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No.32480の一覧
[0] (習作)宇宙戦艦ヤマト オリジナルジェネレーション(多クロス)[虹姫琴魅](2012/03/27 13:12)
[1] 第2話 織姫優[虹姫琴魅](2012/03/28 21:29)
[2] 第3話 英雄の丘[虹姫琴魅](2012/06/18 12:15)
[3] 第4話 えっ!? サプライズ!!?[虹姫琴魅](2012/03/27 16:58)
[4] 第5話 サプライズ!![虹姫琴魅](2012/03/27 23:56)
[5] 第6話 フレイヤ発進!![虹姫琴魅](2012/03/28 21:51)
[6] 第7話 旅立ち[虹姫琴魅](2012/03/29 04:23)
[7] 第8話 訓練開始[虹姫琴魅](2012/03/30 06:55)
[8] 第9話 異世界よりの来訪者[虹姫琴魅](2012/03/30 06:57)
[9] 第10話 アムロ…未知との遭遇[虹姫琴魅](2012/04/01 23:19)
[10] 第11話 会談その1…隕石落としの男[虹姫琴魅](2012/04/15 03:05)
[11] 第12話 伝説の宇宙戦艦[虹姫琴魅](2012/05/21 00:35)
[12] 第13話 戦闘開始[虹姫琴魅](2012/06/18 12:14)
[13] 第14話  ニュータイプ[虹姫琴魅](2012/08/03 00:40)
[14] 第15話 ブービートラップ[虹姫琴魅](2012/10/16 06:02)
[15] 第16話 忍び寄る恐怖[虹姫琴魅](2014/03/06 18:25)
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[32480] 第2話 織姫優
Name: 虹姫琴魅◆64c63f8d ID:2b243900 前を表示する / 次を表示する
Date: 2012/03/28 21:29
「う~ん・・オービタルリング第13ドックと・・あれね」

軌道エレベーターから出てきた少女が、目的のドックへ向かうチューブライナーに飛び乗るように駆け込んでいく。
パッチリした瞳の整った顔立ち、腰の辺りまである黒髪をポニーテールしている。健康的にスラッと伸びた手足、モデル並のプロポーション、少女が、聖テレサ学園の制服を着ていなければ、実際に何かのイベントのコンパニオンか、撮影かと思う人も居たかもしれない。

「おっ、優ちゃんじゃないか、優ちゃんも古代達の迎えかい?」

「南部さん、それに相原さん、はい、進おじさん達をドックまで迎えに」

名前を呼ばれ、振り返った少女は、声を掛けてきた2人の老人に笑顔で応える。

「あれ、おじいちゃんって言わなくなったのか?」と相原が聞くと

「うん、おじいちゃんって言うと嫌な顔するから、今はおじさんって呼んでます」

「ははは、実際、じじいの年齢なのに古代らしいと言えばらしいか」

「相原、年齢的には俺たちも同じだぞ、それに、平均寿命だってまだ30年以上あるんだ、まだまだ老け込むには早いさ」

「分かってますよ、南部さんは、相変わらずまじめだな、俺はね、優ちゃんから見たら十分じじいだって事実を言っているの、実際、玄孫の子供なんだから」

「なら、相原さんだけ、おじいちゃんって呼びましょうか?」

「うっ、優ちゃんみたいな可愛い子におじいちゃんって呼ばれるのは、嬉しいやら悲しいやら・・・やっぱりやめて」

慌ててそう答える相原。その後3人は、顔を見合して笑うのだった。


地球の軌道上赤道外周を一周するオービタルリングに新主力戦艦2隻に護衛された純白の豪華客船が入港したのは、調度 優たちが、13ドックのターミナル到着した時だった。

「大きな船・・・」

優は、ターミナルの窓から見える新主力戦艦を見てそう呟く。

「新主力戦艦、形は、白色彗星と戦ったころの主力戦艦の艦底部にも艦上部と同等の武装がついた感じだが、大きさが違うからな・・・850メートル級宇宙戦艦だもんな」

南部が、感慨深げに説明する。

「ヤマトの3倍以上の大きさだからな・・・聞いたか、今月にも完成し就役予定の新アンドロメダ級は、950メートル級宇宙戦艦って話だし、地球防衛軍旗艦として開発中のしゅんらんは、1000メートル級らしい」

と相原がため息交じり言う

「おいおい、迎えに来てくれたのかと思ったら、宇宙戦艦を見に来たのか?・・お前らは」3人の背後から苦笑交じりの声がかかる。

あわてて振り返ると3人の前にひと組の老夫婦、古代進と雪がいた。

「そういえば、此処のターミナルゲートは、窓と逆方向にあるんでしたね・・・古代さんも普通に声をかけて下さいよ、びっくりするじゃないですか」

相原が頭をかきながら言う。

「お久しぶりです、古代さん」

南部が手を差し出すと古代は、しっかりとその手を握りかえした。

「3年ぶりですね、宇宙平和大使として宇宙を回って見てどうでしたか?」

南部がきくと古代は、その表情を少し曇らせながら

「酷いものだよ、各国の中央星域はともかく、そこから少しでも離れると宇宙海賊やマフィアの艦隊が幅を利かせていて正直、ユニバーサルガーディアンやギャラクシーポリスのパトロール艦が、単艦で出て行った日には、逆にやられちまうだろうな・・・」と告げる。

「そこまでひどいんですか?連邦内じゃ、海賊の話なんかほとんど聞かないのに」

「太陽系は、地球連邦の中心だからな、ユニバーサルガーディアンもGPも大艦隊が駐留しているし、防衛軍の保有艦艇数も人類圏最大だ、各星域にも十分な防衛艦隊がいる、海賊も少ないさ」

古代が、笑いながら答える。

「俺も、ニュースに見ましたよ。特に自治領のように、星間法が、適用されないところは、酷いらしいですね」

相原が、言う自治領とは、大航海時代の冒険者たちが、自分たちが発見した星、開拓した星を自分たちの出身国家ではなく、自分たちで統治すると言うもので自治領の大きさもさまざまである。スペースコロニー一つで自治領を名乗るものもあれば、十数個の惑星からなるものまである。

星間国家との違いは、星間法が適用されないため星間国家からの侵略に対してはユニバーサルフォース(無国籍宇宙軍・・・平和維持軍)の要請は出来るも海賊や民間のアウトローの襲撃に対しては、個々で対応しなくてはならないと言うものである。

「ああっ、クリューゲル領の主都惑星コルンは、実質、海賊に支配されている状態だったよ…誘拐、人身売買は、当たり前、俺たちの護衛についていたGPの女性隊員が、用を足しにトイレに行ったら暴漢に襲われそうになったほどだ」

「GPの隊員がですか・・・」

南部も自分の予想を超えた事態に驚きの声を漏らす。

本来なら海賊の天敵でなくては成らないGPが、白昼堂々と襲われるのだから、南部が驚くのも無理はない、辺境宇宙を実際に見て回らなければ分からないことの方が多いのが今の複合大銀河の実情なのだった。

「こんな時こそ、ヤマトがあればと思うよ」

「ヤマトか・・・でも古代さん、今は星間法がありますよ。野良海賊はともかく、自治領に連邦所属のヤマトはその領域内に入ることもできませんよ」

厳しい表情で呟いた古代に腕を組みながら南部が答える。

「白色彗星の時のように自分たちの意思で出撃することも難しいでしょう・・・あの時は、何事もなくても命令違反で軍法会議、処罰か何かで済んだでしょうが、今は様々な国家がありますからね下手をすれば星間戦争…宇宙戦争になりかねません」

相原が言う通りで地球連邦から独立した人類圏の国家や他種族の国家中にも今やガルマンガミラスに次ぐ大国となった地球連邦を疎ましく思っている国家は多くあり、何かあれば政治的圧力、下手をすれば無数の国々が争う、宇宙戦争になりかねないのが現状であった。

難しい顔で考え込む男達に呆れたように溜息をつきつつ雪が古代に声をかけた。

「かわいい来孫に声もかけないで男3人で何を話しているのかしらね」

「あ、いや・・・」

古代は、慌てて優の方へむくと相原が笑いながら

「古代さんは、優ちゃんが、あまりに美人になってたからビックリしたんですよ。嫁にしたいとか思っているんじゃないですか」とからかう様に言う

「アホか、そう思っているのは相原お前じゃないのか?」

「昔から、相原は、美人には節操がないからな」

古代と南部に代わる代わる言われ相原は、両手を上げて

「もう勘弁して下さい」と苦笑する。

その様子を見て再び雪は、呆れたような表情を浮かべるのだった。


優は、古代たちと共に帰路のチューブライナーに乗っていた。優の手には、先ほど古代から渡されたデーターカプセルが握られていた。そのカプセルは、実の母親から届いた物だという…
優には、母親の記憶が、殆ど無かった、物心つく前には既に行方不明になっており、その顔すらはっきりとは思いだすことが出見ないでいる。自分の容姿が、母の若いころにそっくりだと周りの人は言うがやはり実感がないのが本当のところだった。

「お母さん」

そう呟くも、その顔は、濃い霧に阻まれたかのように霞んでしまい、はっきりと思い出すことはできなかった。寂しくないと言えば嘘になる。父親は、優を愛してくれたし旧ヤマトの乗組員やその家族も優を可愛がり、時には厳しく育ててくれた。学校でも活発で気さくな優は、人気があり友人も多くいる。私は、幸せなんだと思う。自分が、不幸だと思ったことはない。

しかし、死別したわけでものなく、離婚したわけでもなく母親がいないというのは、まだ思春期の優にとっては、寂しさと、悲しさそして、怒りの入り混じった思いが、心の奥底に生まれてしまうのはしょうがないことなのだろう。

母親が行方不明になって13年・・・優の1歳の誕生日に突然いなくなった母、しかし、優の誕生日には、必ず母親からの誕生プレゼントが毎年届くのだ。差出場所不明の為、母親がどこに居るのかは、分からない、何故いなくなったのかも分からない・・・母の行方不明の理由がないということも優の寂しさの一つなのだろう。納得できる理由がないというのは、大人でも辛いものなのだから・・・
14歳の少女が、母親に会いたいと思うことも不思議ではないのだろう。

「優、お母さんに会いたいのか? それとも恨んでいるのか?」

古代は、握ったデーターカプセルをジッと見つめている優に気づき声をかけた。

「恨んではないと思うよ…そりゃ、少しは怒っているけどね、ただ、何で居場所も連絡先も教えてくれないのか、会えないのか聞きたいんだと思う」

優は、少し考えるように間をおき答えた。

「会えない?」

「毎年、誕生日にプレゼントを贈ってくれるから、私の事を忘れたわけじゃないでしょ? だから理由があるんじゃないかって」

優は、そう答えるが、その言葉に少しずつ自信が無くなっていくのは、自分の希望も入っているためだろう。
実際に子供には、物だけを与え世間体をとり、親本人は子供のことなど気にも留めず他のことに夢中なる親や子供ことなどなんとも思っていない親など幾らでも居るのだ。

古代は、そっと優の頭に手を伸ばすと優しく、それでいて力強くなでる。

「もう、おじさんたら子ども扱いしないでよ」

優は、少し怒ったように言うがその顔は、真っ赤でテレ隠しなのは誰の目にも明らかだった。

「そんな風に言ってるうちは、まだまだ子供だよ」

そう言うと古代は、優の頭に手の平を乗せるように優しくポンポンと2回軽く叩く。

「優は、宇宙に出るのは、初めてだったよな?」と言いながら古代は、優の頭から手を離す。

「うん、地球軌道付近までなら、皆にいろいろ教えてもらいながら行く事は多かったけど、その先に行くのは初めて」

優の言う皆のとは、旧ヤマトの乗組員やその家族たちの事である。

「そうか、宇宙は、広いぞ怖くはないか?」

「うん、大丈夫だよ…だって、子供ころから皆に色々教えてもらって、早く星間を旅したいって思っていたんだもん」

優が、瞳を輝かせながら答える。

「実際、優ちゃんは優秀ですよ」

二人の会話を聞いていた南部が話に入っていく。

「そうなのか、3年も離れていたからな・・・・・」

「ええ、シミュレーターですが、艦隊指揮、艦砲砲撃、操艦、艦載機での防空、対艦攻撃、どれをとっても、宇宙戦士訓練学校の首席並みの成績ですよ」

「ほう、そいつは凄いな」

古代は、思わず感嘆の声を上げた。

「先生が、良すぎるもの」

頬を染めながら、慌てて言う。

生きた伝説の旧ヤマトのクルーに褒められてこそばゆいのだろう。
だが、優の言う通りで艦隊指揮は、宇宙大使として旅立つ前に古代自身が、また山南提督や北野が、操艦は、島次郎(島大介の弟で兄の後を継ぎ2代目ヤマトの航海長を務める)、砲撃は、名手の南部が、戦闘機関連は、加藤四郎、山本、坂本、椎名と旧ヤマトのオールメンバー直々にレクチャーされているのだ。まさに宇宙一の技術を幼少の頃から直に見て叩きこまれてきたと言ってもいいだろう。
そして、子供の吸収力は、凄まじくスポンジが水を吸うように技術を吸収していく。また子供の発想力は、時として様々な応用法見つけ出していくようになっていった。

「今じゃ、北野に艦隊戦で4回に1回は勝っていますよ」

「なに…地球防衛軍参謀長にか…そいつは凄いな」

「南部さんも優ちゃんの新砲撃システムに一方的にやられたばかりじゃないですか」

相原が、ニヤリと笑いながら会話に加わる。

「新システム?」

古代が、訝しげな表情を浮かべながら相原に聞き返すもの無理はないだろう。

南部は、精密な砲撃では、旧ヤマトクルーの中でも随一である。
それはすなわち地球防衛軍の中でも随一なのだ。それが砲撃戦で一方的にやられるなど考えられなかったのだ。

「デスラー戦法でも使ったのか?」

古代は、経験則の中から1つの戦法を上げてみるが相原にあっさりと否定される。

「デスラー戦法ではなく、艦載機による、長距離砲撃誘導システムですよ」

「艦載機? それならもうあるだろう」

古代の言う通りで、艦艇のレーダー範囲外の敵を艦載機のレーダーで発見し艦艇と艦載機のレーダーのシステムリンクによりリアルタイムで敵の位置、行動を把握し艦砲砲撃を行なう方法は、昔からある。

「ええ、でも優ちゃんのは、艦艇と艦載機のレーダーシステムのリンク可能距離外での話なんですよ」

「リンク外?」

「古代さん、ディンギルとの戦いの時、コスモゼロでハイパー放射ミサイルを補給中の敵艦隊をレーダーシステムのリンク外での超々距離砲撃をしたのを覚えていますか?」

「ああっ、冥王星域の戦いの時か、雪が補給中の敵の位置を知らせたやつだろう…だがあれは、補給中で敵が止まっていたからだぞ、動いている相手にはそうそう、当たらんだろう?」

古代の言う冥王星域の戦いとは、ディンギル軍の電撃的な猛攻とハイパー放射ミサイルにより地球防衛軍が壊滅し、最後の希望として出撃したヤマト艦隊とディンギル艦隊との戦い事である。
ヤマト側は、奇しくも第二次世界大戦時の戦艦大和最後の出撃時の艦隊と全く同じく…軽巡洋艦[矢矧]他駆逐艦と言う艦隊とも言えない戦力での出撃であった。

そして、冥王星域でディンギル艦隊との戦闘に突入する。
善戦するも物量におとり、ハイパー放射ミサイルの対抗策も無い状態での戦闘で、軽巡洋艦[矢矧]が駆逐艦戦隊が次々とハイパー放射ミサイルの餌食なっていく。
また、ある駆逐艦は、ヤマトを庇い、ヤマトとハイパー放射ミサイル射線の間に入り、自らその船体にミサイルを食いこませ爆沈していった。ヤマトと駆逐艦[冬月]の2艦を除き全滅・・・もはや、戦闘は、ディンギル側の一方的な攻勢となった時、突如ディンギル軍は、攻撃を止め戦闘空域より離脱したのだ。

この時のヤマト艦長、沖田は、コスモタイガー隊を補給のため帰還させると撃沈させられた味方艦の生存者の救出のために救命艇を発進させる。
救命艇より救出隊が、宇宙遊泳で生存者に近づいて行った時、ディンギルの戦闘機隊が負傷し宇宙に投げ出された味方艦のクルーや救出隊に攻撃してきたのだ、身動きできない負傷兵や無防備な救出隊はなす術もなく、戦闘機のパルスレーザーに蜂の巣にされていく。それは戦闘とは、とても言えるもではなくただ一方的な虐殺であった。
満足に身動きすることも出来ない負傷者や救命艇を破壊され宇宙に溺れている状態の救護クルーを戦闘機は、文字通り蹂躙して行った。艦載機を補給のため格納してしまったヤマトは、なす術もなくその虐殺を見ていることしかできなかった。
艦砲やパルスレーザーでは、敵機以外にも被害が出てしまい…まだ、宇宙に取り残されている生存者まで巻き込んでしまう為だ。

敵戦闘機は、しばらく、その一方的な殺戮を楽しむと引き上げていく。

その戦闘機を追尾する為、古代は、コスモゼロ単機で出撃したのだった。先の戦闘で負傷していた為、森雪と共に…
敵戦闘機を追尾し補給中のディンギル機動艦隊を発見する。古代は、ヤマトに敵艦隊の位置を伝えようとするが、その途中で先の戦いでの傷が追跡中の敵機との戦闘で開いてしまい気を失ってしまう。古代の代わりに雪が、敵艦隊の位置を伝え。ヤマトの最大射程での砲撃で敵の移動補給基地ごと機動艦隊を壊滅させたのだった。

この時、ディギル軍司令ルガール・ト・ザールは、ヤマトとの距離を十分すぎるほどに取っており、艦砲など届くはずがないと考えていた。だからこそ、補給地点にこの空域を選んだのだ。自軍の戦艦の最大射程のおよそ倍の距離…相手の槍が届かない遥か彼方に陣取り、必殺の槍…ハイパー放射ミサイルを補給しし、その槍を持ってヤマトに止めを刺す。華麗なる勝利…ディンギル軍司令ザールは、そう確信していた。

だが、その幻想は、突如降り注いだ閃光により砕かれることとなる。

コスモゼロよりもたらされた座標にヤマトより放たれ必殺の波動カートリッジ弾が、機動要塞に降り注ぐ。機動要塞は、周りにいた、補給中の艦艇を巻き込み巨大な火球となり四散しその爆炎は、水雷艇母艦や戦艦を次々と飲み込んでいく。
ディンギル艦隊は、ザールの旗艦を除きその爆炎に飲み込まれ四散していった。ザールは、その様子を呆然と見ることしか出来なかった。
太陽系に進攻後、連戦連勝、瞬く間に地球防衛軍を壊滅させ地球人類を地球に封じ込めることに成功した。そして地球軍の最後の戦力として出てきたのは、今は無き母星付近で一度叩き潰した戦艦と軽巡洋艦と駆逐艦が数隻という艦隊とも呼べない寄せ集めの戦隊…その戦隊も第一次攻撃でほぼ壊滅状態と言ってもいい打撃を与えていたのだ。これで負けを予測しろと言う方が酷なのかもしれない。
未だ誘爆を続ける自軍の艦隊を横目にザールに逃げるように撤退するしかなかった。

この時の砲撃は、確かにレーダーのリンクシステム範囲外だった為、無線による口頭での敵の位置座標を伝えなければならなかった。だが、この方法では…高速で移動する敵艦隊が相手では、どうしても命中率が極端に下がってしまう。
目隠しをして飛んでいる鳥をスイカ割りのように周りに人の声だけで誘導されて撃ち落せと言われるのと同じだからだ。
古代の言う通りでディンギルとの戦いで命中したのは相手が補給中で止まっていた事も大きな理由の一つなのだ。

「優ちゃんは、レーダーリンクシステムを搭載した。小型の中継ポッドを偵察機に搭載したんですよ、小型ミサイル並みの」

相原が得意げに説明をする。

「ポッド?」

「ええ、戦艦と艦載機の間に設置することでリンクシステムを繋いでしまうんです。無線の中継基地と同じだと思えば分かりやすいですかね」

「なるほど、しかし考えてみれば単純な話だな・・・なんで今まで考え付かなかったんだ」

古代は、あごに手をやりながら不思議そうに考え込む。

「30年前までは、単純に技術的な問題でしたね。小型ミサイル並みのスペースに、ワープ通信に高性能コンピューター、次元レーダーとソナーを組み込めなかったのが正解です」通信長らしく相原が手ぶりを交えて説明をする。

「なるほど、だが・・・近代なら技術的な問題もないはずだ、何故考え付かなかった?」

「それは、発想自体はありましたがどれも使いづらいシロモノで計画途中で打ち切られたんです」

自らも南部重工の会長として試作開発していた南部が、話に加わり説明する。

中継ポッドの試作機と開発されたのは、レーダー衛星の改良型であった。これは、偵察機1機に1つしか積めないため、敵がいると予測される位置の中間地点に設置するか発見後一度持って設置するか、発見の知らせを受けてから設置のための艦載機を飛ばすかしか方法がなく高速で移動する艦隊には、甚だ効率が悪かった。
または、偵察機一機を中継の為に配置する方法もあったが…ポッドに比べ敵に発見されやすい航空機では逆に味方艦の位置を芋づる式に相手に教えてしまう可能性があり、その研究は軽視される結果となっていた。
また、通常のリンクスステムでの砲撃でも相手と同等かやや上回る射程を確保出来ていた事も大きな理由だった。

「なので、小型ミサイル型のポッドは人口知能搭載でミサイル同様自走しますから、発見後に味方戦艦のとの中間地点に自動で飛んでいきますしその速度は、戦闘機より高速です。 小型で敵に発見されにくいという利点もあります」

南部は、技術的な事を踏まえながら説明を続ける。

「大きさも小型ミサイル並みなので一機の偵察機に複数積めますから扱いやすさも抜群です。さらに優ちゃんは、空間魚雷を改装した中継ポッドも提案しています」

空間魚雷とは、対潜宙艦などに使われる次元空間魚雷の事で別次元に潜んでいる潜宙艦などを攻撃する兵器のことである。その名と通り、別次元を航行することのできる魚雷でこの魚雷を改装した中継ポッドも当然、別次元を航行することが出来る。
そして、目標地点に到着すると潜水艦の潜望鏡のようにレーダーと通信アンテナを通常空間に出し燃料が切れるまで偵察機と母艦の中間地点に移動する。通常空間には小型ミサイルよりはるかに小さいマルチアンテナが数本出ているだけなので、さらに敵からの発見がされにくくなるという利点があった。

「なるほどな」

相原と南部の話を聞き、古代は感心したように優を見つめると再び南部たちにむきなおり

「南部、相原、2人から見て優は、宇宙戦士としてどう思う?」と聞く

「そうですね。僕は、今のマニュアル重視の連邦軍の艦長より優秀だとおもいますよ」

相原は、考えるまでも無いといった感じで答える。

「自分も後は実践経験を積ませる段階だと思いますよ。優ちゃんは、子供の頃から宇宙戦士訓練学校に通っているようなものですからね」

南部の言う通りで、子供の頃から、古代や山南提督と言った超一流の宇宙戦士相手にシミュレーションとはいえ戦っていたのだから(本人は、将棋や碁と言ったようにゲームで遊んでもらっている感覚だったのだが)

「なので、例の計画は、2段階ぐらいはやめてもいいと思います」

南部は、付け加えた。

「そうか」

2人の答を受け、古代は何かを決心したように頷いたのだった


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