第九十六話 蝶よ花よと愛でられるだけの女性ではありませんわ 慌ててあやかを追いかけたむつきであったが、追いかけるのは割と簡単であった。 なにせ廊下に温泉のお湯がびたびた落ちていたので、姿は見えずとも追えたのだ。 後始末は、他のお嫁さんたちに任せ、やって来たのは二階にあるあやかの私室である。 直ぐにでもあやかを落ち着ける為に、してあげたいのだが。 あやかのあのセックス時の淫乱化は良いとして、その後の恥ずかしがりやはなんとかしたい。 毎度毎度あの落差では、そのうちあやかがちゃんとセックスに没頭できなくなりそうだ。 愛し合う時は底抜けに愛し合いたいのである。 さてどうしようかと思っていると、階段を上ってくる数人の足音に振り返った。 むつきのように浴衣を軽くはおり、長い髪の毛をバスタオルで包み込んだ姿の夕映、木乃香に刹那だ。「先生と委員長の着替え持ってきました。床のしぶきは、申し訳ないですが絡繰りさんにお願いしたです」「サンキュー、夕映。で、刹那と木乃香は?」「このちゃん、ここは先生と夕映さんにお任せして……」「うちは、ちょっと委員長に共感して。なんかしてあげられへんかなって」「このちゃんが雪広さんのために、なにかしたいとおっしゃったので」 刹那だけは消極的理由だが、夕映も木乃香もあやかのことが気になっているようだ。「んー、真面目組が来た感じか。これなら……お前ら、ちょっと手伝ってくれるか? あやかの羞恥心に対する特訓したいから」「特訓ですか?」 タオルで髪の水けを乾かしながら器用に小首を傾げた夕映に頷いて返す。「ほら、あやかってセックス中と後で落差激しいだろ。あやかはお嬢様な自分との息抜きも兼ねてるから、変な苦手意識とか持って欲しくないんだ。で、人をちゃかしたりしない夕映たちに手伝って欲しいなって」「ええよ、うち今日ほど委員長と仲間意識持ったことないから。なんでもするえ」「自身のギャップに対する苦しみには多少覚えがあります。及ばずながら……ぁっ、でもできれば先生とのハードなことはまだ……」「悪い、ありがたい。その辺りはパッと考えて」 そう言えば、まだ刹那の口からきちんと告白されていないことを思い出しつつ。 この二人はレズッ気というか、結構本気で足突っ込んでたよなと木乃香と刹那を見下ろす。 二人とも、夕映もだが日本人らしい黒髪が温泉で濡れて可愛らしさの中に女らしさも感じる。 ひとまず本当にぱっと思いついた事を、耳を貸して貰ってごにょごにょと伝えた。 それで直ぐにあやかの落差が直るとは思えないが、気長にやるしかない。 刹那は少し躊躇したようだが、木乃香に押し切れらるように最終的には頷いてくれた。 それから軽く小声で打ち合わせて、改めてあやかの部屋をノックした。「……今は、誰もいませんわ」 少しの沈黙の後にそう言葉が返って来たが、それはひょっとしてギャグで言っているのか。 テンパってるなと込みあがる笑いを飲み込んで、ガラッと襖を開けた。 相変わらず、遊具というかパズルやなんやら飽きっぽい趣味人の部屋という様子だが。 和室にはちょっと不釣合いなベッドの上で、あやかはまくらを抱きしめ女の子座りしていた。 一応ゆかたを羽織っているが、帯は締められておらず着崩れたどころの状態ではない。 そしてむつきの他に夕映たちもいると気づくと、小さな枕に隠れるように体を小さくし始める。「あやか見ーつけた」「あっ、か……返してくださいまし!」 むつきが枕を取り上げると、両手をぱたぱたさせながら取り返しにかかる。 子供っぽいしぐさのあやかも可愛らしいが、もう少しあやかには吹っ切れて貰わなければならない。 だからまずは慌てているあやかを、むつきが押し倒しそのまま唇を塞いだ。「んーっ!」 唐突におこなれた行為に当初あやかは抵抗したが、抵抗は即座に無意味となっていった。 両手首を取られベッドの上に押さえつけられ、腰辺りにむつきがまたがり起き上がることもできない。 いっそあやかが本気を出せばむつきぐらい投げ飛ばせるのであろうが。 ちょっと乱暴な行為でも愛する相手に求められている状態で、乱暴に返せるはずもない。 抵抗ならぬ抵抗は一分にも満たず、やがてあやかは大人しくむつきの跳梁を受け入れ始めた。 むしろ自分から求めるようにむつきの背に手を伸ばして抱きしめ、浴衣を引っ張るように握りしめる。「んぅ、はぅ……先生、あぁっ」 元からきちんと着ていなかった二人の浴衣は、互いの体の摩擦で裾が開きタオルケット以下と成り果てる。 後は若い男女が一つのベッドの上で絡み合うように唇を合わせ互いの唾液を容赦なく交換しあっていた。「ひゃー、先生相変わらず情熱的や。せっちゃんもはよう、求められような?」「う、うち……まだ、怖い」「大丈夫ですよ、初夜を迎えていない人に先生はここまで激しく求めませんから。迎えた後は、ご想像にというかこのありさまですが」 あやかとむつきの絡みようを一人冷静に評する夕映は置いておいた。「ぷはぁ……」 唇を離し、むつきが大きく息を吸った頃にはあやかはベッドの上でくてりとしていた。 先ほどとは違う意味で頬に赤みがさし、潤んだ瞳でむつきを見つめては恥ずかしげに視線をそらす。 もじもじと身じろぎする体はある部分、秘所を隠すように太ももをすり合わせている。 直接見たわけではないが、あやかの女の子がどういう状態であるかは語るまでもない。 殆ど、何時でもむつきを受け入れられる状態だろうが、今回は少し趣旨が違う。 情熱的なキスはあくまで、逃れようとするあやかの意識をむつきへ向けさせる為にしただけだ。「あやか、大丈夫か?」「先生、私の中に……」「それはちょっとお預け。三人とも、良い?」 先ほどの続きをと言い出したあやかに悪戯っぽくむつきが笑いかける。 最後にもう一度だけあやかに軽く口づけ、むつきはお待たせと夕映たちに振り返った。 事前の打ち合わせ通り、それではと夕映が頷き返す。「では不肖、私が真ん中ということで。木乃香さんと隣同士でなく、桜咲さんには申し訳ありませんが」「いえ、私は……」「先生にらぶらぶして貰えるから、せっちゃん気にしてへんえ」 何故という顔を悲しげに浮かべたあやかの上からむつきは退き、バトンタッチである。 あやかのお腹の上にぽふりと夕映が尻もちをつき、それから四つん這いになってあやかの顔を上から覗き込んだ。 さらにその両脇、右手に刹那が、左手に木乃香が四つん這いとなってベッドに上がり込む。 あとは夕映に合わせる様に、あやかの顔を上から覗き込んでいった。 クラスメイト以上に親しい間柄とはいえ、さすがに三人の少女に上から覗き込まれあやかはかなり戸惑った様子である。「せ、先生?」「今から、夕映たちを可愛がるから。あやかは三人を良く見るんだ」「結論を先に述べてしまえば、淫乱なのは決して委員長だけではないですよ」 自分を淫乱と言った夕映の言葉を聞いて、少なからずあやかは驚いていた。 いや、あやかだって今まで皆と一緒に愛されてきて、ちゃんと知っているはずだ。 皆がむつきに愛されることでどれだけ幸せそうで、快楽におぼれているか。「委員長は恐らく、んぅ。先生、いきなりアレを擦りつけるのは愛撫としては激しいのでは?」 真ん中にいる夕映のお尻に、むつきは半勃起状態の一物をぐりぐり押し付けていた。 まだ夕映の説明の途中だったが、可愛いお尻が三つも揺れていて我慢できなかったのだ。「結論ありきじゃ、あやかも納得できないだろ。木乃香と刹那は手で触るからな」「説明された時はピンとこうへんかったけど、うち今すごいエッチな格好しとる」「ぁっ、先生のお手が……」 夕映の言う通り愛撫としては一方的とも言えるが、それはむつきの両手がふさがっていたからだ。 同時に木乃香と刹那のお尻に触れ、まだ浴衣の上からだがそっと撫でまわし始める。 夕映よりは成長したお尻だが、女性と呼ぶにはまだまだ可愛いお尻であった。 あえて浴衣の上から、だからこそその中にどんな可愛い桃尻がとむつきの気分も高まって来た。「ほら、振り返らない。エッチな顔をあやかに見て貰うんだ」 特に木乃香と刹那が恥ずかしいと、むつきに懇願するように振り返って来ていた。 しかしそれでは意味がないと、お尻とは違う割れ目に指を添えてくいっと指を曲げ軽い刺激を送る。 パンツどころか、浴衣越しであったが弱いながらもしっかり伝わる刺激に二人がビクリと震えた。 衣服越しとはいえ恥ずかしい場所に触れられ、二人の顔が頬を染めながらむつきからそれていく。 三人のお尻の丸みを楽しむ様にちょっと時間を掛け、極々弱い愛撫を続ける。 もどかしいと、もっとと可愛いお尻がふりふり振られ、自分から押し付けてくるまで。「ぁっ、ぁっ……先生が大きく、硬くなっていくのがお尻で分かるです。私達で興奮してくれてるです。腰が止まらないです。私、自分から腰を振って誘ってるですよ」「うぅ、お股ぴりぴりするのに。先生意地悪や。せっちゃん、せっちゃんからおねだりしてや。うち、恥ずかしゅうてそんな事は言えへんえ」「このちゃんこそ、うちかて。先生……うちとこのちゃんの、やっぱり言えへんえ!」 単純に慣れの差なのだろうが、夕映の方がむつきの愛撫に対して正直であった。 獣のように四つん這いとなりむつきからの愛撫だけでは足りないと、腰を振ったと白状している。 今もわざわざむつきが立ち上がる一物を自らこすりつけずとも、咥えこみたいと夕映の腰が動いていた。 それに対し、木乃香と刹那は若干本心が漏れているが、きちんと言葉にできていない。 同じようにむつきの手にお尻をすりつけているようで、やはり未経験ゆえに腰の動きがつたない。 むつきが適度にコントロールしてあげねば、むずがゆいような微妙な感覚が長く続く事だろう。 だかむつきもまだ、特に木乃香と刹那のリクエストには応えるつもりはなかった。 夕映の腰振りに応えて一物を押し付けはしても、二人には指先で股座の奥をとんとん叩く程度。 三人が時々体を震わせる様を後ろからつぶさに確認しながら、愛撫こそされていないが主役に問いかける。「あやか、どうだクラスメイトが俺に愛撫された時の表情は?」「木乃香さんと桜咲さんは、可愛らしく恥ずかしそうに。夕映さんは、愛される事を喜ぶように。私とは……」 まだまだ愛撫は序盤、あやかの心の扉を開くには弱いのだろう。「ひゃぅ」「くっ」 木乃香が背中に冷水でも垂らされたような声をあげ、刹那が歯を食いしばったような声を上げる。 浴衣のすそをまくり上げ、ぴったり張り付いたパンツへとむつきが手を触れたのだ。 生憎、柄や色を覗き見る余裕はないが、浴衣の上から触れた感触とは大違い。 二人の暖かな体温と、敏感な部分をそっと多い守る薄いパンツの生地が丸みを帯びて滑らかである。 尾てい骨から大きな割れ目を滑り落ち、やがて湿り気を帯びた別の割れ目にたどり着く。 指先だけを往復させれば、湿り気が集まりしっとりと指先が濡れ始める。 柔らかな秘所の割れ目に指を静めては愛液を指に集め、優しく優しく擦り上げた。 できればその音さえあやかに聞かせてあげたかったが、五人も部屋にいては無理だろうか。「先生、そこあかんえ。大事なとこやから、優しくしてやんっ」「指が、先生の指が。うちの恥ずかしいので」 大事なところとは、恥ずかしいのとはこれかと一際強く指を沈み込ませた。「あんっ」 木乃香と刹那の声が重なり、むつきの指から逃れる様にお尻が跳ね上がる。 もちろん逃げ切れるはずもなく、愛液が接着剤にでもなったかのようにむつきの指先は離れない。 むしろ跳ね上がっていたお尻が落ちると同時に、さらに深く指が沈み込む。 何度もお尻が跳ね上がっては指が沈み込み、快楽の悪循環に二人は陥っていく。「先生、木乃香さんと桜咲さんだけ、ずるいです。私もちゃんと可愛がってください」 むつきの両手がふさがっていることを知った上で、夕映は片手で浴衣のすそをまくり上げた。 夕映のお尻を包むのはフリルがあしらわれた中学生らしい白いパンツ。 ただし、布地は三角形と小さく腰の両端に続く紐が蝶々結びで固定された紐パンだ。 その紐をすーっと夕映が後ろ手に引っ張り、片方ずつほどいてははらりとベッドの上に落とした。 薄布に包まれていた夕映の桃尻はむつきの目の前で、秘所からとろとろ愛液が流れ落ちている。 あれだけ入りたいと一物を擦りつけられては、お嫁さんとしては準備せざるを得なかったのだろう。「どうぞ、私の中に……」「もう少し、待っててくれ」「んぅっ!」 足並みは大事だと、むつきは挿入せず夕映の割れ目を一物でこすり上げるに止めた。 勃起した一物に夕映の愛液をしみこませるように、指の代わりに一物でなぞり擦り上げる。「夕映、はやくエッチしたいからって抜け駆けはいけないんだぞ、ほら」「はぅっ、腰が浮いてしまうです。先生の熱いのが、こんなの……委員長、お胸借りるです」「ゆ、夕映さん?!」 性器同士の直接的な愛撫はちょっと刺激が強かったらしい。 夕映の腕は震えて四つん這いの状態を維持できず、あやかのたおやかな胸の上に顔から崩れ落ちる。 それでも、もぞもぞと動いてはあやかに自分の顔が見えるよう必死に顔をあげようとしていた。 身もだえる夕映の表情のみならず熱い吐息を直接胸で受け止め、さすがにあやかの視線がそれかける。「夕映ずるい、うちも。腕限界、委員長うちも」「すみません、うちも……」「三人同時はさすが、あっ」 あやかを引き留めたのは、続いてギブアップを宣言してきた木乃香と刹那であった。 少女とはいえ四人が眠るには狭いベッドの上であり、自然と二人の顔はあやかの両側に落ちて来た。 正面には胸に埋もれ喘ぐ夕映が、視線をそらそうにも両側には同じように木乃香と刹那がシーツを懸命に握りしめている。 何処にも逃げ場はなく、唯一の天井も今は逃げ場にはならなかった。 視界を閉ざそうと三人の熱い息遣いが強制的に耳に入り込んでは、その中からあやかに見せつけてくる。 前戯を始めた時の肉体的に愛される羞恥や悦びとは明らかに違っていた。 上半身とは逆に、高く突き上げられた腰が痙攣するように持ち上がるたびに、ギュッと瞳を閉じる。 愛か性欲か、一度閉じてから開かれた瞳には、どちらともつかない光が増え始めていた。「せ、先生……」「あやか、三人とも嬉しそうに腰を上げてるだろ。俺には見えないが、エロイ表情だろ?」「はい、濡れた瞳を見ていると私も吸い込まれそうな。あぁ、先生に直接愛でられていないはずなのに……同じ立場の夕映さんたちを通して愛していただいているような」 あやかの心の扉が明らかに開き始めた、ならば後はこじ開けるだけ。「目をそらすなよ、あやか。いれるぞ、夕映。木乃香、刹那!」 さらにその先へと言わんばかりに、三つ並んだ美少女たちの愛液にまみれた敏感な穴に沿えた。 木乃香と刹那は指先で布地を避けて中指を、夕映には愛液まみれのむつきの一物を。 つぷりと、全く同時に同じ進度でゆっくり、数秒に一ミリ推し進める様に。 快楽にとろける夕映たちの表情が長く、長く続く様にゆっくりと推し進めていく。「ぁっ、ふぅん。一気にせん、もどか。ふぁっ!」「入って、うちの中に先生のゆ。せっちゃんのと全然ちがっ、太い。うちが広げられるえっ!」「このちゃんの華奢な指と、んぅ。はぁう、これが先生の指ぃ!」「皆さん、素晴らしい表情ですわ。愛と快楽がまじりあう、いやらしくも素敵なお顔」 数十秒をかけてようやく夕映の中に亀頭が埋まった頃、むつきの両中指は木乃香と刹那の処女膜に触れていた。「これが木乃香と刹那の処女膜だ。あんまり急に腰動かすなよ。手マンで破りたくないから」「擦ったらあかん、あかんえ。腰動いてまぅ」「ぁっ、ぁぅ。んくっ、は。うちの、お嬢様の処女膜が。弄ばれっ!」 指一本ぐらいなら処女膜の形によっては破れはしまいが。 二人とも網目状に塞がった処女膜だったりはしないようで、さらに奥に指は入りそうだ。 あまり触れると恐怖で二人の興奮が冷めてしまいそうなので、程々に終えて挿入を再開する。 じっくりと、それこそ美少女を快楽で弄るように、ちょっとむつき自身辛い所もあるが。 今はあやかが優先と言い聞かせ、自身の内に潜む性獣をてなづけながら三人の美少女を抉っていく。「先生、速くぁ。はっ、ぅぁ……激しくないのに、ぞくぞくして。駄目になるです」「うちの、もっと激しぃして良いから。変になってまう。変になってまうえ!」「このちゃん、うちも。指、先生の指。だめ、だめやえ!」 ゆっくりと押しせまる快楽に半狂乱になったように夕映たちが叫ぶ。 可能なら一思いにと、拷問でも受けているかのように。 何度彼女たちが駄目だと叫んだだろうか、何度一気に一思いにと懇願しただろうか。 辛うじて体を支える意志を持っていた腕は力を失い、全体重をあやかにかけてしまっている。 むつきからその表情は見えないが、あやかの一種羨ましそうな、安堵したような表情を見ればわかった。 完全に快楽の虜になった夕映たちは眠たげに眉を落としながら、その奥の瞳には光がある。 挿入による快楽が体を駆ける度に覚醒しては、瞬く間に光をぎりぎりまで失い耐えた。「ひぅ、ひゃぃ。おまん、痺れて先生。中に……」「ころされてまう、うち。先生に指で。んきゅぁ」「ひぃ、ぁっ。こんな、うちが。ぁぅぁっ、んぁ」 十分すぎるほどに、自分以外の女の子の痴態を前にあやかは納得しつつ折れるしかなかった。「先生、もう……夕映さん達を楽に。特に夕映さんの瞳が、中に出して欲しいと。先生自身も、どうか。我慢なさらないで」「おう、実は超辛かった。夕映の中、快感を得過ぎてすげえぴくぴく痙攣してるんだよ」 あやかのお願いもあってこの十数分をかけた挿入を終わらせる。 夕映で言えばあと一センチ分、さすがに木乃香や刹那の子宮口まで指は届かないが。 その一センチ分をとんっとわずか一秒未満で一気に奥へとたどり着かせた。 口元から涎さえあやかの胸にたらし、殆どの理性を投げ出した状態で体を打ちふるわせていた夕映の体がとんっと跳ねる。 子宮口を突かれ、そこが全身の器官が集中した場所の様に反応したのだ。「ひぃぁっ!」 途中で途切れる様な悲鳴は、即座にむつきが腰を退いて亀頭のカリで膣を引っ掻いたからだ。 木乃香と刹那は、抜き差しすると処女膜が危ないので深く挿入したまま、指先を曲げたり膣壁を擦ったりの連続である。「激しっ、ぁぅ。もう、お腹いっぱいです。無理、いつもと。おっきぃ!」「あかんえ、あかっ。ひぃ、ゆっくり。それもあかん!」「ぁっ、ぅぁ。壊れ、指一本でうちが壊れっ!」 延々と続く遅すぎる挿入から一転、むつきが夕映たちの中で激し過ぎるほどに暴れ出した。 あやかが察した通り、スローセックスを上回る遅さの挿入はむつきも精神を削っていたのだ。 一度それが解放されてしまえば、ほとんど暴走の二文字しか残されていない。 上半身が崩れ落ち、下半身まで崩れ落ちそうな夕映たちを一物と指で無理やりお尻を上げさせる。 お互いまだ満足していないだろうと、普段の愛優先のむつきのセックスとは対極的だ。 夕映は視界がブレる程にお尻を叩かれ奥を抉られ、その度に潤う愛液があやかのベッドを汚していく。 木乃香と刹那もそれは変わらず、くちゅくちゅといやらしい音を無理やり聞かされ、抵抗することもできない。 レズの経験はあるが、お互いに性に無知なのでこんな奥に指を入れたのも始めてだ。 だからむつきの指でさえ太く感じ、既に自分が処女喪失させられた錯覚さえあった。「先生、お速く。夕映さんたちが壊れてしまいますわ!」「ごめ、こんな。止まらない、夕映。もう少し、あと少し!」「壊れ、壊されるです。先生、先生ぇ!」「うちまだ処女やえ、先生の女やえ。せっちゃ、うちどっちぃ!」「女、先生の。このちゃん、二人同時に先生のぉ!」 一番冷静であろうあやかではあったが、夕映にのし掛かられ、さらにむつきが押し倒している。 できることと言えば、壊れると叫ぶ夕映を両腕を使って抱きしめるだけだ。 しかし抱き寄せれば抱き寄せるほど、彼女たちにふりかかるむつきの攻めが感じられた。 むつきが腰をぶつける度に、キスできるぐらいの距離に夕映のとろけ顔が近づいて来る。 むつきが指先を駆使して木乃香と刹那の膣を愛撫するたび、悦びに打ち震える体の震えが伝わった。 同時に、それだけむつきの中に普段なかなか見せてくれない性欲という獣がいたことも。「夕映、そろそろ。出すぞ、中に出すぞ!」「はやぐぅ、出して。孕ませてくださいです。私が壊れる前にぃ!」「息、激し過ぎて。いぎ、はぅはっ」「うちとこのちゃんにも、先生の子種ぇ!」 ごんっと聞こえそうな程に夕映の体がせり上がり、その唇があやかの唇と触れ合った。 そして謎の一定間隔と共に、夕映の体がどくんどくんっと震える。「夕映っ!」「ぁっ、あんぐぅ!」 さすがにちょっと耳が痛いと、あやかが唇を唇で塞ぎ、夕映の体を流れる衝動を受け止める。 もちろんそんなことは不可能ではあったが、少しは気持ちが伝わったらしい。 助けを求める様に夕映もあやかを抱きしめ、涙をこぼしながら口づけあう。 一際大きくベッドが沈んでは悲鳴のように軋みをあげ、四人纏めて沈み込んだ。 そして夕映が子宮で射精を受け止めると同時に、より深く膣に指が埋められ解放された。 二人では太すぎる指が抜かれ膣内を占める圧迫からの解放に、気が解放されていく。 目の前が真っ白になってしまう前にと二人は手を伸ばし合い、主に刹那が木乃香を引っ張った。 言葉なく一緒にとでも言うように、口づけあいながらその白い光へと飛び込んでいく。「うっ、はあ……ぐぅ、ぁ。ふぁ……」 夕映の子宮口に亀頭を何度もこすりつけ、やがてむつきが大きく息を吐いた。 ベッドに尻もちをつくと、折り重なりあっていた夕映たちもまた大きく息を吐く。 恐らくはむつきのやりきった感のあるそれとは違い、ようやく解放されたという意味合いであろうが。 普段の感じる愛されたという満足感はやや少なく、快楽の残り火と倦怠感が強すぎた。「だ、大丈夫か夕映? 木乃香と刹那も、ちょっと強すぎたかもしれん」 息も絶え絶え、むつきがそんな言葉を絞り出したが、応えられる者はまだいない。 彼女たちがなんとか会話できるだけ、息を整えられたのは数分後であった。「し、死ぬかと思ったです。淫乱な我々を見せつけるという策が、吹き飛んだですよ」「ええっと、それは重々感じられはしたのですが……」「せっちゃん、うち両足ある? 大事なとこ、ついとる? 痺れてわからへん」「ちゃんとあります。私も、下半身の感覚がほどんどないですけど。でも、その分は」 整えたそばからぜえぜえと夕映や木乃香が息をつく中、気持ち良かったと刹那が満足げだ。「ちょっとすみません、みなさん。体をよろしいでしょうか?」「おや、これは失礼。委員長の胸は安らぐので、もう少し枕にしていたかったのですが」 口にこそださなかったが三人は重かろうと、夕映を始め、木乃香や刹那が脇にどいた。 ようやく解放されたと軽く体を動かしたあやかは、あぐらをかくむつきの前に正座で進み出た。「先生、私一人が特別淫乱ではないと。理解はしました。むしろ先生が……」「俺もびっくりだよ」 あぐらをかいた足の間から、俺はここだと言いたげにそそり立つむつきの一物。 あれだけ夕映の中に射精したのにまだまだ硬度は健在である。 むりろ先生がと言った頬を染めたあやかの視線はもちろん、白濁まみれのそいつに注がれていた。 むしろなんてたくましいと、惚れ直したような笑みさえ浮かべている。「おセックスの最中に私が豹変しても、それも私。特別恥じ入って逃げ出すことは、もうしませんわ。ですから先生も、我慢せずに私を求めてくださいますか?」「え、俺?」「それは私も思いました」 一体何のことと、聞き返す前に夕映があやかの言葉に同調していた。「超さんのせいもあって、先生の性欲が人一倍だと知ってはいたのですが。これほど強いものを内に抱えているとは思いも寄らなかったです」「あー、それはうちも分かるえ。この前も、恥ずかしいこと一杯させられたけど。もうちょい、労わられとったえ。大事に、大事にされたえ」「このちゃんの言う通り。これほど体力を消耗するまで求められはしなかったですね」「本当、ごめん。次はちゃんとセーブするよ。ほら、やっぱ男と女で体力違うし」 当然のことながら、そんなむつきのセリフは四人の乙女をむっと怒らせるだけであった。「そうではありませんわ。むしろ全力で求めてください。この雪広あやか、蝶よ花よと愛でられるだけの女性ではありませんわ。殿方の、愛する人の欲求ぐらいきっちりこの自慢の体で受け止めて見せますわ」「先生が優しいのは先刻承知ですが、愛されることに対して手加減されるのは女性としてのプライドが傷つきます。これだけ抱いておいて、今更子ども扱いですか?」「うぐ、言葉もありません。でもさ、ほら。刹那はまだ余裕ありそうだけど、夕映と木乃香はへろへろじゃん。お前たちの気持ちは分かった。だが、段階を踏ませてくれ。マジで壊れられたら、俺が泣く」 実際、夕映と木乃香はベッドから起き上がれず、ころころ転がっている。 あやかは結局そのむつきの暴走をわが身で受けていないだけで、刹那もまだ腰がぷるぷるしていた。 今までむつきの全力を受け止められたのは、葛葉にアタナシア、それから千草だろうか。 なんだか彼女たちは成熟した女性の中でも一際という気もするが。「それでは、不肖雪広あやか。先生の愛を全力で受け止めさせていただきますわ」「おい、ちょっと待て」 これ以上言うなら、行動で示すまでとあやかがむつきの目の前にやってきた。 この自慢のプロポーションをと腰に手を当てモデル立ちし、むつきのあぐらの上に腰を下ろしていく。 愛する男と同じ仲間の痴態をこれでもかと見せつけられ、準備は万端。 髪と同じ色の陰毛に隠れた秘書から甘い蜜がとろり零れ、金色の陰毛と混ざり本当に蜂蜜のよう。 本当にこんな非の打ち所がない美少女に惚れられて良いのか、返って自身がなくなりそうだ。 けれど惚れて、惚れられた以上はと両腕を広げて、あやかを受け入れようとした時である。「あっ、ごめん委員長。始める前に、一つええ? うち、先生に謝っときたいことあるえ」 ベッドの上でふらふら起き上がろうとしていた木乃香に待ったをかけられた。「なんだ、改まって木乃香。とりあえず、あやかはここに座れ」「うぅ、仕方ありませんわ。良い女は我慢のしどころを心得るもの。木乃香さん、お譲りしますわ」「このちゃん、危ないからつかまって」 あぐらの上にあやかを背中から座らせ、抱きしめる。 その間に隣に座り直した刹那が、ふらついていた木乃香を支えた。 ちなみに夕映は起き上がることを諦めており、まだころころ転がっている。「あんな、うちな。先生のことは好きやえ。何時も明日菜とか、皆のことで一生懸命頑張って。恰好ええと思うし、尊敬もしとる。けど、ほんまはラブやのうて、ライクなんや」「え、だってこのちゃん。私と一緒に先生の子供って」「その言葉は嘘やない。嘘やないけど……」 直ぐにでもセックスしたがったあやかを一旦止めたのは、好判断だったかもしれない。「刹那が俺に好意を抱き始めていたし、学園長のお見合いにも嫌気がさしていた。俺の恋人になれば、刹那とずっと一緒だし、お見合いを断るのも罪悪感を感じなくて良いとか?」「う、先生気づいとったん?」「いや、話の流れ的にそんな感じかなと。でも、なんで今それを?」 木乃香がまだどういうつもりかは不明だが。 結局のところ、木乃香の気持ちがライクであっても別にむつきは構わなかった。 それこそお見合い結婚だってライク以前から始まることがあるのだ。 刹那と共に体を重ね合わせて行けばいずれライクがラブに化けることは十分ありうる。 むしろ、それでもライクだと言われたら、ラブになるまで溺れさせてやるぐらいの気概はあった。「委員長と夕映な。あんなに激しく、先生に求められることをあっさりOKしたやん。うちは正直、ちょい怖いと思った。気持ち良すぎて、ふわふわして心が流されてしまいそうで」「全く怖くないと聞かれると、決してイエスではないのですが」「ですわね。私はまだそこまで求められてはいませんが、なにしろ淫乱ですから」 その差こそが大きいと、木乃香はちらりと支えてくれている刹那を見た。「私も、怖くないわけではないですが。先生が求めてくださるのであれば……」 やっぱりと、怖さだけを感じその先に求められる幸福を感じた皆と違うと木乃香がしゅんとする。 そんな木乃香を前に、黙っているむつきではない。 膝の上にいたあやかに一言断りをいれでどいてもらい、目の前にいた木乃香を抱き寄せた。「ごめんな、怖い思いさせて。考えてみれば、木乃香とはまだプライベートなスキンシップが足りなかったみたいだ。刹那とは相談だったり、色々あったし」 怖くないよと、抱き寄せた木乃香の髪を梳きながらぽんぽんと安心させるように背中を叩いた。 木乃香をひかげ荘に連れて来たのは刹那で、当初その意味を知らなかった。 一緒にいたいという刹那の思いに応え、受け身な考えでむつきの嫁になろうとしたのだ。 もちろんそれは木乃香の意志だが、切っ掛けから全て受け身であることが多かった。 刹那の積極性が足りないと、むしろ率先して動いていたのは反動故にか。 だがそれと同時に木乃香の言う通り副担任として、頼れる身近な男性として好きだったかもしれない。 ぼんやりとした好きのまま、行くところまで行ってしまい怖いと思っても仕方がない。「先生、ごめんな。ごめんな」「全然気にしてない。そうだな、今度ちょっとデートでもするか。刹那も一緒なら、いくらでもごまかせる。ボディーガードって普段なにしてるのか、把握しておきたいとか。てきとうに」「過剰なスキンシップさえ、しなければ。先生はそもそも、のどかとデートしてますし。学園長を巻き込んで、違いますよと宣言したうえでですが」「なるほど、建前や。そもそも二人きりでさえなければ、良いのですわね」 夕映やあやかの助言もあり、それなら決まりと最後にもう一度だけぽんと木乃香の背中を叩いた。 抱き付いている木乃香をべりっと引き離し、まだ流れている涙をちゅっと唇で吸い上げる。 照れ照れと照れた木乃香を、刹那に手渡し、むつきはベッドの上に仰向けで転がった。 まだコロコロ転がっていた夕映を抱き寄せ、抱き合う刹那と木乃香を手招く。「あいつらが、寮に宿題とってくるまで。三十分もないかもしれないけど。イチャイチャするぞ。あやかは、エッチするかどっちにする?」「当然、おセックスですわ。私のベッドでは、そんなに両脇空いていませんし」 右隣は夕映が、左隣は抱き合う木乃香と刹那でいっぱい。 となれば、あやかは必然的にむつきの上。 合体するかどうかは好みとしかいいようはないが、あやかは合体したいらしい。「先生、愛してるです。腰が回復したら、今一度お願いするです」「俺も愛してるぞ、夕映。木乃香も、キスぐらいなら良いだろ?」「恥ずかしいから、せっちゃんも一緒に」「はい、このちゃん。先生、好きです」 寄り添いあってキスを繰り返すのはよいが、忘れ去られそうなあやかは頬を膨らませていた。 だったら実力行使だと、むつきの一物に手を添え、自分で腰を下ろして咥えこんだ。 上半身は夕映たちとプラトニックに愛を囁き合い、下半身はあやかとフィジカルに性欲にぶつけあう。「んぅ、あはぁ……確かに、普段よりも大きい。あんっ」「あやか、好きなだけ乱れて良いから。可愛いあやかを、一杯見せてくれ」「はい、先生」 どこかすっきりとした笑顔を見せながら、あやかは乱れることを肯定的に受け止めたようだった。-後書き-ども、えなりんです。あやかの特訓アンド激しいの解禁。激しくして良いのよと言われたら、せざるを得ませんね(ゲス顔まあ、私がそこまで書けるかは不明ですが。あと、木乃香の気持ちをちょちょっと書きました。実はこの子、そんなにむつきとの絆なかったりします。刹那が好きだし、嫌いじゃないし一緒にいられるからと消極的理由(?)その辺りは今後、少しずつですね。第二部の夏休み編は百話で終了なわけです。エッチ回は残り一回、超の回です……が 、次回は椎名や古のあれこれ。来週の土曜日です。