━━━━━ 高畑・T・タカミチ ━━━━━
…………よし、無事に魔法世界への転移完了だ。
何度も来たことがある魔法世界だけど、壊れかけの転移陣で訪れるのは初めてだ。さすがに転移するときは緊張したよ。
さて、まずは魔法世界がどういう状況になっているのかを確認しないと。
ネギ君が麻帆良に置いていったちびネギ君からある程度の情報は受け取っているけど、地球-火星間だと光を利用したのだとしてもリアルタイムでは通信出来ないからね。しかも自転や月の影響で更に通信がしづらくなる。
さすがのネギ君でも、これでは二昔前ぐらいの電報みたいな限定的な情報しか送ってくることは出来なかった。だからコチラで改めて情報を集めないと………………お、マクギネスさんがいる。
「高畑さん、お久しぶりです。無事に到着出来たようで何よりです」
「ああ、マクギネスさん。ネギ君達の状況はどうなっているんですか?」
「…………ある意味で大変なことになっています。
どうぞ別室へ。そちらで説明しますわ」
マクギネスさんが随分と疲れている顔をしているなぁ。
それから移動した後に現在の状況を聞いたけど…………やっぱりネギ君のせいなんだね。
“完全なる世界”とゲートポートで出くわしたり拳闘試合に出たり、アスナ君達とは別行動をとっていることは聞いていたけど、まさかここまで大事になっていたとは。
とはいえネギ君の行動は完全に間違っているというワケではないか。
どうせネギ君がナギの息子ということは知っている人は知っているし、それがもし民衆に知られたらパニックになる。それなら自分で事情を明かして、主導権を自らの手に握っていた方がいいかもしれない。
ネギ君なら多少の荒事は平気だし、そもそも元老院はネギ君自身に「自らの出生のことは明かさないように」なんて言っているわけはないので、こんな行動に出たとしても誰からも文句はつけられない。むしろ元老院の方が対応に追われて大変なんじゃないかな。
相変わらずネギ君らしいというか何というか…………。
「状況はわかりました。ネギ君は今グラニクスにいるんですか…………」
「ええ。先日にはジャック・ラカンと会ったそうですよ」
ああ、それも聞いたなぁ。ラカンさんたらネギ君が魔法世界に来るときに出迎える約束をすっぽかしたんだって?
これも相変わらずラカンさんらしいといえばラカンさんらしいけどね。
「しかし、今はネギ君が拳闘試合に出場していることによってグラニクスは凄い盛り上がりになっているそうです。“紅き翼”ファンが世界各地から押し寄せているとか。
高畑さんもグラニクスに行ったらそれに巻き込まれるかもしれません」
「それは勘弁して欲しいですねぇ。
まあ、ネギ君が偽者と思われていたりしていたのなら行かなければなりませんでしたが、そういうことなら今は行かない方がいいかもしれませんね。
それなら今のうちに“ナギ・スプリングフィールド杯”が行なわれるオスティアに行って、オスティアの情勢を探った方がいいかもしれない」
「オスティアに…………なるほど。よろしいのではないでしょうか。
今回のオスティアのお祭りでは式典の名目で世界の軍隊が集まりますので、キナ臭いことも起こりうる可能性があります。あらかじめオスティアを調べて、安心出来る拠点を作るなり掃除をするなりは必要かもしれません。
それと私はここを拠点として、期的に3つのグループ全てと連絡を取り合っていますので、明後日までコチラに滞在なさるならネギ君と電話で直接話すことも出来ますが…………」
「明後日ですか…………いや、それでは時間がかかりすぎますね。祭りの日にちまでもうそれほど余裕はありませんし、今はオスティアの状況を探ることが優先でしょう。
向こうに着いて拠点を確保したらマクギネスさんに連絡しますので、それまでにネギ君と連絡を取り合うようでしたらその旨をネギ君に伝えてください」
「アラ…………ネギ君と話さなくてよろしいのですか?
ホテルに電話すればもしかしたら今でも話せるかもしれませんよ」
「いえいえ。もちろん話したい気持ちはありますが、“完全なる世界”が関わっているとわかっている以上は出来るだけ急がなければなりません。
それにネギ君達なら、彼らだけでも大丈夫でしょう。そのぐらいの信頼はしてますよ」
「(…………私としては高畑さんにネギ君のお目付け役になって欲しかったのだけど)」
ハッハッハ、それに今からネギ君と合流しても僕の良いところを見せることが出来ないだろうからね。
それなら先にオスティアへ行ってネギ君達を受け入れる準備をしておく様なやり方で、ネギ君達の手助けをしたほうがいいだろう。
僕だって皆の役に立てるんだよ。マダオなんかじゃないんだよ。
エヴァがネギ君が用意した転移陣で魔法世界に行ったように、最初は僕も同じ方法で魔法世界に来ようと思ったんだけど、何故かちびネギ君が
「え、タカミチも?
…………あの転移陣は受け入れ先にいる僕本体の魔力もかなり消費するんですけど、タカミチを喚ぶんだったらその魔力を使ってちびネギを数枚作った方が…………」
なんて言っていたけど、僕にしか出来ないことだってあるのさ。ハッハッハ。
━━━━━ アンナ・ユーリエウナ・ココロウァ ━━━━━
「お願い、ユエっ! 私と一緒に選抜試験に出てっ!!!」
「…………いえ、私は元より観光客としてオスティアに行くつもりなので、警備隊になるわけにはいかないのですが…………」
「大丈夫っ! グッドマンさんとサクラさんもゲストとして参加するけど、あくまでゲスト参加だから優勝しても警備隊にはならないらしいから!
カスガさんには断られたしアーニャちゃんやココネちゃんじゃ年齢が足りないから、落ちこぼれの私と組んでくれるような人はもうユエしかいないの!!!」
え、グッドマンさん達も参加するの? あの脱がし合いレースと評判の百キロ箒ラリーに?
…………大丈夫なのかしら、それ?
それにしてもコレットにも困ったものねー。
いくらネギのファンだからといっても、ネギ見たさのためにオスティアまで行こうとするなんて…………。
まあ、コレットには何かと世話になったから私が参加出来るんなら手伝ってもよかったけど、さすがに年齢制限に引っ掛かったから無理なのよね。
一応メルディアナ魔法学校を次席で卒業した私は、飛び級扱いでユエ達の同級生になってるとはいえねぇ…………。
それにしてもネギのお父さん、ナギ・スプリングフィールドって魔法世界では本当に有名だわ。
まさか授業でナギさんや“紅き翼”の名前が出てくるとは思ってもいなかったわよ。まるでスターとかそんな扱いじゃない。
そしてそれにつられてネギまでもがスターになるなんてねぇー。
拳闘試合での圧倒的な戦い方や年相応の可愛い顔のおかげで女性ファンを急激に獲得中らしいんだけど…………ネギの本性を知ったらいったいどうなるのかしら?
最近の盛り上がりを見ていると、ネギがチヤホヤされてムカつくとかじゃなくてソッチの心配の方が大きくなってきたわ。
でも…………だからなのかしら。ネギとナギさんへの感じ方は私の中では何も変わっていないわね。
私にとってネギは“英雄の息子のネギ”ではなく、“幼馴染のネギ”。ナギさんも“世界を救った英雄”ではなく、会ったこともない“ネギのお父さん”。
…………最初の試合で見せた、大人になった姿のネギは確かにカッコイイと思っちゃったけどさ。
「っていうかいいなーーー! ユエ達は学校休んでオスティアに観光に行けるなんて!」
「まあ、私達はあくまで短期の留学生という立場ですからね。現実世界人ですのでゲートが直り次第に向こうへ帰るから、こちらで単位をとってもあまり意味はないのです。
先生にも良い体験になるだろうから是非行ってみなさいと言われたので、ガンドルフィーニ先生に引率してもらっていく予定なのです。
未だ調査中のゲートの被害状況次第では直ぐには帰れないということになるかもしれないですが、その結果が出るのにもうしばらく時間がかかりそうです。もし帰れなくなって魔法世界で過ごすことになるにしても、身の振り方を考えるのは調査結果が出てからでいいはずです」
「旧世界かぁ。いったいどういうところなのかな~?
いつか私もそっちに行ってみたいよ」
「…………ええ。そのときは歓迎するですよ。
わかりました。選抜試験の相棒になることを了承するです。私が“力試しのために出場したかったのでコレットに相棒を頼んだ”とすれば大丈夫でしょう」
「ホント!? ありがとうユエ!!!」
「ただし! コレットが無様な姿を晒したら私のオマケと見られるだけで選抜されない可能性は十分あります!
ですからコレットにも立派に活躍してもらわなければなりません。早速今日から特訓に入りますよ」
「わかってる! ユエばっかりに頼るようなことはしないよ!
生ネギ君に会えるかもしれないのなら、どんな厳しい修行にだって耐えてみせるよ!!!」
あらら? 急に了承するなんて、ユエったらどうしちゃったのかしら?
ま、やる気になったのなら、それはそれでいいんだけどね。
それにオスティアのお祭りが終わったら、ネギが研究の結果地球に帰る方法を見つけたからそのまま便乗して帰る設定だもんね。
コレットがアリアドネーにいたら手紙か電話ぐらいでしかお別れの挨拶出来ないけど、オスティアに警備隊という名目でもいいから来てくれたら会う機会はいくらでも出来るかもしれないわ。
せっかく仲良くなったんだから、どうせなら挨拶をしてから帰りたいもの。
「ふふん、そんなに簡単にうまくいくでしょうか?」
「!? 委員長!?」
あ、委員長さんだ。
「いくらユエさんの助力があろうとも、あなたのような落ちこぼれがこのような名誉ある任務に選ばれるとお思いですか?
甘いですね!」
「うげ…………や、やっぱ委員長も志願……?」
「当然です」
…………相変わらずキツイこと言うのね、あの委員長さんは。
確かにコレットの成績はクラス最下位だけど、あそこまで面と向かって言わなくてもいいじゃない。
やっぱりああいう人は苦手だわ。
ユエは何故か私がもっとキツくなったら委員長さんみたいになる、なんて言ってたけどあんな風になるわけないじゃない。
それに…………ユエに付き合って夜中に禁書庫に忍び込んだ帰りのときだったんだけど、委員長さんの部屋の前を通ったときに変な幻聴が聞こえて以来、顔を合わせづらいのよ。
「ネギ様!ネギ様!ネギ様!ネギ様ぅぅうううわぁああああああああああああああああああああああん!!!
あぁああああ…ああ…あっあっー!あぁああああああ!!!ネギ様ネギ様ネギ様ぅううぁわぁああああ!!!
あぁクンカクンカ!クンカクンカ!スーハースーハー!スーハースーハー!いい匂いですわぁ…くんくん
んはぁっ!ネギ・スプリングフィールドたんの赤毛の髪をクンカクンカしたいですわ!クンカクンカ!あぁあ!!
間違えた!モフモフですわ!モフモフ!モフモフ!髪髪モフモフ!カリカリモフモフ…きゅんきゅんきゅい!!
大人の姿のネギ様カッコ良かったですぅ!!あぁぁああ…あああ…あっあぁああああ!!ふぁぁあああんんっ!!
“グラニクス夏季大会ミネルヴァ杯”優勝決まって良かったですわねネギ様!あぁあああああ!かわいい!ネギ様!かわいい!あっああぁああ!
“ナギ・スプリングフィールド杯”出場も決定されて嬉し…いやぁああああああ!!!にゃああああああああん!!ぎゃああああああああ!!
ぐあああああああああああ!!!“ナギ・スプリングフィールド杯”なんて現実じゃない!!!!あ…大人も“グラニクス夏季大会ミネルヴァ杯”もよく考えたら…
ネ ギ 様 は 現実 じ ゃ な い?にゃあああああああああああああん!!うぁああああああああああ!!
そんなぁああああああ!!いやぁぁぁあああああああああ!!はぁああああああん!!旧世界ぅうううう!!
この!ちきしょー!やめてやる!!ファンなんかやめ…て…え!?見…てる?ポスターのネギ様が私を見てる?
ポスターのネギ様が私を見てる!ネギ様が私を見てます!映像のネギ様が私を見てますわ!!
映像のネギ様が私に話しかけてますわよ!!!よかった…世の中まだまだ捨てたモンじゃないですわねっ!
いやっほぉおおおおおおお!!!私にはネギ様がいる!!やったですわナギ様!!ひとりでできるもん!!!
あ、映像のネギ様ああああああああああああああん!!いやぁあああああああああああああああ!!!!
あっあんああっああんあラカン様ぁあ!!え、詠春様!!アルビレオ様ぁああああああ!!!ガトウ様ぁあああ!!
ううっうぅうう!!私の想いよネギ様へ届け!!グラニクスのネギ様へ届け!」
って幻聴。………………きっと、私は疲れてたのね。
警備員に見つからないように禁書庫に行って、鍵を開けた履歴が残らないように注意を払って禁書庫の扉を開いて、それから数時間も禁書庫に篭りっぱなしだったもの。
疲れて当然よね、ウン。
………………何故かユエも同じ幻聴を聞いたみたいだけど。
それにしてもネギに借りたこの“千の絆”は便利だわ。
ネギの従者のアーティファクトを全て使うことが出来るんだもの。
警備員に見つからないように禁書庫まで行くのには“天狗の隠れ蓑”が役に立ったし、鍵を開けるのはユエのアーティファクトでもある“世界図絵”が役に立ったわ。
こんなの使ってたら、私もアーティファクトに興味を持ってきちゃったわよ。
………………べ、別にネギと『仮契約』しようとだなんて思ってないわよ!!!
ネギは裏技を使って自分自身と『仮契約』したっていってたけど、私もそのやり方を教えてもらってアーティファクトを手に入れてみようかしら。
━━━━━ 墓所の主 ━━━━━
「廃都オスティア…………いや、旧ウェスペルタティア王国王都跡……か」
「魔力の対流は狙い通り時満ちるまで約3週間。順調だ。
………………1つの気がかりを残して」
「当然だね。ネギ君は現実世界に帰る方法を探しているらしい。
…………でも、ここに攻め込んで来たら本当にどうしよう…………かな?」
現実世界に帰る方法といったら…………やはり最後に1つ残った休止中のこのオスティアのゲートしかあるまいなぁ。
今はまだあの我が末裔は拳闘試合に興じているから安心だが、全国試合の決勝である“ナギ・スプリングフィールド杯”が終わったら帰るための行動に移すかもしれぬ。
しかもテレビで語ったところによれば千の刃のジャック・ラカンと接触し、コピーとはいえ“闇の福音”を自らの式神としている始末。
ゲートポートで見た実力といい『完全魔法無効化能力』といい、一筋縄ではいかぬようじゃ。
「ど、どぉも~~~。フェイトはん御報告ですぅ」
剣士の小娘か………………やけにボロボロじゃな?
「どうしたんだい、ツクヨミさん?
ネギ君の連れの少女達、お姫様達の動向は掴めたのかい?」
「何か黒竜を解体しとはりました。竜の角とか肝とかを採取した後はトカゲ肉で鍋パーティーを…………」
「…………わかった。監視を続けて」
「いや…………それが申し訳ないんですけど、ウチが監視していたことがセンパイ達にバレてしまいまして…………。
金髪の嬢ちゃんに捕まったあと「ちょうどいいから実戦訓練の相手役やれ。終わったら帰してやる」って言われて、さっきまでずっとセンパイ達と戦わされてました。
そりゃセンパイ達と戦えたんは満足ですけど…………1人で4人を相手にするんは無理ゲー過ぎてつまんなかったわぁ~。途中で1対1になったけど、それもウチ1人で変わりばんこに4人をずっと相手にさせられたし…………。
でも視力矯正してなかったら、最初の嬢ちゃんに氷漬けされた時点でメガネ壊れて終わってましたねー」
だからそんなにボロボロなのか?
しかし金髪の少女? ゲートポートにそんな髪の色をした少女はいなかったはずだが、コチラで合流したのか?
…………金髪といえば“闇の福音”もそうだが…………まさかな。
「それでよく無事だったね?」
「いえ、それがフェイトはんへの伝言役として解放されまして。
フェイトはんに「男に戻りたくないか?」と伝えたら、その後は自由にしていいってお姫様達に言われたんです…………」
「は? 男に?
…………よくわからないな。何でネギ君の仲間が僕にそんなことを言うんだ?」
「さあ? それはお姫様達に聞いてほしいですー。
でも魔法理論上は変わった性別を元に戻す方法をめっけたらしいですから、男に戻りたいんならちょうどええんとちゃいますかー?」
「別にどっちでもいいよ。性別が変わったことでさして不自由しているわけではないし」
この人形にそんな余分な感情はあるまい。
その少女達はいったい何が目的なのじゃ?
「…………そもそもな話、テルティウムが男に“戻る”なんてことは無理だぞ。
今のテルティウムの身体は、調整中だったセクストゥムの身体を使用したので“最初から女”だ。
もしテルティウムが男の身体になりたいなら新たな男の身体に取り替えるか、それこそ“女から男に性別を変える”かだ」
「あらら、残念ですねー。お姫様達はこのことに随分と力を入れていたみたいでしたのにー」
…………まあ、他の少女達のことは放っておこう。何だかあの少女達の中に昔見たような気がする顔があったのは気になるがの。
今大事なことは我が末裔、ネギ・スプリングフィールドのことじゃ。アレはいったい本気でどうすべきなのじゃろうか?
先日のアレ以来、一応旧知の間柄にも助力を頼んでおいたがネギ・スプリングフィールドを抑えるのは彼女でも無理じゃろう。
『完全魔法無効化能力』でアーティファクトを無効化したことから、彼女のアーティファクトを使って“完全なる世界”に落とすことは不可能じゃろうしな。
テルティウムによれば肉弾戦の能力はテルティウム以上なので、魔法無しでネギ・スプリングフィールドを無力化するのは難しい。何しろアチラは自由に魔法を使える。
拳闘試合を見てみると“紅き翼”の技を使用するなど、魔法以外でも隙はなさそうじゃ。
「やはり、ネギ君を味方に引き入れるしかないかな? お姫様達が僕に何か用があるのならお姫様達を窓口にして交渉を…………。
“ナギ・スプリングフィールド杯”が終わったら話をしてみようか。拳闘試合自体はネギ君の手の内がわかるかもしれないから、それはそれで確認しておこう。
………………だからゲートポートで仕掛けるのは止めておこうと言ったのに」
「…………好きにするがいい。それが出来れば全ての問題がクリアされる。私はクゥァルトゥムとクゥィントゥムの調整を急ぐ。交渉が成功するにしても失敗するにしても人手が足りていないことは事実なのだからな。
それと今更言うな。お前だって最終的には賛成しただろう」
「ネギ君と戦っても面白そうじゃないんですよねー。
何だか水面に映った月に戦いを挑むような気がするんですよー」
確かにな。彼奴を味方に引き込めれば全て解決されるが…………先日不意打ちかましたばかりなのにそんなこと出来ると思っているのか?
やれやれ。このまま魔法世界の崩壊を座して見ているだけというわけにはいかんからこやつ等に協力しているが、このままでは計画自体が失敗に終わりそうじゃな。
何とかせねばなるまいが…………どうしようか?
━━━━━ 後書き ━━━━━
…………やっちまった。ついにやっちまったです。
ゴメン、委員長。せっかく作ったからには使いたかったんだ…………。
しかもアスナ達が逞しくなり過ぎました。
でも黒竜はアスナ達が肉の一片残さずに食べたり売っぱらったりしたので無駄にはなりませんでしたよ。
それとアスナ達無駄な努力乙。