━━━━━ 長谷川千雨 ━━━━━
「ああ……大きな火が点いたり消えたりしている。ハハッ、大きい…………大文字焼きか?
違う、違うな。大文字焼きはもっとこう……“大”って文字やもんな。
…………暑っ苦しいわ、ここ。…………出られないんやろか。お~い、出してくれへんか~! ねぇ?」
「…………詠春さん。いくら木乃香さんを誘拐した一味の主犯といっても、少しやりすぎじゃないですか?」
「私ですかっ!?」
「いや、お前のせいだから。
確かにトドメを刺したのは近衛詠春かも知れないが、明らかにお前が一番の原因だから」
ネギーん、とワケがわからないよ的な顔をするネギ先生。スモチでも食ってろよ。
つーか、あの天ヶ崎千草って人マジで大丈夫か? 目が虚ろだぞ。
捕まえたときはビキビキ青筋立てて睨んでいた関西呪術協会の人達も、何だかどんどん憐れみの表情になってきてるし…………。
「ま、そんなことはどうでもいいです。それよりフェイト達迎撃の準備をしましょうよ。彼女は終わったら『咸卦治癒』で治しますから。
茶々丸さん、フェイト達の動きはどうですか?」
「先ほどとペースは変わりません。慎重にこちらに向かってきています。
このペースですと、接触まであと5分ほどです」
「了解です。詠春さん、陣と召喚のお札の準備は?」
「陣は既に構築済みです。召喚のお札はこれになります。
…………しかし、魔力は大丈夫なのですか、ネギ君? 先ほどの空に向かって放った一撃はここからでも見えましたが、魔力を結構使ったのでは? 本山でも生徒の皆さんにずっと魔力供給していたらしいですし…………」
「今までに消費したのは1割ちょっとです。別段問題ありません。
それでは術者の皆さん、召喚をお願いします」
「…………え? 1割?」
近衛の親父さんから渡された数枚のお札を持って、祭壇に続く橋の中心当たりに立つネギ先生。
ちなみに周りの湖はネギ先生の魔法によって凍らされていて、湖上に立つことが出来る状態になっている。
…………凍った湖ってのは変な光景だな。
北国のワカサギ釣りとかの光景をTVで見たことあるけど、まさか京都で同じものを見ることになるとは…………。
「「「「「オン キリ キリ ヴァジュラ ウーン ハッタ」」」」」
関西呪術協会の人達が呪文を唱えたと思ったら、凍った湖の上に化け物達が大勢現れた。ネギ先生の魔力を使って呼び出したらしい。
うわ、すげぇ…………何体いるんだ? 私達がいる祭壇の周りをグルっと囲むぐらい出てきたぞ。
ちなみに私達は祭壇の上にいて、その周りに龍宮や桜咲みたいな私達の中でも戦闘出来る奴らがいる。そして一段下がったところに関西呪術協会の人達が30人ぐらいで囲んでいて、私達を守ってくれるらしい。
そんで化け物達が更にその周りの湖の上に出てきたわけだ。
残った敵はあと3人なんだろ。しかも1人は戦闘不能。要するに実質2人。
対するコッチは、ネギ先生や桜咲達で7人。関西呪術協会の人達が約30人。化け物が数百。
…………コッチが数百で向こうは2か。明らかにイジメレベルの戦いだよな、コレ。
「んー、500ちょっと、というところですか。
鬼の皆さんの中で空を飛べない人達はその場所で壁役になってください。烏族みたいに空飛べたり遠距離武器持ってる人達は、今から来る人達を逃がさないようにしてくださいねー」
「鬼遣い荒いのぉ。さっきボコられて還ったばっかりだったちゅーのに、また召喚するんか…………って、さっきワシらをボコった坊ちゃん達やないか?
今度は坊ちゃんが召喚主かいな」
「うわぁ、先ほど某はあの坊主に鴨撃ちにされたんだが…………」
「いや、あんた鴨やなくて烏やろ」
「ワシなんか開始2秒で終わったで…………」
「あの坊ちゃん、絶対ワシらより鬼や」
「まー、喚ばれたからには命令には従うけどなー」
「つーかこの坊主。ワシら全部をたった1人で呼んだんか、凄いのぉ」
…………なんか、想像してたのより人間臭い化け物達だな。
「ネギ君、魔力の方は…………」
「大丈夫ですって。木乃香さん、お願いします!」
「わかったでー。『契約執行 木乃香の従者 ネギ・スプリングフィールド』!」
「はい、それでは魔力を頂きますね。『魔力吸収』開始。
…………。
……………………。
………………………………うん。もういいですよ、木乃香さん!
木乃香さんの魔力の半分近くを頂きました。僕にとっての20%ぐらいですね。
さっきの召喚でも少し使いましたが、これで魔力をほぼ回復出来ましたよ」
「…………え? じゃあ、この鬼の召喚に使ったのはネギ君の全魔力の1割ぐらいなんですか?」
「そのぐらいですねぇ」
「「「「「………………………………」」」」」
関西呪術協会の人達、もう全員諦めた顔をしているぞ。私達が魔法のことを知った日に見た麻帆良の先生達の顔と一緒だ。
ネギ先生は麻帆良でも京都でも変人ということなんだな、やっぱり。
「木乃香お嬢様、大丈夫ですか?」
「平気やよ、せっちゃん。ちょっと疲れた気がするけど大したことないわ。今日の夜、ネギ君が一緒に寝てくれればスッカリ元通りになるぐらいやね」
「ちょっと待って木乃香。今日はお父さんと寝るんでしょ!?
…………って、刹那さんが場所を譲るのよね。本当は木乃香が隣で寝るはずだったんだから、それならいいか」
「えー、誘拐されて怖い目にあったんやから、せっちゃんも一緒に寝てほしいわー」
お前ら少し自重しろ。
「…………あ、ネギ先生。来ます」
「了解。この湖の周りに結界がありますので、僕達が待ち受けていることは気づかれていないはずです。
では、改めてこれからのことを言います。
関西呪術協会の方々は僕の生徒がいる祭壇の防衛、並びに天ヶ崎千草の確保をお願いします。
エヴァさんは、もしここに来るのがフェイト、小太郎、月詠の3人だったら、明日菜さん達を連れて本山に避難してください。しかし、もしフェイトが来ないで、小太郎、月詠の2人だけが来たのだったりしたら、本山に行かずにここで待っていてください。
刹那さんは木乃香さんの護衛優先。龍宮さん達は明日菜さん達の護衛を。
鬼の皆さんはさっきも言った通り、空を飛べない人達はその場所で壁役。烏族みたいに空飛べたり遠距離武器持ってる人達は、今から来る人達を逃がさないように行動してください。
彼らを迎え撃つのは僕がします。以上です」
「…………別に本山に避難しなくてもいいと思うがな。ろくな戦闘にもならんだろう。
確かにフェイトというのがここに来なかったとするなら、本山に避難させるのは逆に危険かもしれないが…………」
「オレニモ参加サセテクレヨー」
「これ以上ネギ君のお世話になるのは関西呪術協会としても心苦しいのですが、一番犠牲を出さないのは確かにこのやり方なのでしょうね。
(…………さも当然のようにネギ君が仕切っていますが口は出せませんね。ネギ君がいなかったら私達は全滅していたのですから、今更私達が仕切るなんてのはもう無理です)」
あー、私達もここに来るようにしたのはそういうことか。
確かにもし私達が本山にいたままで、フェイトって奴がこれから本山にまた来て私達のことを人質にしたりしたら、今までのことが引っ繰り返るもんな。
それと近衛の親父さん。別に気にしないでいいと思うぞ。
というか、気にしないほうがいいと思うぞ、ネギ先生のことは。
私としても、確かにこんな戦闘が起きそうなところにいるのは不安だけど、ネギ先生が近くにいるならここにいても大丈夫だろうしな。
逆にネギ先生と離れてる方が不安になる。
「…………光が……広がっていく」
でも、天ヶ崎千草の側にはこれ以上いたくねぇよ。
それこそ天ヶ崎千草を本山に運んでくれよ。虚空を見つめながら笑うなんて怖すぎなんだよ…………。
「着いたでっ! って、何やこの鬼どもは!?」
「千草さんが護衛のためにまたお姫様の力で呼んだのかな?
しかし湖が凍っているのは…………?」
「小太郎! 新入り! 来たんか!?」
うえっ!? 天ヶ崎千草の声!? 天ヶ崎千草はまだ私の目の前でブツブツ呟いて………………って、ネギ先生か。
そういえば昨日のパトカーのサイレン音もネギ先生が出してたんだったな。
「音というのは所詮はただの空気の振動です。
それだったら風魔法の応用をすれば、サイレン音や声真似なんか簡単ですよ」
とか言って、私達の声真似も実演してみせたし…………。
遂に“ょぅι゛ょ誘拐犯”が来たのか。
私らからは鬼が壁になって邪魔して見えないけど…………それって要するに、奴らからも私達のことは見えないってコトだよな。
「2人だけか!?
月詠ハンはどうしたんや!?」
「ここにいるでー! ………………ネギのせいで凍っとるけど。っつうか、背負ってるから背中が冷たいわ」
「こう言ってはなんだけど、今の彼女じゃ足手まといだ。
だけど今の状態なら、ネギ君達にも無視されるぐらい無害の存在になってるからね。月詠さんの安全のためにも今のままの方がいいだろう」
ネギ先生は何やったんだーーーっ!? 戦闘不能ってコトは聞いていたけど、凍ってるって何なんだよっ!?
生きてんのか、それ!?
「状況が良く掴めんけど、来たんならウチの近くで護衛をしてや!
一番外の守りは鬼達に任せとけばええ!」
「おう! 今いくで!
…………月詠は木乃香の姉ちゃんの近くに置いとくか?」
「いいんじゃないかな。それなら安全だろう。ネギ君もお姫様の近くでは無茶はしないはずだ。
急ごう、きっとネギ君ならあと数分もしないうちにやってくる」
………………もういるよ。
ああもう! 逃げろ! お前ら敵だけど逃げろ!
近衛を誘拐したり幼女を誘拐したりする極悪犯らしいけど超逃げろ!!!
敵とかそういう以前に、ここまできたら同情しか浮かばねーよ!!!
━━━━━ ネギ・スプリングフィールド ━━━━━
ギシッ、ギシッ、ギシッと音が鳴る。フェイトと小太郎君が橋を踏んでいる音が。
…………んー、もうちょい右かな?
「しかしまいったわ。アイツラ強すぎや。
ネギだけもアカンのに、あの姉ちゃん達も凄腕やで」
「うん。こうなったら、千草さんの召喚に賭けるしかないね。
(…………何かズルズルと付き合ってしまっているな。とりあえずネギ君が要注意ということがよくわかった。頃合を見て失礼するとしよう)」
ギシッ、ギシッ、ギシッとドンドン近づいてくる。
背中が冷たいなぁ。2人とも早く来ーい。
「チクショウ。せめてネギの顔に一発でもいいから決めたいもんや」
「…………止めといた方がいいと思うけど」
ギシッ、ギシッ、ギシッという音が僕のいる直上に遂に来た。
おー、来た来た。待ちくたびれちゃったよ。
というわけで、お空に向かって手を伸ばします。…………ただし、バキバキィッッッ! っと思いっきり橋板を突き破りながら。
それと同時に僕の上にいる小太郎君とフェイトの足を掴みました。
「ん?」「え?」
両腕開放、『白き雷』!!!
バチバチバチバチバチィッッッ!!!
「ンギャアアァッッッ!?」「ウワアアァッッッ!?」
フム、このように接触した状態ならば、フェイトの曼荼羅障壁も役に立たないでしょうねぇ。
さすがに湖を全部凍らしたら水面も上がりました。おかげで橋までギリギリの高さで寝転ぶことが出来ましたよ。
明日菜さん達や術者の皆さんがいるところは防寒結界があるから寒くないでしょうけど、僕は背中が冷たいから橋の下から早く出ようっと。
メリメリッ、メリメリメリィッ! と橋板を剥がしながら橋の上に出ると…………あれ? 2人ともまだ生きて……じゃなかった。2人ともまだ意識がある? 月詠さんは相変わらず凍ってますけど。
あれ~? いくらフェイトだろうと気絶するぐらいの強さで電気流したんだけどなぁ?
「鬼や。絶対あの坊主は鬼や」
「おぼこい顔してよくもまぁ…………」
「いや、あれが西洋にいる悪魔っちゅーもんなんじゃ?」
「西洋魔術ってのは、わびさびだけじゃなくて情けもないんかい」
「…………悪いな、狗の坊主と白髪の坊主。ソッチの赤毛の坊主に喚ばれたからには今度は味方やないんや。恨まんといてな」
うるさいなぁ。
鬼さん達は壁になってるだけでいいから、騒がないでくださいよ。
「…………で? 何でまだ意識あるの?
結構強く流したから、いくらフェイトでも「ガアアァッ!」…………っと、小太郎君も元気あるねぇ」
「ハァッ……ハァッ……! フェイト! 月詠を連れて逃げいっ!!!」
あれれ~~~? 意識があるだけでなく、反撃まで? しかも小太郎君が?
変だ。いくら何でもそれは変だ。
フェイトだけならともかく、小太郎君までここまで無事なのは………………あ、そっか。
「護符かな?」
「そうや! お前が雷使うのは昨日でわかったからな! ちゃんと対雷専用の護符を用意しておいたんや!!! …………って、この護符を突き破って俺らにダメージを?
ええいっ! そんなことは今はええ! フェイト! ここは俺が引き受けるからさっさと逃げろやっ!!!」
「クッ…………すまない、小太郎君!」
あれ? 何か僕の方が悪役じゃね?
これだと小太郎君がその身を張って味方を逃がすヒーローじゃん。
…………ま、フェイトは逃がしてもいいか。鬼さん達から弓矢とかでバンバン狙われてるけど。
ここで捕まえて関西呪術協会に引き渡したとしても、その後がどうなるかわかりませんからね。あまりにも原作と乖離したことは慎んだ方がいいでしょう。………………いや、ホントホント。
原作みたいに逃げたと見せてまた襲ってきたとしても、そのときは別のことに利用させていただきましょう。
「こ、こっから先は通さへん!!!
…………そうやっ! 千草姉ちゃんはどうしたんや!?」
「いや、フェイトにはもう逃げられちゃったよ。鬼の皆さんの追撃も簡単にかわされたみたいだしね。天ヶ崎さんは…………うん、もうすぐ会えるからそのときに確認しなよ。
フゥ、さっきので終わると思い込んでいた僕のミスか。『白き雷』じゃなくて、『戒めの風矢』とかで動きを止めればよかったか。
…………僕もまだまだ未熟だなぁ」
油断大敵。いくら強くなったからといって、相手を甘く見ちゃ駄目ということですね。例え僕がどれだけ強くなろうとも、それで相手が弱くなるわけじゃないのですから。
敵を侮っているつもりはなかったですけど、強くなったせいで僕の心にも驕りが生まれていたようですね。
やはりこれからは油断せずに、ハエに核兵器を使うぐらいの覚悟で戦いに挑みましょう。
「…………っ! 無視すんなや、ゴラァッ!!!」
ま、これは油断じゃなくて余裕というものですが。
小太郎君の大きく振りかぶった右ストレート。
小太郎君も消耗していて思いっきりテレフォンパンチなんで簡単に避けられるんですけど、わざわざ避ける必要もないですね。
バキィッ! と良い音がして僕の額に小太郎君の拳が叩き込まれましたけど、全然痛くないです。
「ぐぁっ! て、てめぇ…………」
「あーあ、折れちゃったよ、大丈夫?
額で拳を受けるのはベアナックル時代には基本的な防御だったんだよ。肉弾戦やるならそのぐらい覚えておきなよ。
ま、いいや。とりあえずお休み。『白き雷』」
バチバチバチバチバチィッッッ!!!
「ギャンッ!?」
君はつまらん…………じゃなかった。まだまだ修行が足りないですね。
気絶した小太郎君の拳を診察してみると、中手骨が真ん中の3本折れちゃってます。あー、痛そう。治しておきますか。
小太郎君は我流で修行していたみたいですから、どうしても基礎がちゃんと育っていないんですよね。拳に体重乗せるのも上手いとはいえないですし。
才能はあるんだけど荒削りでもったいないです。
さて、これでだいたい終わりです。鬼さん達を喚んだはいいけど、あまり意味なかったかな?
いつまでも喚んだままはかわいそうだから、さっさと還してあげないといけませんね。
「終わりました、詠春さん。大きいこと言っていたのに申しわけありません。フェイトを逃がしちゃいました。
鬼さん達もご苦労様です」
「…………いえ、ネギ君に怪我が無くて何よりです」
「…………一言でいいから言ってやりたいが、結果的にうまくいってるから何も言えん。
何でネギは基本的にアホなのに、応用的には頭が良いんだ…………」
アホってどういうことですか、エヴァさん?
「何や、もう終わりか」
「ワイら何もしてないんやけど」
「…………ぐ、結局あの白髪坊主を逃がしてしまった」
「やばいで、坊ちゃんに怒られるんやないか?」
「うわ、ご愁傷様や。ワイらは壁役って言われてたから平気やけどな」
人を悪魔みたいに言わないでくださいよ。
ちゃんと祭壇を大きなその身体で隠す役割をしてもらったし、元からフェイトを捕まえることなんか無理だってわかってましたから別に怒ったりしませんよ。
ズルズルと小太郎君を引き摺って祭壇のところへ。
これで小太郎君を引き渡したら僕達の役目は終わりですね。
いやぁ、最初はどうなるかと思いましたけど、無事に終わってよかったです。
早く本山に戻って明日菜さん達を安心させて上げましょう。
…………ズ…………
ん、魔力反応? やっぱり原作通りにフェイトが来たのか?
狙いは…………僕か。うん、いらっしゃ~い。待ってたヨ。
【ネギの被害者リスト】
メルディアナ学校長:燃やされた
カモ:去勢された+『仮契約』儀式の手伝い
鳴滝姉妹:悪戯し掛けて返り討ち
エヴァンジェリン:紅茶吹かされた
バカレンジャー:勉強地獄
学園長:ストレスによる急性胃潰瘍にて吐血
さよ:知らないうちに成仏させられるところだった
魔法先生一同:「この子ホントにどうしよう?」という絶望
愛衣:幼児退行させられた
高音:露出狂の嫌疑かけられた
刀子:露出狂の嫌疑かけられた
バレーボール:破裂させられた
タカミチ:コーヒー吹かされた+担任クビ+マダオ就任
刹那:勉強地獄+バカホワイト就任
明日菜:失恋
関西呪術協会:変態集団疑惑
天ヶ崎千草:勝っても負けても“死”?+“心を連れていかれた” ← new!
“完全なる世界”:“ょぅι゛ょ誘拐犯”
ルビガンテ:名前忘れられた
月詠:メガネ壊された