おはようございます。朝起きたら赤ん坊になってたネギです。
いや~、夢の中で変な声が聞こえたんですよ。
「元気~? この前原作ネギがうらやましいって言ってたでしょ。私は優しいからその願いを叶えてあげるよ。今度は原作世界のネギに転生だ。
あくまで今の君の魂をコピーして貼り付けるだけだから、さっきまで過ごしてた並行世界のことは気にしなくていいよ。
能力は今まで同じ。といっても赤ん坊からやり直すから肉体は鍛えなおしてね。修行で拡張した魔力とかはそのまんまだよ。
ま、わがまま言っちゃ駄目だということで。それじゃ頑張ってね♪」
…………あれですか?
やっぱり最初にわがまま言ったのがムカついていたんですね。余計なことしやがってコンチクショウ!
ああ、もう!
せっかく“紅き翼”による修行から抜け出すことが出来たと思ったのに!
またやり直しですか!? 最悪だ!
しかも死亡フラグが何気にある原作世界。
これだったら“紅き翼”による修行の方が………………修行の方が辛いな、これだったら。
確かに魔力はそのまんまだし、鍛え直せば前世の経験がある分だけ原作が始まるころにはもっと強くなれるんだろうけどさ…………。
…………ハア、しょうがない。グダグダ言ってもしょうがないし頑張りますか。
とはいえ、やってられないですよ。あんなの神様じゃねえや。
「ネギ~! 夕御飯出来たわよ~!」
「は~い! ネカネ姉さん!」
神様ありがとう! 原作世界サイコーーーッ!!!
やっぱりネカネ姉さんはこうでなきゃいけませんね。ウン。
エヴァさんとガチンコバトルするネカネ姉さんなんてどこにも存在しないんや!
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さて、序盤の山場の悪魔襲撃なのですが。原作より早くメルディアナ魔法学校に入学することで回避しました。
ネギ「僕も来年から魔法学校に通うんでしょ? 見学に行ってみたいよ~」
↓
ネカネ「あら、そうなの? じゃあ校長先生に頼んであげる」
↓
校長「よく来たの、ネギ。
どれ、少し魔法を試してみるかね?」
↓
ネギ「プラクテ・ビギ・ナル 『(全力全開の)火よ灯れ』!」
↓
ネカネ「キャンプファイヤー!?」
↓
校長「あ~あ~髭がぁ~髭がぁ~!!」
↓
アーニャ「覗きこんでいたおじいちゃんが黒焦げに!」
ってなことをしたら「このガキ、ちゃんとした魔法を早く覚えさせないとヤベェ!」となり、早い入学を認められました。
“紅き翼”の修行のおかげで、魔力量は木乃香さんを超えてましたからね。そりゃ全力全開でやれば火柱も立つというものです。
…………今思えばなんであの修行生き延びられたんだろ?
それとゴメンね、おじいちゃん。わざとだったんだよ。
でも、おじいちゃんの尊い犠牲のおかげで村の皆が助かったんだから、笑って許してね。
ちゃんとそのあと治癒魔法もかけてあげたから大丈夫でしょ。全力全開で『治癒』かけたら髭がとんでもなく伸びたけど、別に問題ないよね。
まあ、元老院もさすがに魔法学校を襲わせるのはやめたらしく、それからも(僕的には)平穏な日々でした。
それに初めての長期休暇で里帰りしたとき、スタン爺さんからナギの杖を“入学祝い”の名目でプレゼントされました。ナギはちゃんと来てたようです。
自分は村にいませんでしたけどね。わざわざご苦労さんです。この杖は魔法媒体として優秀ですから、精々使わさせてもらいます。
並行世界の詠春さんから習った神鳴流もこの杖で練習しましょう。
神鳴流は武器を選びませんから杖で大丈夫です。ステッキ術も練習しておきますかね。
それと“紅き翼”に関する映像をまほネットで取り寄せましょう。
きっとドキュメンタリーか何かで、実際の“紅き翼”が戦闘している映像があるでしょうから、神鳴流はその映像を見て見様見真似の自己流で練習したことにしておきます。
それとタカミチから『咸卦法』と『居合い拳』を見せてもらっておきましょう。となると腕輪型か指輪型の魔法媒体も用意しておかないといけませんね。
あとは『闇の魔法』もエヴァさんのことをまほネットで調べておいて、そこから研究したことにしておけばいいでしょう。
これでアリバイ作りは完璧です。
なんとか原作開始前にはある程度並行世界のときの力を取り戻せるでしょう。おそらく、並行世界のときの自分が“10”だとしたら、“6”と“7”の中間ぐらいには取り戻せます。
年齢不相応な戦闘力になりますが、バグキャラということで勘弁してください。
「ネギ、アンタまた山へ修行に行くの?」
「そうだけど。どうかしたの、アーニャ?」
「成績が良いからって調子に乗っちゃだめよ。アンタってば頭が良い割りに、変なところで抜けてるんだから」
「ずっと学校に入ると気が滅入るよ。たまには外で思いっきり羽根を伸ばしたい時だってあるんだよ。
それに学校の中だったら派手なことできないし」
「…………くれぐれも山火事なんかには気をつけなさいよ。
アンタはおじいちゃんをコンガリ焼いた前科があるんだからね」
根に持ってますね、アーニャ。
まあ、幼いアーニャにはあの光景は酷だったかもしれません。
村を襲われないようにするためとはいえ、少しはアーニャのことも考えてあげるべきでした。
…………アレのせいで原作より火炎魔法が苦手になったせいか、『アーニャ・フレイム・~』がまだ一度もされてないことは嬉しい誤算でしたけどね。
自分が治癒魔法も得意なせいか、アーニャも張り合うように治癒魔法の練習をしています。多分これもおじいちゃんの尊い犠牲のおかげでしょう。
「わかってるよ。気をつけるから大丈夫だよ。
お土産は何が良い? 多分ユリの花がそろそろ綺麗に咲いていると思うけど」
「す、好きにしなさいよ! …………気に入ったら貰ってあげるわ」
「ん。そんじゃイノシシでも狩ってくることにするよ」
「っ! こ、このバカァーーーッ!!!」
アーニャは可愛いなぁ、ハッハッハ。
「冗談だよ。
じゃ、行ってくるからネカネ姉さんと仲良くね。それともアーニャも一緒に行く?」
「フン! 行かないわよ! …………いってらっしゃい」
はい。いってきます。
とりあえず修行を始めて早数年。周りの大人達から隠れながらの修行でしたので時間かかったなぁ。
それでも何とかヴィルさんクラスを相手に出来るような力をつけたので山篭りを行うことにしました。もしかしたら“元老院は自分殺すの諦めていないかなぁ~”なんて思ったので、諦めていなかったときに誘い出すためです。
こうして山篭りするようになったのなら、魔法学校にいるときよりも山篭りしているときを狙うでしょうからね。いつ来るかわからない刺客より、いつ来るかわかる刺客の方が対処しやすいです。
それに、自分のせいで魔法学校の関係者を巻き込んだらいけませんからね。
………………『千の雷』に巻き込んだら大多数の人が死んじゃいますし。
もちろん転移魔法は使えるし、転移魔法符も持ってきてありますので、逃げる準備も万端です。
万端だったんですが、全然来ませんね。一応優秀な成績を修めているので、始末するより“英雄の息子”として利用することにしたんでしょうか?
来ないなら来ないで全然構いませんし、来ないんだったら修行をするだけだからいいんですけどね。
あ、ユリ発見。
アーニャとネカネ姉さんへのお土産にしましょう。
…………食べ切れなかったイノシシ肉もお土産にしましょうか。
━━━━━ 後書き ━━━━━
というわけで、原作世界への転生をもう一度。
アイテムとかは全て失われたけど、肉体的にはともかく魔法的には強くてニューゲーム。
少しはネギを活躍させたかったし、考えた技とかも出したかったのです。
それでは皆様、第二章だけで100話ぐらいになりそうですがよろしくお願いします。
年度末をもうすぐ乗り越えられそうですが、これから年度初めが待ってます。新入社員とかも入ってくるそうなので、もしかしたら更に忙しくなるかもしれません。
しかし、何とかして遅くともゴールデンウィーク前には新規投稿を始めますので、もう少々お待ちください。