ピピピッ ピピピッ
ん~、朝か・・・
えーと、今日はなんもなかったよなぁ・・・
朝食作って、かずさ起こして、スタジオ連れてって
「んん、とりあえず起き、んぐっ!」
「起きるか」まで言いかけたところで何かに口をふさがれた
そしてそのまま口に何かドロりとしたもの流し込まれる
生暖かくて、甘くて、とにかく甘くて・・・何だこれは・・・
たっぷり1分くらいかけて俺の口をふさいでいた何かは、俺の口から離れて
「春希、おはよう」
と言った
口元から、先ほど俺の口に流されただろう液体を垂れ流しながら
「おはよう、かずさ。ところで『これ』は何だ?」
俺は口の周りについた液体を拭って聞いた
大体わかってたが、一応お約束だからな
「今日は2月14日だからな。
・・・あーあ、もったいない、もったいない」
そういうとかずさは、拭った俺の指についた『これ』舐めはじめた
『それ』はもともとそんな量がついていたわけでもなく、とっくになくなってるのにも構わず、かずさは延々と俺の指を舐めまわす
その光景はひどく扇情的で、今が朝だと言うことを忘れてしまうくらいに色っぽくて
「ほら、ここにも・・・」
かずさは指から口を離すと、まだ俺の口の周りにかすかに残ってる『これ』にも舌を伸ばし舐め回す
こんなことされて俺が冷静でいられるはずがなく、俺からもかずさの口元に残る『それ』に舌を伸ばす
そしてそのままの流れで、お互いの口の中に残る甘味を求め合う
それはいつもよりも数倍甘美な、そして濃厚な唾液の交換
「ちゅぷ・・・ふぅ・・・ごちそうさま」
「それは俺のセリフだろ・・・」
しばらくしてかずさは満足したのか、俺の口から遠ざかる
正直俺は物足りなかったが、いつまでもこうしてるわけにもいかないしな
「さてと、朝飯はまだだけど、先にシャワー入るか?」
「うん」
とりあえず昨日の夜かいた汗を流すのと、今朝ベトベトになった口周りを洗うためシャワーを浴びないとな
ちなみに「先にシャワーに入るか?」の「先」は「俺より先に」ではなく、「朝食より先に」の「先」だ
基本的に朝のシャワーは一緒に入るものだと、いつの間にか決まっていた
・・・いや、もちろん夜もだけど
(今日はシャワー浴びながら、また汗をかきそうだな・・・)
さっきのキスの興奮が体から全然抜け切っていなかった
そしてそれはきっとかずさも・・・
結局今朝の『あれ』に関しては明確な答えは得られなかった
こっちにはそんな風習はないのに、わざわざかずさが俺より早く起きて準備して、俺が起きるのを待っていたのかと思うと自然と顔がにやけてしまう
そんなにやけ顔をかずさに悟られないように、俺は先行して風呂場へと向かう