1.
「ウォルター君!」
血塊を吐き倒れ伏すウォルターに、なのはが叫んだその瞬間である。
聖王のゆりかごが、大きく揺れた。
思わずなのはがたたらを踏んだ瞬間、その身に感じていたAMFの重圧が一気に高まる。
足を踏み出すのも辛い程の圧力に、なのは達はその場に釘付けにされた。
同時、轟音。
見れば破壊されていた最深部の入り口が、新たなシャッターにより遮蔽され直している。
「い、一体何なんや!?」
「くく……分かるかね? これは……」
「ゆりかごの防衛機能、だね?」
スカリエッティを制した言ったのは、倒れ伏したままのウォルターであった。
どうやら動けはしないようだが、視線をなのは達に向け、弱々しいながらも光ある目である。
「ウォルター君、無事なの!?」
「……先に、説明からしとくよ。恐らくヴィヴィオを解放した代償として、ゆりかごが使用者の聖王を見つけられなくなって、非常事態が起きたと判断したんだろう。下手人が居そうな区画を隔離した上で、AMFを限界まで濃密にして……。動力部は行きがけに潰してきたから爆発はしようが無いけど、崩壊はするか。流石に、今の高さから墜ちたらどうやっても全員死ぬね……」
「ちっ、動力部が残っていれば、クラナガンを道連れに爆発する予定だったのだがね」
「あんたなぁ……」
拗ねた声で言うスカリエッティに、呆れ声でウォルターが告げる。
しかし声色とは対照的に、内容は絶望的であった。
この濃密なAMFの中、聖王ヴィヴィオとナンバーズを相手に魔力の殆どを使い果たしたなのは達では、隔壁を破壊する事は不可能に近い。
例え全員の力を合わせて1枚破壊できたとして、突入口まで破壊し続けるのは不可能と言って良いだろう。
ここまで来て。
崩れ落ちそうになる内心を抑え、続けなのは。
「その、それで、ウォルター君の体は……!」
「……だから、先に、脱出手段の説明だよ」
「って、あるの!?」
悲鳴をあげるフェイトに、確りと頷いてみせるウォルター。
その光景に絶望が拭われていくのを感じるなのはだったが、同時に矢張りウォルターの肉体は限界なのでは、と悟らざるを得なかった。
涙が出そうになるのを必死で我慢するなのはを尻目に、ウォルターが続ける。
「なぁ、セカンド。起きてるんだろう? おーい」
呼びかけた先に居る、こちらも地に伏したままの姿勢で、セカンド。
「……何だ。聞いていたが、俺にもう魔力は欠片も無い。お前相手に出し尽くしたからな。肉体こそ無事だが、魔力が無ければ……」
「あるさ。同じ質の魔力が、すぐそこに、結構余ってるよ」
息をのむセカンドと面々。
それらを尻目に、ウォルターが続け言った。
「僕は肉体が限界だったから、全魔力をそもそも運用できない状態だったんだ。だから魔力だけなら、そうだね、普通の断空一閃が5~6発は撃てるぐらいある」
「……で? 今の今まで戦っていた俺に魔力を渡して、俺がこの場の全員を救うだなんて、そんな甘いことを考えているんじゃあないだろうな」
「あぁ、考えている訳じゃあない。今から君に、お願いするんだ」
「……は?」
呆気にとられたセカンドに、真っ直ぐな目で、ウォルターは頭を下げる仕草を。
「お願いだ、魔力を渡すから、それを使って僕達全員を助けてくれ。……頼む」
「…………なん、で」
呻くセカンドは、目の前の光景から逃げたがっているようでさえあった。
しかし重度の魔力欠乏により動けない彼は、目の前の光景から目を逸らす事すらままならず、かといって目を閉じる気にはなれないらしい。
ただただ眼を細め、泣きそうな顔を作るだけだった。
そんな彼に、続けウォルター。
「勿論、無料とは言わないさ。なぁ、君、前に言っていただろう? “安心しろ……お前の仮面が作った英雄は、俺が受け継ぐ。――お前の名、ウォルター・カウンタックと共に”ってさ」
「……言った、が」
「僕が英雄なのかは分からないし、例えそうだとしても受け継がせる事のできるものじゃあない。でも、僕にも一つ、君にあげられる物があるんだ」
なのはの視界の端で、はやてが泣きそうな顔を作ったような、そんな気がした。
「なまえをあげる」
こんな時だと言うのに、胸の奥が暖かい液体で満たされるような、そんな言葉だった。
巡る血潮は穏やかに全身を温め、体中に理由無く力が満ちて行くような感覚。
やはり、ウォルターの言葉には他者の心を揺さぶる才能がある。
確信を抱くなのはを尻目に、ウォルター。
「全部は上げられないけど、僕のカウンタックの性はあげられる。セカンド。セカンド・カウンタック。――この名前、受け取ってもらえるかな?」
先ほどから泣きそうな顔だったセカンドの両目が、ついに決壊を起こした。
あふれ出す涙と共に、小さな嗚咽が漏れ出す。
暫時経った頃、セカンドの口から小さな、少しひっくり返った声が響いた。
「あぁ……。受け取る、さ。……貰ったからには、その分ぐらいは働いてやるとも」
「ありがとう、セカンド」
言うと同時、ウォルターの体から白い魔力の塊が飛び出た。
空中を泳ぎ、間に少し体積を減らしながらも魔力塊はセカンドへと到達、彼の魔力へと形を変える。
体に一瞬白い燐光を纏った後、セカンドがゆっくりと立ち上がろうとした。
その、瞬間だった。
「――ウォルター君!?」
なのはが悲鳴をあげるのと、殆ど同時。
ゆりかごの最深部の天井が崩れ、岩塊が墜ちてきたのだ。
幸いウォルターを押しつぶす軌道ではないが、彼を一人分断する軌道ではある。
咄嗟に数人がデバイスを手に、射撃魔法を放つが、岩塊まで到達すること無くAMFでかき消えた。
――轟音。
土煙が晴れた頃には、完全にウォルター一人が分断された形となってしまったのが見て取れる。
ようやく立ち上がる事に成功したセカンドが、唇を震わせながら、呆然とウォルターが居ただろう場所を見つめていた。
荒い呼吸を数回、押し出すような声を漏らす。
「あ……あに……」
「あー、死ぬかと思った」
が、普通に返ってきた声に中断。
ずっこけそうになる姿を披露し、辛うじて転倒しそうな姿勢で踏み止まった。
顔を耳まで赤くしながら、照れ隠しに大きくなる声量で叫ぶ。
「あ、あのなぁ! すぐこの岩をぶっ壊す、AMF加工されてるが、全力全開の断空一閃ならなんとか……!」
「……待てって。君、それでどうやって帰る気だい?」
あ、と小さな声が漏れた。
ウォルターの言が正しいのならば、セカンドが放てる通常の断空一閃は5~6回。
なのはがかつて聞いた換算数によると、全力の断空一閃の消費魔力は通常の4倍以上と聞く。
つまり、ウォルターを助ければ場合によってはこの最深部から脱出する事すらままならなくなるかもしれないのだ。
顔色が真っ青になる面々を代表し、セカンドが叫ぶ。
「ば、馬鹿言え、それじゃあウォルター、あんたは!」
「自力で別ルート、探してみる。幸い今の揺れで、壁に大きいヒビが入ってね。他の部屋に出られそうなんだ」
「でも、あんな体で、どうやって! そもそもあんたは……」
「ねぇ、セカンド」
叫び続けるセカンドの言葉を押しとどめ、ウォルターが続け言った。
「僕はさ、実はまだリニスと仲直り、してないんだ」
「……へ? あ、あぁ」
「起き上がってからちょっとだけ話はしたけど、すぐに嫌な予感がしてここに飛んできたからさ、きちんと仲直りしたって訳じゃあない。……そんな僕が、この場で死んでそれっきり、なんて無様を晒すと思うかい?」
「そ、それは……」
「じゃ、お互いさっさと脱出しよう! 時間もそれほどは無い、ぼうっとしてると海の艦隊のアルカンシェルで分子の塵にされちゃうじゃないか!」
告げるウォルターに、後ろ髪引かれる様子で目をやっていたセカンドであるが、ついに苦虫を噛み潰したような顔をし、頷いた。
視線を残る全員へ、納得しがたい顔をするなのは達に、命令形。
「……行くぞ、六課。当然チンクとノーヴェと、一応スカリエッティも連れて行く。移動ぐらいはできるな?」
「……そう、だけど」
「遅れるなよ」
言葉少なに、セカンドは隔壁へと走りより、断空一閃の一撃で切り捨てる。
轟音を立てて砕ける隔壁に、なのは達は視線を交わし合い、叫びながら走り始めた。
「ウォルター君、生きて戻らなかったらグーパンだからね!?」
「ウォルター、絶対にまた会おうね! 会えなきゃ嘘だからね!」
「ウォルター君、ここで死んだらある事無いことマスコミに言いまくって、もの凄い武勇伝作ったるからな!? 嫌なら絶対生き延びるんやよ!?」
「ウォル兄、絶対に生きて、また会おう? また、お話したいから、絶対にね!」
「ウォルターさん、ここを生き延びたら、今度母さんの真似で、ポニテしてあげますから。絶対生き延びましょう!」
「ウォルターさん、その、私の訓練成果、まだきちんと見てもらってないから……。だからその、絶対生き延びて、見てください!」
「ウォルター、必ずまた、剣を交わそう!」
全員が告げながら気絶したヴィヴィオに捕縛したチンクとノーヴェ、スカリエッティを連れて行く。
その中に一人、静かな表情で最後に、スカリエッティが告げた。
「……君は、私が生まれて始めて尊敬した人間だ。生き延びてくれると、張り合いがあって良いのだがね」
肩をすくめ、バインドで捕縛されたままスカリエッティもまた六課の面々と共にその場を後にする。
靴音が遠くなり、ついに聞こえなくなった頃、岩塊の向かい側。
狭い空間、伏したまま動く事もままならない状態で、ウォルターは呟いた。
「さて……。正念場というか、年貢の納め時というか……、いやぁ、本当にこの身体、全然動いてくれないんだよなぁ。念のため魔力はちょっぴり残したけど、このAMFじゃあ使い道、無いし」
呟きながら、ウォルターは次第に薄くなってゆく酸素に、呼吸を荒くしてゆく。
ウォルターの肉体は、最早限界であった。
ウォルターログに乗っている戦いだけでも激戦に続く激戦だったのだが、それ以外にもウォルターは幾多の戦いをくぐり抜けている。
世界を殺せる毒を名乗る一家、真竜を数体同時に、A級ロストロギアの暴走体、古代ベルカの王の遺産。
黒翼の書戦やセカンド戦のように致命傷をダース単位でもらう戦いでは無かったが、それらの戦いの傷は確実にウォルターに体に刻まれていた。
加え、ウォルターの戦闘能力の幾分かは狂戦士の鎧による不規則軌道による物。
つまり、自身に大きなダメージを与えながら敵と戦う戦法によるものである。
「最近、二十歳になったばかりなんだけどね……。まぁ、若いっちゃ若いけど、下を見ればどこまでも若い人死にはあるもんだし」
そも、先ほど吐血して以来、既にウォルターの目には何も映っていなかった。
耳もなけなしの魔力で強化して辛うじて聞こえている程度、臓腑の幾つかは既に半ば機能を停止している。
狂戦士の鎧を使用しているとは言え、声が出るだけでも奇跡的と言って良い体調であった。
「まぁ……、結構好き放題生きられたし……最後に友達として認めてもらえたし、弟も、できたし」
それでも、ウォルターは残る全霊を賭して、掌を天に向けた。
ゆっくりと、残る僅かな力を込め、掌を閉じながら下ろし、目前にたどり着いた所で丁度掌が握りしめられる。
幾度となくこなした、記憶の中の妄想、UD-182から受け継いだ仕草。
「僕は……、求める物を掴んできた。辛い事が無かったとは言えないけれど……。でも、これ以外の人生を送ろうだなんて、考えられない」
天井と思われる方に、視線を。
漆黒の視界のまま、ウォルターは告げた。
「好い人生だった……!」
十数分後。
聖王のゆりかごは、海の艦隊によるアルカンシェルにより、分子の塵と化した。
2.
軽やかな風が駆け抜ける。
桜の花弁が舞い散り、空中を泳いでいった。
機動六課の試用期間終了前日、なのは達は最後の模擬戦と称し、隊長陣対フォワード陣での戦いを始めている。
リニスは壁に背を預けながら、模擬戦不参加のシャマルと共にそれを眺めていた。
「……みんな、とても成長しましたね。フォワード陣の子たちもそうですけど、なのはちゃんやフェイトちゃん、はやてちゃんも」
「えぇ。とても、とても激しい戦いがありましたから」
「ウォルター君にもこの光景、見て欲しかったですね」
シャマルの言に、リニスは眼を細め、掌を胸にやった。
使い魔としてのリンカーコア。
主から魔力供給を受ける機関。
あの日、アルカンシェルでゆりかごが消滅させられた日から、ウォルターは行方不明となった。
最早生存は絶望的と思われた彼なのだが。
「大丈夫。相変わらずどこからかは分かりませんが、ウォルターからの魔力供給は続いています。あの子は、次元世界の何処かで生きている」
——ウォルターからリニスへの魔力供給は続いていた。
量的には大した量ではなく、加え正常な魔力供給ではないため精神リンクも希薄、加え相手の位置すら分からない。
しかし確実にウォルターは、この次元世界の何処かで生きている。
彼の命の鼓動を、リニスのリンカーコアが感じ取っていた。
「ふふ、全くウォルター君には驚きですよ。ゆりかご突入前から既に心臓が止まっていて、狂戦士の鎧で無理矢理動かしていたのに、それでセカンドに勝っちゃうなんて」
「恥ずかしい事に、あの子は無茶苦茶が得意に育ってしまって……。と、そういえばセカンドの件の進捗はどうなりました?」
「裁判の結果は、矢張り再教育プログラムのみで済みそうです。……ウォルター君に止めを刺したような子ですけど、良いんですか?」
シャマルの疑問に、リニスは薄く微笑んだ。
含む物が無いとは言えないが。
「——あの子は、ウォルターが認めた弟なんです。私にとっても、新しい家族の一員ですよ」
「……そう、ですか。まぁ、今回の事件での死人はセカンドによる物ではなかったですし、妥当な判決ではあったんですけどね」
告げるシャマルの言う通り、今回の事件はスカリエッティが望んだとおりの無血の終焉とはならなかった。
行方不明者こそウォルター1名だが、他に死者は3名、加え身元不明の死体が3つ存在している。
生きていたと言うゼスト・グランガイツ、陸のレジアス中将、そしてナンバーズのドゥーエの3名が死者。
身元不明の死体の下手人はドゥーエと見られ、管理局の深部から脳みそが3つ散乱しているのが発見されたと言う。
とは言えどれも、セカンドが自身で手を下したとは言えない物だ。
「まぁ、六課も終わりまで見届けた事ですし。これから私は、管理局の手を借りながらウォルターを探してみますよ」
「えぇ。私も及ばずながら、できる限り手を貸しますよ」
告げ、2人は再び模擬戦に視線を。
全員、その魂そのものが輝いているかのように、裂帛の気合いを入れた戦いを見せている。
あの日、ウォルターが意識を取り戻してから行方不明になるまでの1日間、彼を少しでも話した人々は、全員が多かれ少なかれその魂の輝きを増しているようだった。
血潮を滾らせ、他者の心にその炎を宿す術を、僅かながら知った様子でさえあった。
不意に、リニスは視線を青空へと上げた。
ウォルターの魂に似た、あの太陽が輝いている。
「ウォルター。仲直りの一つもせずに、行方不明だなんて……、許しませんからね」
告げ、リニスはウォルターがよくそうしたかのように、掌を上げた。
掌を自身側へ、ゆっくりと掴みながら視線の高さまで下ろして行く。
「私も、貴方の使い魔です。……求める物を掴む事を、諦めなどしませんからね」
宣言。
力強い言葉を発し、リニスは太陽を遠くに見る目を、眩しげに細めた。
太陽は変わることなく輝き続けていた。
何時までも、何時までも。
3.
——時はさかのぼり、ゆりかご消滅の数刻後。
瓦礫の山。
未だ整理されていない破壊され尽くしたミッドチルダの廃棄区画を、一人の女性が歩いていた。
露出度の多い上半身、腰から伸びるスリットの入った長いスカート、どちらも黒衣に身を包み、手には油断無く刀を握っている。
「……反応があったからきたけど、なんか嫌な予感するんだよねぇ」
青い髪を鬱陶しげにかき上げながら、溜息。
瓦礫の山、雨ざらしの灰色のコンクリの中ばかりで代わり映えしない風景でも、行き先が明確に分かっているのだろう、彼女の足は止まらない。
やがて、彼女は眼を細めると僅かに足取りを早く、ただし刀を構える姿勢を崩さないままにする。
明らかに警戒を強くした彼女の視線の先には、ぼろ切れに身を纏った、一人の青年が倒れていた。
その顔が明らかになるに連れ、女性の顔が引きつり始める。
「マジか……? こいつは流石にこの場でぶっ殺した方が……、いや、万が一起きられたらサシじゃあ勝てない……けど……、どうしよう」
「……ん」
迷い始めた女性を尻目に、男が小さく呻いた。
数回瞬き、瞼をゆっくりと開く。
反応、女性はすぐさま距離を取って刀を構え、臨戦状態へ。
明らかに緊張した女性を目にしながらも、男はぼうっとしたまま口を開いた。
「……ここ、は? ……君は、一体?」
「は? 英雄様は雑魚の顔やら名前を覚える気は無いってかしら? あのねぇ、いくらなんでも……」
「……名前? 僕の、名前?」
そこで女性は男の様子がおかしい事に気付き、高めていた怒気を抑える。
それを尻目に、男は頭蓋を抑え、苦しそうに歯を噛みしめた。
「う……、駄目だ、頭が痛い、思い出せない? ……えぇと、こういう場合、”ここは何処? 私は誰?”って言うんだっけ……」
「いや、大体合ってるけど、あんた余裕だね……」
冷や汗をかきながら、女性は刀を仕舞い、訝しげな視線を男に投げかける。
冷たいながらも戸惑いを含んだ声で、告げた。
「……記憶喪失、なのかい?」
「……僕もなった記憶が無いから確かじゃあないけど、これが記憶喪失なんだ、と思うよ」
「だよねぇ。一人称すら変わってら……」
呆れ声で告げる女性に、首を傾げる男。
溜息、女性はぽりぽりと頭を掻き、続ける。
「……なら、あんたには資格がある。あたし達一家に入るその資格が、あんたのその身体には」
「……身体?」
「説明しても、記憶喪失のあんたには分かんないよ。……だから、言ってやるのは一言だけさ」
告げ、女性は男へと手を差し伸べる。
「——一緒に来るかい?」
その肩には、確かに羽根の刺青が刻まれていた。
完
あとがき
完結。
この女性、一体何ケバインなんだ……。
次投稿にちょっと詳しいあとがきを載せますが、少々お待ちください。