こんにちは、アスナさんによりかかって寝てたところをアルさんに激写されたネギです。コンチクショウ。
アスナさんに甘えていたらいつの間にか寝ており、アルカナさんや木乃香さん達にニヤニヤと笑われながら見つめられていました。
刹那さんはニヤニヤではなく、微笑ましいものを見るような目だったのが逆に恥ずかしかったです。
そしてアルさんにはエヴァさんに見せないようにお願いしておきましたけど、どうなるかわかりません。朝倉和美さんでなかったことに感謝すべきでしょうか?
これでしばらくからかわれるんでしょう。ま、アスナさんに甘えることが出来たのは役得だったからいいですけど。
「…………というわけで、村の皆を治しにウェールズに帰ってきました」
「だ、誰に向かって話しているのかな?
それに最近何だかネギ君性格変わってないかい?」
エヴァさんの家に住んで、2-A生徒や元“紅き翼”の人達と一緒に数ヶ月過ごしたら誰でもこうなりますよ、タカミチ。
あ、そういえば、図書館島に行ったときに図書館探検部の人達を見かけました。まだ関わるのは早いと思って遠目から見ただけでしたけど、あまり原作と変わっていないようでした。
のどかさんはやはり男性恐怖症みたいですが、あののどかな雰囲気は変わっていませんでした。
夕映さんはトラップはずしたり理屈っぽかったりしてました。
パルさん? やっぱりGKBRみたいな触覚持って、時折何か叫んでいましたよ。…………やば、アンサイクロペディアの“GKBR”の項目思い出しちゃったよ。
のどかさんのあののどかな雰囲気はいいなぁ。原作ネギが好きになる気持ちもわかります。
何で自分の周りにいるのはのどかさんの対極な雰囲気を持つ人ばかりなんでしょうか?
「そんなことはどうでもいいのですよ、タカミチ。
アーニャが迎えに来てくれている筈なのですが………………あ、いましたね。
一般人も多くいる空港の中で、あんなトンガリ帽子を被っているのはアーニャ以外の何者でもないでしょう。まったく…………一般人への秘匿はどうなっているんだか」
「…………やっぱり変わったよ、ネギ君。
うん、今まで忙しすぎたんだよ。今日で石化治療も終わるんだ。麻帆良に帰ったらゆっくりと休もう。
3学期からは先生をしなきゃいけないけど、冬休みの間ぐらい休んでもバチは当たらないさ。ゆっくり麻帆良散策でもして心を休めるんだ」
何でそんな憐れんだ表情になるんですか、タカミチ?
僕は何も変わっていませんよ。今なら浮遊術を使って空を飛ぶことが出来る気分なんですから。
それに麻帆良散策しても心は休まりませんよ。エヴァさんとタカミチが何をするかわかりませんからね。
ま、いいや。
とりあえずアーニャと合流しよう。
「やあ、小さくなったね、アーニャ」
「誰が豆粒チビかぁっ!?」
この怒りよう、やっぱりアーニャです。センスの悪い小さな錬金術師の幻影が見えた気がしますが気のせいでしょう。
でも、本当に小さくなったなぁ、アーニャ。
それとも自分の背が大きくなっただけですかね? ハッハッハ。
「そんなこと言ってないよ、アーニャ。それにしても日本語がうまくなったね。それなら日本に行っても大丈夫だよ。
それから、ただいま。アーニャ。…………あれ? アルちゃんは?」
「久しぶりだね、アーニャ君」
「……お帰りなさい、ネギ。お久しぶりです、タカミチさん。アルちゃんは妹さんに挨拶しに実家に帰ったわ。日本に行ったらそう簡単に帰ってこれなくなるでしょうからね
…………く、本当に背が伸びてるわね。その靴もしかしてシークレットブーツだったりしない?」
「あ、なるほどね。アルちゃんの妹さんも元気になったのかなぁ」
「ネカネ姉さんは急な出張が入ったから来てないわよ。多分帰りは再来週になるから会えないと思うわ。だから手紙か何か残しておきなさい。
それとおじいちゃんに治療魔法かけてあげて。ネカネ姉さんに出張を伝えたせいでまた酷い目にあったみたい。学校の保険医ですら匙を投げたわ」
…………おじいちゃん、無茶しやがって。
それと、嫉妬は見苦しいよ、アーニャ。
「ふーん、そうなんだ。
まあ、村の皆の石化治療が終わった後で余裕があったら治療魔法をかけるよ。いつものことで慣れてるから、数日ぐらい放っておいても大丈夫でしょ。
多分持ってきたマグナム弾で大丈夫だと思うけどね」
「…………二人とも。それは本当にいつものことなのかい?」
メルディアナ魔法学校では日常茶飯事だぜ! ………………イヤ、本当に。
さて、それでは早速村の皆を元に戻すとしますか。
スタン爺さん達と会うのは本当に久しぶりです。あちらからしてみたらそんなことないんでしょうが。
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バキューーーン! バキューーーン!
ビーム・マグナムを撃つ音がメルディアナ魔法学校の地下に響き渡る。
マグナム弾は、もとは魔法を封じ込めるためにつくられた特殊な弾丸。石化治療の魔法が放たれる。
このビーム・マグナムは味方には“治療魔法”を込めて撃ち、敵には“攻撃魔法”を込めて撃つ。撃つときの擬音は「バキューーーン!」。
目標を狙い撃つように、無駄弾は撃たないように、ゆっくりと狙いをつけるのがここでのたしなみ。
もちろん、射撃が苦手なのにガナーザ○ウォーリアに乗るなどといった、「必中」が使えるリアル系パイロットなど存在しない。といった具合に、正に絵に描いたような(OO的な)“スナイパーらしさ”が求められている。
バキューーーン! バキューーーン!
「…………ねぇ、ネギ。いくら治療魔法とはいえ、その銃で村の皆を撃つのやめてくれないかしら?
というか説明も無しでいきなりぶっ放したときは本当に驚いたんだけど」
「石化を治してくれたのはありがたいんじゃがの。
気づいたら、目の前にこちらにデカイ銃を向けた大きくなったぼーずがいる、という状況は理解出来んかったわい」
はいはい、あと十数人で村の皆全員を治せるから待ってくださいね。アーニャ、スタン爺さん。
そんな“マァムがダイに向かってキアリクを込めた魔弾銃を撃ったときのポップ”みたいな顔はやめてください、傷つきますから。
タカミチもそんな orz みたいな体勢とってると服が汚れますよ。この地下室は埃が溜まっていますからね。
それに何ブツブツと「……育て方間違った……」「……ネカネさんの馬鹿野郎……」「……様に似てると思ってたのに……」みたいな独り言してるんですか?
あとでネカネ姉さんにチクリますよ。それに顔はともかく、性格は母親似だと思いますけど?
バキューーーン! バキューーーン!
「便利なんだから良いじゃないですか。
魔法符なんかより汎用性高いですよ。魔法込めればいいだけだからタダですし、遠距離の相手にも効果あるし」
「確かに便利そうじゃが、銃で治療魔法を撃たれる相手のことも考えてくれんかのぉ。生きた心地がせんわ」
起きたばっかりのスタン爺さんの目が点になってましたもんね。
スタン爺さんが無事に回復したのを確認した後、続けて他の村の皆に狙いを定めたら、『アーニャ・フレイム・ナックル』食らったのはビックリしましたけど。
何もいきなり殴らなくてもいいでしょうに。
バキューーーン! バキューーーン!
「…………はい、これで全員終わりました。
改めて聞きますけど、村の皆は問題無いですね?」
「あ、ああ。治った人から上に待機している治療魔法使いに見てもらっているけど、特に異常は見られないそうだよ。
ただ、悪魔との戦いで怪我をしたまま石化された人達がいるからその人達の治療があるけどね。
おめでとう、ネギ君。君は村の皆を無事に治せたんだよ」
「そうですか。お待たせしました、スタンお爺ちゃん。
遅くなりましたけど、ようやく皆を治すことが出来ました」
…………あ、やば。何か涙でてきそうです。
「う、うむ。
儂からしたら、あの日のことはつい先程のことにしか思えんのじゃがの。ぼーず達がこんなに大きくなっていると月日が流れているということがわかるわい。
ありがとう、ぼーず。良く頑張ったな」
えへへ、褒められました。
スタン爺さんの顔が何故か引き攣りそうなのは気にしないことにしておきます。「やっぱりナギの子か」と小さな声で呟いているのも気にしないことにしておきます。
「それじゃ、上にいきましょうか。
パーティーの一つもできればいいんですが、全員の怪我の治療が終わるまでお預けです」
「そうじゃの。ここにいてもしょうがない。
腹が減ったから食事にでもしよう。そのときにぼーずが今までどんな風に暮らしていたか教えておくれ」
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「終わったねー、アーニャ」
「そうね、ネギ。
まあ、魔法使いとしての最終修行は始まってすらいないけどね」
村の皆の石化治療が遂に終わりました。
怪我してる人が完治するまで最長で2週間ということなので、冬休みが終わる前に麻帆良に帰らなければならないから、パーティーなどはまた次の機会になりそうです。夏休みに帰省したときでしょうか。
今は用意された部屋でダラダラとしてます。
「村の皆が無事に治って良かったねー、アーニャ」
「そうね、ネギ。
私のお母さんは石になってた知り合いに「老けたわね」って言われたせいで怒ってたけど」
石になっているときは歳をとらないからねぇ。
村には自分とアーニャの他に子供がいなかったから大丈夫だったけど、ドラクエⅤのように親と子供が10歳差になったりする可能性があったんだよなぁ。
そういえば、この世界だったら石化魔法使えば、コールドスリープ技術なんかいらないんじゃね?
「明日はどうするの、ネギ?」
「うーん? 何だかお客様に会わなきゃ駄目らしいねぇ。
アーニャは日本に行く準備は出来てるのー?」
「大丈夫よ。というかアンタだらけ過ぎよ。
まあ、気持ちはわかるけどね」
「なーんか何にも考えられないし、動きたくないんだよねぇ。燃え尽き症候群ってやつかなー?」
「ちょっ!? アンタこれから学校の先生になるんでしょーが!?」
だいじょーぶ、だいじょーぶ。明日になったら本気出すから。
…………眠くなってきたなぁ。
でも確かにこれから原作がいよいよ始まるんですよねぇ。麻帆良に帰ったら頑張らないと。
…………それでも今日ぐらいはゆっくりと休むことにしましょう。
あ、おじいちゃんに治療魔法かけてあげるの忘れてた。
…………ま、いっか。