━━━━━ 超鈴音 ━━━━━
…………アスナさん達がネギ坊主に毒され過ぎヨ。
腹をブチ破られたカゲタロウ選手を見ても眉一つしかめないなんて………………少しは顔を青くしているアーニャさんを見習て欲しいヨ。
本当に彼女達は麻帆良に戻っても今まで通りの生活を送ることが出来るのかネ?
ちなみに腹をブチ破られたカゲタロウ選手はリタイヤになたヨ。
「…………あ、カゲタロウさんの心臓止まってる」
というネギ坊主の発言でドクターストップになたネ。
ネギ坊主の『魔法の射手 治癒の矢』を何十本も刺されたハリネズミ状態で、先ほど担架で医務室に運ばれていたヨ。
…………『治癒の矢』でハリネズミにしなかたらカゲタロウ選手が死んでたとはいえ、明らかにアレは何か間違ているヨ。
治癒をするときはネ。敵に邪魔されず全力で、なんというか患者が救われなきゃあ駄目なんだ。皆で協力しておごそかで…………。
とにかく…………これでネギ坊主とジャック・ラカンの一騎討ちネ。
あんな試合の中断の仕方で微妙な空気が拳闘場に流れているけど、まだ試合は続いていくみたいダヨ。
「何か微妙な空気になっちゃいましたね。
…………ラカンさんが“味方殺し”なんてするから」
「俺か!? アレは俺が悪いのかっ!?!?
それにカゲちゃんはまだ死んでねぇよっ!!!」
「“ナギ・スプリングフィールド杯”の決勝に相応しい魔法世界最大規模の大闘技場とやらがカゲタロウさんの血で舗装されちゃって…………。
英雄って言われているぐらいなんだから、あの一瞬で扉を察知して技を止めるぐらいの芸当をして欲しかったですね」
「さすがにアレは無理だって!
…………つーか、ぼーずはあの『固有時制御』ってのを切って良かったのか?」
「別に構いませんよ。あのまま続けるとただのハメゲーになりそうでしたからね。
どうせなら観客をもうちょっと驚かせたいじゃないですか」
…………“喜ばす”とか“楽しませる”じゃなくて、あくまでも“驚かせる”なんだネ。
となると…………もう一枚の切り札を出す気カナ?
アレさえ発動すればジャック・ラカン相手にも真正面から渡り合えるようになるのだろうしネ。
「それではいきますよ。
コード“|||||||||| |||||||||||||| |||||| |||||||||||||||||||||||||”。
“呪紋回路”解放。封印解除」
ネギ坊主の解放キー詠唱が終わると、ネギ坊主の身体に呪紋が浮かび上がる。
魔法世界の住人にはおそらく理解出来ないであろう、魔法とはまったく別の未来科学様式で刻まれた呪紋。
これがネギ坊主の切り札その二、“呪紋回路”。
ネギ坊主に未来技術を分捕られたときについでに分捕られた技術だったんだけど、まさか自分自身にこの呪紋処理を施すなんて思ていなかたヨ。
いったいどこの黒男ネ?
あれの効果は術者の肉体と魂を喰らて、それを代償に力を得る狂気の技。その効果は魔法を使えない人間でも無理矢理魔力を行使することが出来る程ダ。
もちろん術者の肉体と魂を喰らうというだけあて、呪文を唱えるだけで凄まじい痛みが全身を襲うという、正道的な魔法使いが使てはいけないような邪法ダヨ。
………………ネギ坊主は『咸卦治癒』があるから、喰らわせた肉体と魂を即座に回復させることが出来るから問題ないけどネ。
まあ、『咸卦治癒』の維持にも魔力を消費するから、簡単に言えばネギ坊主にとっては“出力を2倍に出来る代わりに消費魔力が4倍になる”みたいなブーストでしかないヨ。
ただし…………出力アップの上限は2倍どころじゃないヨ。本当に魔力を篭めれば篭めるだけ出力が上がていくネ。
これを一般魔法使いの10~20倍の魔力量を誇るネギ坊主が扱うと、本当に凄いことになるんだヨ。
…………。
……………………。
………………………………とんでもない技術をネギ坊主に渡してしまたネ。
全世界の皆、本当にスマナイヨ。
だて“呪紋回路”解放状態なら『雷の暴風』クラスの上級魔法も無詠唱で使えるようになるから、『固有時制御』のときの火力がますます凄いことになるのヨ。
“呪紋回路”で出力を上げ、『固有時制御』で手数を増やし、『魔力吸収陣』で魔力を節約する。単純がゆえに撃ち破るのは難しい戦法になてしまたネ。
これでもう一つ残っている最後の切り札も切れば、本気で魔法世界全てとケンカ出来るヨ。
というより『完全魔法無効化能力』有りだったら、本気で魔法世界滅ぼせるヨ。
何しろ『完全魔法無効化能力』で人造異界を構成している魔力を分解して『魔力吸収陣』で吸い取っていくから、魔法世界が滅びるまで戦い続けることが出来るのヨ!
そしてその吸い上げた魔力を“呪紋回路”の出力と『固有時制御』の手数で使えば、洒落抜きで1人軍隊の完成ヨ!
…………世界から力を吸い上げるて、いたいどこのあーぱー吸血鬼ネ!?
ネギ坊主はもう完璧に誰の手にも負えなくなてしまたネ! この子ホントにもうヤダヨッ!!!
アスナさん達の言うことなら聞いてくれることだけがせめてもの救いヨ!!!
『オイィィィーーーーーッ!?!?
何なんだそれは!? そんなもの私も知らんぞっ!!!』
『マ……マグダウェルさんが知らない? アレはいったい何なんですか!?』
エヴァンジェリンが叫んでる。どうやらエヴァンジェリンは『固有時制御』は知っていても、“呪紋回路”のことは知らなかたみたいだネ。
味方にすら切り札隠すのがネギ坊主らしいが…………。
ネギ坊主が右手にラカンに向ける。そしてその右手に『固有時制御』が切れていても水が流れるように滑らかに魔力が収束していく。
収束される魔力の量を見たジャック・ラカンもマジな顔つきになて、自らも構えて右手に気を収束させた。ジャック・ラカンはフルもなるまでに3秒もかかっていない。
お互いとんでもない収束速度だヨ。
このまま真っ向勝負をする気かっ!?
「小太郎君、VIP席を防御」
「『ラカン・インパクト』ォォォッッ!!!」
ネギ坊主の放った無詠唱の炎弾とラカンの放った気弾が試合場のど真ん中でぶつかり合………………って、この2つの威力だと観客席のシールドが壊れるヨっ!?
少しは自分達の力を省みて欲しいネ!
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「…………おーい、姉ちゃん達大丈夫か?」
「千雨殿が椅子から転げ落ちそうになっただけで、他の皆は無事でござるよ」
「サ……サンキュー、楓。受け止めてくれて助かった」
…………私達は何とか無事ネ。忠犬コタ公がVIP席の前に障壁を張ってくれたおかげで、直接的な被害はないヨ。
それでもあまりの衝撃に闘技場が揺れたので転びそうになてしまたけど。
まるで地震が起こたみたいに凄く揺れたヨ。
現にセラス総長とかテオドラ皇女は転んでしまているしネ。
それにしても凄い威力。
余波で観客席のシールドが一度壊れてしまたのか、観客席に土埃が入り込んでいる。今はもう直ているみたいだけど。
見た感じ観客席で破壊されているような場所はないし、観客に大怪我した人がいないようなのがせめてもの救いネ。せいぜいがテオドラ皇女たちと同じく転んでしまたぐらいみたいヨ。
「…………おったまげたぜ。まさか無詠唱魔法で俺の全力と互角なんてな。さっきのはもしかして『燃える天空』か?
その呪紋が浮かび上がってからお前の魔力が桁違いに跳ね上がった。そんなものを自分の身体に施すなんて…………どーかしてるぜ、ぼーず。
最大呪文の中では難易度が難しくない方の『燃える天空』とはいえ、無詠唱で使えるようになるなんて随分と反則みてーな真似すんじゃねーか」
おお、ネギ坊主とジャック・ラカンも無事のようネ。土埃で汚れてはいるけどお互い無傷ヨ。
それにしてもやはり2人とも凄いヨ。ネギ坊主の凄さはわかてたつもりだけど、あそこまでの出力を出すのは初めて見たヨ。しかも無詠唱で。
私と戦た学園祭のときはどう考えてもお遊びだたし、ネギ坊主は日が経つごとにつれてドンドン手に負えなくなていくヨ。
ネギ坊主の強さ…………本分は戦闘などではなくて、やはり研究なのかもしれないネ。
『闇の咸卦法』といい『固有時制御』といい『魔力吸収陣』といい、ちょっと考えれば誰でも思いついてもおかしくないものヨ。………………実際に出来るかどうかは置いておくとして。
ネギ坊主の素の強さは既にほぼカンストしていて一流といえるが、それでもそれらは超一流ではないネ。『闇の咸卦法』などの切り札を抜きにしたらジャック・ラカンやエヴァンジェリンには勝てないのはもちろんのこと、ヘタしたら高畑先生にも負けてしまうんじゃないのカナ?
まあ、『闇の咸卦法』を抜きにするということ自体がネギ坊主にとては縛りになてしまうので、こういう言い方はおかしいがネ。
ネギ坊主は総合的には強いが、局所的には普通に強いだけ。それこそ超一流なのは魔法だけだろう。『闇の咸卦法』などの切り札で倍々ゲームで強くなていくから気づきにくいけどネ。
子供なんだから必殺技の練習とかしていれば可愛げが………………そういえば普通にしてたネ。『Tonfa Kick』とか。
ネタ技はネタ技で好きみたいなのに、戦闘のための技は遊びが一切ないガチ技を作るていうアンバランスさが理解出来ないのヨ。
あの子、ホントは全部わかててやてるんじゃないかと思うときがあるヨ。
何だかんだでより良い方向に向かているから誰も気にしていないけど、何も知らない子供の振りをして大人達を操ているじゃないかネ?
…………それでもアホの子ということには変わりはないんだろうけどサ。
アスナさん達が言てたみたいに“本人はわかってやっているつもりでも、実はやっぱりわかっていなかった”がやはり一番合ているのカナ。
頼りになるのは間違いないから、もう細かいコトは気にしないことにするけどネ。それがネギ坊主と上手く付き合ていくコツだということがよくわかたヨ。
とはいえ、そんなガチのネギ坊主と互角の気弾を放ったジャック・ラカンもやはり規格外。
英雄の名は伊達じゃないネ。それでもネギ坊主の価値は揺るがないのだろうけどサ。
さて、ネギ坊主が遊んでいるので今までは試合が続いていたとはいえ、そろそろネギ坊主も勝負を決めそうだヨ。
何しろ切り札を2つも切たからネ。
これ以上の手札を晒すのは今後のことを考えたらよろしくない。
まあ、切り札がまだ残ているなんて誰も思てもいないだろうけどネ。
「今のは『燃える天空』ではありません。『紅き焔』です」
………………その言い方だと誤解されるヨ。
いや、わざとそういう言い方をしているのカナ?
━━━━━ ネギ・スプリングフィールド ━━━━━
「な、何っ!? 『紅き焔』だと!?」
「…………同じ呪文といえども、その魔法に篭める魔力の絶対量によってその威力は大きく異なります。
つまり僕の『紅き焔』とラカンさんの最大の一撃は互角ということです…………」
そもそも『燃える天空』は“呪紋回路”モードでも、さすがに無詠唱では使えませんからねー。
まあ、簡単にカラクリを説明しますと、この“呪紋回路”モードなら『紅き焔』でも『奈落の業火』でも、威力は結局は篭める魔力量次第なんですよね。
大雑把に例えますと通常モードでは
『紅き焔』:威力1、消費MP1
『奈落の業火』:威力10、消費MP4
『燃える天空』:威力100、消費MP20
だったのが、“呪紋回路”モードなら
『紅き焔』:威力100、消費MP100
『奈落の業火』:威力100、消費MP40
『燃える天空』:威力100、消費MP20
になるだけ…………というか、こういう風にも出来るだけです。普通に魔力を篭めれば比例して威力も上がっていきます。
でも今回はネタのために『紅き焔』を使いましたが、ぶっちゃけ『奈落の業火』の方が効率は良いです。
でも遊び心って大事ですよね?
そのせいで僕のことを勘違いする人もいるかもしれませんが戦いにハッタリは付きものですし、何より騙される人…………じゃない、勝手に勘違いする人が悪いのです。
だから、僕は悪くない。
「そ、そんな……っ!!!」
「仕方の無いことです。桁が違うのですから。
しかし…………ここまで差があるとはね。20年前の大戦で活躍し、英雄と呼ばれたからにはもう少しレベルが高い人だと思っていたのですが…………」
嘘はついていないですよー。
今の僕の戦闘力は瞬間的になら6桁までいけますし普段は4桁ですから、戦闘力5桁のラカンさんとは桁が違います。
…………まあ、本当にスカウターでも拾え切れないぐらい瞬間的になんですけどね。それかあのマッチョ状態でなら素で6桁。
「ああ、ラカンさんが弱いって言ってるわけじゃないですよ。予想していたレベルに届いていなかっただけで…………。
それでもラカンさんは十分に強いです。タイプが違うとはいえ、全力のエヴァさんと同クラスなのは間違いないでしょう」
例えるならラカンさんが雷禅でエヴァさんが軀ですかね。バンダナ的にも。
やっぱりガチンコではラカンさんが最強か。
「しかし、正直なところ『固有時制御』だけでもハメゲーにせずに勝てると試合前まで思っていました。
カゲタロウさんと2人がかりだったといえ、その予想を覆すとはやはり流石は英雄。何か餞を差し上げませんとね」
“呪紋回路”全力解放。全魔力を臨界まで加圧開始。
「英雄の名に違わぬ勇猛な戦い振り見事でした。
だが悲しいかな。その戦い振りのせいで僕は本気を出さなければいけなくなります。
…………ラカンさんにはせめて“ぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざ(笑)”でトドメを刺してあげましょう」
『固有時制御』を“呪紋回路”モードにて全力起動………………『固有時制御∞倍速』!
無詠唱魔法にて体内に魔法埋め込み開始………………埋め込み完了。
体内に埋め込んだ遅延呪文も解放!
そして体内にて気と魔法の合一、『闇の咸卦法』各種発動!
これが“ぼくのかんがえたさいきょうのひっさつわざ(笑)”!
「『星の白金の世界』!!!」
最初は、まばたきほどの一瞬しか時間を止められぬ技でした。
しかし……この“呪紋回路”がなじんでくるにつれ、2秒……3秒と長くとめられるようになりました。今では5秒は止めていられます。
時が止まっているのに5秒とはおかしいかもしれないですが、とにかく5秒ほどです。
いずれは1分……10分……1時間と思いのまま止められるようになってあげましょう。
…………個人的にはDIOの世界が一番好きなんですよね。
でも“「時間の束縛から自由になりたい」という潜在意識の発露される世界”じゃなくて、“卓越したスピードが『光を越える』または『時を越える』と世界はその動きを止め、時間が止まる星の白金”の方が内容的に合ってるのでコッチに。
ああ、この『星の白金の世界』の効果は簡単ですよ。
普通に時を止めるだけです。正確には脳内時間をほぼ無限倍速まで上げた結果、周りの動きが止まるよう感じているだけです。
ちなみに“呪紋回路”全力解放状態じゃないと出来ません。
うむむむ~~~んんんんんん…………予想どおり“呪紋回路”はなじむ。
この肉体に実にしっくりなじんで、魔力を今まで以上に行使出来ます。
なじむ…………実に! なじむぞ! フハハハハハ……フフフフ…………フハフハフハフハ!
だがこの『星の白金の世界』の真骨頂はここから。
さきほど体内に埋め込んでから気と合一させた『戦いの旋律』みたいなありったけの補助魔法と組み合わせることにより、この止まった時の中でも動けるのです!
ンッン~~♪ 実に! スガスガしい気分だッ!
歌でもひとつ歌いたいようなイイ気分だ~~フフフフハハハハ!!!
10年前に転生をしましたが…………これほどまでにッ! 絶好調のハレバレとした気分はなかったなァ……。
フッフッフッフッフッ、超さんの未来技術のおかげだ! 本当によくなじむッ!!!
最高に“ハイ!”ってやつだアアアアアアアハハハハハハハハハハハハーッ!!!
…………と、マルチタスクでツラツラと考えながら、右手に『紅き焔』を固定状態で出してラカンさんに近づきます。
ゴメンナサイ。余裕そうに振る舞ってますけど、実は辛いです。
辛いというか後で辛くなります。
何しろ他の人達が止まって見えるようなぐらいな速度に自らを加速させているので、その反動がハンパナイです。
今はそれこそ時が止まっていますので平気ですが、時が動き出した瞬間に『咸卦治癒』ONにしてなかったら反動だけでマジ死にます。
これ一回やるだけで僕の全魔力の5割、更に1秒につき1割の魔力が必要です。…………時が止まっているのに1秒というのは本当におかしいですが。
今は隠し持ってた式神符の魔力で代用してますけど、それでもキツイものはキツイです。
………………事前の遅延呪文や『闇の咸卦法』は禁止されてましたけど、別に式神は禁止されていないもんね!
というわけで、さっさと終わらせましょう。
ラカンさん、『紅き焔』を食らえぃ!
そして文字通りにラカンさんに食らわせた後、元の位置に戻ってポーズも同じに戻します。
そして時は動き出す。
「げぽぁっ!!!」
時が動き出すと同時に、ラカンさんが爆炎を噴きました。もちろん口から。
流石のラカンさんでも腹の中からの奇襲攻撃には一溜まりもなかったようで、バタリと倒れます。
いくら鋼の肉体でも、胃までもが鋼とは限りませんからね。
しかも胃とかに気を通して防御するようなこともしていなかったでしょうし、内蔵関係ボロボロになってるはずです。
まあ、『雷の暴風』クラスの魔法は自重しておきましたんで、死にはしないでしょう。きっと。
………………“東風の檜扇”いるよね?
『ジャ、ジャック・ラカン選手ダウンーーーッッ!!!
マグダウェルさん、いったい何があったのですか!? いきなりラカン選手が火を噴いて倒れたように見えたのですが、ネギ選手は何もしていなかったようでしたよ!?』
『…………わからん。
ありのままに起こったことを言えば、ネギが「『星の白金の世界』!!!」と叫んだらラカンが火を噴いていた。
何を言っているのかわからないと思うが、私もネギが何をしたのかわからなかった。幻術とか超スピードとかそんなチャチなものじゃ断じてない。
もっと恐ろしいものの片鱗を見たような気がするぞ…………』
いやぁ、流石のエヴァさんも見ただけでは…………いや、見れていないからわからないでしょうね。僕が何をしたのかは。
…………っていうか体中がイテェーーーッ!!!
マジ痛いマジ痛いマジ痛いマジ痛いマジ痛い!
ここまで完璧に時を止めるとマジ負担がデカ過ぎる!!!
『咸卦治癒』! 『咸卦治癒』をありったけ発動!!!
ついでに気による身体制御で脳内麻薬を分泌させて痛みを感じなくさせる!
くそっ! ネタ技にしてはペナルティが多すぎる! これならまだ普通に『雷天双壮』使った方が強いって!
魔力も殆ど空になっちゃったし、何よりすぐには身体が動かせない! 口の奥で血の味がする! 不適に笑っているような顔をするしか出来ない! 式神符の魔力食べて回復を!
“東風の檜扇”を使いたいけど、そしたら僕が無理してることバレるから出来ない! それにラカンさんに使って僕が何をしたのかの証拠隠滅しなきゃ!
こういうお遊びの場でしか使えないなぁ、この技は本気で!!!
だが後悔はしていないし反省もしていません(キリッ
━━━━━ 後書き ━━━━━
これにてラカン戦は終了! いろんな意味で遊びすぎた!!!
でもメルディアナにいたときから試したかった戦法を試せたのでネギは満足じゃ。
………………ラカンさんマジで死ぬかも、とビクビクしながらやったのは秘密。
でも普通に“呪紋回路”は使えますよねー。
ちなみに78話で超が言った“あんなこと”がこれのことです。
ネギが使ったら『雷の暴風』クラスの上級魔法を撃ち放題になりますけど。
『固有時制御』と合わせて使えば、エヴァの『氷の女王』より酷いことになりますけど。
残った最後の切り札は最終決戦時にて。