━━━━━ ナギ・スプリングフィールド ━━━━━
ここは…………麻帆良の地下か?
確かアルの奴が根城にしようとしてた所だな。
相変わらず地下だっていうのに、やけに明るかったり滝があったり木が生えてたり不思議なところだぜ。
辺りを見回すとどうやら茶会の真っ最中だったらしく、側にあるテーブルの上にはティースタンドやらティーポッドとかのアフタヌーンティーのセットが置かれている。………………もう結構食べられているな。
アルがこういうの好きだったんだよなぁ。俺はあんまり気取ったのは好きじゃなかったけど。
そして…………目の前には赤毛のガキ。何だか俺が鏡を見たときに限って見る顔にソックリだ。
ガキにしてはやけに大人びていて、茶色のスーツがこれまたやけに似合っている。
…………どうやら外見は俺にソックリみたいだけど、雰囲気はアリカに似たのかな?
それとその後ろには女の子が10人ぐらい興味深々な目で俺達を見ている。
…………って、この子達は誰なんだ?
アレ? それに5年ぐらい前に見たような気がする金髪な女の子がやけに怖い目で俺を見ているんだが…………。
…………ま、今のこの俺はあくまで幻みたいなもんだからな。
めんどくさそうなことは本体に任せよう。生きてるかどうか知らんけど。
それよりアルのアーティファクトは10分しか使えないから、さっさと目的を果たさないとな。
「よぉ、お前がネ「駄目親父、僕の目を見ろ」…………は?」
「いいから見ろ、駄目親父」
え? ちょ、ちょっと待てっ!?
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
…………う、いきなり視界が変わったと思ったら、ここは俺の故郷の村?
確かネギが生まれたらここに預けることになっていたけど………………あ、これは“幻想空間”か。
「その通り。ここは“幻想空間”です。
今のここは体感時間を現実時間の72倍に伸ばしているので、クウネルさんのアーティファクトが例え10分間しか効力がなくても、ここでならその10分間を12時間まで伸ばせることが出来ます。
…………それでは一応挨拶からいきましょうか。『ハジメマシテ、オトウサン』」
「お……おう。はじめまして…………だな。
俺の意識上でもお前はまだ生まれていなかったから、今までにお前が俺に会ってなかったら本当に“はじめまして”だ
んー…………ここでこうやって話してるってことは、俺は死んだっつーことだな」
…………12時間か。
や、やべぇ、何を話したらいいんだ?
改めて喋ったりするのは苦手だし、10分間しかないからネギに稽古をつけて終わりだと思っていたから、話すことは何も考えてなかったぞ。
マズイ。さすがに12時間ずっと稽古しっぱなしってわけにはいかないよな?
「確かに僕は会ったことないですねぇ。物心つく前はわかりませんけど。
でもスタン爺さんが6年前に会ったらしいですよ」
「え? そうなのか?」
「ええ、そのときにこの杖を僕宛に受け取ったそうです。
それにクウネルさん…………アルビレオ・イマさんの“仮契約カード”は生きてましたから、実際にまだ生きてるみたいですよ」
そう言ってネギが見せたのは、間違いなく俺がずっと使ってきた杖だった。
ああ、確かにこれを見れば一目瞭然だな。
つか、俺の生死はどうでもよさそうだな、オイ?
むしろ何だか不機嫌じゃねーか? 俺何かしたのかよ?
「何もしていないのが悪いんだろーが、この育児放棄者めが」
お、おう…………やっぱエヴァンジェリンか。お前も随分と不機嫌だな?
それと耳の痛いこと言わないでくれよ。自分でもわかってるんだからよ。
「どっちかって言うと、エヴァさんの呪いを解くという約束を放っておいたことの方がムカつきますけどね。
でも約束を守ってたら僕はエヴァさんに会えなかったわけだから、それを考えると複雑な気分なんです」
「…………呪い?
あぁーーーーーっ、呪いな! あれなぁーーー…………スゴク気になってたんだけどよ。解きに行ってないのか俺?」
「どーせ忘れてたんだろーが、バカが。
…………フン、お前の呪いはネギが解いてくれたよ。後始末をしてくれたネギに礼を言っておくんだな」
「え? マジで? そりゃ悪かったな、ネギ」
「…………やっぱりムカつくな。
えっと…………エヴァさんに言いたいことがあるのなら先にどうぞ。僕は後でいいです」
プイッ、とそっぽを向いて、スタスタと他の女の子達のところに歩いていくネギ。
やっぱり不機嫌だな。むしろ嫌われてるのか?
…………今まで何もしてやれなかったから無理もねーけどよ。
でも俺のことはどう思ってもいいけど、母親のこと…………アリカのことはどう思ってんのかな?
一応アリカのことは秘密にする約束を皆としていたけど…………。
そして目の前には俯いて目は見えていないけど、プルプルと震えているエヴァンジェリンがいる。
怒りを堪えているようで顔も赤い。こいつも怒ってるよなぁ。
おそらくネギが呪いを解いたのは最近のことだろう。
えっと、5年間約束守らず放っておいて、さっきのネギは10歳ぐらいだったから………………だいたい15年間ぐらいか。エヴァンジェリンが麻帆良にいたのって。
あー…………そりゃあ怒るよなぁ。
って、ネギがあの呪いを解いたのか?
かなり適当に力任せでかけたもんだから解くの大変だと思ってたんだけど、それを10歳くらいのガキが解くなんてすげぇな。
さすが俺の息子。
…………現実逃避はこんぐらいにしといて、まずはエヴァンジェリンを何とかしなきゃならんよな。
しゃあない。一発ぐらいは殴られてやるか。………………一発で済むかな?
ま、“幻想空間”だから死にはしないと思うけど。
よっし、バッチ来いや!
「あぁ…………ネギは可愛いなぁ…………」
「…………は?」
お前は何を言っているんだ?
アレ? 何だかすっげぇイイ笑顔をしているけど、笑うという行為は本来攻撃的なものであり 獣が牙をむく行為が原点であるってやつじゃなかったのか?
顔が赤くなっていたのは喜んでいたから?
「いや、だってアレ見たか。明らかに“嫉妬”をしていたぞ。
独占欲が強いとはネギ本人が言っていたが、嫉妬されるなんて女冥利に尽きるじゃないか」
「…………えっと、スマン。
話が全然わからねーんだが?」
「ム? なら説明してやろう。私とネギの関係を。
簡単に言ってしまえば“恋人”…………とまではまだいかんが、互いに好き合っているぞ。他にも同じようなのがあそこにいるのも含めて10人近くいるがな。
最初は私がお前のかけた呪いを解いてくれたことの関係と、ネギがお前の息子でだったことからネギが欲しくなったのだったが…………いつの間にかお前のことは関係なく、本気でネギ自身が欲しくなっていた。
お前と違って頭も良いから魔法の話も通じるし、お前と違って女性に優しいし、何よりお前より強いし…………まあ、そんなわけだ。
『登校地獄』を解かずに死んだと聞いたときは恨んだが、最高の置き土産を残していってくれたことには感謝するぞ、ナギ」
「え? ちょい待ち。
………………マジで? アイツまだ10歳くらいだろ? お前600歳ぐらいだろ?」
「確かに今年で10歳だな。だがネギは将来絶対イイ男になるぞ。むしろ私がそう育ててやるから安心しろ。
それと年のことは言うな。
私から見ればお前もネギも大差はないし、どうせネギのことだからそのうち不老不死になるだろうさ」
え? 俺の息子っていったい何なわけ?
恋人が10人近く? 不老不死になる?
………………くっ、俺が側にいてやらなかったばっかりに、ネギの奴は不良になっちまったのか…………。
悪ぃな。お前には何もしてやれなくて。
こんなこと言えた義理じゃねえが…………元気に育ちすぎだろう。
「安心しろ。お前よりは品行方正だ。
ネギの方から言い寄ったりはしないし、ただ単に女にモテるだけだよ。
まあ…………元気が良すぎるというのはあっているかもしれんが」
「いや、でもショックだわ。
俺の意識上ではあいつはまだ生まれていなかったから、いきなり息子に恋人が10人いるとか言われても、正直どう反応すればいいのか困る。
…………それに、俺より強いってマジか?」
「マジだ。実際に試したわけではないが、少なくとも私とお前とジャック・ラカンの3人掛かりでも今のネギには勝てんだろうさ。
京都に行ったときにはお前が封印したというリョウメンスクナノカミを一撃で倒したし、お前の大戦のときの敵であるアーウェルンクスも倒している。
お遊びの大会とはいえアルの奴にも勝ったことあるし、多分私とか学園長のジジイとか“紅き翼”…………その他に知ってる腕の立つ奴ら、敵味方合わせた全員の総掛かりでなら何とか…………といったところだろう」
「オイオイ、冗談キツイぜ」
「ついでに言うと、ネギはアスナと同じく『完全魔法無効化能力』も持っているぞ。しかも能力のON/OFF切り換えが自由でな。
ああ、腕の立つ奴ら全員の総掛かりでならというのは、『完全魔法無効化能力』OFF状態での話でだ。『完全魔法無効化能力』アリだったら本気で無理だな。戦力激減し過ぎる。
しかも最近は『太陰道』でコッチの魔法吸収するようになったから、余計に手に負えなくなってきた。
それに加えて『神鳴流』や『居合い拳』、『咸卦法』、私の『闇の魔法』も使える上に、『咸卦法』と『闇の魔法』組み合わせた『闇の咸卦法』をオリジナルで開発しているぞ。
それでも多分、手の内の全てを明かしたわけではないだろうな。隠し玉がまだあると見た。
………………改めて考えてみると、本当にネギは理不尽だな」
…………悪ぃ。マジでわけわからねーんだけど。
それに“アスナ”って、あのアスナのことか? 姫子ちゃん?
あ、よくよく見れば、不貞腐れているっぽいネギを抱き締めている女の子のってアスナっぽいな。アスナが大きくなったらあんな感じになってそうだ。
…………そうか。アスナも元気にやっているみたいだな。
って、ネギの恋人の1人がアスナなのか!?
…………喜んで良いのか悪いのかわかんねー。
それとネギって“黄昏の姫巫女”なのか? アリカの血か?
男だから“姫”はつかねーだろうけどよ…………。
「ま、そんなわけでお前や母親がいなくても、ネギは立派に育っているから安心しろ」
「こんなの聞いたら逆に心配になってきたよ。
何でそんなガキに育ったんだ?」
「深く考えるな。ネギの強さに関してなら私は既に諦めた。
………………で、だ。その……ケジメというか何というか、お前に言わなきゃいけないことがあるんだが…………」
「お、おう…………」
あー…………『登校地獄』のこと…………じゃないよなぁ。
「…………なあ、ナギ。私はお前が好きだったよ。それに今でも好きなんだと思う。
けど…………今の私にはネギがいる」
「…………そんなこと言ってたな。
まあ…………正直言って、お前とネギがくっつくことになるなんて考えもしなかったけどよ」
「私もネギが来たころは考えもしなかったさ。
それでなんだが…………さっきまで、お前を目にするまでは不安だった。お前とネギのどちらかしか選べない場合は、私はネギを選ぶことが出来るかどうかがな」
「あー…………俺はもう子供もいる身だし…………」
「わかってる。本来ならお前のことはスッパリ諦めて、ネギ一筋に絞るべきということぐらいは。
しかし“恋”というものはそんな単純なものじゃないだろう。お前を諦めきれるかどうかがわからなかったんだよ」
「…………ま、そうだな」
「本音を言えばお前とネギの2人とも手に入れられれば一番良いのだがな。
でもそれやったらネギが拗ねてしまって、それどころじゃなくなるだろうから諦める」
「ハッ、アホなこと言うな」
ま、気持ちはわかる。好いた惚れたっていうのは理屈じゃねーからな。
俺だってアリカと結婚するまでは、一悶着どころじゃない騒ぎがあったしよ。
「…………で、お前とこうやって会って話して、嫉妬して拗ねるネギを見たら、心に思い浮かぶのはネギの方だった。
15年振りに会えたお前のことよりも、お前に私をとられるんじゃないかと嫉妬して拗ねるネギの方が愛おしかった。
どうやら本気でお前よりもネギの方が好きみたいだよ」
「…………そっか」
「ああ、そうだ。本気で可愛いだろ、アレ。
何ていうか…………撫でさせてはくれるけど本気で甘えてはこない猫が、他の猫と仲良くしていたら嫉妬して拗ねたって感じだ。
ネギが自分の気持ちを理解してからは更にその傾向が強くなってきたな。何せタカミチや犬にも嫉妬するぐらいだ。
しかもネギが大人になった姿を見たことあるが、悪ガキっぽさが抜けないお前よりもイイ男になるし、そのうち不老不死になるだろうから永遠に一緒にいられるだろうし…………」
「ケッ、ほっとけ。
…………つーか、何でネギが不老不死になるんだ? そんな予定あるのか?」
「いや、根拠はないがネギなら有り得る。少なくとも私はネギが不老不死になっても驚かん。
…………フン、呪いのこととか、約束破ったこととか、ネギの母親のこととか山程言いたいことや聞きたいことはあったが、今となってはもういい。
だから…………頭を撫でろ。心を込めてな。それで私のお前への恋は終わりだ」
…………あいよ。
エヴァンジェリンも光の中で生きられるようになったんだな。
ま、約束破っちまったみたいけど、結果オーライってことでいいだろ。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
少しの時間エヴァンジェリンの頭を撫でたら気が済んだらしく、吹っ切れた顔でネギに抱きつきに行った。
泣かしちまったけど、何だかんだで幸せそうだから何よりだな。
その後はエヴァンジェリンやアスナや他の女の子達がネギにくっつこうとしてメチャクチャだった。
でも…………これで安心した。安心出来た。
俺はネギに何もしてやれなかったけど、それでもネギは幸せそうだ。
良い顔で笑っているし、ネギの味方になってくれる子もたくさんいるみたいだ。
「…………だからって、1時間以上このお父様をほったらかしにするのはどうかと思うんだがなぁ」
父ちゃん寂しかったぞ。
何が悲しくて息子が複数の女の子とイチャイチャしてる風景を延々と1時間も見せ付けられなきゃならねーんだよ。
それにしても、この“幻想空間”は本当に便利だな。
ネギが呪文を呟いたらあっという間にお茶会の準備がされたぞ。いくら術者の思い通りに出来る“幻想空間”とはいえ、お茶や菓子はちゃんと再現出来てて美味いし。
女の子達は女の子達でケーキとかの甘いものを、見てるコッチが胸焼けするぐらい存分に食ってる。
…………ここでならいくら食べても太んねーからだろうな。そう考えたら本当に便利だ。
「は? 何か文句あるんですか?
それとここでのお茶会は頻繁にはやらないですよ。いくら実際に食べたりしないとはいえ、脳は甘いものを食べたって認識してしまいますからね。
でも実際には糖分を摂っていないので、脳が混乱しちゃうんですよ。ゼロカロリー飲料を飲んで太るのと一緒です」
「男女の語らいを邪魔するとは無粋だぞ、ナギ」
「アハハ、ゴメンね。それと久しぶり。私も大きくなったでしょ、お義父さん」
「はじめましてー。近衛詠春の娘の木乃香といいますー。
ネギ君にはいつもお世話になってます、お義父さま」
「さ、桜咲刹那と申します、お義父さま!
私もネギ先生にはお世話になっております!」
「宮崎のどかです、お義父さま。
ネギ先生が担任をしているクラスの生徒で、魔法もネギ先生から教わってます」
「同じく綾瀬夕映です、お義父さま。
私達は全員ともネギ先生のクラスでして、1人を除いてネギ先生の“魔法使いの従者”をやっています」
「長瀬楓でござる。
拙者は魔法使いではござらんが、ネギ坊主を主君と仰いでいるのでござるよ。義父上殿」
「ク、クククク古菲アル!
えっと…………お、お義父さまに会えて光栄アル…………」
「…………長谷川千雨、魔法のことは知っているだけの一般人です。
私はネギ先生の“魔法使いの従者”じゃありませんし…………恋人でもありません。
ネギ先生とは…………まあ趣味仲間で、あとは面倒ごとに巻き込まれてからネギ先生に面倒見てもらっている…………という感じでしょうか」
悪ぃ。
本気でこんなとき、いったいどんな顔すればいいのかわからねーよ。
アレだぞ、俺の意識上じゃネギは生まれていなかったんだぞ。
それなのにこんなたくさんの女の子から“お義父さま”なんて呼ばれるなんて思ってもいなかったってーの。
…………ここにアリカがいたらパニクるだろうなぁ。
あー、でもアイツは一応元王族だからな。
一夫多妻には理解あるかもしれないし、何よりこの子達に“お義母さま”って呼ばれる嬉しさの方が勝つかもしんねーか。
「…………で、何でこんなことになったのか聞いてもいいか?
正直な話、さすがにこれは予想してなかったわ」
最初は稽古つけてやろうと思っていただけなのに、本気でどうしてこうなったんだよ?
ってか、木乃香ちゃんは詠春の娘さんかよ。
それこそ生真面目な詠春がよくこんなこと許したなぁ…………。
「別にネギは悪いことしていないわよ。
私達がネギのこと好きになって、アタックしてただけ。………………私達で同盟組んだりしたけどね」
「そうしてたらネギ君もウチらのこと好いてくれるようになったんですよ。
さすがに10歳のネギ君じゃ、ウチらのうちの誰かを選ぶか、ウチら全員をお嫁さんにするかはまだ決められていないみたいですけど」
「ですので、責められるとしたら私達の方なのです。
…………10歳の男の子に対して、複数の14歳の女の子の方から言い寄ったのですから」
「私はネギ先生に危ない所を助けられてからネギ先生のことを好きになって…………」
「わ、私は最初はそんな気がなく、のどかの応援のつもりだったのですが…………争奪戦の模様が激しくなったり、魔法を教えてもらっているうちに何だかズルズルと…………。
最初はネギ先生のことは“妙にこましゃくれた子供”という感じだったのですけど…………」
「まあ、ネギ坊主が主君となるなら別にいいかと思って…………。
それにネギ坊主以上の男はなかなかいるものではないでござるからな」
「い、いや…………私は武道の名門である“古家”の人間として、跡を継ぐのに相応しい漢を見つけなくちゃいけなかったりして…………」
「…………私は違いますよ」
「へぇー、ネギってモテるんだな。
で? お前はこの子達のことどう思ってんだよ?」
「うるさいなぁ。髪の毛メチャクチャにしないでくださいよ」
うりうり、とネギの頭を撫でたら手を払いのけられた。
ケケケ、いっちょまえに顔を赤くしやがって。
確かにエヴァンジェリンが言ったみたく、ネギは猫みたいだなー。
文句は言ってくるし目もあわせてくんねーけど、こんな風にチョッカイかけても何だかんだで俺の隣の席から離れたりしねーんだもん。
女の子達はそんなネギを見てニヤニヤ笑ってるし、どうやらネギは将来尻に敷かれることになりそーだぜ。
こんなたくさんの恋人いたらお前も大変だなー、うりうり。
ホレホレ、どうしたどうした~~~?
「フシャァアアアーーーーッ!!!」
って、痛ってぇーーーっ!
魔力込めた手で払いのけるなよぉ……………………って、やべ。思いっきり睨んできた。
ちょっと弄り過ぎたか。
━━━━━ 後書き ━━━━━
何だか最近、ウチのネギがツンデレ…………デレツン?になっていく感じがします。むしろ子供っぽくなってきました。
最初はクールキャラにしようと思っていたのに、何故か勝手にドンドン変わっていきました。
ま、キャラが変わっていくのはよくあることですよね。
あと皆さんお気づきだと思いますが、別にネギはナギのことを嫌っているわけではありません。…………ムカついてますが。
前世の影響で日頃からブン殴りたいとか殺したいとか言ってますが、何だかんだ言いながら“駄目親父”呼ばわりしているので、父親だとは思っていますし認めてもいます。……………………ムカついてますが。
ちなみに茶々丸は不参加です…………というか、ガイノイドだから“幻想空間”に入れませんよね?
眠っている肉体を念のために守っているということにしておいてください。
たつみーや超達はそもそも来る理由がありません。
小太郎は久しぶりの休日を満喫中です。やったね、コタ君!
それと実を言うと最後のネギのセリフは
「ギャフベロハギャベバブジョハバ」
にしようかと最初は思ってたのですが、これだけだと意味がわからないと思うので止めました。
でも例のコピペじゃないですけど、猫のケンカってホントに「マーオ」って感じで鳴きますよね。「ナーオ」というか「アーウ」というかそんな感じで…………。
昔の話ですが、2匹の猫が威嚇しあっていて、もう1匹がそれをジッとそれを観戦していた場面に出くわしたことがあります。
その時の猫の鳴き声は、まるで人間の子供が泣いているような声だったのをよく憶えてます。というか本気で人間の子供が泣いているんだと猫達を見るまで思ってましたね。
スーパーとかでたまに見かけるような泣いている子供の声みたいな感じです。