━━━━━ ネギ・スプリングフィールド ━━━━━
『さあ、どうします!?
どうするんですか超鈴音!!!』
…………この程度か。少し残念ですね。
力押しだけじゃなくてありとあらゆる手段を持って向かってくる、超さんみたいな人が相手なら久しぶりに本気を出せると思ったのに…………。
時間跳躍による回避行動は結局のところ、ただの瞬間移動と変わりません。
攻撃に利用しようとしたとしても超さんが人間である以上、跳躍してから攻撃に移るまでには僅かなタイムラグがあります。
だから実のところあんまり怖くないんですよね。
ほぼ同時間・同空間への超高速連続時間跳躍を行なうことによる擬似時間停止は少し厄介ですが、それもあくまで擬似的なものにしか過ぎません。
攻撃してくる進路にちょっとビーム・ジャベリンとかを置いておくだけで、勝手に超さんが驚いて止まってくれます。
超さんの体感時間で2.68秒ほど擬似時間停止出来るみたいですが、超さんが攻撃してくる攻撃は何となく読めます。ちょっとそれを狂わせたら“航時機”を精密に動作させることなんて出来なくなりますので、これも怖くないです。
こう言っては何ですが、僕と超さんでは戦いのキャリアが違います。
その結果として、簡単に超さんの攻撃を捌く事は出来るんですけど………………む、逃げに徹されたら厄介ですね。
思えば襲い掛かってくる敵には慣れていても、逃げる敵というものにはあまり慣れていませんでした。
「ハァッ……ハァッ…………」
『超さ~ん。どうするんですか?
このままじゃ時間切れで僕達の勝ちにな……………………お?』
レーダーに100ほどの反応。これは…………空戦タイプの田中さん達か。
攻めあぐねていただけかと思ってたけど、救援を待っていたんですね。
うん。やっぱり超さんみたいに冷静に戦いをする人はいいですね。
駄目親父達みたいに力押しだけで何とかしようとしないだけで好感が持てます。
超さんが“強制時間跳躍弾”を撃ちながら距離をとる。
飛行船から離れ、田中さん達と合流。田中さん達の影に隠れて僕の隙を狙うつもりでしょう。
そうこうしているうちに接近してきた田中さん達からの攻撃が開始される。
しかしユニコーンガンダムの機動力を活用して、縦横無尽に移動しながらコッチもガトリングガンで反撃します。
“強制時間跳躍弾”なぞ、当たらなければどうということはありません。MM-D発動時の僕に鉄砲の弾なんか当てれるとは思わないことです。
田中さん達の数が多いのでミサイルとか使いたくなるけど、一度使ってしまったらモビルスーツを再展開するなどしないと補充出来ないので我慢。
だからビーム・ガトリングガンで攻撃します。これは魔力さえあれば無限に弾がありますからね。
ガトリングは漢の浪漫!!!
6丁のガトリングガンによる弾幕で次々と落ちていく田中さん達。
“マリアナの七面鳥撃ち”ならぬ、“麻帆良のカトンボ撃ち”だぜ、ヒャッハーーーッ!
戦いは火力ですよ、超さん!
…………って、そういえば。本当に田中さん達って撃ち落として良かったのでしょうか?
原作でもバンバン落としてましたけど、下に居る人達が落ちて来た田中さんに潰されたりしないんでしょうかね?
まあ、ここは一つ魔法関係者にフォローをお願いしましょうか。
落石注意ならぬ落雪注意ならぬ、落田中さん注意。
…………あ、田中さん達の中に茶々丸さんの妹が数人混じってる。
まいったな。さすがに茶々丸さんと同じ顔している妹さん達には手荒なことはしたくないですねぇ。
超さんの狙いはコレかっ!?
………………ま、別に大丈夫ですけどね。
別に壊さなきゃいいだけですし。
というわけで、左手に持っていたガトリングガンを使って茶々丸さんの妹さん達を攻撃します。
ただし、弾は“強制時間跳躍弾”。
ブルルルルルッ!!! という何かが震えるような弱い音とは裏腹に、背負ったタンクからの供給を受けてあっという間に大量の弾を吐き出す左手に持ったガトリングガン。
やはり実弾と魔力弾は撃つ感覚が違いますねぇ。
そしてその弾に当たった茶々丸さんの妹さん達が、黒い空間に包まれて未来へと跳ばされます。
「ちょっ、ネギ坊主! そ、それは…………っ!?」
『ああ、超さん。あなた方の武器をお借りしてますヨ』
いやー、“強制時間跳躍弾”は便利だなぁ。
銃弾に当たると即失格なのは、超さん側も同じなんですよねー。
ちなみにこのガトリングガン。
田中さん達が“強制時間跳躍弾”を使い始めたころ、気づかれないようにそっと転移魔法を使ってガトリングガンを持っていた田中さんを1体拉致ってお借りしたんですよ。
でもこれは別にルール違反じゃないですよねー?
ハッハァーーー! 逃げろ逃げろ!
…………よし、これで全ての田中さんは撃ち落とし、茶々丸さんの妹さん達は全員未来へと跳ばしました。
え? 田中さんと茶々丸さんの妹さんとでは扱いが違いすぎる?
嫌ですよ。茶々丸さんと同じ顔した妹さんに酷いことするのは。
え? 魔力供給による悶絶はいいのかって? 酷いことするのは嫌ですけど、イジワル程度なら許されますよね。
田中さん? 野郎型のロボットなんてどうでもいいです。
『ネギ先生、アスナさんが飛行船に描かれた強制認識魔法の発動魔法陣を消去しました。
葉加瀬さんも確保しましたし、これで強制認識魔法は発動しないです』
了解です、夕映さん。はい、時間切れです。
これで僕達の勝ちが確定しました。いくら何でもこれから強制認識魔法の発動魔法陣を描き直す時間はありませんからね。
強制認識魔法発動はこれで発動出来ない。
茶々丸さん、龍宮さん、葉加瀬さんは確保出来た。
世界樹前広場の占拠を阻止出来た。
ロボ軍団もほぼ壊滅状態。
鬼神の破壊は…………いいか。超さんの負けと同時に“学園結界”を復活させれば消えるから、イベント終了の合図に丁度いいでしょうしね、
うん、僕達の勝ちです。
あとは涙目になっている超さんにトドメを刺すだけですね。
………………って、あれ? 本気で泣いてる?
やり過ぎた!? さすがにマジ泣きされるのは困る!!!
『…………え、え~と、超さん? 僕達の勝ちとなりました。
けど、超さんだって理由がこんなことをしたんでしょうから、学園長達への口添えはしますし、もちろん超さんがやりたかったことは手伝いますよ。
あくまでも麻帆良としても納得出来る形での話ですけど…………』
「…………ヒック………………ほ、本当カ?
エグッ……本当に、手伝てくれるのカ…………?」
すいません。マジ泣きされるのには弱いんです。
イベントのクライマックスでまだ超さんにトドメ刺さなきゃいけないですけど、それ以外はしないですから泣き止んでください。お願いします。
『え、ええ…………未来の僕からは超さんのしたいこと自体は聞いていないのですから、後でちゃんと教えてくださいね。こういう言い方はあまり好きじゃないですが…………僕だったら大抵のことは何とかできると思います。
あくまでも“イベントが盛り上がっただけ”という結果になる予定ですので、超さんが捕まることはないです…………いえ、僕がさせないです。まあ、こんな騒ぎを仕出かしたからには、一応ペナルティはありますけどね。
ですから、超さんも僕に協力してくださいよ』
「か、考えておくヨ、でも私はこの時代の人間じゃないからネ…………。
(…………もう未来帰りたいヨ。例えどんなに酷い未来でも、ネギ坊主の相手をするよりは幸せな気がするネ)」
そういえば原作でも帰ってましたね。
でも超さんいればイロイロ便利そうですから、是非とも残って欲しいんですけど…………。
『ま、そういう話は学園祭が終わってからにしましょう。
とりあえずこのイベントを学園防衛魔法騎士団の勝利にて終わらさせて頂きます』
「うん、そうしよう。もうイロイロと無理ヨ。
だからささと終わらそう………………と言いたいけど、何故にミサイルとかバズーカで私を狙ているのかナ?」
『いや、だってペナルティだし。さっきも言った通りいくら本国に言わないとはいえ、こんな騒ぎを仕出かしたからにはお仕置きしないと駄目ですからね。
それに超さんのコトを良く思っていない人は麻帆良の中にたくさんいますので、そういう人達に対する示しをつけなきゃいけないでしょう』
「む、むしろ同情されることになりそうネ。
………………聞くけど、本気で逃げていいカナ?」
『逃げれるものなら。
あ、でも超さんのしたかったことは超さんの口から教えてくれないと手伝いませんよ』
「(絶対に未来へ帰るヨ! 何としてもコレを逃げきて、生き延びてやるヨ!!!)」
それではお仕置きです。これだけのことをしたのですから、ケジメのために。
脚部のハンド・グレネード12発、バズーカに取り付けていたハンド・グレネード12発とミサイル6発をバズーカと共に一斉発射。
「まだダ! まだ終わらんヨ!!!」
吹っ切れたのかヤケになったのか、随分と高いテンションとなった超さんに時間跳躍で回避されます。
まあ、ハンド・グレネードとかは遅いですから避けれても不思議じゃないんですが、その手は悪手ですよ、超さん。
だってね、ハンド・グレネードとかミサイルは爆発するんですよ。
まあ、破片とかが降ったら下にいる人達が危ないから、破片とか飛び散らないように全てが爆発力に変わる爆弾にしてますけどね。
でも銃弾とかなら一度避けさえすれば勝手に銃弾が明後日の方向に飛んでいってくれますけど、今回のグレネード達は時間差で爆発するようにセットしてあります。
アッチが4次元的に攻撃を避けるのなら、コッチも4次元的に攻撃すればいいじゃない。
というわけで、たーまやー。
ドカン…………ドカン……ドカン! と時間差で爆発音が響き渡る中、超さんが運悪く爆発している真っ只中に時間跳躍してきてしまったようです。
そして爆発に巻き込まれる超さん。4次元殺法が決まりました。
どうせなら10分後とかに跳んでくれば良かったのに…………。
良い子の諸君!
時間跳躍で回避すれば
どんな攻撃でも助かると思っているかもしれないが、
その攻撃で地球が消滅したら結局助からないぞ!
って感じでしょうか。
…………よく元気玉でナメック星壊れなかったよなぁ。
どう考えてもフリーザ様のデスボールより威力ありそうなのに…………。
まあ、それはそれとして、爆発が終わった後に超さんが落ちて行くのが見えます。
さすがに衝撃波でボロボロですね。
よし、トドメを刺すか。
ここでやり過ぎぐらいにしておかないと、ガンドルフィーニ先生を初めとする魔法先生が超さんに悪い感情を持ったままになるでしょうからね。
お互いに僕の被害者だったら、きっと共感して優しくしてくれるでしょう。
ビーム・マグナムの弾を脱げビームにしてバキューーーン! と発射。
撃っていいのは、撃たれる覚悟のある奴だけなのですよ、超さん!
あれだけ田中さん達を使って他人を脱がしてきたのだから、自分だって脱がされる覚悟は持っていたはずです!
…………ま、自業自得ですよね。
ついでに隠し持っているであろう超家家系図も処分出来るでしょうから一石二鳥です。
━━━━━ 葉加瀬聡美 ━━━━━
「じゃ、この頂いた“航時機”は壊しますからね。いくら学園祭期間しか使えないとはいえ、ここまでのオーバーテクノロジーは洒落になりませんから。
設計図とかは残していませんね?」
「…………大丈夫ヨ。設計図とかはちゃんと消去してあるし特殊な部品もたくさん必要だから、例え私が今から作ろうと思ても完成までに最低1年はかかるヨ。
ハカセには理論は教えたガ、“航時機”の製造方法は教えていない。私が未来に帰れば、もうこの時代では作ることは出来ないネ」
ボンッ! とネギ先生の手の中の“航時機”が爆発した。
ああ、一度分解してみたかったのに…………。
結局、イベントは学園防衛魔法騎士団の勝利の勝利で終わり、今は後夜祭の時間です。
クラスの皆さんが後夜祭を楽しんでいる裏で、私達は後始末の真っ最中。
アレだけのことを仕出かした私達ですから、魔法関係者からは白い目で見られるとは思っていたのですが………………ネギ先生、容赦無さ過ぎですよぉ。
周りの魔法関係者は私達のことを同情と憐憫の目で見ているじゃないですか…………。
特に超さんのコトを。
まあ、ユニコーンガンダムの撃ったビーム・マグナムのせいで、麻帆良全域に全裸姿を放映されたせいでしょうけどね。
そりゃあ私達だって田中さんに脱げビームを使わせてたので逆恨みかもしれないですが、それでも麻帆良全域に全裸を放映するなんてのはしませんでしたよぉ…………。
「…………それで、本当に残ってはくれないんですか、超さん?」
「うん、そうヨ!」
やけに嬉しそうですね、超さん!
何だかスッキリとした顔をしてますよ!
「やはり私はこの時代の人間ではない。そんな異分子が混じり込んでいるわけにはいかないヨ。
それに過去を変えれなかた以上、現在《未来》を努力で変えることにするヨ。長く険しく、辿り着けるかどうかわからない道だが、それでもあそこが私の時代ネ。
だから後は…………この時代のことはネギ坊主に任せるヨ」
「超さんがこの時代でやりたかったことはいいんですか?
もちろん超さんがいなくなったとしても、ちゃんと僕が引き継ぎますけど…………」
「…………詳しいことはハカセに聞いてネ。
私の代わりにハカセが協力してくれることになてるヨ♪」
どう考えてもネギ先生から逃げるだけですよね!?
…………いや、もちろん協力はしますよ。
ネギ先生に協力はしますけど…………超さんも手伝ってくれていいじゃないですかぁ。
「せめてクラスの皆さんに挨拶だけでも…………」
「…………いや、せっかくの後夜祭で楽しんでいるときに水を差すわけにはいかないヨ。振り替え休日が終わた後にでも、ネギ坊主から皆に話してクレ。
退学届けはハカセに預けてあるから、後で受け取て欲しい。私が所属していたクラブへの挨拶もハカセに頼んであるヨ。
クラスの皆に……………………「今まで楽しかた」と、伝えてくれないカ」
…………私、超さんに色々と頼まれすぎではないでしょうか?
確かに計画の前にたくさんのことを超さんから頼まれましたけど、確かに最後だからと思ってOKしましたけど…………。
何で私、超さんの仲間になったんでしょうか?
今更ながら後悔し始めています。
…………今更っていうか、もう既に終わってしまったことというのが悲しいです。
「いやー、ゴメンね、超さん。
ネギには後でキツク言っておくからさ」
「なんかネギ君がノリノリでなぁ。あんな楽しそうなネギ君見てたら、止めるのが可哀想に思えてなぁ」
「まあ、命は無事だったわけですし、超さんも覚悟していたのでしょう」
「この時代のことは私達にお任せください」
「み、未来に帰っても元気でいてくださいね!」
「…………ネギ坊主のことも任せるでござる。
これでも最近少しはマシになってきた方だから、もうちょっとで更正出来るでござるよ」
「…………超」
…………あ、古菲さん。
何というか…………古菲さんとは顔をあわせづらいですね。
私、超さん、茶々丸という超包子関係の3人で計画を遂行しようとして、四葉さんも全てとはいえませんが計画のことを知っていました。
だけど古菲さんだけは何も知りませんでした。
まあ、古菲さんはネギ先生の従者でしたし、そもそも隠し事を出来ない性格ですので重要なことは話せなかったのですが、それでも仲間外れのようにしてしまいましたからね。
「私から餞別があるネ。
コレ…………わが師からもらた双剣ネ。超にやるアル」
「何ト? そんな大切なモノは頂けないネ…………古」
「超が未来に行てしまうと、もう会うのは難しいネ。
だから超にもらてほしいアル」
「そうか…………わかたネ。自分でも意外だが…………嬉しいヨ。ありがとう、古」
…………ん、何だかしんみりしてきちゃいました。
本当に超さんとはこれでお別れなんですね。
「もしかしたらネギ坊主がアッサリと航時機を作って未来に会いに行くかもしれないけどネ。
そのときは観光案内よろしくお願いするアル」
「実も蓋もないこと言わないでほしいヨ!
…………でも、本当にまたいつか会えるかもしれないネ。そのときはまた手合わせするネ!」
「…………ッ、うむ! 必ず!!」
「ありがとう、皆。
この2年間は思いの他楽しかたネ。今ちょと感動してしまたヨ。
私はここでこの時代を去るが…………皆は元気でいてほしいネ」
超さんと出会ってから2年。色々なことを教わり、色々なものを一緒に作りました。
私にとっても超さんとの思い出は大切なものです。
その内の一つが茶々丸を作ったことなんですが……………………そういえば茶々丸は何処にいるんでしょうか?
ネギ先生のことですから茶々丸に酷いことはしていないと思いますが、ヒドイことはしてそうな気がします。
「チッ! 未来に帰るのか。
仕方がない。お仕置きは茶々丸とハカセにするか」
「ほどほどにの、エヴァ」
ヒィッ!? 何で私なんですか、エヴァンジェリンさん!?
ガンドルフィーニ先生達がますます私のことを憐憫の目で見るようになったじゃないですか!!!
「学園長達にも迷惑かけたネ。謝てすむことではないが…………」
「…………今更何か言うても仕方ないしの。
イベントも盛り上がったし、お主を除いておおむねハッピーエンドになったから構わんよ」
「出来ればネギ坊主に力を貸してやてほしい。
ネギ坊主の力は誰よりも強力だけど、政治や経済の話になるとまた違うからネ」
「わかっとるわい。ネギ君一人に任せることはせんよ。
まあ麻帆良の仕事もあるし、あまり未来のことを言い触らすのはアレじゃから、ワシとタカミチ君がネギ君を手伝おう」
「ハッハッハ、大丈夫だよ。任せてくれ、超君。
それより汚名返上するには暴れ足りなくて残念だったよ」
あんだけ田中さん達を壊しておいて何を言ってるんですか、高畑先生?
というかメガネ光らせて物騒なこと言わないでください! 怖すぎますよ!
「では…………そろそろ私は行くとするネ。
楽しい別れになたヨ。礼を言う、ネギ坊主。私には上々ネ」
「その前に…………気になってたことがあるんですが、聞いてもいいですか?」
「ん? 何カナ? 航時法違反でタイムパトロールに捕まるから未来のことは話せないが、答えられるものなら答えるよ」
「いや、そういうことじゃないんですが…………」
「?」
どうしたんでしょう、ネギ先生?
何だか“やっちまったZE、コンチクショウ!”みたいなバツの悪い顔をしているんですけど、ネギ先生らしくないですね?
「…………あの、超さん。
いったいどうやって未来に帰るんですか?」
「ハ? いや、それはもちろん“航時機”弐号機で…………」
そうそう。何を当然のことを聞いているんですか?
超さんが持っている“航時機”弐ご……………………え? アレ? 超さんが、持っていた“航時機”弐号機…………で……?
…………。
……………………。
………………………………あ、あ゛あ゛あ゛ああぁぁぁーーーっ!?!?!?
「ちゃ、超さん! ネギ先生の武装解除弾を喰らったとき、“航時機”弐号機は……何処に…………ちゃ、超さん?」
「……………………」
…………駄目です。真っ白になってます。
私は戦闘に入る前に預かったりしていないので、“航時機”弐号機は超さんが持っていたはずです。
となると武装解除されたときに、“航時機”参号機と一緒に破壊されて…………。
「「「「「………………………………」」」」」
沈黙。
神楽坂さん達も、学園長達も、私達も…………何も言えません。
…………あ、あれ? ネギ先生が消えた?
沈黙した皆さんを見渡しているうちに、いったい何処へ行ったんですか?
っていうか逃げた!?
「『クラスの皆に…………「今まで楽しかた」と、伝えてくれないカ』」
「…………エ、エヴァンジェリン?」
「『…………でも、本当にまたいつか会えるかもしれないネ。そのときはまた手合わせするネ!』」
「…………あ…………」
もうやめてください、エヴァンジェリンさん!
超さんのライフはもう0ですよ!!!
「『この2年間は思いの他楽しかたネ。今ちょと感動してしまたヨ』」
「…………や、やめ…………」
「『私はここでこの時代を去るが…………みんなは元気でいてほしいネ』」
「……………………」
「『楽しい別れになたヨ。礼を言う、ネギ坊主。私には上々ネ』」
「………………う、うわあ゛あ゛あ゛ああぁぁぁーーーーーっ!!!」
超さーーーん!?
ちょ、湖に向かって走っていかないで! 入水自殺は止めてくださーーーい!!!
皆さんも超さんを捕まえてください!!!
━━━━━ 後書き ━━━━━
やっちまいました、ネギ君。
素です。ウッカリです。悪意はなかったんです。ワザとじゃなかったんです。
でもやっちまいました。
いやー、それに原作だってよく『雷の暴風』で“航時機”弐号機壊れませんでしたよねー。
アレ絶対肌身離さず持ってましたよね。
というか、本気で“航時機”弐号機壊れてたら、原作の超はどうしたんでしょうか?
「さらばだ、ネギ坊主!
また会お「ボンッッッ!!!」…………う?」
ってな感じで…………。
そしたら感動の場面台無しになりますなぁ。
まあ、そんな疑問が浮かんでしまったせいで、超はこんな末路を迎えてしまったのですが……………………自業自得でいいですよね。
多分、“帰ろうと思ったけど帰れなくなった超”というのは珍しいんじゃないかなぁ、と思います。
【ネギの被害者リスト】
メルディアナ学校長:燃やされた
カモ:去勢された+『仮契約』儀式の手伝い
鳴滝姉妹:悪戯し掛けて返り討ち
エヴァンジェリン:紅茶吹かされた
バカレンジャー:勉強地獄
学園長:ストレスによる急性胃潰瘍にて吐血(2度目)
さよ:知らないうちに成仏させられるところだった
魔法先生一同:「この子ホントにどうしよう?」という絶望
愛衣:幼児退行させられた
高音:露出狂の嫌疑かけられた
刀子:露出狂の嫌疑かけられた
バレーボール:破裂させられた
タカミチ:コーヒー吹かされた+担任クビ+マダオ就任
刹那:勉強地獄+バカホワイト就任
明日菜:失恋
関西呪術協会:変態集団疑惑+吹っ飛ばされた
天ヶ崎千草:勝っても負けても“死”?+心を連れていかれた
“完全なる世界”:“ょぅι゛ょ誘拐犯”
ルビガンテ:名前忘れられた
月詠:メガネ壊された
フェイト:○○化?
リョウメンスクナノカミ:出番無し
ナギの家:半壊
ヴィルさん:情報引き出された
小太郎:フラグ壊された
超鈴音:未来に帰れませんでした ← new!