「アンタっ……なんなのよっ……?」
排泄器官を刺激させられる不快さと、恥ずかしさに高揚している自分の身体に戸惑いながら凛子は言う。
その頬は夕焼けのように紅潮していた。
「ふふっ。私は姉ヶ崎寧々よ。あなたの二つセンパイになるの。初めまして。凛子ちゃん」
くいくいっと指が動かされるたびに、凛子の身体にもどかしさが走る。汚らわしいはずなのに、なぜか嫌悪感以外の感情があることに気づく。
「姉ヶ崎……? アタシに……なんの用なのよ!? なんでこんなこと……」
「んー。だから騒がないでって言ってるじゃない。誰か来ちゃうよ?」
「やめてって言ってんの! 叫ぶよ!本当に!」
「もぉ……」
アナルを塞いでいた指を外し、寧々は凛子のスカートをまくる。真っ白な脚に水色のショーツが図書室の空気に晒された。
「きゃっ!!」
「ふふっ。カワイイ下着なのね。凛子ちゃん」
「や、やめてって……」
「いいのよ。人を呼んでも。そしたら、凛子ちゃんのカワイイお尻と、カワイイ下着が見られちゃうわよ?」
「やっ……やだ……」
手錠をかけられた格好で、丸出しの下着を見られる。室内には男子も残っていたはず。
嫌だ。見られたくない。
その思考が凛子の心中で団結を組む。
かたかたと、膝を震えさせながら凛子はぐっと唇を噛んだ。
「そうそう。大人しくしててねー。誰か来たら、恥ずかしい思いをするのはあなたなのよー」
そう言いながら、寧々の手はお尻から太ももへ。そして、しなやかな指先は凛子の秘部を掠めるように踊らせる。
「ひっ!?」くすぐったさと気味悪さが不可思議な心境となって入り混じる。
「やっ……やめっ……あんた…………んぅ……なんの……つもりっ……!?」
「うふふ……敏感なのねー。撫でるたびにぴくってなってるよ……えっちね」
「んはぁ!?…………くぅぅ…………」
耳元で囁くように言われ、凛子の顔は真っ赤に染まる。
「ち、違う! あんたいい加減にしなよっ!!」
「しーっ。ダメよ。大声出しちゃ……」
「うるさい! 誰かに見られたら困るのはむしろあんたでしょ!? アタシは下着ぐらい見られたってべつ・・・むぐっ!?」
噛みつかんばかりの勢いでまくし立てた凛子だったが、その口は寧々の唇によって塞がれた。
「んんっ!?」
ぺちゅりとした気泡音が口内で奏でられた。その合図と共に、凛子の舌がいやらしい音と共に吸い上げられる。
「んふぅぅぅん……んー! んー!」
柔らかな寧々の舌が、凛子の舌を蹂躙する。吸い上げられるたびに彼女の頭には白いもやが覆われる。
「ぷはぁっ。もうっ……静かにしてって言ってるのに……そんな聞き分けのない子はお仕置きだよ……?」
「はぁぁ……はぁ……」
肩で大きく息をする凛子に対し、寧々はカバンからハサミを取り出した。突然現れた凶器に、凛子の顔は瞬間的に引きつる。
「確かに、あなたの言うとおり。下着姿ぐらいなら見られても平気だもんね。だ・か・ら……動いちゃダメよー?」
ジョキン。
ハサミの切断音が耳に届く。柔らか布地を切った音が耳に届く。何が切られたのかは、数秒遅れで床に落ちた下着が教えてくれた。
下着の形を成していない、ただの布切れが、見えたことで。
「わぁ。あなたの恥ずかしいところが丸見えだよ。学校で、こんな短いスカートで、ノーパンなんて想像しただけで恥ずかしー」
「うそ……そんな……」
放心状態な彼女の身体を、寧々はくるりと回転させる。
壁に背中を押しつけて、寧々は大きな瞳を瞬いて、凛子の前へ近づいていく。
後ろ手でかけられた手錠が壁にぶつかるたびに、かちゃりと無神経な音色を奏でている。
「ふふっ。凛子ちゃん。恥ずかしい? ねぇ恥ずかしい?」
先ほどまでのおっとりとした表情は、妖艶な女の表情に変わっていた。屈辱と恥辱が入り混じり、凛子の涙腺は僅かに緩む。
「あんた……どういうつもり……? アタシがなんかしたっての……?」
「そっか。そうだよね。初対面だもの。わからないのも無理ないわー」
そう言って寧々は制服の下からそっと手をいれる。控えめな膨らみを守る下着はすぐにまくり上げられ、滑らかな指先が凛子の乳首へと触れる。
「くぅん、ふっ、くぅぅぅん……はぁ……」
乳房を撫でるように、そして時折乳首をつつくように。
「ふぁぁぁ……くぅぅ……」
自然と漏れる甘い吐息。その色の入った声色が出てしまっていることに凛子は気づく。こんなところで、こんな格好で、感じている自分にショックを受ける。
そんな凛子の心を見透かしたかのように、寧々は満面の笑みを見せていた。
「気持ちいいんだねー。凛子ちゃん。敏感なんだー」
「ちがっ……だ、だめぇぇ……」
「ねぇ凛子ちゃん。一緒に図書委員してる男の子。ずいぶん仲がいいみたいじゃない?」
「なっ……あんたには……関係ない……くぁぁぁぁん!」
凛子の言葉が癇に障ったのか、フェザータッチから一転、乳首の先を局所的に責める寧々。
「関係あるのよ。あんまり仲良く一緒にいられるとね。私、心配で心配で……ふふっ。カワイイ。乳首かたくなってるわ。興奮しちゃってるの?」
「ち、ちが……きゃうん!! ……や、やめて……」
「うっそー? こんなにコリコリしちゃってるのに? 気持ちいいんだ。ねっ。どこが気持ちいい?」
「気持よくなんて……あるわけ…‥ふぅぅっ! だ、だめぇっ!?」
「言って。言わなきゃもっと強くつねっちゃうよ?」
「きゅぅぅ! 言うっ……言うからお願い……」
寧々の優しく威圧的な言葉に凛子の心は無力だった。恥ずかしいはずのこの状況で、この言葉を発することがどれほどの屈辱か。しかし、抗うすべはなかった。
「……乳首が……気持ちいい……」
「ふふっ。よく言えましたー。えらいえらい」
笑顔でそう告げて、寧々は再び凛子の唇を奪った。
「はうむ、んく。ふぅぅぅ……ちゅっ……あむ…じゅるっ……れろっ……あむっ……ちゅっ……ずずっ……」
唾液と唾液の橋渡し。凛子の唇から伸びた糸は、寧々の唇へとリンクする。
「ねっとりと……お口を犯してあげる……まっしろになっちゃっていいんだよー……?」
「んむ……んむぅん、んふ……んふ、んふぅん…………ふやぁぁ……」