こんにちは。ネギです。
前世もあわせて初めて飛行機に乗りました。
耳鳴りが酷いです。
結局あの後は暴れだしたアーニャを落ち着かせ、学校長に話を聞きにいったのですが、学校長は既に逃亡済みでした。
それを知ったネカネ姉さんの笑顔が忘れられません。
置手紙があったので見てみると、そこには今後お世話になる麻帆良学園への連絡先が書かれていました。
自分の影響でアーニャは日本に興味はあったものの、日本語まで話せるなんてことは当然なかったので日本語のお勉強中です。
そして自分は教師をするということなので、前準備のためにもアルちゃんをアーニャに預けて日本へ先に行きます。
色々と手続きがありますし、アルちゃんを最初から連れて行くつもりなのでペット可の住居をお願いしたところ、
「なら早めに来て、自分で気に入ったところを探しなさい」
と言われました。
初っ端から原作と違ってきてます。
麻帆良学園の学園長とも電話で話したのですが、自分を早く麻帆良に来させたいそうです。より詳しく言うならアーニャより先に来させたいそうです。
…………なーんかありますねぇ。
あ、そうそうヘルマン卿は封印されていませんでした。
吹っ飛ばされた際に普通に消えたそうです。魂まで消滅してるわけじゃなさそうですね。
まあ、知らない悪魔が来るよりも対策を立てやすいので悪くはありません。
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そんなこんなで麻帆良学園に到着しました。ちなみに出迎えはタカミチです。
まあ、平日の昼間ですからね。明日菜さんたちは普通に学校でしょう。
平日の昼間になんで担任の先生であるお前がいるんだ、このデスメガネ?
と聞きたいところですが自重します。僕って空気が読める10歳児ですから。
「どうも、ご無沙汰しています。久しぶりです、タカミチ」
「やあ、しばらく見ないうちにまた大きくなったね、ネギ君。
それとそんなにかしこまらなくても大丈夫だよ」
「いえ、習った日本語がこういうものなので…………。
逆に変えろと言われた方が困ってしまいます」
「HAHAHA、そうなのかい。それでは改めて。
ようこそ、麻帆良学園へ。ネギ・スプリングフィールド君」
などと会話しつつ、目的地に向かいます。
初めて「」で台詞を喋った気がしますが置いておきましょう。
それにしても…………久しぶりの日本だけど麻帆良だからですかね?
前世の記憶にある日本とは違うなぁ…………。
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そして学園長室に連れていかれ、学園長とご対面。
…………うわぁ、やっぱりぬらりひょんだよ、この学園長は。
二次創作のテンプレならここで
「うわっ!? ぬらりひょん!?」
とか
「この学園は妖怪が学園長を務めているのですかっ!?」
とでも叫ぶのでしょうが、自分はやめておきます。
ここはもう麻帆良なんです。並行世界の麻帆良なんです。
どんなキャラ崩壊が待ち受けているかわかりません。
どこに地雷が埋まっているかわからない今、穏便に済ませることが出来るならそれに越したことはありません。
………………ウェールズ帰りたい…………けど、帰ったら帰ったでネカネ姉さんが…………。
何この究極の選択?
そして今後についての打ち合わせを学園長達としたところ、自分は教育実習生としてタカミチが担任をしている2-Aの担任補佐をするようです。
…………原作からやっぱり違ってきてます。タカミチが出張ばかりなのは変わらないようですが。
三学期開始と同時に担任補佐として赴任ですか。
それまでは日本の学校のことや書類の書き方、麻帆良のことなどを勉強すると。
アーニャが転校生として麻帆良にやってくるのもそのぐらいになるので、同時のタイミングで就任と転校ということになりそうです。
…………勉強に時間かけすぎです。その間になーんかありますね。
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タカミチが2-Aのホームルームのために退席した後、緑茶と和菓子をご馳走になりながら世間話をします。
羊羹うめぇ。
「…………ところでネギ君や、ちょっと会ってほしい人がいるのだがいいかね?」
「は? 別に僕は構いませんが…………」
来ましたよ。なーんかあると思ってたら、なーんか来ましたよ。
誰だ? このタイミングで自分と会うような人なんかいるか?
「なに。君のお父さん。
ナギ・スプリングフィールドの知り合いじゃよ………」
ナギの知り合い? アルビレオ・イマとか? というかなんで学園長の声が暗いの?
でも、あの人は図書館島の奥深くにいて、出て来れないはずですよね。学園祭のとき以外。
それよりあの人原作でも変態っぽいから、キャラ崩壊の倍率ドンで更なる変態化してたらどうしましょう?
…………やべ。
カモ君のことアルちゃんって呼んでるけど、あの変態が“アルちゃん”という呼び名に反応したらどうしよう…………。
そしてしばらく時間が経ったころ、学園長室の外に人の気配を感じました。それも複数。
ノックのあとにガチャ、と扉が開けて入ってきたのは…………葛葉刀子先生とシスター・シャークティー? 案内役か?
その2人の後から入ってきたのは、小柄で、金色の長い髪で、美しいというよりは愛らしい。だけど数年後には絶世の美女と呼ばれるであろう、麻帆良学園本校女子中等学校の制服に身を包んだ少女でした。
…………もしかしなくてもエヴァさんじゃね?
“闇の福音”じゃね?
やけに力の篭った目で自分を睨みつけてくるこの人って、エヴァンジェリン・A・K・マクダウェルさんじゃね?
何ですか、この状況?
エヴァさんがなんでこの時点でネギと会うんですか?
しかも学園長の紹介で?
「この子はエヴァンジェリン・A・K・マクダウェル。さっきも言った通りナギの知り合いじゃよ。
高畑先生が担任をしておる2-Aの生徒でもある」
「そ、そうですか。初めまして、ネギ・スプリングフィールドです。
三学期からですが、2-Aの担任補佐として赴任することになりました。これからよろしくお願いします」
…………。
……………………。
………………………………反応がありません。自分を睨みつけてくるだけです。
え? これどうすんの?
「…………えーっと、父の知り合いということですが、一体どういうご関係なんでしょうってヒィッ!?」
ちょ、地雷踏んだ。なんかよくわかんないけど地雷踏んだ。
殺気混じった。自分を睨みつけてくる視線に殺気が混じってきました。
なんか変なこと口にしましたか? 自分?
「そう睨みつけるのはやめなさい。ネギ君が怯えてしまっているじゃろうに。
エヴァ、この子がナギの息子であるネギ・スプリングフィールド君じゃ」
助けて! ぬらりひょん!(野比の○太風に)
って、僕とは眼鏡しか共通点無いじゃないか!?
いや、現実逃避はここまでにしましょう。
やばいぞ、これは。エヴァさんに敵としてロックオンされてそうだ。
「………………れが」
イエス、マムッ!!!
何でございましょうかっ!?
「いったい!? 誰が!? ナギの息子だぁっ!?」
ヒィッ! そんなこと仰られましてもミス・マグダウェル。子供は親を選べませんです。
いったいナギはエヴァさんになにをやったんだぁっ!?
「私にとってこのぼーやは!!!
どこの誰とも知らぬ泥棒猫の子供でしかないわっ!!!」
ワーニンッ! ワーニンッ!! ワーニンッ!!!
そっちなんですね! ナギのことじゃなくて、そのお相手のことなんですね!?
キャラ崩壊来ました! よりにもよってエヴァさんですか!?
しかも“泥棒猫”発言! もしかして“ヤンデレ”ですかぁっ!?
何それ!?
“ヤンデレな闇の福音”なんて最悪の組み合わせじゃないかっ!!!