「こちらストーム4…ポイントα104にて海賊の艦隊を発見!!、重巡1、駆逐艦3、突撃艇13、映像を送る」
偵察に出ていたストーム小隊の4番機より海賊船団の発見の知らせが入ると同時に艦内に警報が響き渡る。
救命艇での救助により、わずか10名とはいえ撃墜されたMSのパイロットが救助された知らせを聞き表情を綻ろばせたアムロたちも突然の警報に驚く。
見知らぬ異世界で行き成り襲われたのだ、フレイヤに保護されたとはいえ同胞が多いほうが心強いのは確かだ、それに単純アクシズを押し返そうと戦った仲間の命が救われたのが嬉しかった。
自分達の危機を救い、さらに撃墜された仲間のパイロット捜索、救助までしてくれた目の前に少女に例を言おうとしたアムロは、先程まで人懐っこい笑顔を浮かべていたその少女の表情が凛とした指揮官の顔に代わるのを驚いて見ていた。
「香織さん、ストーム4からのデータを各スクリーンに、艦種の確認を、皆、海賊の艦隊が近くにいるのは、想定内の事なんだから、初めての実戦だからって慌てず、急がすにけれど迅速に整然と各員対応するように!!」
優が、艦内に檄を飛ばす。
優の号令と共に、愛香もアモンもブリッジから飛び出していく…
「総員戦闘配備、海賊の船団が接近中、これは訓練ではない、もう一度繰り返す、これは訓練ではない」香織が、全艦に戦闘配備を発令する。
「マーズ級重巡洋艦にフレッチャー級ミサイル駆逐艦が2、キリング級駆逐艦が1か…突撃艇は、45メートル級の急造艦が6、65メートル級4、150メートル級が3隻か…ストーム小隊は、突撃艇ともに輸送艦を護衛しつつコスモアドベンチャーギルドの基地へ」
「こちら、隆だ、いいのか?…そっちの援護に行かなくて」
「うん、輸送艦は、まだ改造もしていないから足が遅いわ、武装も隕石やデブリ用のショックカノン2門とパルスレーザーが数機…突撃艇に追いつかれたら終わりだもの…お客さんも乗せているんだから落とされるわけにいかないわ…お願い」
「了解した。 輸送艦に指一本触れさせないさ、そっちも無理はするなよ」
「うん、輸送艦の離脱時間を何とか稼いでみるわ」
優は、隆との通信を終えると
「フレイヤ、無人ドローン5射出、周囲の小惑星やデブリの位置、伏兵の探索をさせて」
「了解、ドローンを射出します」
フレイヤの左右の空母ブロックの艦底部から円盤に翼が生えたような形のドローンが射出される。
ドローンは、デブリ密集空域や巨大小惑星帯へと向かい索敵を開始する。
「波動爆雷発射管開け!! 思考機雷装填、輸送艦後方距離12宇宙キロのデブリ帯に放出、また、本艦前方の小惑星帯とその迂回路にも思考機雷を設置して」
「了解、全波動爆雷発射管オープン」
フレイヤの復唱と同時にフレイヤの艦尾部の上甲板の装甲が開きそこに波動爆雷の発射管が現れ、次々と思考機雷を撃ち出して行く。思考機雷は、目的の空域に行くとカプセルは破裂しその中から3機の機雷が、散らばっていく。
「海賊船団接近!!距離48000宇宙キロ、約54宇宙ノットで向かって来てるわ」リリアが、コスモレーダーを見ながら叫ぶ
その様子を見ていたアムロは「シャア、どうやら、彼女は、本当にこの船団のリーダーらしいな」と隣に立つシャアに言う。
「そのようだな、アムロ…しかし大した指揮ぶりじゃないか」シャアは、次々に的確な指示を出していく優を感心したように頷く。
「ああ、それに、さっき初めての実戦と言っていたが…この練度の高さは何だ?」
「よほど、激しい訓練をしたのだろ…アムロ、私達も行くぞ、この世界を見るのだろう?」
「無論だ、それにただ飯を食う訳にもいかんからな、ここはフレイヤに協力するぞ、皆、行くぞ」
「「「了解」」」
アムロ達は、ブリッジを出るとMSを格納した空母ブロックへと走っていた。
side 海賊
マーズ級重巡洋艦『ブラックフェニックス』…
ビルトフェルト暗礁宙域を縄張りとする新興の宇宙海賊パーヴェルに属する船で1船団の旗艦として、駆逐艦3隻と突撃艇13隻を率いて暗礁宙域に入り込むコスモアドベンチャーや資源発掘やジャンク回収に来る、ジャンク屋や輸送船をカモにしていた。
「なんだと、アンノウンの攻撃に向かった戦闘機隊が全滅だと!!」艦長席に座るサンタのような立派な髭を蓄えた筋肉質な大男が、吼えるように叫ぶ。
「お頭、芋虫型戦闘機、デスイーターⅨ共に全滅」
「どう言う事だ?…アンノウンの人型機動兵器は、弱っちかったんじゃねーのか!!」
「スピードが圧倒的に遅かったと聞きましたぜ…お頭」
「戦闘機隊からの通信を再生します」
スクリーンに映し出された戦闘機からの映像は、見たこともない人型機動兵器を次々撃ち落していく味方機の姿だ。
確かにスピードで圧倒しておりロボット側は、そのスピードに対応しきれていないように見える。
ロボット(MS)が、デブリ密集空域に入るとその機動性を活かし、反撃してくるがそれでも味方機側の優勢は変わらず、殲滅するのも時間の問題に思える。
「何で、これで全滅するんだ?…」お頭と呼ばれた男が、オペレーター席に座る男を睨み付けながら怒鳴る。
「邪魔が入ったようですぜ」
「邪魔だと!? 」
「こちら、コスモアドベンチャー・フレイヤ所属、コスモタイガー隊、加藤健二、そちらの救援信号をキャッチした援護する」
「同じく、フレイヤ所属、ピクシー小隊隊長、山本麗、援護します」
「以下同文 フェアリー小隊隊長 山本詩織です。援護します。…全機突撃!!」
突然の通信と共に地球防衛軍の最新鋭機のコスモタイガーD17が、味方機に襲い掛かっていく。
「全周波数で平文で通信してますね」
「コスモアドベンチャー・フレイヤだと、何者(なにもん)だ!?」
「敵艦の映像捉えました…メインスクリーンに映します」
何だぁ…ありゃ、スクリーンに映ったフレイヤを見て、海賊船団のお頭は、思わずうめき声を上げる。
見たことも無い新鋭艦に最新鋭機のコスモタイガーD17部隊、突撃艇の中でも信頼性の高い、高性能艦のベガ級4隻に500メートル級輸送艦…
まさか、コスモアドベンチャーのランカーじゃないだろうな…
ランカーとは、無数にいるコスモアドベンチャーの上位10万位以内に入っている、コスモアドベンチャーの事でそこに名を連ねることは、宇宙の猛者ということになる。
もしそうなら、数で勝っているとはいえ、正直戦いたくはない。
海賊船団を率いるこの男は、そう考えていた。
「ありやした…コスモアドベンチャーのリストだと、20日前に地球から初航海にでたルーキーです。旗艦名は『フレイヤ』、艦長は【織姫優】…14歳の小娘ですぜ」
『ブラックフェニックス』の解析班の男がコスモアドベンチャーの登録リストから得たデータをスクリーンに映し出す。
「ほう」
スクリーンに映し出された優の映像を見た海賊船団の頭は、目を細める。
顔立ちは、かなり良い、スタイルも大き目な胸、くびれたウエスト、形の良いヒップ…これは、高く売れるな。こんな小娘が、特注の新鋭艦を指揮してるってことは、どこかの金持ちの娘の道楽ってことか…飛んで火にいる何とやらってな
「野郎共!! 相手は14歳の金持ちの道楽娘が、指揮する船団だ!! あの新鋭艦を奪い、小娘を手に入れるぞ、そうすりゃ、海賊団の中の地位も上がれば、小娘を売り飛ばすのもあれだけの船を特注で作らせられる家だ、身代金を要求してたんまり頂くものなんでもござれだ!!」海賊船団のお頭が、叫ぶ。
「急造艦6隻とアルファ級突撃艦(65メートル級)2隻で輸送艦を拿捕しろ!! 残りは、あの新鋭艦をやるぞ!!」
頭の号令がと同時に海賊船団は、最大戦闘速度でフレイヤへと向かって行った。
海賊sideend
Sideフレイヤ
空母ブロックに到着したアムロたちは、10代半ばから後半の少年少女達がコスモタイガーの出撃準備をしている姿を見る。
「敵艦の突撃艇…150メートル級の映像、もう少しアップに出来ないか?」健二が言うとフレイヤが150メートル級の突撃艇を拡大しホログラムスクリーンに投影する。
「麗、この突撃艇少し変じゃないか?」健二が、スクリーンに映る150メートル級の突撃艇の内2隻を指差しながら言う
「そうね、重武装が売りの突撃艇なのに甲板部に砲塔もミサイルランチャーも無いわね…それにこれは、誘導灯かしら…」麗は、唇に指を当て考えながら気がついた事を挙げていく。
「たぶん、この2隻は戦闘機のキャリアね…さしずめ軽空母と言ったところかしら…」
「麗もそう思うか…コスモタイガーの装備を変更するぞ、麗と詩織の小隊と無人機隊は、対艦ミサイル8発と対空ミサイル2発、俺の小隊は、対空ミサイル8発とマイクロミサイル10発に換装してくれ」
健二の指示に整備班がコスモタイガーにミサイルを装填していく。
「パイロットたちもみな若いな…」
シャアが驚いたように言う。
「ああ、救援時の通信の時、通信をよこした隊長たちも高校生ぐらいの感じだったが、パイロット全員が10代とはな…しかも皆、かなりの腕前だった」
アムロも唸るように呟く。
「すまないが、MSは、出せるか?」アムロが、近くの整備班の人間に声をかけるが
「MS?…ああ、あのロボットの事か、燃料と酸素は補給しておいたが出てどうするんだ?」
「どうするって、もちろん出撃するのよ!」クエスが、何を当たり前の事を聞いているのよといった表情で答える。
「出撃してどうする? 出撃してもスピードが違いすぎて、戦闘機の相手をするのも難しいだろうし、MSのビーム兵器じゃ、艦艇のフィールドと装甲は撃ち貫けないぞ!!」整備員が、怒鳴るように言う。
確かに整備員の言う通りだった。
先程の戦闘でも戦闘機のスピードに圧倒され、数的に半数以下の戦闘機に完敗したばかりなのだ…
クエスは、その言葉に悔しそうに俯く…その肩をシャアがやさしく手を乗せると…
「クエス、君のヤクト・ドーガは、ファンネルもある、相手は、ミサイル駆逐艦が複数いるらしいからな空母の甲板で対空攻撃に参加するだけでもかなり違うはずだ」
「シャア…うん」クエスは、シャアに向き直り頷くと、ヤクト・ドーガに乗りこんでいく。
その様子を見つめる、アムロに麗が、近づいて行く。
「アムロさんってあの白と黒のモノトーンの機体のパイロットでいいのかしら?」
「ああ、あの機体は、νガンダムと言うんだ…確か、山本麗さんだったかな?」
「麗でいいわ、」
「なら俺もアムロで良い、で何の用だ?」
「わかったわ、アムロ…先程の戦いで助けられたお礼を言いに来たのと提案があってね」
「助けられたのは、お互い様だ、気にしなくていい、で、提案とは?」
「あなたの射撃は、はっきり言って凄かったわ…MSは、改造強化するまでは、戦闘は厳しいでしょ?」
「ああ、さっき整備員にも言われたよ」自分の愛機を役立たずのように言われ一瞬ムッとした表情をするが、事実なのだから仕方ないとアムロは苦笑を浮かべる。
「それでね、フレイヤの主砲の砲手をして見ないかしら」
「俺が、主砲の砲手を?」
「ええ、今のフレイヤは、搭乗員不足で砲手も少ないのよ、正直、あれだけの腕前をほっとく手は無いわ」
「なるほどな」アムロは、優が人手不足の為、専門外の部署に着いて貰うかもしれませんと話していたのを思い出す。
「正直、艦船の砲手などやったことは無いが、やるしかないんだろうな」アムロは、ため息交じりに答えると
「フレイヤ、主砲の管制室まで案内してくれ」
「わかりました」
「アムロ私も行こう」シャアが、アムロに続いて行こうとする。
「頼む、シャア、ケ―ラとハサウェイも来てくれフォローを頼む」
「「了解」」
その後、アムロとケ―ラは艦上部の主砲…第2砲塔の砲手として配置に着く。シャアとハサウェイは、艦底部の砲塔…第6砲塔の砲手として配置に着く。
その後、アムロとシャアは、主砲を旋回させたり上下角を合わせる等、一通り動かしてみる。
その様子をブリッジでモニターしていた優が、「2番砲塔、6番砲塔…何をしているの?」と通信を入れる。
「こちら、2番砲塔アムロだ、今砲塔の稼働確認と操作法の確認をしている、もう少しやらせてくれ」
「6番砲塔シャアだ…同じく稼働確認と操作法の確認をしている」
「えっ、二人とも何で?」優が、突然の事で驚くが
「今のMSでは、この世界の戦闘では役に立たん、そこで砲手として今回は、戦闘に参加させてもらう」シャアが答える。
「そう言う訳だ、正直、艦艇の砲手なんて初めての経験だが役には立って見せるさ」アムロが言う
「わかりました、期待させてもらいますね」優も笑みを浮かべて感謝の意を表す。
「ああ、やって見せるさ」
「敵艦加速しました。急造艦6隻とアルファ級突撃艇2隻が輸送艦の方へ向かって行きます。また、敵艦隊より艦載機の発艦を確認、数25機です」リリアが敵艦隊の動きを報告する。
「全兵装起動、全砲門開け、コスモタイガー隊出撃!!」優の号令がフレイヤに響き渡った。
次回は、ついに本格的な戦闘シーンです。
うまく書けるか・・・プレッシャ―が・・・・
作者は、今回が、処女作です。