━━━━━ 春日美空 ━━━━━
 チッス、おひさ~。
 いやー、学祭の後は授業もお勤めもかったるいっスね。
 ま、その学祭もいろいろあったけど、超りん以外は無事に終われてよかったよ。
 その超りんもどうなるかわからなかったけど、結局麻帆良に残れるようにはなったからね。
 それにしてもネギ君は凄いねぇ。10歳とはやっぱり思えねー。
 超りん事件を解決したのはほぼネギ君の手柄ってんだし、事後処理のために学園長から密命を受けているって話しだし。
 シスターシャークティから興味本位で首を突っ込むなと言われているけど、もとからそんなつもりないっスよ。
 でもさすがの超りんもあの結末には参ったみたいだねぇ。クラスの皆には同情されるわ魔法関係者からは憐憫の目で見られるわで、最近落ち込んでいるみたいだしさ。
 まあ、来ないとは思うけど、一応ウチの神父さんに相談してみないかとは言っておいたよ…………。
 ウチの神父さんはクリスチャンとかどーとかは気にしない人だし、超りん相手でも真摯に相談に乗ってくれると思うしね。
 …………いや、いくら何でもあの結末は酷いっスよ。
 さすがの私でもあの超りんには同情してしまうっスよ。
 ま、それこそどーでもいいか。
 一応助言はしたんだし、後は超りんが選べばいいんだもんね。
 それより私はお勤めのおそーじしなきゃ。
 さーて、それでは懺悔室の掃除は終わったから次は……………………って、アレ? 誰か懺悔室に入ってきた?
「あのー…………いいですか?」
 な!? アスナが何で懺悔室に!?
 …………あ、私が今日超りんに教室でテキトーなこと言ったからか。
 アスナ達も学祭終わってから変なんだよねぇ。
 何だか前にもましてネギ君のことを熱い目で見ちゃったりしてさ。
 って、コレどーしよ!?
 面白そうだけどシスターシャークティにバレたら殺されそう……………………ま、いっか。
『ゴホンッ!
 いえ、どうぞ。何か懺悔したいことがあるのでしょう』
 練習してて良かったボイスチェンジ魔法!
「私、その…………弟のような子と一緒に暮らしているんですが…………」
『ほうほう』
 やっぱりネギ君のことっスか!?
 ああ、何だか惚気話になる予感が…………。
 しかし、なかなか踏み込んだプライベートの話をしてくれないネギ君のことを知るチャンス!
 面白い情報手に入れたら朝倉にでも売るか?
「その…………最近になってその子が夜一緒に寝てくれなくなっちゃったんです。
 私と同じ部屋の子とも寝なくなったので、私だけじゃないんですが…………」
 マジでっ!?
 とゆーかネギ君とアスナって今まで一緒に寝てたの!?
 それにアスナの同じ部屋ったら………………木乃香か。まあ、木乃香ならネギ君と一緒に寝てそうな感じは普通にありそうだなー。
 抱き枕に丁度良さそうだしね。
 ってか、やべぇっ! いいんちょがこのこと知ったら血の雨が降るじゃんか!
 くそ、これじゃ朝倉に売れないなぁ。
『フム、何か思い当たることはあるのですかな?
 ちなみにその弟のような子とはおいくつですか?』
「ええ、それはまぁ。その…………理由は「恥づかしいから」ってことでした。
 あ、年は10歳です」
 ネギ君が思春期に突入!? コレって大スクープじゃん!?
 ウチのクラスの皆が抱きついたり、皆の下着姿を見てしまっても平然としていたネギ君だけど、遂に目覚めたっスか!
 ウェヘヘヘヘ…………これは面白くなってきたぞ。
「別に意識されるということ自体は悪くない…………というか、むしろ嬉しいんですけど、それでも今まではくっついてくれてたのに急に離れていくと寂しくなっちゃって…………」
『10歳といえば年頃ですからなぁ。その子にも色々あるのでしょう』
「それはわかるんですけど………………やっぱりもうちょっと甘えてくれたら、と思っちゃうんです」
 ラブラブっスなぁ。
 デートしてたときの感じからわかっていたけど…………。
『なる程、これはまたよほど…………その少年のコトをお好きなんですなぁ』
「うぐっ!? ………………いや、否定はしませんけど。
 それにやっぱりまだ子供なんで心配なんです。頭はいいし勉強も出来るし運動も出来る完璧超人なんですけど、どこか抜けているっていうか…………“本人はわかってやっているつもりでも、実はやっぱりわかっていなかった”みたいなこともありましたし…………。
 なまじ1人で何でも出来る分、私達に頼ってくるということがあまりないんです」
『ふむふむ』
「それに…………その子には“夢”がないんです。普通の10歳の子供なら野球選手とかパイロットとかの色んな将来の夢を持っていてもいいと思うんですけど、その子にはなりたい“将来の夢”がないんです。
 哲学好きな友達の言葉を借りるなら、“歩くことが簡単すぎて、歩くことがわからなくなりかけている”って感じです。
 毎日を楽しく過ごせてはいるみたいですけど、“何でも出来るが故に、逆に何かしようとは思えない”みたいで…………」
『…………なかなか贅沢な悩みですなぁ』
「その子が私達の面倒を見てくれるのも、そのせいじゃないかなと思うんです。私達は迷惑をかけているばっかりなのに、その子は全然嫌な顔一つしないでいてくれるんですけど…………。
 それに将来のことを考えたら、やっぱりその子自身の道というものを考えて欲しいんですよね。
 その子が麻帆良に来ることになった理由も他の人に言われてからであって、自分から何かを新しいことをしようとは思わないらしいんですよ。
 そのおかげでその子とも会えたのだし、今が幸せだからそれはそれでいいんですけど、あまりにも落ち着いちゃってて何だか仙人みたいになっていくような…………」
 …………ありゃ、ちょっと真面目な話になってきたかな?
 でも最近になってシスターシャークティも話してくれたんだけど、ネギ君ってば魔法関係ではかなりズレてる子らしいんだよね。
 私と混ぜて半分にしたら丁度良いかも、なんてことも言われたし…………。
 ネギ君みたいに頭の良い子でも大変みたいだねぇ。
 いや、これは頭が良いから逆に大変なのかな?
「あと不安なのが、一緒に暮らせるのが来年の3月までで、それ以降がどうなるのかがわからないんですよね。
 あくまで家庭の事情での居候ですし、私も高校に上がるので今住んでる寮から出て行かなければいけませんから…………。
 それで…………もしも離れ離れになってしまうのなら、私はいったいどうしようかと悩むんです」
『ああ、それは確かに残念ですなぁ。せっかく仲良くなれたというのに…………』
「ま、まあ…………別に故郷に帰るのというのなら、私もその子についていけばいいだけなんですけどねっ!」
『!? そ、それは…………その少年が貴女のことを受け入れてくれるかどうかは不安じゃないのですか?』
「え? …………ああ、それはないです。大丈夫です。あの子が私達のことを好きなのは確定しましたから」
 やけに自信満々っスね。つーか、マジでイギリスについていく気かいな?
 ん? それに確定“しました”って?
『…………その少年に告白でもされたのですかな?』
「えっと…………どちらかというと告白させたって感じでしょうか?」
 は? 10歳児に何やらせてんスか?
「そのときのネ…………じゃなかった、その子は真っ赤になっちゃって私達のことを好きって言ってくれて…………。
 けどそれからなんですよ。一緒に寝てくれなくなったのは…………。他にも色々あって…………」
 それ自業自得じゃないっスかね?
 それじゃあネギ君だって恥ずかしくなって一緒に寝たり出来ないわ。
 つーか、やばいっス。
 本格的に惚気話になってきた。
 興味本位でこんなイタズラするもんじゃないっスね。彼氏もいない中学生がこんな惚気話聞くなんて嫌がらせにしかならんわ。
 だいたい最初は“弟のような子”って言ってたのに、いつの間にか恋人との話になってきたんスけど…………。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 でも面白そうだから、続けるのが美空クオリティ。
 アスナが今日、教室で皆に昨日の懺悔のことを話してたから、ウチのクラスの子が来るかもしんないしね。
 昨日の惚気話を聞いただけで終わるようじゃツマラン!
 さあ、迷える子羊達よ! この私が真摯に対応するんで笑える懺悔をしてちょうだい!
 ………………お、来た来た。
 さーて、今日はいったいどんなご相談ですかー?
「“貧乳はステータス”というのは本当なのだろうか?」
 …………何やってんスか、ナマハゲさん?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「その……“妻妾同衾”というのは本当にモラル的にしてもいいのかと…………。
 “妻”の方が思いっきり乗り気でして…………」
 何ィーーー!? 妻妾同衾!?
 マジスか桜咲さん!?!?
 相手は!? “妻”は誰!? …………って、ネギ君と木乃香だよね~。
 しかしこれまた大物GET! GOOOOOOD!!
『何よりもまず大事なのはあなたの心だと思いますね。
 “妻”に強制されてるなどで嫌ならば、キッパリと断ったほうがいいでしょう』
 で、そこんとこどうなん?
 何気にネギ君へ熱い視線を送っている桜咲さんはネギ君のことどう思ってんの?
「えっ!? い、嫌というわけでは決してありません!
 え、えと…………“妻”とは親しくさせてもらっていますし、その…………親友だと思っています。“妻妾同衾”すればいつまでも一緒にいることが出来るので、むしろ悪くないというか…………」
『ふむ、それなら相手の男性のことが嫌なのですかな?』
「そ…………それもないです。その人には恩義を感じていますし、もちろんこ…………好意も持っています。
 彼は大人になったらとても素敵な男性になりますし…………」
 おうおう、ラブラブっスね~。
 だったらもう好きにしろやぁ!
『ならOKです! むしろバンバンやりなさい!
 1対1に拘るとは古いですヨ! ホッホッホ!』
「なっ、なんとっ!?」
 でひゃひゃひゃひゃっ! コレおもしれぇーーーっ!!!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「主君より弱い忍者に価値があるのでござろうか?」
『…………アレ? 結構深刻そうですね?』
「拙者の主君が1人で何でも出来る御仁で…………拙者がいても役に立たないのではないかと不安になるときがあるのでござる。
 拙者の力でも役に立っていることは立っているのだが、拙者の力がなくとも平気なのは事実でござるよ。
 修行しても簡単に追いつけるわけでないのはわかっていても、ここまで差が開いていると少し自信を失いかけそうで…………」
 確かにネギ君は何でも出来る完璧超人だからねー。
 楓さんが自信失うのも仕方がないんじゃないかなぁ。
『しかし何でも出来るといっても、知らないことや苦手なことがないわけではないでしょう?
 人間は得手不得手というものもありますし、主君さんが苦手なことをフォローするようにしてみたらどうでしょう?』
「ふむ、主君が知らないこと………………“女体の神秘”でござるかな?
 拙者もソッチ方面は知識として知っているだけで、実践はしたことはないでござるが…………」
 待てや、おいいいいぃぃーーーっ!
 10歳児に何しようとするんスか!?
「いや、でも知っておいた方が良いと思うでござるなぁ。
 近いうちにでも皆に襲われることになるから、そのときになってから慌てないように…………」
 え? もしかしてネギ君そこまでヤバイの?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「「“貧乳は希少価値”というのは本当なのでしょうか?」」
『大切なのはバランスです』
 本屋にゆえ吉、お前達もっスか。
 それにネギ君はあんまりオッパイ気にしないみたいだよー。
 というか、むしろ大きすぎたら駄目なんじゃなかったっけ?
 確か即席ホルスタインが急に胸が大きくなったことを相談していたときに、ネギ君はギネスブックに載ってたバストが世界で一番大きな女性の写真見たら「気持ち悪い」としか思えなかったとか言ってたような気が…………。
 っていうか、本屋は私と同じくらいあるじゃん。
 そりゃー、長瀬さんには叶わないだろうけど、まだ将来性があるからだいじょうぶだって。
 ………………え? ゆえ吉?
 うん…………まあ頑張れ。まだ可能性はゼロになったわけじゃないよ。
「…………何だか憐れむような雰囲気が」
 何でもないっス。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「わ、私は自らに課した掟があるアル。
 格闘家として…………武道の名門“古家”の跡取りとして、私よりも強い者を婿とするという…………」
 そういえばくーちゃんってば、実はイイ所のお嬢様なんだよね。
 お嬢様といってもいいんちょみたいな金持ちじゃなくて、古くから続いている家みたい。
 バカレンジャーの1人だったこともあるけど、何だかんだいって書とかは上手だし、礼儀作法もバッチリなところが何気にお嬢様っぽい。
「さ、幸い私よりも強い者は見つかったのは良いけど、どう考えても婿に来てくれない気がするアル。
 というのも、いくら武道の名門“古家”とはいえ、逆に彼にしたら小さすぎるアルね。
 せっかく婿に相応しい漢を見つけたというのに、その漢が凄すぎる場合はどうしたらいいアルか?」
『それなら自分の家にあった男性を再び探せばいいだけなのでは?』
「え? …………いや、でもネギ坊主以上の漢はそうそういるものではないし…………」
 名前出すな。もじもじすんな。
 だったら素直に嫁に行け。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「…………じゅ、10歳の男の子に“好き”だと言われたら、どんな反応をしたらいいんでしょうか?
 いや、直接的に告白されたわけじゃないないんですけど…………」
『普通に「お姉さんも君のこと好きだよ」とかで流せばいいんじゃないですか?』
「う、それやると…………“好き”という言葉を口にすると、何だかドツボに嵌りそうな感じがして…………」
 …………満更じゃなさそーっスね、千雨ちゃん。
 フム、もうちょい突っついてみるか。
『そもそもあなたはその少年のことをどう思っているのですかな?
 嫌いなのか恋愛の対象外なのか…………』
「き、嫌いってわけじゃないです。恋愛対象という点では…………正直言ってわかりません。
 女子中で部活もやってないから男子との接点はないですので、教師とかを除くと一番…………というか、唯一付き合いがあるのがその男の子なんです。
 よくよく考えてみたら、本気でその子以外の男とは付き合いがなくて…………」
 あー…………、そうだよね。
 ネギ君はクラスの皆にモテモテだけど、これがもし共学だったらここまではいかないかもしんないわ。
 いや、その場合だったらむしろ、ネギ君は男子とばっかり一緒に遊んでそうかな?
 可愛い顔して結構イタズラ好きみたいだし。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
「…………人生て、何なんだろうネ?」
 超りーーーーーんっ!?!?
 教室にいたときより顔色悪くなってない!?
 もしかして教室では無理してたの!?
「何なんだろうネ、私の人生て?
 ある目的のためにこんな遠くまで来たはいいが、結局失敗してしまうわ、私の考えたのよりも簡単な解決方法をアサリ提示されるわ、何より帰れなくなるわで…………。
 ハキリ言て、自分のことは道化としか思えないヨ」
 マズイって! これはマズイって!
 今にも自殺しそうじゃんか!
 超りんには常時ちびネギ君が張り付いてるそうだけど、これも何とかしてよ!
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 いや~、超りんとかを除いたらウチのクラスは能天気ばっかりだね!
 木乃香とか龍宮さんは来なかったけど、あの2人はわざわざ相談しに来るタイプじゃないしね。
 茶々丸さんの話も聞いてみたかったけど、何だか今は入院中らしいし………………何があったんだろうね?
 さて、そろそろシスターシャークティが帰ってくる時間だな。撤収撤収。
 いや~、面白かったね。色んな話も聞けたし。
 出来ればネギ君自身の話も聞いてみたかったけど、仕事が忙しいみたいだからしょうがないか!
 今度はいつやろうかな~。
「おや、春日君。こんにちは」
「アレ? 高畑先生?
 最近見なかったから出張に行ったんだと思ってましたよ」
「…………普通に学園祭にも出てたんだけど」
 あー、そういえばそうでしたね。
 忘れてました。サーセン。
「シスターシャークティに御用ですか?
 ちょっと出かけているんですけど…………」
「いや、シスターシャークティじゃなくて………………神父様はいるかな?
 ちょっと相談に乗ってほしくて…………」
 …………あんたもっスか、マダオさん。
 どーしよ、コレ?
 聞いたら愉快な話じゃなくて、マジで絶望的な話を聞かされそうなんだけど。
 …………。
 ……………………。
 ………………………………うん、やめておこう。オッサンの愚痴なんか聞いてもつまんないもんね。
 それに正直、放って置いてあげた方が良いというか、今の高畑先生にイタズラするのは気が咎めるというか…………。
 今度の日曜日にでも来てもらって、本当の神父様紹介してあげた方が良いっスね。うん。
 さすがにこれ以上は可哀想だわ。
━━━━━ 絡繰茶々丸 ━━━━━
「…………ハカセ、いったい学園祭最終日に何があったのでしょうか?
 やはり学園祭最終日の記憶ドライブを読み込もうとすると、何故かシステムエラー出てしまうんです」
「いいから。そっとしておきなさい。
 私達は負けて、超さんは未来に帰ってない。だけどネギ先生の手伝いをすればより良い未来が得られそう。それで全てよ。
 学園祭最終日のことは忘れなさい…………というか忘れたいから話題にしないで、ホントに…………」
 …………何があったのでしょうか?
 超もハカセも学園祭が終了してから忙しそうです。
 騒ぎを起こしたペナルティとして、2人はネギ先生の手伝いをすることになったらしいのですが、それは最終的な超の目的に合致するので問題ないとのことです。
 そして龍宮さんのペナルティは、ネギ先生が夏休みに魔法世界に行くときの護衛です。経費は超持ちで。
 ちなみに私にはペナルティはありませんでした。
 そもそもデフラグが終わって再起動出来たのが振り替え休日2日目でしたので、関係者への事情聴取とかにも参加していません。
 気づいたら全て終わってました。ネギ先生へ野点中止の連絡してからの記憶が定かではありません。
 私がガイノイドだから、人間じゃないからペナルティがないと最初は考えたのですが、どうやら会ったこともないはずの魔法生徒の夏目さんが私の弁護をしてくださったということでした。
 何でも私を取り押さえるときのネギ先生のやり方に問題があった…………むしろやりすぎだったらしく、十分罰を受けていると判断されたようです。
 それに何を言わずとも、私もネギ先生と一緒に魔法世界に行くと思われているので、龍宮さんと同じく護衛がペナルティ代わりなのでしょう。
 …………本当に学園祭最終日に何があったのでしょうか?
 ハカセに聞いても答えてくれませんし、龍宮さんに聞いても赤い顔をして茶を濁され、超にいたっては何故か窓から飛び降りようとする始末。
 マスターやアスナさん達に聞いてもニヤニヤとされるだけです。千雨さんは龍宮さんみたく顔を赤くして話を逸らされますし…………。
 ネギ先生には…………聞けません。何故か聞こうと考えられません。
 聞こうと考えるだけでモーターの回転数が上がって胸がドキドキとし、顔が熱くなっていきます。
 ネギ先生はいったい私に何をしたのでしょうか?
 …………ハア、ネギ先生。相変わらずネギ先生は凄いです。
 断片的に集めた情報を総合すると、やはり学園祭最終日の私達の企てはネギ先生によって阻止されたようですね。
 もともと勝率は低いと思っていましたが、こうまでアッサリ負けてしまうとは…………。
 超も何故か未来に帰らなかったのも、ネギ先生の下でならより良い未来を作り上げていけると考えたからなのでしょうか。
 私もそのお手伝いをさせていただきます。
「…………ところでハカセ。
 私はガイノイドですが、ネギ先生との子供は作れないのでしょうか?」
「ん? んー、子供ね子供。
 さすがにそれは無理かもねぇ~…………って、いきなり何を言い出すのぉっ!?!?」
 ア、アラ?
 本当になんでこんなことを口走ったのでしょうか?
━━━━━ 後書き ━━━━━
 タカミチが人生について悩んでいるようです。
 それと“ドキドキ★懺悔タイム”の★が黒いのは仕様ですね。
 大きすぎる胸には違和感しか感じられないのは私だけでしょうか?
 巨乳より美乳の方が希少価値でステータスだと思います。
 貧乳? …………背が小さければ似合うんじゃないでしょうか。