「やあ、ネギ君久しぶりだね」
「どうも、久しぶりですタカミチ。2ヶ月振りぐらいですか」
「そのぐらいになるね。何の本を読んでいるんだい?」
「宇宙についての本ですよ。今は火星の項目を読んでます。
火星は地球が人でいっぱいになったときの移住先になりうる可能性を秘めている、とか書かれててますね」
「…………4歳なのに難しい本読んでるんだねぇ」
「いえ、それほどでも。
でも実際どうなんですかね? 本当に火星なんかに人が住めるようになるんでしょうか?」
「え? いや……ハハハ。どうなんだろうね?
何百年後かには住めるようになってるかもしれないよ。
それに気づかないだけで火星人がもう住んでるかもしれないさ」
「タコみたいな火星人ですか? 会ってみたいとは思えませんね。
それに何百年後に住めるようになっても、どうせまた火星も人で一杯になっちゃうんじゃないでしょうか?」
「そうだね。人はどんどん増えていくから……。
そうなったらどうする? 地球が人でいっぱいになって、火星も人でいっぱいになって住むところがなくなったら?」
「火星に住めなくなったら、水星か金星に住めばいいじゃない」
「…………その発想はなかった」
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「………………我が子ながら突飛な発想をする子じゃの」
「ハハハ、確かにネギ君はときに誰も思いつかない発想をしますね。
石化治療魔法の件も、石化させた当の悪魔を召喚して解呪法を教えてもらう、なんてことは他の誰も考え付きませんよ」
「なるほど、変わった発想だ、タカミチ。
しかし、その変わった発想をキッカケとして、現実世界に迷惑をかけずに魔法世界の生き物全てを生き延びさせることが出来るんだ。ネギ君には感謝すべきだよ」
「まだじゃろう、クルト。
まだ間に合うかどうかはわからぬ」
「は、確かに。しかし、ネギ君の発想からヒントを得ることができ、研究の結果、水星の魔力を使えば火星が延命可能なことがわかりました。
ゲートを火星と水星との間で繋ぎ、魔力枯渇寸前の火星に水星の魔力を流し込む。言ってしまえばこれだけですからね。
まあ、魔力のみ輸送可能なゲートを繋ぐのには苦労しましたが、それもあと2、3年あれば完成するでしょう。
魔法使い人口6700万人のメガロメセンブリア連合は伊達じゃありませんし、アリアドネーのセラス総長の協力も確約してあります」
「そして水星の魔力を使いきるまでに地球に魔法世界のことを知ってもらい、魔力枯渇の心配がない現実世界の移住先を見つける。もしくは現実世界の人間と魔法世界の人間の婚姻政策をとり、純粋な魔法世界人をいなくする。
まあ、水星の魔力を使い切るまでに千年単位の時間があるということなので大丈夫でしょう。…………他に金星もありますし。
千年もあれば、その頃には人類は宇宙に進出しているでしょう」
「じゃが、のんびりすることは出来ぬ。水星をこの火星のように食い潰すことは断じてしてはならぬのじゃ。
といっても、焦って現実世界と事を構えるようなことだけは避けなければいかないがの」
「ご安心ください、アリカ様。
元老院の老害共はすべて牢に叩き込みましたし、ヘラス帝国もテオドラ皇女殿下のおかげでこのプロジェクトに賛成してくれています」
「ふむ、今度テオドラに礼を言わなければな」
「問題は魔法世界の皆がこの現実を受け入れることが出来るかどうかですか」
「焦ることはないぞ、タカミチ。そのためにも元老院を掃除したのだからな。
もちろん“紅き翼”の面々にも手伝ってもらう。英雄が話せば受け入れる可能性も高まる。お前もしばらくは客寄せパンダになってもらうぞ」
「…………しかし、アリカ様の名誉挽回は本当に後回しにしてよろしいのですか?」
「くどいぞ、クルト。今は私のことなどよりオスティアの民を含めた魔法世界に生きるものを優先すべきだ。
そのために余計な混乱は起こすべきではない」
「そうだぞ、クルト。
それにアリカ様の気持ちも考えて差し上げろよ。ようやくネギ君に会えるんだぞ」
「…………そうじゃな。もしかしたら私は早くネギに会いたいだけかもしれんの。
名誉回復などどうでもいい。ただネギ会いたいだけなのに、魔法世界のことを言い訳にしているだけじゃ」
「それは…………仕方がないではありませんか。
ネギ君を危険なことから離すために、お産みになってすぐネギ君と離れなければいけなかったのです。母君として当然の気持ちでございましょう。
反アリカ様の元老院議員や“完全なる世界”がいなくなった今、もう何も憚ることはありません」
「そうです。せめてネギ君の麻帆良での修行が終わるまでは一緒にいてあげてください。
それに“火星-水星間ゲート”が完成後、今までの真実とネギ君のおかげで魔法世界が救われることを発表すれば名誉挽回どころの騒ぎではなくなります。
それからはむしろ、急がしすぎて母子としての時間がとれなくなるかもしれませんからね。ゆっくり出来るうちにゆっくりしてください」
「……母か。ずっと放っておいてしまった私に、ネギの母と名乗る資格はないというのに。
麻帆良でネギの面倒を見てくれている“闇の福音”のほうがネギの母を名乗る資格があるじゃろうな」
「アリカ様っ!」
「そんなことありません!
大人びた子だといえ、まだネギ君は9歳です。まだまだ母親が必要です。
それに僕はネギ君の口から「母親に会ってみたい」という言葉を聞きました」
「…………それは母親が“災厄の魔女”と知らないからであろう。
いや、わかっておる。まず何よりも先にネギに会わなければならぬ。そしてずっと放っておいたことは謝らなければ。
もしかしたら許してくれぬかもしれぬし、“災厄の魔女”が母親だということを拒否するかもしれぬ。ネギにはその権利がある。
だが、そうだとしても私のほうからネギを避けていいわけではない」
「大丈夫ですよ、アリカ様。ネギ君はそんな子じゃありません。
もうすぐです。“完全なる世界”相手の事後処理に追われていたナギだってもうすぐ余裕が出来るでしょう。そうすれば親子三人で暮らすことが出来ますよ。
それに母親が“災厄の魔女”でも大丈夫です。従姉に“破壊の魔女”がいますから」
「…………タカミチ、それは慰めにならんぞ」
「…………まあネギのことはともかく、ナギのことについては“闇の福音”と決着をつけねばならぬがの。
ネギについては何か言う資格は私になくとも、ナギのことについては何か言う資格は私にあるのじゃ」
「(…………タカミチ、麻帆良学園大丈夫か?)」
「(…………学園長に結界強化するように進言しておく)」
「えーっと、それでは明日、僕とクルトが隣の部屋でネギ君に会います。
アリカ様はこの部屋で現在のネギ君をご覧ください。それとなくアリカ様の事情を説明して、アリカ様のことをどう思うかも聞き出しますので」
「それと表彰状も渡さなければいけませんね。ネギ君まで英雄として祭り上げるようなことにするのは不本意なのですが。
まあ、本人が知らずとも、ネギ君が魔法世界崩壊の回避に多大な貢献をしたということは事実なのですし、今回の石化治療の件も別枠で何かしないといけませんね。
正直、ここまでだと英雄に祭り上げるようなプロパガンダを行わなくても、有りのままの事実を発表するだけで十分な気がしますよ。
ああ、それにしても楽しみです。タカミチと違って私はネギ君と直接会ったことはありませんでしたからね。私はこのために元老院議員の特権を使って、無理矢理地球まで来たのです」
「頼むぞ。
…………もしもネギが私に会いたくないようだったら、私のことは死んだことにしておいてくれ。
それとクルト。公私混同はやめるのじゃ」
「も、申し訳ありません」
「ハハハ、大丈夫ですって。アリカ様。
それよりネギ君と会うための心構えをお願いしますよ。ネギ君のことは写真でご覧になったでしょうが、近くにいるとなるとまた別でしょう。
御対面のときに、感動のあまり何も話せなくなる、なんてことのないようにお願いします」
「わかっておる。覚悟も出来ている。
何で放っておいたのかと罵倒される覚悟も、“災厄の魔女”が母親ということを拒否される覚悟もな。
…………だが、それでも許されるのなら、ネギの母としてありたいのじゃ」
逢いたい。逢って抱きしめたい。
もうあの子は10歳になるのか。手離したときはまだ小さな赤ん坊だったのに。
私達のせいで寂しい思いをさせてしまった。辛い目にあわせてしまった。
預けていた村が元老院の手によって襲撃され、ナギが間一髪のところで助け出したとき、あの子はただただ震えていたという。
私のせいだ。
“災厄の魔女”である私が生きていることを望まず、あの子が私の子であることを許容できなかった元老院が村を襲わせた。私の子であるということだけで、あの子は故郷を滅ぼされた。
もし、あの子が事実を知ったらどう思うだろうか? 私のことを憎む? いや、タカミチの話から聞いたあの子の性格だと、自分自身を責めるだろう。
「僕のせいで村の皆を巻き込んでしまった」と。
そんなことはないというのに。全ては私達のせいだ。あの子に一切責任はない。
幸せだった。
ナギに救い出され、ナギと一緒になった。
王家の人間としてではなく、一人の人間として。ナギと夫婦として穏やかというには騒がしい、それでも幸せな時を過ごすことが出来た。
幸せだった。あの子を産むことが出来た。
初めてあの子を抱き上げたときのことは今でも憶えてる。ナギに抱き締められながら、あの子を胸に抱いているときはもう何も他にいらなかった。
私とナギとあの子の3人で幸せになれると思っていた。
だが、その幸せも長くは続かなかった。
英雄である“千の呪文の男”と呼ばれたナギに子供が出来れば、否が応でも注目の的になる。それと同時にあの子を産んだ私にも注目が集まるだろう。
実際、あの子が生まれたのを知った、事情を知る元老院議員が不穏な動きを見せたらしい。
当然だ。死んだはずの“災厄の魔女”がナギの子供を産んだことなど、彼奴らにとって衆目に知られてはいけないことなのだから。
また、ちょうどその頃に、生き残っていた“完全なる世界”の残党が何か企んでいることも判明した。
“完全なる世界”との戦いになったとき、あの子はナギにとって効果的な人質となっただろう。
魔法世界の崩壊が迫っていることもあった。
崩壊の危機のときにはあの子は大人になっているだろう。
下手をすればあの子は英雄として元老院に祭り上げられ、魔法世界の崩壊に立ち向かうことになるかもしれない。
だが、これは私達の世代で解決すべきことなのだ。
極めつけは、あの子が“完全魔法無効化”を持って生まれてきたことだった。
ナギがあの子をあやそうとして浮遊術をあの子に使ったとき、魔法が無効化されてしまったのだ。
あの子は私の子。つまりウェスペルタティア王家の血を引いている。
だから王家の血筋にしばしば生じる“完全魔法無効化能力”を持つ特別な子供、“黄昏の姫御子”となる可能性はあったのだ。
だが、私は自分の子供が“黄昏の姫御子”として生まれてくるなんて考えてもいなかった。
絶望した。
アスナがどんな扱いを受けていたか知っていた私は絶望の淵に立たされた。
アスナのことを放っておいた罰だとでもいうのだろうか。あの子に何の罪があろうか。私を罰せればいいのに。
ああ、これは私にとっての最大級の罰か。
自分の子が不幸になるのが、母にとっての最大の不幸だ。
このままではあの子は元老院に利用されるか、それともアスナのように“完全なる世界”の目的のために魔法世界を滅ぼす礎とされるかのどちらかだった。
そんなことはさせない。あの子をそんな目にあわせてたまるものか。
アスナのことは放っておいたのに、自分の子供がそういう目にあうのは嫌なのか。自分で自分の浅ましさに吐き気を感じた。それでも私はあの子を守る。私はあの子の母親なのだから。
もう私もナギもあの子の側にはいれなかった。
私が側にいると元老院からの干渉があるかもしれない。ナギが側にいると“完全なる世界”との戦いに巻き込むかもしれない。
ナギと相談した結果、ナギの故郷の村に預けるほかに手立てはなかった。
それでもあの子が隠れていられるのは10年ぐらいだろう。
ナギの息子だ。魔法に関わらせないなんてことは出来ない。そんなことを言ったらそれこそ元老院から干渉があるだろう。
あの子が一人前になる前に、あの子が世に出てくる前に、あの子の“敵”を滅ぼさなければならない。
私の子であるあの子を許容出来ない元老院と“完全なる世界”を滅ぼさなければならない。
ああ、何て可哀想な子なのだろうか。
私達のせいで、私達の戦いに巻き込んでしまった。生きていくのに余計なものを背負わせてしまった。
まだ私達の顔も憶えていないだろうに、独りにしてしまった。
泣くのはまだ早い。
あの子が私達のことをどう思うかはわからない。それでも私はあの子を守る。私はあの子の母親なのだから。
恨まれるかもしれない。
憎まれるかもしれない。
それとも何とも想ってくれないのかもしれない。
私達があの子の側にいないのは事実なのだから。捨てたと思われても仕方あるまい。
世界を救うために自らの国を滅ぼした私だが、今は違う。
今の私はあの子の母親だ。
あの子を守るためなら何でもしよう。
あの子を守るためならあの子に恨まれよう。
あの子を守るためならあの子に憎まれよう。
あの子を守るためならあの子に何とも想われなくとも構わない。
あの子のためなら“本当の災厄の魔女”にさえなろう。
あの子を守るためなら世界さえ滅ぼそう
そして、遂に終わった。
クルトやガトウ達のおかげで元老院の老害共を排除できた。
ネギの故郷を襲わせた証拠も見つけた。とりあえず牢屋にぶち込んでおいたが、そのうち魔法世界全域に発表しようと思う。
あの子に手を出すとは大それたことをしてくれたものだ。自分のしたことを思い知るがいい。
“紅き翼”も再集結したので“完全なる世界”を壊滅出来た。
ナギとラカンの2人でフルボッコにしたらしい。だが卑怯とは言うまいな?
あとはプチプチと残党を潰していくだけだった。
何よりもあの子のおかげで“魔法世界の崩壊”すら回避できることになった。
これであの子に逢うことができる。親子として過ごすことができる。あの子とナギと私の3人でまた暮らすことができる。
けれど、あの子は私のことをどう思うのだろうか?
タカミチから聞いたところによると、ナギのことはだらしのない駄目親父と思っているらしいが、別段嫌っているわけではないようだ。
従姉であるネカネの影響か女性に優しいらしく、“闇の福音”に対するナギの所業を良く思っていないが、それでもナギのことはよく周りから話を聞いていたようだった。
けれど、私のことは?
母親のことも周りに聞いていたらしいが、私が母であることをばらせないために口止めするしかなかった。
いくら聞いても言葉を濁されていたためか、そのうち聞くことをやめたらしい。
恨んでいるのだろうか? 憎んでいるのだろうか? 何とも想ってすらくれないのだろうか?
あの子の側にいなかったのは事実だ。あの子のためだといえ、独りぼっちにさせたのは事実なのだ。
逢いたい。逢って抱きしめたい。
でも、それ以上に拒絶されるのが怖い。
それでもあの子に逢わなければならない。
ナギは着いて来てくれると言ってくれたが、事後処理がまだ終わってないので断った。何より、母としての義務を放棄した私が一人で決着をつけなければならないことなのだ。
落ち着け。
今はあの子がどういう子なのか知るのが先決だ。クルトとタカミチが隣の部屋で話す。ただし、その結果次第では、私はあの子に逢えない。
その覚悟はあるが、体の震えが止まらない。
それでも許されるならあの子の母でありたい
全てはあの子の心に任せよう。何で放っておいたのかと罵倒される覚悟も、“災厄の魔女”が母親ということを拒否される覚悟もした。
ああ、願わくば、あの子が“お母さん”と呼んでくれますように…………。
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「それでも“二股眉毛”などと呼ばれる覚悟はしておらなかったのじゃーーーーーー!!!!!」
“あ……ありのままに起こった事を話します!
「僕は「もうすぐ原作が始まる」と覚悟を決めていたら、
いつのまにか原作が終わっていました」
な……何を言っているのかわからないと思いますが、
僕もどういうことなのかわかりませんでした。
頭がどうにかなりそうでした……。
「テンプレ通り」だとか「原作ブレイク」とかそんなチャチなもんじゃあ、断じてありません。
もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました……”
…………じゃなくて、
「待ってください!!! お母さーーーん!!!」
あ、“お母さん”という言葉に少し反応しました。ってか足速すぎです。王家の魔力をフルに使って逃走されると追いつけません。
くそっ、面倒臭いな。あの二股眉毛。
「ええい! しょうがない! ラス・テル・マ・スキル・マギステル 『ユニコーンガンダム』!
そして“MM-D”システム発動!!!」
自分の体に魔力を纏って“ユニコーンガンダム”となり、一気に突撃します!!!
“ガンダムUCのMSの再現能力”を作中で最初に使うのが母親との追いかけっこというのが情けないです。
…………って、もしかして原作終了ってことは“ガンダムUCのMSの再現能力”を作内で使うのはこれが最初で最後ですか!?
「くるでない! こんな二股眉毛を追いかけてくるでない!!!」
「いいから待って下さい!!!
…………捕まえたーーーーー!!!!!」
ガシッ! ギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリギャリーーーーーーーーー!!!
もみじおろし!?
やべ、捕まえたはいいけど止まれずに押し倒してしまいました。
その際お母さんと地面で擦れる音が物凄い勢いで聞こえてきましたが、…………あ、魔力障壁で無事みたい。
流石はウェスペルタティア王家の魔力。
あやうくお母さんの顔が見れなくなるところでした。危ない危ない。
「ぅぐっ、見ないで、お願いだから見ないで…………。
こんな二股眉毛なんて見ないで…………」
顔を両手で覆って、泣きながら呟きつづけています。
手を顔から剥がそうとしても王家の魔力を使ってブーストしているのか、全然剥がせません。今の自分は“MM-D”発動で筋力B+なんですけど。
…………王家の魔力マジパネェっす。
このままずっとお母さんの顔が見れないかもしれません。
はあ、何とか捕まえることが出来ましたけど、どうしましょ?
「ネギくーーーーん、アリカ様ーーー!!!」「アリカ様ーーーーーーーーー!!!」
ようやくタカミチとクルトさんが追いついてきました。
どうすればいいんだ、この状況?
…………とりあえずお母さんを宥めますかね。
「『解除』。
………………ふぅ。えーっと、はじめまして? ネギです。
とりあえず顔を見せてくださいよ、お母さん」
…………。
……………………。
………………………………こっち見ろや。
駄目だこの人、泣いてるばかりで全然こっち見てくれません。
原作と剥離しすぎなんですけど、これから修正効きますかね?
無理ですね、そうですね。全部終わってますもんね。
これから学校戻って、アーニャ達に事情説明して、麻帆良に帰ってエヴァさんに事情説明して…………って、おい? お母さんとエヴァさんの間で麻帆良大戦始まらないだろうな?
起こったらナギを生贄にして逃げよう。
…………色々と忙しくなりそうです。教師もやんなくちゃいけないし。
…………もう…………諦めちゃってもいい……かなァ…………。
いいや、今考えるのよしましょう。
今はお母さんの胸に顔をうずめましょう。
うん、それがいいです。
しかし、いくら並行世界とはいえ、ここまで違うとは思ってませんでしたよ。
テンプレ通りに進めるとかそんな次元の話じゃないですね。
自分なんかが主役になろうと考えたのが間違いなのです。
まあ、これはこれでハッピーエンドなんでいいでしょう。
この先は原作とは全然違うストーリーが続いていきますけど、自分の話はひとまずこれにて終了。
それでは皆様、いつかまた会う日まで…………。
━━━━━ 後書き ━━━━━
これにて第一章は終了です。
これ書いたのはまだ魔法世界人が地球に来れないことなどがわからなかったときですので、原作と違う部分が多々ありますが並行世界ということでご勘弁ください。
つーか、原作でアリカは本気でどうなったの?
ま、それはともかくとして、誤字脱字のチェックをしてみるとやはり結構ありました。もしかしたらまだあるかもしれません。
改めて最初から見直すと「ああ、一年前はこういうの書いていたんだなぁ……」と懐かしい気持ちになってしまいましたねぇ。
そし読み直して改めて気づいたのですが、この作品は
「こういう作品を書こう」 → 「それに合わせてネタで肉付けする」
ではなく、
「こういうネタを思いついた」 → 「それに合わせて作品を考える」
という、“ネタありき”の作品だったのです。特に第二章。“○○○○○○○○”とか○○さんとか超の末路とか…………。
初めての作品ということで色々と突っ込みすぎてしまい、読み直すとゴチャゴチャしている感じです。
ま、さすがに最初から上手い文章を書けるとは思っていません。
せめて読者の皆様のお目汚しにならない程度の文章に仕上げ、経験を積むことによって上達していきたいと思います。
こんな作品でよろしければ、もう少々お付き合いください。