護してもらうことにする。
あんまり帰ってないし、あの家。
平易な語による教理問答、という本を読みながらシャコティスというケーキを食べる。
バームクーヘンに似ていて美味しい。
バームクーヘンよりも乾燥した食感だが、これはこれで。
でも形が武器みたいなので、ちょっと食べるのに躊躇した。
平原で一泊する。
夜空の星達を眺めていると
急にお米が恋しくなり、でも買う暇がなかったので、とりあえず
パンを千切って、持ち歩いていたカレー粉と野草の汁で夕飯を頂いていると
死徒が現れ、ゆずってくれ、頼む。と土下座された。
カレー粉が尽きたらしい。
戦闘モードを止めないバゼットさんも含めてみんなで夕ご飯。
自分が日本人だと言うと
「アナタ、シエルのダーリンの知り合いじゃないわよね?」
と、訳の分からないことを聞かれた。
シエルって誰だ。
どこかで聞き覚えがあるのだけど、忘れてしまった。
オカマのカレー吸血鬼と別れ、再びロンドンに戻る。
せっかくの死徒さんだったのに、捕獲し忘れた。
だって、あれ美味しくなさそうだもん。
カレー臭そう。
で、ロンドンに戻る。
妖精さんが狂喜乱舞していた。
どうやら私の蟲達はイケメンばっかりで、逆ハーレム状態らしい。
え?なにそれ。
羨ましい。
王蟲ちゃんとの結婚生活はいいけど、浮気はあんまりしないでね、と説教を一つ、言う。
家庭内暴力が起きたら私の家が壊れるから。
次の日また仕事。
船でバルト海からミンチ海峡の海を渡っていると
水棲人類ブルー・マンによる豪華客船連続殺人事件が発生する。
最終的に船が取り囲まれ、リズムゲーム勝負をする。
負けたら食われるってなんだ。
頑張ってくれ、同じ船に乗っているケルティック音楽合唱団の方々。
一人になったブルー・マンを試しにバゼットさんに殺して貰って
奪い取ったセイウチの牙で作られたチェス駒でバゼットさんとチェスなどをしながら
スコットランド式のアフタヌーンティーを楽しむ。
うむうむ。
ローランドで育つ、春の仔羊は美味である。
バゼットさん味わって食べてくださいよ。
「私が片付けますか、アレ」
「駄目ですって、うわぁ、皆さん怖がってますよ?
それにあの方達だって家族が居て養うためにやってるんだから」
「……そうですね」
「そうなんです、あれも一種の異文化交流、私たちが手を出していい問題じゃないんです」
「はぁ、セレッソには何時も諭される」
「気にしないでください、だってアナタの助手なんですから」
「それも、そうですね、ゲームも長くなりそうだし寝ましょうか」
「はい」
どうやらリズムゲーム勝負は人類側に勝利の天秤が傾いたようだった。
しかし、負けたことに腹を立て、襲い掛かってきたので
「バゼットさん―――往きましょう」
「用意は大丈夫ですか――セレッソ」
「いつでも」
「では、朝の体操と往きましょう!」
最近作った機甲蟲での初戦闘。
おお、やっぱり成功です。
命中するとみんな千切れてバラバラになります。
ライフル弾よりも速いので跳弾に気をつけてくださいね、バゼットさん。
イギリスに戻るころには全部駆除できました。
水棲人類ブルー・マンの絶滅により人魚さんが喜び、現れた。
バルログのランプを貰う。
これは電気代タダに成りそうなのでありがたく貰う。
それよりもアナタの生き肝が欲しい、といったら逃げられた。
ちっ
今から海に飛び込もうかな、海に毒を撒こうかな、とか考えていると
「欲張るのはいけないことですよ、セレッソ」
と、バゼットさんに怒られた。
散々皆殺しにして血で汚れたバゼットさんが怖かったので、諦める。
最近銃器の扱いを覚えてきた。
ド下手糞なのでとりあえず、普段手榴弾だけ持ち歩き、蟲に着けて飛んで貰っている。
ロンドンに帰ると3月に入っていた。
時計塔の人たちから遠巻きで見られる。
時計塔の講師の方々に説教をされる。
せっかくの幻想種がどうたらこうたら。
じゃあ、これ全部あげます、と生き残ったブルー・マンの子供をプレゼントすると、快く受け取ってくれた。
同年代の学生さんに会ったので挨拶をすると、逃げられた。
どんだけ執行者って恐れられるのだろうか、と思っていると
「いやお前もだ、お前も」
と、ロードなんちゃらさんに突っ込まれる。
バゼットさんの助手として雇われてすぐに時計塔の学生達に架空元素使いって言いふらして
私の体目当ての人間をカウンターでペロペロするのがいけなかったらしい。
眼には眼を歯に歯をの精神ですよ、と言うと。
あんまりウチの学生を減らさないでくれ、と説教された。
まだ3人なんですけど。
「正当防衛です」
「そのうちお前も封印指定食らわせるぞ」
「すいません」
と謝っておく。
バゼットさんに襲われるなんて勘弁だ。
王蟲ちゃんと妖精さんとの間に子供が出来ていた。
名前は私が決めて良い、とのことなのでオーマと名づける。
仮面ライダーみたいな子だったので。
すくすくと大きくなれよ、と孫を持つお祖母さんの気持ちになった。
大仕事も終わり、ちょっとゆっくり出来る、と思えばまた依頼が入る。
また封印指定者が逃げ出したらしい。
今度はドイツだ。
忙しすぎるぞ執行者。
ていうか、封印指定されたら大体みんな逃げるらしい。
と、バゼットさんが言う。
そりゃそうだ。
と、同時に今ドイツを騒がせている蘇ったハーメルンの笛吹き男の退治が任される。
なんでも、逸話の実体化が起きたらしい。
なんでも、ドイツに逃げ込んだ封印指定者の仕業らしい。
耳栓でも持ってけば、大丈夫だろう。
ヴェーザー川を眺めながらザワークラウトとヴルストをレストランで頂く。
うむ、あっさりしているがどっさりとしたボリュームだ。
と舌鼓。
そして夜はソーセージと地ビールだ。
と思ってると。
バゼットさんが狩猟犬としての嗅覚で何かに気付いたのか、何かを追いかける。
箒に乗って追いかける。
辿り着くと、そこは刑務所だった。
ハーメルン・テュンデルン少年院に犯人はいた。
なんか横に変なピエロみたいな男が立っている。
なんでも悪ガキに妻を犯され殺されたので悪い子は皆殺しにするらしい。
横に立つ、笛吹き男を利用して川で溺死させるつもりらしい。
なまはげか。
別に理由とかどうでもいいし
少年院の子供たちがふらふら、と行進して川に向かってるが、そんなの気にしない。
「残念ながら、私たちは正義の味方ではありません」
「貴方に懸けられた封印指定」
「執行者として」
「その助手として」
「「執行しに来ました!」」
とか、言ったかは知らないけど撃破。
おお、何気に凄い物が手に入った。
怪しい笛げっと。
これ、子供を強制的に溺死自殺させる概念ついてる。
ネズミにも効くらしいので、貰っておく。
うわ、この人、架空元素使いだ。
エーテルでの逸話の実体化を可能にしたらしい。
降霊学科の方達に睨まれ、封印指定。
ラッキー。
ペロペロ。
4月
春です。
メキシコは乾季で暑いです。
喉が乾くし、治安悪すぎ。
バゼットさんと私で何度マフィアとの抗争に巻き込まれたことか。
何でも麻薬組織に魔術師が関ってるらしく、過去に逃げた封印指定者が変なクスリをバラ撒いてるらしい。
夜に街を歩くだけでレイプ魔が出現したり強盗が出現するので鬱陶しい。
エロイ気分にならずにゲンナリする。
私、差別するつもりは有りませんけど肌が黒い方々はちょっと好きじゃないです。
強面すぎですし。
なんか嫌だ。
バゼットさんとホテルに泊まると襲撃にあうし。
出される食事には混ぜ物が入ってるし、最悪だ。
蝿を私たちの周囲にばら撒く。
悪意を持ってくる人たちに刺すように設定して、簡易結界を張る。
なんか凄いことになった。
悪意を持ってる人多すぎ。
やっぱり人払いの結界にしておく。
メキシコ人謎の大量死が起きそうなので。
全然捜査が進まない。
結局半月、麻薬組織を渡り歩いた。
犯罪組織から人の形をしたツァコルとビトルと呼ばれ恐れられ始めた。
街の市長から表彰された。
でも次の日、市長が暴漢に銃で撃たれ死んじゃったので、無意味なものとなった。
ロンドンから封印指定者はデマ、と連絡を受ける。
ゲンナリした。
続く。
あとがき
バゼット&セレッソのジェノサイド旅行記