「凄い」
コスモタイガーのコックピットからフレイヤの突然の砲撃にも驚きの声を上げた麗だが、その最大射程ギリギリの砲撃を回避運動をとる敵艦隊に面白いように命中させる、アムロとシャアの技量に思わず感嘆の声を漏らす。
MSでの射撃が、凄かったから砲手を勧めたのだけれど…初めて触れる、異世界の艦船の主砲をここまで扱うなんて…
「お姉ちゃん…アムロさんたちに砲手を勧めてたけどこうなるって分かってたの?」
「まさか、MSでの射撃が、凄かったから頼んでみたけどここまでとは思わなかったわ」
「これが、ニュータイプってやつの力なのか…案外、コスモタイガーにもすんなり乗れちまうのかもな」
健二が、軽口をたたくが…麗も詩織も笑う事は出来なかった。
「コスモタイガー各機は、敵艦隊が機雷源に入ったら攻撃を開始して下さい」
香織からの通信が入る。
「ライトニングリーダー了解、各機聞こえたな」
「フェアリーリーダー了解、健二、敵機は、任せたわよ」
「ピクシーリーダー了解、健二、私達も対空ミサイルも積んでるし空戦も出来るわ…ある程度はこちらに回しなさい」
「そう言うな、麗…きっちり敵艦までエスコートしてやるよ」
「全機、機雷源まで移動するぞ!! 敵機も来ているはずだ、索敵を怠るなよ」
「了解」
コスモタイガー隊は、機雷源へと飛翔していった。
直衛機を除き、敵本体の迎撃に向かうコスモタイガー隊をモニターで見ていた優に香織が
「輸送艦に向かった敵別働隊、機雷源まで後20秒…速度そのまま、機雷に気づいた様子はないわ」と報告する。
「敵艦隊速度そのまま…輸送艦まで距離17000宇宙キロ、艦首衝撃砲にエネルギー反応!!」
リリアが、予想通りと落ち着いた様子で言う。
「機雷源まであと10.9.8.7.6・・・」
「輸送艦に向かった別働隊は、隆さん達に任せましょう、本艦は、敵本隊の迎撃に出ます…コースターン、左110度、下方35度、ガス雲に突入します。デブリ、小惑星には気をつけて」
「了解シマシタ…左110度、下方35度」
アナライザーが、パネルを操作するとフレイヤは宇宙を滑るように進んでいく…
その時、輸送艦の遥か後方で幾つのも閃光がきらめきそれは、火球に変わっていった。
海賊別働隊の指揮を取るアルファ級突撃艇の艦長の痩身の男は、後数十秒で輸送艦を捉える位置につけていた。
「野郎ども、本命は、ベガ級4隻と最新鋭のコスモタイガーに守られてる、索敵を怠るなよ、パルスレーザー対空警戒厳…全船に通達、艦首衝撃砲用意!!」
痩身の男が、吼えるように怒鳴ると同時に戦隊の先頭に位置していた急造艦が突然爆発し四散する。
「何だ!! 何が起こった!!」
痩身の男が、突然の事にがなりたてるように叫ぶが、その表情は動揺の色を隠しきれてはいない。
「思考機雷です…かっ囲まれてます」
その言葉通り、敵の接近をキャッチした思考機雷が一斉にスラスターを吹かし海賊の別働隊に向かっていく。
「全船団、対空防衛、回避運動開始、パルスレーザー撃まくれーーー!!!」
痩身の男の号令の突撃艇のブリッジに響き渡る。
海賊の別働隊の突撃艇部隊は、その速力を活かしデブリ帯を縫うように移動しながら持てる火力の全てを使いピラニアのごとく群がってくる思考機雷を迎撃する。
いくつかの機雷を蜂の巣に撃破し幾つかの機雷はデブリにぶつかり爆発するが…如何せん突撃艇の火力では限界があった。
急造艦の一隻は、デブリをかわしその間を抜けたところ先回りをしていた思考機雷に正面から衝突し船体の1/3を失い爆炎を上げながらデブリに激突し爆発する。
また、別の急造艦は、3機の機雷に追いつかれ大爆発を起こし粉砕される。
「急造艦1番艦、5番艦轟沈・・・くそっ6番艦も喰われた!!」
アルファ級突撃艇のオペレーター男が、そう叫ぶ間にもまた1隻と思考機雷の犠牲になっていく。
「アルファ級突撃艇2番艦、機雷一発命中、中破…だめだ、機雷に囲まれてる…」
オペレーターの悲痛な叫びと同時に爆発の閃光と衝撃が船体を揺らす。
「アルファ級2番艦、反応ロスト…ちくしょう、急造艦4番艦の反応も消えた!!」
「兎に角、このデブリ帯から抜けろ!」
痩身の男の命令で残存の突撃艇が、デブリ帯の外へと向かっていく。
「ほう、2隻も機雷源を抜けてくるか…ストームリーダーより各機へ、敵突撃艇に仕掛けるぞ!! 俺とストーム2は、上方から残りは下方からタイミングを合わせて一気に行くぞ」
「「「「了解」」」」
隆は、小隊に指示を出すとコスモタイガーを旋回させ敵突撃艇へと向かい加速させる。ストーム小隊と無人機部隊は、一糸乱れない動きで編隊を組む
と二手に別れ迎撃に向かっていった。
海賊の別働隊を率いていた痩身の男は、デブリ帯を抜け思考機雷を振り切る事に成功した。その表情も生き残った安堵感でわずかに緩む。
だが、受けた被害の大きさにこのまま、輸送艦を追撃する事は、無謀だと考えていた。
「後退するぞ、本隊と合流す「敵機接近…船団上方から6機、下方から9機」
痩身の男が、後退命令を出すのと同時にオペレーターの悲痛な叫びが、ブリッジに響く。
「対空防御…全砲撃ちまくれ!!」
痩身の男が、叫ぶと同時に唯一生き残った急造艦に4発のミサイルが直撃し文字通り、粉微塵となる。それを見た痩身の男は、もはや、逃げる事もかなわない事を悟った…一度うつむくと震える声で
「機関停止…発光信号、当方に交戦の意志無し…降伏する…」そう言うと自らも通信機を取ると…全周波数で降伏の意を伝えた。
「こちら、コスモアドベンチャー・フレイヤ所属、コスモタイガー、ストーム小隊隊長、山本隆だ、こちらの指示に従ってもらう。また、おかしな行動を取れば、容赦なく撃沈する」
「わかってるさ・・・アルファ級一隻でコスモタイガー15機、ベガ級4隻を相手に出来るなんて思っていない…降伏する」痩身の男は、そう言うと船長席座った。
「ストームリーダーよりストーム3、ストーム4、ストーム5は、無人機を2機ずつ率いて輸送艦の直衛につけ、俺とストーム2と残りの無人機でこいつを見張る」
「ストーム3了解」
「ストーム4了解」
「ストーム5了解」
隆の命令にコスモタイガー9機が輸送艦の方向へと飛翔すし6機のコスモタイガーが、アルファ級突撃艇を囲みいつでも撃沈できるようにロックオンした。
side 海賊
「輸送艦追撃部隊…壊滅!!」
ブラックフェニックスのブリッジにオペレーターの驚愕の声が響き渡った。その表情は、信じられないと驚きを隠せずにいる。
「デブリ帯に思考機雷だと…俺たちの動きを読んでたとでも言うのか!!」
馬鹿な!! 相手は、20日前宇宙に出たばかりの14歳の小娘が指揮する、コスモアドベンチャーだぞ!
そいつに、突撃艇とはいえ8隻もやられただと…ありえねぇ…
「艦長!!…これだけの思考機雷を設置していると言う事は、向こうはかなり前からこちらの接近に気が付いていた、と言う事は、油断なく索敵しこちらを罠に掛けたんです」
「そんなことは、分かってら!」
お頭は、ブラックフェニックスでただ一人、自分の事を艦長と呼ぶ副長を怒鳴りつける。ガルマンガミラス人の元軍人で中肉中背ながら目つきの鋭い妙に迫力の有るこの男の事を好かないせいもあり…その怒鳴り声もさらに荒いものとなる。
「艦長、と言う事は俺たちの方にも罠が張られている可能性が高いと思いませんか、しかも相手は世間知らずの小娘じゃない、オリジナルの新鋭艦を擁する精鋭と考えた方が良いと思います。こちらも全力で事にあたるべきです…いいですか?」
副長の方は、そんな怒声も気にならないといった感じで表情一つ変えずに言葉を続ける。その様子にお頭は、さらに怒りを募らせるが、そこは歴戦の海賊である。すぐに冷静さを取り戻していた。
「ぐっ、油断があったとはいえ…14歳の小娘相手に突撃艇を8隻も失って手ぶらで帰ったらボスに殺されちまう…ここは何としてもあの船を手に入れるぞ!!
野郎どもこの辺りにある全スクラップシップを起動させろ・・・無力化させるためなら中破、いや大破させてもかなわねぇ」
「艦長、念には念を入れて水雷戦隊とシンも出します…いいですね?」
気を引き締め指示を出すお頭に副長が更なる切り札の投入を進言する。
「かまわねぇが、シンの手綱はしっかりと握って置けよ」
「分かっています…あの女を盾にすれば幾らでも言う事を聞きますよ・・彼はね」
「触れる事も出来ない、女の為にご苦労なこったぜ…奴への出撃命令は、てめぇが出せ」
「了解しました」
副長は、そういうとオペレーターの席に行き、150メートル級突撃低を改造した、2隻の水雷母艦に通信を繋いだ。
「全水雷艇発進せよ…護衛のデスイーターも全機ださせろ…それとシンに繋いでくれ」
「わかりやした、おめーら 水雷艇!!全機発進させろ、護衛機も全機出せ…シン、副長のダンナがお呼びだ・・・早く出ろ」
ホログラムスクリーンが切り替わり戦闘機の格納庫に繋がる。
「なんだ?」
黒髪を短く切りそろえたアジア系の男が、通信に出る。
「また、お前に出てもらう・・・水雷戦隊の護衛だ、相手は、最新のコスモタイガーD17を多数出してきている」
「ふん、14歳の小娘が指揮する楽な相手じゃなかったのか…」
「皮肉はいい、貴様は、貴様の仕事をすればいい…ヘマをすれば、化物に捕らわれた麗しのお姫様がどうなるか「分かってる…サラには、手を出すな!!」
副長の声を遮りシンが、怒鳴る。
「分かっているならいいさ、貴様が、役立つ間は、女には手を出さん…後は言わなくてもわかるな?」
「ああ…分かってるさ」
シンは、そう言うと通信を切り、自分に与えられた黒いコスモタイガーD17の改造機に乗込んだ。
「シン、コスモライガー(D17改のこと)出る」
重力カタパルトの加速をえた、コスモライガーが、猛スピードで10機の水雷艇と護衛の戦闘機を追い抜き部隊の先頭に立つ。
…サラ、絶対に助け出す、たとえこの手が、幾ら血に汚れようとも…その為にも今は、目の前の敵を叩き落とすのみ…シンは、そう心に誓うと水雷船隊と共に海賊本隊とは小惑星を挟んで逆ルートでフレイヤを目指していった。
その様子をブラックフェニックスのホログラムスクリーンで見ていた副長は、…逃げる事も、逆らう事も出来ない哀れな男の様子に満足そうに頷いていた。
「前方に多数の思考機雷を反応あり…本船団に向かって高速で接近中!!」
ブラックフェニックスのレーダー員が叫ぶ
「全艦、密集隊形…全パルスレーザ―砲、対空ミサイル発射用意、対艦ミサイル発射管にボムガードとバリアミサイル装填…発射―――!!」
お頭の号令と共に艦首魚雷発射管からバリアミサイルが発射され、艦側舷のミサイル発射管からボムガードが発射される。
バリアミサイルは、接近してくる思考機雷の進路を塞ぐように鏡面上のバリアを展開させる。計12発のバリアミサイルが発生させた鏡面バリアの次々思考機雷が激突し爆発していく。
鏡面バリアを迂回した思考機雷群をボムガードが迎撃する。対艦ミサイルが、思考機雷群の直前で破裂し無数のベアリング弾を広範囲にばら撒いていく。
接近してきた思考機雷は、次々ベアリング弾を食い込ませていき爆発していく。
「バリアミサイル、ボムガード…思考機雷のおよそ87%を破壊…残り43機接近中」
「くそったれ!・・・なんて数の機雷を仕掛けてやがるんだ、全艦隊対空防御、防御シェルに穴を開けるなよ」
お頭の号令の下、海賊艦隊は、接近してくる思考機雷群に向けて、主砲をパスルレーザーを対空ミサイルを撃ちまくる。
650メートル級のマーズ級重巡洋艦の含む艦隊の濃厚な対空砲火に思考機雷は、次々撃ち落とされ爆発していく。それでも、ミサイル駆逐艦2番艦に3機命中しダメージを与えていく。
「フレッチャー級2番艦、機雷3機と接触…中破…艦内にシアンガス発生、火災は消火できたようです」
オペレーターが、被害を報告する。
「思考機雷反応なし…全て撃ち落としたようです。被害は、先程のフレッチャー級2番艦のみです」
「応急修理急がせろ!」
「直衛機隊、敵機と交戦に入りました」
オペレーターが、叫ぶと同時に艦隊の前方で幾つもの火球の華が咲き乱れるのだった。
海賊side end
「ちっ…流石に本隊の方は、罠を警戒していたか…」
バリアミサイル、ボムガードで次々に破壊されていく思考機雷を見ながら健二が呟く。
「こちら、フェアリー4、敵編隊を確認、急速にこちらに向かってきているわ…数25!!」
「敵の直衛機か…ポイントβ11 タリホー…全機続け」
健二の号令と共にライトニング、ピクシー、フェアリー各小隊のコスモタイガーと無人機部隊は、一斉に加速すると敵編隊の下方から突き上げるように攻撃を開始する。
性能的にも数的にも勝っているコスモタイガー隊の攻撃を受け、すれ違い様に6機のデスイーターが、火を噴きながら編隊から脱落していきある機体は、小惑星に激突し、ある機体は、燃料に引火し大爆発を起こす。
健二は、スプリットSで敵編隊の後ろにつけると…バレルロール気味に編隊に突っ込んでいくとパルスレーザーを連射する。立て続けに2機の敵機を蜂の巣にすると一気に上昇し離脱を図る。
健二のコスモタイガー追撃しようとした2機のデスイーターは、待っていましたとばかりにライトニング2と3が後ろを取りパルスレーザーの餌食にしていく。
対艦装備のピクシー、フェアリー小隊もまた、連携攻撃で次々に敵機を撃ち落して言った。
海賊の直衛機が、残り9機になった時
「麗、詩織、ここは、もう俺達、ライトニング小隊で十分だ、お前達は、海賊艦隊を叩きに行け」
健二は、そう通信しながらも巧みに敵機の後ろを取り撃墜していく…
「了解、全機…敵艦隊に向かうって何よこれ」
海賊船団へ攻撃命令を出そうとした麗が、コスモタイガーのレーダーに無数の敵を表す光点が現れたのを見て悲鳴のような声を上げる。
「何が起こったんだ…ドローンの索敵でも伏兵は、無かった筈だぞ!」
健二が怒鳴りながら機体を旋回させ周囲を見回す。そると、今までデブリだと思っていた大小様々な廃艦が、フレイヤの居る、ガス雲に向け砲撃しながら突撃していく姿だった。
「何なのあれ…」
詩織が驚くのも無理はないだろう…フレイヤに突撃していく廃艦を見て驚きの声を上げる。之が、廃艦にカモフラージュされた船団なら驚きもし無かっただろう。
しかし、フレイヤに突撃していく廃艦は、船体に大きな穴が開いているなど当たり前で、補助エンジンしか吹かしていない艦もある。
砲撃している武装も砲塔一基しか稼動していない戦艦もあるぐらいだ。
「なんて、ふざけた罠仕掛けてやがる…麗、詩織、対艦装備のコスモタイガー全機であのスクラップを沈めるんだ!!…いくらフレイヤでもあの数は、対応し切れないぞ、それにあの動き、体当たりも普通にやるはずだ絶対にフレイヤにぶつけさせるな!!」
「了解、ピクシーリーダーより各機へ、あのジャンクもどきを本当のジャンクにするわよ」
「フェアリーリーダーより各機へ、相手の数が多いわ、破損箇所を狙って一撃で仕留めていくわよ」
麗と詩織の指示に小隊員から「了解」の返事が届くと同時にライトニング小隊を残したコスモタイガー隊は、スクラップシップの迎撃に向かったのだった。
ガス雲に突入したフレイヤは、レーダーすら使えなくなる高濃度の不燃性ガスの中に身を隠していた。
「輸送艦に向かった、海賊の別働隊、思考機雷源に突入しました」
リリアは、無人探索ドローンからの通信ワイヤーでもたらされて来るデーターをメインスクリーンに投影する。
メインスクリーンには、次々と思考機雷の餌食になっていく海賊の突撃艇戦隊の姿だった。
「急造艦4、アルファ級1轟沈を確認」
「別働隊は、壊滅状態ね…後は、隆さんが何とかしてくれるわ」
優が、そういう言うと同時に
「ストーム小隊攻撃開始、急造艦撃沈…アルファ級、機関停止、発行信号確認、降伏信号です」
香織が、報告すと
「流石、隆さん仕事が速いわ」
と感心したように言う。
「向こうは、もう大丈夫のようね、さあ、今度は、こっちの番よ…海賊は、思考機雷に気づいている筈だわ。気を引き締めていくわよ」
優が、全艦に檄を飛ばす。
優の言う通りに海賊は、バリアミサイル、ボムガードで機雷を迎撃しその大半破壊すると残りの機雷も対空攻撃で次々撃ち落していく。
それでもミサイル駆逐艦に3機の嫌いが激突し中破させたときは、フレイヤの艦内に歓声が上がった。
「コスモタイガー隊、敵直衛と交戦」
リリアが、メインスクリーンをコスモタイガー隊にあわせる。
メインスクリーンに映し出されたその戦況は、コスモタイガー隊が、次々に敵機を撃ち落している様子だった。
「このままなら、コスモタイガーの対艦攻撃で終わりそうね」
香織が、モニターを見ながら呟く。
重巡1、駆逐艦3隻では、対艦装備のコスモタイガー31機の攻撃に耐えられるとは到底思えないかえらだ。
優もそろそろ降伏勧告をするか迷い始めたときそれは突然起こった。
リリアが見ていた、コスモレーダーに突如、無数の光点が表示される。
「デブリ帯に敵艦の反応多数あり・・・総数65隻!!」
リリアが、信じられないという表情で言う、その声は、少し震えていた。
「そんな、この辺りのデブリ帯は、ストーム小隊と無人探索ドローンで十分調べたはずよ!?」
「私のセンサーも無人ドローンのセンサーも生命反応、エネルギー反応、如何なるセンサーの反応、熱反応もありませんでした。時空ソナーにも反応ありませんでした」
フレイヤが答える。
「コスモレーダーも行き成りデブリ帯から敵艦の反応が・・・いえ、デブリが敵艦の反応になったとしか言いようがありません」
リリアが、言う。
「接近してくる敵艦隊を映して」
優が言うと同時にメインスクリーン、ホログラムスクリーンにスクラップシップが、映し出される。
「何コレ…ふざけてるの!?」
思わず叫ぶ、優に、香織も、リリアも信じられないといった表情でみていた。
優も健二もふざけているといった、スクラップシップだが、このビルトフェルト暗礁宙域では、かなり有効な戦法でもあった。
その理由の一つに廃艦やデブリの使える部品を集めて作る為に元手が完全に0であること
理由その2に起動するまで如何なるエネルギー反応もなく、センサー類も起動してないのでまったく周りのデブリと見分けが付かないという事だ
現に、最新鋭のフレイヤのセンサーにも引っかからず、近くを通ったストーム小隊のセンサーや目視でも見分けられなかっただから…
「大昔のブービートラップね」
優が呟くのと同時にスクラップシップが一斉に砲撃を開始する。
「ブービートラップ?」香織が、優の呟きを聞き思わず聞き返す。
「旧時代の大戦時に使われた間抜けな罠のことよ・・・戦車を破壊されたように偽装してその前を無警戒に通り過ぎようした間抜けな敵をズドンとね・・・ただここまで、大規模にやるなんて普通考えないけどね」
優が、半ば呆れたように言うが、どの表情は、真剣そのもので、この事態に対する対応を支援するべく戦略モニターを食い入る様に見つめていた。その間もスクラップシップからは絶え間なく砲撃が続いていた。
ガス雲の中にいるため補足出来ていないのかその砲撃は、ガス雲全体をターゲットにしているようで今のところ直撃する事は無いが、其れも時間の問題といった所だろう。
「ガス雲の裏に出つつ、ドローンとのレーダーリンクシステムであのスクラップもどきを砲撃…ガス雲を盾に出来るだけ数を減らすわよ」
「了解、コースターン左110度…ガス雲の裏側に出ます」
ガス雲の裏に移動する間もアムロとシャアの砲撃が、スクラップシップ数隻沈めていく…
「優、あのスクラップもどき…体当たりするつもりだぞ…距離を取るんだ」
アムロが、ブリッジに通信を入れる。
「アムロさん?・・・分かったわ、アナライザー!!」
「了解デス、最大戦速でガス雲カラ離レマス」
相手が、体当たりしてくるのであればガス雲は、視界を遮る目隠しでしかない…
優は、アムロの警告を受け、ガス雲の裏からさらに後方に離れていく。
しかし、海賊の本命が、まだ物にあることをまだ優たちが知る事はなかった。